二次キャラ聖杯戦争OZ EFFECTIVE EARTH   作:yu sato

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登場キャラクター
ジョセフ・ジョースター&アーチャー(エンタープライズ)
ユウキ&セイバー(坂田銀時)

場所
C-4(高層マンション(ジョセフの拠点))

時間
未明

作者
◆K2cqSEb6HU


002 スタート直後は大概チュートリアル ジョセフ・ジョースター&アーチャー(エンタープライズ) ユウキ&セイバー(坂田銀時)

 地区はC-4。セントラル・ステーションの近場に構えるタワーマンション。

 

『…………。』

 

 マンションの屋上。霊体化したエンタープライズは、周辺状況の監視を行っていた。

突如として引き起ったビッグアイ屋上の爆発を皮切りに、各地で多発したガラクシアの暴動。

事態は防衛隊が出動する程の騒動に発展し、パレードを楽しんでいた民衆も突然の事に混乱を極めている。

尤も、正しい判断ならば、後にパレードも中止・解散となると考えられるので、何事もなければ、事態も引くと見通していた。

 

 

 当陣営というと、静観の姿勢であった。

この一連の騒動は、「示威運動(デモンストレーション)ではないか」という見解であった。

暴動が起きた場所は都市にとって主要なものとは言えず、人質を取るならまだしも行動自体に何の意味もない。

あまりに本格的な行動と感じられず、それまでの自爆テロの傾向を踏まえ、示威の類と見るのが妥当と思われた。

故に今回の暴動に関しても、"防衛隊の者に任せる"の総意で一致し、状況を静観しているのである。

 

『……他の者は来ていないようだな。』

 

 周辺を監視している理由は、間近に見える距離に聳え立つビッグアイにもあった。

これほどのアクシデントともなれば、関心を抱いた他陣営がビルの下に集まるという可能性も否めない。

そうなれば、同C-4地区下に居る当陣営とも接触に発展することも十分あり得るのであった。

 

 

 この同盟は、元から今夜は「行動しない」と決めていた。

「急いては事を仕損じる」というように、無暗矢鱈に動くことが良策と言えないからだ。

行く宛はないわけでもないが、わざわざ初日の未明や早朝にまで行くほどのものはなかったである。

一方で都市の中心部にある以上、逆に他陣営が来る可能性についてはある程度想定している。

他陣営を知る機会も兼ね、不利を悟って戦略的撤退に及ぶまでは、一先ずここを動かないつもりであった。

 

 

 何にしても、今しばらくは状況を様子見する姿勢。

今日は一夜を明かすとし、理想としては本格的な行動開始を午前8時以降と決めていたのである。

 

『一先ずは、問題ないか。』

 

 少なくとも、今の時間はまだ誰もこの地区には足を踏み入れていないと捉える。

エンタープライズも監視を終えると、主人達のいる部屋に向かい、屋上を通り抜けて中へと入った。

 

 

☆   ☆   ☆

 

 

 このマンションは、彼らの拠点の一つであった。

ここはジョースター不動産の管理下に置かれた建築物であり、その一室を所有している。

なお、彼らは用意した各地の拠点を転々と利用する予定なため、ここは半ば宿泊施設のような扱い。

 

 

「ギンてめえ!どういうことだッ!!」

 

 エンタープライズが実体化して着いたのはマスターの声のする一階の部屋。

 

「なんでこいつが通らねーんだッ。ドロー2の後にドロー4!何の問題なくいけるじゃあねえかーーーーッ」

「違いますうぅ~。ドロー2の後にドロー4出すのはルール違反なんですぅー。ドロー2しか出せないんですぅ~~。」

「にゃにおぉ~~~~!?」

 

 テーブルではジョセフと銀時の二人はUNOをしていた。

トーンは違うが、似たような声の二人が、UNOをするというシュールな光景であった。

銀時のマスターであるユウキは彼らのプレイに構いなしとエンタープライズの方を向き直った。

 

「あっ、おかえり!どうだった?」

「ああ、ただいま。敵はいなかったよ。」

 

 親しげにユウキと接するエンタープライズ。 

 

 ユウキ達とは開始前から同盟を組んでいたのである。

ロールはハンターであるユウキ側にとって、本来ならば接点に乏しい陣営だった。

ただ、きっかけは一ヶ月前。"ユウキ宅がガラクシア派の自爆に巻き込まれる"というアクシデントに見舞われたこと。

(マスター特権で)代居を貰おうとジョースター不動産に足を踏み入れたことで以降、現在に至る。

 

