凌辱エロゲで竿役の家のガキに転生したら女主人公の母親と結婚することになった件 作:胡椒こしょこしょ
突然だが、俺は転生した。
死因は溺死。
大雨が降った時に、田んぼの様子を見に行った爺ちゃんをなんとか止めようとしたら氾濫した河川に飲まれた感じだった。
濁流に飲まれてた時のことは思い出したくない。
そして目が覚めたらなんかオッサンに年上キラーという特典をやるみたいなわけわからないことを言われて、どこかへと送り出された。
そして気づけばなんか綺麗な女の人の腕の中に抱かれて産声を上げていた。
...多分、これが異世界転生って奴なんだろう。
正直メジャーどころ除けばアニメとかラノベはあまり詳しくない。
ぶっちゃけると特撮の方が詳しいだろう。
これを言うと、友人に笑われたのだが。
なんでもアニメオタクと特撮オタクの間には月とすっぽんくらいの格差があるとか。
...まぁ、本気にはしない。
アニメが好きな人間の主観で言われている言葉であればそりゃアニメを他のジャンルより上に置くことは当然と言っても良いからだ。
それに、正直民度がどうとか周りの人がどうとかじゃなくて重要なのは自分な気がする。
なんというか思考が変な方向に行ってしまったので話を戻すが、なんか僕が生まれた場所はそれなりに大きい家みたいだ。
なんか邸宅とかあるし。
ただ....なんというかきな臭い。
転生先はゲームの世界とは言われていたが、どうにも母親の姿が見えないのだ。
乳を与えられていた間は家に居たのだが、ある日邸宅の地下室に行ったきり帰った来なくなった。
そして父親は生まれてこの方顔を見たことないし。
俺の面倒を見ているのは.....。
「おぉ...坊、おはよう。カカカッ...今日も壮健か?跡継ぎであるお主には常に息災で居てもらわねば困るからのう....。」
なんか皮と骨しかなさそうな見た目をした小柄なお爺さん。
俺の祖父にあたる人である。
どうやらこの蟲波見家の当主で、俺を自分の後継に据えようとしているらしい。
それなら、俺の父親を据えれば良いんじゃないの?とは思ったが、あまりにも賢さを出してしまうとおかしいと思われるかもしれない。
なんかそういう意味のない疑念を家族に抱かれると生きづらくなるからな。
なんかそういう意味で色々俺自身はこの家自体に訝しさを覚えていたのも事実だ。
だからこそ、今目の前で広がる光景は俺にある種の確信を齎した。
「ほら、統一郎。よろこべ....お前の亡くなった母親の代わりにして、貴様の子を孕む母体だ。目障りだった耶蘇神家の家元であるからきっと母体としての性能はこれ以上ないからのう。それにこれでも一児の母じゃ。」
滅茶苦茶綺麗な和装の大人の女性。
それがなんか肉の塊みたいな奴に拘束されて、屋敷の庭に膝を突いていた。
あの肉の塊みたいな奴は知っている。
なんか将来はお前もこれを使えるようになるんだぞ的な事言って見せられた奴だ。
正直、その時も引いたが今は滅茶苦茶引いてる。
だって拘束してる最中でも触手みたいな奴はその女性の乳をまさぐっていたからだ。
つーかそもそも母親いなくなった自分の孫にどこからか誰かの母親連れて来るって倫理観どうなってんだって話なんだよね。
それでいて俺の子を孕む母体とか...うわぁ...引くわぁ....。
そして、その女の人は俺や爺さんを睨みつけて声を上げた。
「汚らわしい蟲波見が....何をされようが、私は貴様らを前に屈することはありません....。今すぐにでも、その首を切り取って門前に晒してあげます....。」
滅茶苦茶テンプレな負けない宣言するその女性。
そんな彼女を見て愉快そうに笑う爺さん。
「カカッ...流石は耶蘇神の家元。夫亡き今でもその気丈さは変わらんわい...。そんな嫌悪感を露わにする女を儂の術で淫らに堕とすのが儂の生きがいなんじゃよ...ククッ...カァーカカカカ!!!」
「痛っ...え、何!?きっしょ!!」
爺さんがそう言うとなんかいきなり腕に痛みが走ったので見てみる。
すると、そこにはなんか細長い刺してくるタイプのカメムシによく似た虫。
それは俺の腕に口を突き立てて血を吸っている。
生理的な嫌悪感でめっちゃぞわぞわする。
「ほれ、来い。」
そう言うと、カメムシはそのまま腕から飛び立って今度は拘束されている女性の胸元にとまる。
そしてそのまま口を胸元に突き立てた。
「っ、これは...盟約術式...。」
「儂の大切な孫につける女じゃからな...一応、儂の孫には抗えないようにはさせてもらうぞ。」
「っ...ぐっぅぁ....あっ.....貴様.....!」
女性が痛みで表情を歪めると、なんか胸元にタトゥーみたいな紋様が浮かび上がってくる。
なにそれ....?
もうわけがわかんないよ....。
「それじゃ、統一郎。儂はこの躾けの成っていない雌犬を再教育する為に地下へと連れて行くから、お主は今日は出前でもなんでも好きな物を頼んで夕食を済ませておいてくれ。」
「っ、...耄碌した老害が...貴様ごときの手管で私を躾けると?」
「声は後からいくらでも躾けの時に聞ける。今は黙っておれ...。」
そう言い残すと、爺さんは女性を引きずりながら歩き去っていく。
女性は拘束している肉塊から出てきた触手に口元を覆われて話すことも出来なくなっていた。
そんな彼らを見送っていると、さらに強く確信した。
....もしかして、この世界ってぇ...エロゲ?
