まどマギ転生
転生するにあたって、神は無償で三つの願いを叶えてくれるという。
だからまず私が望んだのは『魔法少女まどか☆マギカ』に出てくる暁美ほむらのような時を操る能力だった。
選んだ理由に深い意味はない。
ただ願いと聞いてパッと頭に思い浮かんだのが彼女であって、どんな世界に転生しようと腐ることもなさそうな能力だしいいかと単純に思ったのだ。
次に私が望んだのは、その能力の行使に一切の制約がないことだ。
例えば発動に魔力を必要としたり、例えば詠唱を必要としたり、例えば時を止められる時間が限られていたり。
魔力がなくて能力を発動できないだとか、詠唱が長すぎて即時に使えないだとか、体感できるほど時を止められないだとか……そんな欠陥がもしもあったら嫌だしね。
取りあえず、時に関することにリスクなく自由に干渉できる感じがいいかな。
そして最後に私が望むのは、最終的には絶対幸せになること。
どんな世界に転生するかは分からないが、生きていれば辛いことや悲しいこともあるかもしれない。
けど最後にはこれで良かったと、幸せだと思えるような人生を歩みたい。
もちろん、ずっと幸せなのが一番だけどね。
そう締めくくった私に神は頷くと、いよいよ転生が始まる。
果たして転生する世界は何処なのだろうか。
願いを一つ使ってでも、転生先を指定するべきだったかなと思いながら、私の意識は途絶えた。
〆〆〆〆〆
私は無事に転生したらしい。ふとした時に、そう言えば神と出会ったなと思い出したのだ。そこからは芋づる式で、一気に記憶を取り戻した。
これも能力の影響なのだろうか?
取りあえず、現状を整理しよう。
今の私は前世と同じ人間の女として生まれ、年齢はもうすぐ四歳。家は一戸建てで、両親は前世の価値観で見てもまともで優しい親バカだ。
少々家や家具のデザインやセンスが近未来的で奇抜に思う部分もあるが、この世界ではこれが一般的らしい。
というのも、早速能力で時を止めて出かけてみたのだ。
全てが完全に停止した世界……中々に新鮮だわ。
自分は不自由なく動けるし、物を触って移動させることもできる。空中に止まっていた葉っぱに動くよう念じれば、それだけ停止した世界でも問題なくひらひらと落下した。
停止したこの世界に呼ぶかどうかは任意で決められそうだ。
最初は子供の体で探索していたが疲れてしまい、試しに成長しないかなと思ったら徐々に体が構築、成長していくのを実感し、慌てて止めた。
だって今着てる服は完全に子供用だし、そのまま成長したら破れるじゃん。
だから仕方なく全裸になって、改めて成長してみたのだ。
高校生ぐらいで止めて鏡で確認すれば、そこにはナイスバディな女性が映っていた。
我ながら惚れたね。しかもそれが将来の自分なんだから余計に興奮した――全裸だけど。
そこら辺から服を拝借する手もあったが、どうせ誰も見てないんだしとそのまま外を探索。家に戻って再び幼児となり、服を着て今に至る。
この能力……自分で言うのも何だけど、ちょっと万能すぎない?
連続して時を止めたり戻したりしても疲労感は一切ないし、本当に何も制約がないのが逆に不安になってきたわ。
強いて言えば体を幼児に戻した時に身体能力が一気に落ちたせいか
もちろん体の構造的に走る速さとかジャンプ力が元より少し優秀になる程度だけど……将来を見据えてしっかりと鍛えようと決意しました。
だって将来の私、どちゃくそ可愛いのが約束されてるし、何もしなくてあれならもっと努力したらもう無敵じゃん。
というのは置いといて、結局この世界は何なのだろうか?
少なくとも街に魔物とかが
だったら、ほむほむみたいな能力はいらなかったかな~。
そう思いながらリビングのソファに体を預け、つけっぱなしのテレビニュースを眺めていた時だった。『見滝原市』というワードが出てきたのは。
……え? 見滝原市?
それってつまり――ここ、もしかして、まどマギの世界?
珍しくストックがあるので、切れるまでは毎日投稿。
基本的に一話につき二千文字もないです。