「マスター達もいつまでゲームをやっているだ。これから方針会議なんだぞ。」

「今、片付けようって決めてたんだよッ!」

 

 エンタープライズはジョセフと銀時へ注意を促した。

会議を始めようかという矢先に、ビッグアイの爆発が起きたため、中断された。

いないと分かればこの二名は放り出して遊び惚けてしまうので、世話の焼ける相手だった。

 

「まったく戦争は開始しているのだぞ。君達はいつまで気を抜けているんだ。」

「俺は別に気なんか緩んでねえぜ?ギンじゃああるまいに。」

「あァン?ジョジョテメー、何言い逃れようとしてんの?先にUNOやろうぜって言ってきたのはそっちだろか。」

 

 溜息を吐く、エンタープライズ。

二人とも不真面目なため、聖杯戦争そっちのけでやり始める。

その点、"遊び呆けたやつだ"とエンタープライズも冷ややかな目を向けていた。

 

「……いいから、始めるぞ。」

 

 エンタープライズはそう言いながら、ホワイトボードをテーブルの前に動かした。

 

 

☆   ☆   ☆

 

 

 パラディウム・シティの地図を磁石で挟まれたホワイトボード。

会議の進行役として、ホワイトボードの前に立つのはエンタープライズ。

他三名は、ホワイトボードに視点を置き、テーブルに腰掛ける形となっている。

ユウキは意欲的に見ているが、銀時はやる気なさげに鼻をほじっていた。

ジョセフも頬杖で見ている。ジョセフの横席には紙が挟まれたバインダーファイルが置かれていた。

 

「まず、当面の方針は、"聖杯戦争終結の為の同盟を結成させる"ことだ。」

 

 エンタープライズはホワイトボードにも同様のことを書く。

 

「聖杯戦争を解決しないことには、主催側との本格的な対立には進めない。」

 

 "黒幕の打倒"に当たるのが、ジョセフ達の目的。

しかし、主催にばかり目を向けたところで、動きを見せるわけもなく、他参加者を無視したところで、戦うのは必然。

まずは、聖杯戦争という本題をある程度解決し、主催側の動きを見せないことには、段階に入れないのである。

 

「とはいえ、武力行使だけで戦争が解決できるとは限らない。

極力だが、私達の手で他陣営との交渉を行っていき、同盟を形成しようと思う。」

 

 ジョセフ側の考えとしては、「同盟を形成する」ということに至った。

「武力だけで、戦争は解決できるとは限らない」ことは、多くの戦いを経験したエンタープライズ自身がよく知っている。

交渉を取り、和平による停戦協定を結ぶ。そうした選択にこそ、時に戦争解決に繋がるわけだ。

 

「同盟って仲間を増やすの?」

「いや、仲間ではない。"聖杯の所存を決める"という目的に一致する同盟だ。」

 

 ユウキは仲間かと疑問に感じたが、まだ仲間という気はなかった。

同盟とは一重に仲間を指すわけではない、"利害が一致から協力する"ことを同盟と呼ぶのである。

ジョセフ側とユウキ側は仲間という括りに入るものの、仲間として見るのは個人と場合次第なわけだ。

 

 あくまで、当陣営における聖杯戦争の立ち位置は、「中立」であった。

戦うときは戦うが、戦わない時は戦わない。協力する時は協力するが、関与しない事は関与しない。

聖杯の所存も、"人と願いの結果次第"で他者に委ねることも基本的に構わないとしている。

咎めるべき「悪」と「害」さえ無ければ、個人的であれ、世界的であれ、あまり関与する必要はないからだ。

 

「10組や20組ならともかく、数は31組とあまりに多い。

さらに今後『ガラクシア』といったイレギュラーまで戦う必要はあるだろう。

そんな中、互いに何の決まりもない状態が続けば、まず事態は進展しない可能性も高い。」

「いつまでも戦い続けてもラチがあかねーぜ。」

 

 同盟の理由には、「埒が明かなくなる」という点もある。

戦うならいざ知らず、29組をまともに相手するというのは途方もない話だ。

千日手に陥るのは、自分達だけではなく、参加者の誰にとってもメリットになり得ない。

 

