男幹部くんと百合っぽい組織と世界   作:まーじなる

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一話はここまでで終わりです。原作みんな読んでこれより面白いから


一話のその3

「死ぬかと思った……」

 

毒への抗体をなんとか得て立ち上がる。やはり新参幹部というものはどこでも信用がないものだ。なんて間抜けな考えするわけないだろ、真面目に作戦をこなしてるつもりなんだけど……やっぱり他の幹部に比べて作戦がえげつないように見られてたみたいだ。

……バスジャックとか毒ガス作戦とかインフラの破壊は悪の組織の基本と思うんだけどな。40年たって悪事も限度というものができたのだろうか。作戦も何故かこの街で固定だし、ヒーローのいないところで作戦をすればいいのに。

いや、組織系の奴は活動範囲が広いからなあ……件のハニィさんが惚れたというヒーローに関しても女ということしかわかってないし。まあ今は帰ろう、そしてお土産を持って帰って出来るだけ怒られないように機嫌を取るんだ。出来るだけ明るく誤魔化すんだ……

 

「作戦失敗しました。ハニィさんガチギレでしたよX様、あと駅前のケーキ屋で新商品が発売されて……」

 

「正座」

 

「ッスゥー……」

 

「正座」

 

「はい」

 

正座する、正座しました。こっちもこっちでガチギレしてらっしゃる。と、兎に角機嫌を取らなければ。ケーキ、ケーキを渡して……あっもう持ってかれてる。これ誤魔化せないやつだ、前世でもあった回答間違えたら殺されるタイプのやつだ。

 

「なんで怒ってるか分かる?」

 

でたよ一番最悪の質問。理解して答えたらなんで分かっててしたの?って言われてわからないと言えばそれはそれで怒られるやつ。つまり回避不可能jなクソ攻撃、あるいは口撃。

しかも情報が少なすぎてどう答えたらいいかわからないやつ……!

 

「俺が……任務失敗したから、ですか?」

 

当たり障りのない答えを返せば、ため息が帰ってくる。

 

「それにおしおきするのは前提として、殺人タックルかましたよね……ハニィちゃんがあれで死んでたらどうする気だった?」

 

あれは相手が回避すると思ったからで……相打ち狙いの攻撃仕掛けてくるほどハニィさんが覚悟決めてたとは思ってなくて。なんて言い訳しても視線がより鋭くなるだけだった。

あーこれ無理な奴だ、何かしらの罰が下るやつだ。

 

「ええい、殺さば殺せ!しかしこの拠点ごと道ずれだァ!!」

 

「いや殺さないよ、というかやめて?ジャフトちゃんが言ったらシャレにならないからね?」

 

窘められたので崩していた正座を直す。でもちゃんはやめてほしい。

 

「で……罰はまあ受けるんですけど、ちゃんはいい加減どうにかなりませんかね。俺一応男性型なんですが」

 

「えー、やめてほしい?ちゃんの方がかわいいからいいと思うんだけどなあ……」

 

やめてほしいが……そうは言えない。他の百合連中は俺より先に生まれた所謂姉みたいなものだ。一人いなくなっても、それは変わらない。俺にとって家族みたいなもので、大切なもので……前世の組織にはなかった『何か』がきっとある。

だから、そんな人が望むならそれでいいとも何だか思ってしまう。シャップルの大幹部も甘くなったものだ。

 

「いや、もういいです。それで結局何されるんですか俺……」

 

「うーん、とりあえず減給でしょー。それから……」

 

フードの奥底、光る眼を細めてXが笑う。ものすごく悪だくみしている目だ。

 

「ハニィちゃんが抜けた分、働いてもらおうかな。もちろんタダで♪」

 

「鬼!悪魔!X!」

 

減給+ただ働きとかブラックとかいうレベルじゃねぇ……しかも一番働いてたハニィさんの分もとか殺す気かこいつは。

とはいえ、責任は任務を果たせなかった俺自身にもある。仕方ない……と思っていると何が楽しいのかまだ笑ってる。もしかしてまだ何かあるのか?

 

「良かったねぇ、ジャフト『くん』」

 

「何が……?」

 

今の会話に何がいい所があるのかよくわからない。来月の給料が死ぬという事実しか存在しない気がするんだが。

 

「ハニィちゃんから引き継ぐ仕事には怪人とメタウォーリアの指揮……そして」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒーローの抹殺もあるよ♪」

 

へぇ…

背筋にゾクリと感覚が走る。思っていたより腑抜けていたようで、思ってたよりこの瞬間を俺は待ちわびていたようだ。前世で倒せなかった相手、負けた相手……ヒーロー。同じやつではないが再び対峙し戦うことができる。今度こそこの手で葬ることができる。

ヒーロー抹殺、なんて甘美な響きだろうか……ついに俺は二度とこない筈のチャンスを掴むことができた。

 

「感謝するぞ……X,そしてハニィ・トラップ」

 

蛇足のような日々は終わりだ。……ここからが俺の戦い、この百合のような世界と組織で……異物である俺の物語が始まるのだ。

今度こそ俺は勝利を掴む、正義を倒し悪ここにあらんと高らかに叫ぶために……悪が勝利する未来を見るために。

 

「フハハハハハハハハハハ!!アンチノイドに栄光あれ……ブラーヴォ、アンチノイド!」

 

「いや変な掛け声作らないで!?」




サブタイトルには元ネタがあります。分かる人にはわかるかもネ!

書き方について

  • 視点ごとに細かく分けて書く
  • 一話分丸ごと
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