「だからこそ、事態の進展の為にも折り合いを付けたい。

"聖杯の所存を決める"という目的の下に一致する同盟なのだ。」

「なるほど~。」

 

 ユウキも同盟の在り方に納得した様子であった。

 

「二人もそれでいいだろうか?」

「うん!それがいいね。」

「まっ、面倒少なくていいからな。賛成だわ。」

「決まりだな。」

 

 エンタープライズの問い掛けに、ユウキと銀時も方針に賛同し、ジョセフも確定と見た。

ユウキ達も最後まで戦うことが望みであり、何より考えの在り方と一致していた。

 

「ただ重要なのは、"聖杯を求める者達の決着はある程度の段階であること"と、

"聖杯を求めない者達の令呪破棄は最終であること"だ。

タイミングを見誤ってしまえば、それが付け入られる隙になってしまうからな。」

 

 エンタープライズは付け加えて、"タイミング"を重要点として挙げた。

前者であれ、後者であれ、まずは同盟外の敵を倒すことが肝心となる。

相手にもその認識を持ってもらうことが、重要だと考えていた。

 

 

☆   ☆   ☆

 

 

「そのためにも、まず初めに「他陣営の把握」をする必要がある。」

 

 ホワイトボードを消し、改めて同様のことを書いた。

 

「そうは言うけどよ~、手掛かりあんのか?

この広い都市の中で、どうやって他所をみつけていくってんだ?」

 

 銀時は、気だるい風に指摘する。

他陣営がどこ集まっているのか、目星がないことには動けない。

 

「バッチし……とまでは言えねーが、ヒントになるものならここにあるぜ。」

 

 そうしてジョセフはバインダーファイルを銀時に渡す。ユウキも横見した。

それはちょうど、約一ヶ月半前。ジョセフやユウキが来た日から近日に至るが記載されている

プリントには「氏名」「登録形態」「電話番号」と情報が羅列して記載した表であった。

 

「えっと、何これ?」

「それは、マスター達が来た時期に引っ越してきた者達をピックアップした顧客名簿だ。」

 

 ジョセフやユウキを含め、マスターは基本的に「移住者」という設定で進んでいた。

支給された住居の中には「ジョースター不動産の管理に置かれている物件に引っ越した」という例も少なくない。

マスターであることを裏付ける証拠もないため、情報源としては今一つ確証に欠けるが、ヒントに結びつくものとなっていた。

 

「そして、これは開始前からの調査でわかったことだが……スクール街に複数のサーヴァントの反応が確認されていた。」

 

 エンタープライズはホワイトボードに「スクール街」と書いた。

 

「出没の時間帯は、日中。密度の濃かった場所は、『アカデミー』や『月海原学園』だった。」

 

 ホワイトボードに挟まれたマップ、『アカデミー』と『月海原学園』に赤丸を入れる。

エンタープライズにも「千里眼」に相当する効果を有しており、標的の捕捉には優れている。

加えて、両校では特に複数の陣営が密集していたことも相俟ってか、かなり存在感の高い地域となっていたのである。

 

「……ってことは、もしかして、マスターは"学生のロール"に多いってこと?」

「ああ、そうさ。サーヴァントの反応も、学生達の登下校に伴い、離散していた。

つまりは、学校関係者よりも"学生"に多いということだ。」

 

 ユウキも名簿を見直すと、登録形態が"学生"の欄に黄色のマーカーペンで引かれていることに気付く。

 

「情報の傾向によると、マークライト街、スクール街、ストランド街などに見られる。」

 

 エンタープライズも「スクール街」に加え、「マークライト街」、「ストランド街」と書いていく。

 

「特にその中でも多いのはマークライト街、さらに絞るなら……"B-3"から"C-3"だ。」

 

 「マークライト街」に〇を囲み、下にB-3とC-3と書いていく。

スクール街やストランド街には住宅もあるものの、住居としては元より住宅街のマークライト街の方が多い。

また、マークライト街でもB-2やC-2になると物件は少なくなり、有力視から外されることとなった。

 

「こいつは割と絞られたもんじゃねーの。」

 

 銀時も答えに納得した様子を見せる。

行き先が決まり、範囲も絞られた。

 

「では、まずマークライト街からの調査から始めよう」

 

 

☆   ☆   ☆

 

 

「……ちょうどいい機会だ。マークライト街の調査と並行して、『美紗里』にも向かうとしよう。」

 

 エンタープライズは美紗里に赤い丸を入れる。

 

「行かなかったの?今まで」

「……ああ、行かなかったぜ。「俺ら」はな。」

 

 開始前中に、ジョセフ達が美紗里に行くことはなかった。

ジョセフ達もその時は他にする事もあったため、本格的な開始まで後回しにしていたからである。

そのため、『ミザリィ』はここに来てから一度も会うこともなく、

どういう相手で、どういう考えでいるのか、またどういうポジションなのか、具体的な見解には至っていなかった。

 

「えっ?「俺ら」って……。」

「……随分前に一度、同盟を申し込まれた相手がいた。彼らは『ミザリィ』を殺すためとな。

私達は断ったので、その件には関わってないのだが。結果は、返り討ちにされたようだ……。」

「馬鹿な奴らだぜ、まったく……。」

 

 まだ、来てからそれほど経たない時期の事。

同盟の一人として、ジョセフにも話を持ちかけられていたことがあった。

確かに『ミザリィ』を肯定的には見てはいないが、仮にも相手は女性。

当初のジョセフ達は、彼らの考えや方向性に反対し、破談。

その翌日。知り合いから耳にした黒い噂では、"死体に上がった"というものだという。

 

 相手にも殺意があった以上、「正当防衛」でもあり、ジョセフ達もそれだけで非難する気はなれない。

だが、問題は、敵を殺害したまま野放しにする、その"冷酷さ"が『ミザリィ』に潜んでいることであった。

それを見て、あまり見過ごしてはいられず、"要注意"とだけは認識していた。

 

「それに、君達も自分の目で確かめないことにはわからないだろう。……それとも、君達の方は既に会っているのか?」

「ううん。そもそも、マークライト街にも行ったことないし。」

「めんどくせーしよ。つーかわかんねーけど、案内人だろ?あんま敵っていえなくね?」

「敵ではないだろうが、中立かもしれない。場合によっては敵対する展開も否めないものだ。」

 

 ユウキ達も美紗里には行ってはいない。

客観的に見ると、さほど対立するような関係でもないからである。

銀時は納得がいかない様子に対し、エンタープライズは"場合によっては敵対もあり得る"という見方を示した。

 

「ともかく。現状優先する事でないが、『ミザリィ』との接触も予定として入れるぞ。」

 

 マークライト街の調査に続き、美紗里への訪店も予定に加えた。

 

「……それと、『ミザリィ』が有するサーヴァントの話だが、連中の情報から察すると、片方は『狼王ロボ』のようだ。」

「狼王ロボ?何そのアトムにでも出てそうな奴?」

「いや、ロボットじゃないぞ。セイバー。ロボという名前の狼だ。」

 

 サーヴァントとして『狼王ロボ』を持っていることを、エンタープライズも付け加えた。

聴いた銀時はそれを"狼王と名乗るロボット"として見て、ツッコミが入れられる。

 

「えーと、確か、あれだよね?「シートン動物記」の一巻で書かれていた狼の事だったけ?」

「ああ、その「狼王ロボ」のことさ。君は知っているのだな。」

「へっへー!これでもボクは読書家だからねっ!」

 

 自信満々にそう答えるユウキ。

 

 『狼王ロボ』

「シートン動物記」にて語り継がれる狼。『ミザリィ』が所持しているとされるサーヴァントの一体であった。実際のクラスおよび姿までは未確認。

 

「で、もう片方は手伝いをしてた子、アビーがサーヴァントだよね。」

 

 ユウキも出会った当初から紹介された真名を思い出す。

 

「アビー。『アビゲイル・ウィリアムズ』。

アメリカじゃあ、別に珍しくもなんともねえ名前なもんで、俺もそのまま聞き流していたワケだけどよォ。

やっぱし、あの『アビゲイル・ウィリアムズ』になるのよねェ~~?「セイレム」っつうところのさ。」

「17世紀末。マサチューセッツ州セイレム村で起きた「魔女裁判事件」。

事件で最初の告発者として記されている少女が、『アビゲイル・ウィリアムズ』だ。」

 

 フォローとしてエンタープライズが簡易的な解説を入れる。

 

 『アビゲイル・ウィリアムズ』

「魔女裁判事件」で知られる少女。『ミザリィ』が所持しているとされるサーヴァントの一体であった。実際のクラスは不明。

アメリカ出身であるジョセフもその名前にピンときていた。

 

「ったくサーヴァントが二体いるなんて贅沢な話だねェ~。これも主催特権ってヤツかい。」

「どうだろうか……。意味があるとも見えなくもないが。」

 

 嫌味に捉える銀時に対し、エンタープライズはどこか二体に必要とする意味があるように捉えていた。

 

「悪趣味っつーか、ヘンな組み合わせっつーかさ。「ただ身を守るためにいる」って感じのサーヴァントじゃあねえよな。」

「言われてみれば、変わったチョイスだね。」

 

 ジョセフとユウキがふと抱いた疑問。

そのチョイスには、何かの「裏」があるということ。

『狼王ロボ』と『アビゲイル・ウィリアムズ』。それは「何のためにいる」サーヴァントなのか、ちょっとした疑問があった。

 

 

☆   ☆   ☆

 

 

「さて、これまでで収集した情報も整理するとしよう。」

 

 エンタープライズはホワイトボードから地図を一旦外すと、プリントアウトされた3種のドローンの画像を貼り付けた。

 

「まずは、ドローンの存在だ。」

 

 横から「小型の羽ばたき型ドローン」、「武器が備わった大型の羽ばたき型ドローン」、「四輪走行する箱型の兵器」であった。

 

「これってこの世界のものじゃないの?」

「いや、これらはこの世界で一般的に普及されたものではない。我々が来た同時期に普及されたものだ。

微量ながら魔力も確認できた。」

 

 目にすることの多かっただけあり、ユウキも「この世界のもの」として見ていたが、違う。

実際は何らかのサーヴァントの手が掛かったものであり、道具作成もしくは宝具などによって製造された類であった。

 

「そして、ドローンはこの期間中で急速に増加していた。今は都市内の殆どの地区にまで及んでいることだろう。

目に付く限りは破壊してきたが、私達の動向や存在はドローンを通して相手に監視されている可能性は高い。」

「全然、知らなかった……。」

 

 ドローンは増加しているということはエンタープライズも確認していることであった。

その規模は、把握した限り、都市の殆どの地区にまで広まっていると見ている。

また、ドローンである以上、カメラとモニターを通じ、監視するというのも不可能ではない。

エンタープライズも、ドローンから監視されている状況に用心を抱いていた。

 

 まじまじとドローンの写真を見ているとユウキも、どこかドローンへの心当たりを感じた。

 

「うん?これどっか見たことあるような……?あっ、そうだ!『二階堂ルイ』!」

 

 ユウキはそうして自分の端末をセットし、映像が照らし出した。

空中タッチパネルの画面には、『二階堂ルイ』なるアイドルの特集ページが記載。

ルイの写真には、彼女を警護するかのように飛び回るタイプのドローンが映っていた。

 

「『二階堂ルイ』か。都市の中でも、獣人のアイドルとして脚光を浴びている者のようだな。

確かに、ドローンは彼女を守るように配備されている。彼女のサーヴァントの可能性は高い。」

「そいつも俺達とちょうど同じ時期に来たんだとよ。」

 

 エンタープライズもニュースから、ルイの存在は知っていた。

銀時がアイドル事情に詳しいNPCから聴いた話では、ほぼマスターに違いないという。

 

「動画なんかまであるみてーだな。」

 

 ジョセフを端末を弄って「ラプラス」を開き、二階堂ルイのチャンネル動画の、目に付く適当な動画を再生する。

新規層に「『二階堂ルイ』という人物はどういったものか」を公表し、ファンを得ようとする系のトーク動画であった。

彼女のトイプードルな容姿も相俟って、一見すると、可憐というべきか、愛嬌のある面が映されていた。

 

「あら、またカワイコちゃんなのね。ふゥ~~ん?」

 

 マスコットキャラとして軽く褒めるジョセフ。

ただ、言葉と裏腹に、ジョセフの目にはルイの姿がどこか"あざとい"というか、「良く魅せようとしている」が魂胆あると映った。

別におかしなことではない。世の中には「周囲に気に入られ、自分を満たそうとする女性」もいるだろうとジョセフもわかっている。

だから、内心では素直に取り入れる気はないものの、特にそれ以上も考えるのを止め、流すこととしていた。

 

「……ライブをするみたいだ。」

「ライブ、だってェ?」

 

 エンタープライズの目に留まったのは、ルイの「ライブの告知動画」であった。

「ライブ」という行動自体が、ジョセフは疑いを覚えた。

 

「……どう考えても、わざわざ「開始後」になってやることじゃあねえよなァ~~~。

それは「どうぞ狙ってください」っていってるようなもんだぜ?」

「言われてみれば、何かおかしいような?」

 

 ジョセフの見解に、聴いて違和感に気付き始めるユウキ。

表舞台に出るということは、狙われるリスクも高くなる危険行為であり、まず得策とは言えない。

単純に自己顕示の為ならば、いくらでも時間のあった筈の「開始前」に済ませておくべきなのが、賢明な判断である。

 

「逆に考えるならば、こういうことだ。

「開始後でなければならないこと」を「狙われることになろうとも構わずにやる」。「5000人の観客」を使ってな。」

 

 逆の発想。

「開始前」ではダメであり、「開始後」でなければならないこと。

表舞台に出ても、なお自陣にとってリターンがある話が「裏」に潜んでいるということ。

そして、その手段こそ「観客5000人」に掛かっているにあった。

 

 それが行き着く考えとは何か。

 

「……魂喰いか。」

 

 エンタープライズが答えの仮定を唱えた。

"開始前のサーヴァントによるNPCへ魂食いをし、結果死に至らしめた場合は強制退場"というルールがある。

それを踏まえた上で、魂食いという仮定で結び付けると、開始後にライブを開こうとする真意が見えてきた。

 

「ルイちゃんはともかくとして、裏で許可をしているサーヴァントは怪しいと思うぜ。

図々しく武装付きのドローンを放っておいて、今でもコソコソと監視してる様な奴だからよ。ロクな奴なワケがねえ。」

「魂喰いともなれば、ルイ個人の判断よりもサーヴァントの意向も大きいだろうな。」

 

 ルイのサーヴァントが怪しいと睨むジョセフ。

この事態をルイが良いように利用されているのではないか、という点もあるとエンタープライズも判断した。

 

「一ヶ月半弱も待ってやることが生贄ショーってか?やることがアイドルライブつーかデスメタルじゃねーのコレ。」

「応援してくれるファンのみんなを利用するって許せないよ……。」

 

 銀時とユウキもまた肯定的に捉えていなかった。

銀時は行動に呆れを芽生え、ユウキは行動に憤りを感じつつあった。

 

「なんにせよ、化けの皮を剥いでみきゃわからねえ話だ。一体どーいう了見でライブなんかやるのかってよ。」

「二階堂ルイの陣営を見極める。これはライブが始動するよりも先に済ませておく必要があるな。」

 

 ドローンの写真を外し、ホワイトボードに書くこととした。

当初の警戒すべき相手から、「やがては倒すべき敵」と認識を切り替えることとした。

 

「日中にまた彼女側とのアポイントメントを取り、予定を決める。」

「何?ここでもアポゥを取らねーとダメなの?ったく、最近の聖杯戦争も手続きが面倒で、フットワークの悪い時代だねェ。」

「はぁ?アポゥ~?……どうしてそこでリンゴが出てくるワケェ?」

 

 接触に面倒な点に、銀時も愚痴を零す。

なお、語のギャップ故か、ジョセフにはそのボケがわからなかった。

 

 

☆   ☆   ☆

 

 

「ユウキ達も情報があるなら聴かせてほしい。」

「ボク達も、マスターの存在についてちょっとだけ聴いてきたよ。」

 

 "名簿にはないかも"、とバインダーを指して語るユウキ。

ユウキ達も開始前までは仕事と並行し、ハンター達やハンターとも親しい防衛隊の隊員からも聞き込みを続けていた。

 

「っても、いることぐらいしか突き止められなかったけどな。微妙なもんばっかだぞ。」

「今はいるって情報だけでも十分さ。深堀りについては今後、考えればいい。」

 

 内容は少ないという銀時だが、エンタープライズはそれで了承した。

 

「まず、ハンターだけど。『キロランケ』って人かな。

あんまりに会わなかったんだけど、聴いた話では悪い人じゃないって感じだね。」

 

 『キロランケ』

表向きは自然区域で主に狩猟および採集活動し、収益所などでも売買していたという。

ユウキ達とは畑違い故に直接的な接触には恵まれず、どういった陣営かは未だ不明。

 

「次は、『千翼』って人。防衛隊の一員……だったみたいなんだけど、

いなくなったからどういう人かはみんなわかんないって。」

 

 『千翼』

防衛隊のロールを与えられていたのだが、早々に放棄したという。

聴いた人達の限りでは行方不明扱いとなっており、どこで何をしているかは誰も知らなかった。

 

「えっと、それから……」

「『エドワード・エルリック』か?」

 

 ユウキが言うよりも先にエンタープライズが言い当てた。

 

「えっ、知ってるの?」

「彼から、ジョースター不動産宛に連絡があった。

サーヴァントである『空条承太郎』という男がマスターをよく知る人物だそうだ。」

 

 『エドワード・エルリック』

彼は、防衛隊の錬金術顧問をロールとして与えられていた。

活動は自由だが、放棄はしておらず、ユウキ達にもその名は伝わっていた。

 

「知り合い?」

「……いや、知ってるつうか、なんつうかさぁ~~~。」

「真名を調べた限りでは、マスターの"孫"に当たるらしい。」

「孫。」

 

 『空条承太郎』

後時代のジョセフ達と共に、宿敵『DIO』を倒したとして語られる英雄。バーサーカーのサーヴァント。

それを初めて知ったジョセフは、"二重(ダブル)ショック!!幽霊なんかに出会うよりももっと奇妙な遭遇……"。だったそうな。

 

「彼らとは「開始後に一度打ち合う」と約束をしている。具体的な時間も、リモートになるかも、まだ決まっていないが。」

 

 互いのロールなどもあるため、エドワード・エルリックとは別行動にあった。

ただ、正確な時間約束はしていないため、何時にするか、どこで会うかは決まってはいなかった。

 

「ボク達が知るマスターとしてはこれぐらいかな?

後は……まあ、『キャッスル』と『辺獄』ぐらいとかもどうだろうかなー。」

 

 辺境の場所について挙げるユウキ。

 

「『キャッスル』の方は、まあ、中世期の大っきなお城だね。」

「まんまじゃねーか。」

 

 キャッスルの雑な紹介に、ジョセフもツッコミを入れた。

 

「『キャッスル』には誰かいたか?」

「そこまでわかんないや。チラッとしか見てないからね。」

「何かあるのかしれねーけど、別にそん時はサーヴァントの気配とかあったワケじゃねーし。ようわからんダンジョンだわ。」

「……まぁ、保留にしていいのかもしれないな。」

 

 『キャッスル』

ネットでも情報が挙がらない、中世期建築による古城であった。

ユウキ達が視察した段階では、目ぼしい様には感じられず、当面は保留と判断した。

 

「『辺獄』の方はどーよ?月海原がスッポリ入るぐれーバカでっけえ穴みてーだけどよぉ?」

「……うーん?そこが深くてわかんないというか。一回飛んで中に入ってみたけど、何か嫌な感じがしたから引き返してきたよ……。」

「は、入ったのか君は……。」

 

 "しょんぼり"とした様子のユウキ。 

無鉄砲とも言えるユウキの行動に、少々呆れを感じるエンタープライズ。

 

「正直、気味の悪りぃ場所よ。あんま行きたくねーわ。」

「ここも保留だが、何かの裏はありそうだな……。」

 

 銀時としては『辺獄』に奇妙な不快感を覚え、乗り気ではない様子であった。

エンタープライズも今は保留と流しつつ、強い疑念は拭えなかった。

 

 『辺獄』

巨大方舟が落下したとされる謎の跡地。

深淵の穴と化した空間であり、裏に潜むものを感じるものの、当面は保留と判断した。

 

 

☆   ☆   ☆

 

 

「『マークライト街の調査』、『美紗里への訪店』、『二階堂ルイ陣営との接触』。

以上、三点が日中にやる予定だ。」

「異議ねえぜーー。」

「それがする事だね。わかった。」

「まぁ、それでいいんじゃねーの。」

 

 "承知した"とばかりに、三者三様の相槌が取られる。

 

「それじゃあ、今日の会議はここで解散としようか。」

 

 エンタープライズもそれ以上はないとして、解散を切り出した。

 

「ふわぁ~~。なーんか眠たくなっちゃった。」

「英気を養うためにも早めの睡眠に入った方がいい。今夜は起床する可能性も高いからな。」

「は~い。」

 

 身体を伸ばしながら、部屋を出るユウキ。

 

(……ビッグアイはどうなってんだろ?)

 

 ふと、思い立ったように端末からニュースを開き、ビッグアイの状況を見る。

どうやら、消火活動は進んでいるようで、幸いにも被害者が出ていないことが把握できた。

情報に安堵するとユウキは空中ディスプレイを開き、端末はアイテム欄に格納した。

 

「マスターも早く寝るんだ。」

「はあ~~い」

 

 ジョセフを指を指し、エンタープライズはやや厳しめな声色で告げた。

山札をシャッフルをしながら空返事で応えるジョセフに、エンタープライズも特に振り返ることなかった。

監視の再開からか、エンタープライズは部屋を後にするように霊体化していった。

 

「……なーーーんて言われて素直に止めちゃう俺達じゃあないのよねーーーッ。今からでも続きを……」

 

 そうしてジョセフがUNOの山札から一枚取り出して、カードをテーブルに置く。

カードは「R(リバース)」であった。

 

 その時、山札から一枚のカードが飛び上がった。

 

「でェ……。」

 

 カードはひらひらと舞い、ジョセフの顔面に落ちる。

ジョセフが手に取ってカードを見ると、それは「S(スキップ)」であった。

そのカードに銀時も、"にやにや"とした表情を浮かべた。

 

「あの姉ちゃんも中々遊び気のあることすんじゃねーの。」

「……やっぱ寝るかァ。」

 

 ジョセフは山札をテーブルの中央に置き、席を立った。

 

 

to be continued……

 

============

現存する陣営数:31組

同盟を組んだ陣営数:1組

敵対している陣営数:0組

 

同盟名:なし

リーダー:ジョセフ・ジョースター

サブリーダー:アーチャー(エンタープライズ)

チームメイト:ユウキ

       セイバー(坂田銀時)

============

 

 

【C-4・高層マンション(ジョセフの拠点)/聖歴111年1月1日 未明】

 

 

【ジョセフ・ジョースター@ジョジョの奇妙な冒険 Part2 戦闘潮流】

[状態]健康

[令呪]残り3画

[装備]なし

[道具]エーテルマシンガン、糸、アメリカンクラッカー、波紋用の油

[所持金]10万QP

[思考・状況]

基本行動方針:黒幕の打倒

1.「聖杯を決める」ための同盟を組み、戦争の早期収束へ向かう。

2.『マークライト街の調査』、『美紗里への訪店』、『二階堂ルイ陣営との接触』。

「三つとも」やらなくっちゃあならないってのがつらいところだぜ。

3.『エドとの打ち合わせ』はいつにすっかな。

[備考]

『エドワード・エルリック』と面識があり、打ち合わせが入っております。

 

 

【アーチャー(エンタープライズ)@アズールレーン】

[状態]健康

[装備]艤装弓

[道具]ジョースター不動産の顧客名簿

[所持金]潜水艦を購入できるレベルの財力(管理)

[思考・状況]

基本行動方針:黒幕の打倒

1.「聖杯を決める」ための同盟を組み、戦争の早期収束へ向かう。

2.ドローンからの監視には警戒。

3.マスターとセイバー(坂田銀時)には呆れる……。

[備考]

 

 

【ユウキ@ソードアート・オンライン】

[状態]健康

[令呪]残り3画

[装備]マクアフィエル

[道具]ハンターとしてのアイテム一式

[所持金]900万QP

[思考・状況]

基本行動方針:最後の局面を見届ける。

1.ジョジョ達に付き合い、戦争の早期収束へ向かう。

2.『マークライト街の調査』で、『美紗里への訪店』で、『二階堂ルイ陣営との接触』だね。

3.頑張っていこう!

[備考]

 

 

【セイバー(坂田銀時)@銀魂】

[状態]健康

[装備]洞爺湖

[道具]原付

[所持金]なし

[思考・状況]

基本行動方針:ユウキ達を守る

1.ジョジョ達に付き合い、戦争の早期収束へ向かう。

2.まっ、気楽に行こうか。

[備考]

『亡虚の龍脈刀』は一段階の霊基再臨されない限り、使用できません。

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