そんでもって...俺って、そのエロゲの敵役っていうか竿役?の家に生まれちゃった.....?
◇
あれから一週間。
爺さんは一週間のうちに3日くらいしか表に出てくることはなかった。
その間、飯を作るということを前世からやってこなかった俺は出前を頼み続けることになったのだ。
これが許されているのも一重にこの家が金を持っていることの証左だろう。
爺さんが言うには教育は順調で、楽しみに待っておれということ。
やっぱ教育って...調教のことだよな。
待っておれとか言われても...どんな気持ちで待てばいいのかはなはだ疑問である。
綺麗な人ではあった。
しかし、それだからと言ってすぐにわーいあんな綺麗な人が俺の物になるやったー!となるはずがない。
俺はそんな竿役みたいな...所謂チンチンに脳みそがあるような思考は出来ないのである。
だって普通の人間だし。
どこからか一児の母攫ってきて....というか、多分あの人も爺さんみたいに術?っていうのを使う人なんだろう。
なんか虫波見がどうとか言ってたし。
ウチの家はなんか退魔師の家らしいとは聞いてたのだ。
ただ、それにしては虫とか触手とかなんか使ってるもの気持ち悪いのばっかじゃね?と思ってたのだが。
もしかしたら所謂俺の家は裏切り者っていうか...敵退魔師的なポジションなんだろうか。
なんにせよ彼女にも家族とか居るわけだし、そもそも基本的人権を有しているわけだ。
無理やり調教とかで意思を捻じ曲げるのは良いこととは思えない。
...ただ、一応俺はこの家の子供であった。あの爺さんは今は家主であの人の庇護下の下で育っているのは事実。
大っぴらにそんなことを言えるわけがない。
というか...なんとなく俺はあの爺さんが怖かったのだ。
最期には半ばボケ入りかけていた祖父、共に暮らしていたお爺ちゃんに比べると身に纏う感じがあまりに剣呑が過ぎる。
この爺さんはなんというか、なんとなくだが物騒なのだ。
それに....俺に向けてくる目が、なんか怖い。
孫に向けるような目つきではないのだ。
自分のお爺ちゃん知ってるから断言できる。
「統一郎、ちょっと来なさい。」
「ひゃい!!?....じゃなくてはいっ!!」
爺さんのこと考えてたらいきなり後ろから声を掛けられたから変な声出たわ。
俺が返事をすると、爺さんは扉の前から去っていく。
調教もとい再教育とやらが終わったのだろうか?
来いって言われたので自分の部屋から出て、爺さんについていく。
そして爺さんが足を止めたのは今は火の灯っていない暖炉のあるリビングルーム。
そこには俺と爺さん以外にもう一人立っていた。
濡羽のように艶やかな黒。
白磁のように白い肌に、切れ長の目。
その出で立ちはどこか熟した大人の色香のような物を感じさせる。
....露骨に露出の激しいメイド服に着てて、首元に首輪みたいなタトゥーが浮かび上がっていることを除けば。
...え?なにゆえ??
半分しか隠れていなくてはみ出しそうな大きな乳房から目を逸らして、爺さんに困惑顔を向ける。
すると爺さんは口を愉快そうに開く。
「いやぁ~すまんのう。少し時間はかかってしまったがこれで躾けは終わりじゃ。今日からはお前に付けて日頃の世話をさせるからのう。ほれ、挨拶せんかメス豚がっ!」
「...夜霧と、申します。..よろしくお願い...致します。旦那、様....。」
爺さんが夜霧って人のお尻を叩くと、身体が跳ねた後に目を伏せて答える。
その有様は明らかに憔悴してはいるものの、無念さを露わにするように唇を噛む。
「ということで、今日からお前の嫁兼ママになる女だ。この女が何を思っていようとお前に危害を加えることすら出来んから安心しろ。寧ろお前の言うことにはどんな命令であろうと順々に従うように調整しておいたからのう。」
調整ってアンタ....。
明らかに人権ガン無視で最早笑っちゃうんだよね....。
まぁでもそれが事実ならば業腹だろう。
反抗すら出来なくされて、それでいてこんなガキに旦那呼ばわりしないといけないんだから。
一児の母ってことは当たり前だが夫にあたる人物がいるということ
その人の事を愛しているはずだから今の現状は不本意であろうことは想像に難くない。
うわぁ....なんだこれ、地獄じゃないか。
別段結婚したいわけでも、母さんの代わりが欲しいわけでもない俺と多分敵対している人だし無理やり調教されてお嫁さんとかやらされそうになっている夜霧さん。
なにこれ....誰も得してないじゃないか。
いや、爺さんはしてるのか??
「おい、股割れ。我が孫に色を教えてやれ。」
「っ....それは....。」
爺さんの言葉に夜霧さんは息を詰まらせた後に爺さんを睨みつける。
色を教える...色....あっ!!
エッチしろってことかぁ!?
うっわぁ、やっばぁっ!!
俺の爺さんやべー!!!!
普通に人としてマジで引くんですけど、どんな精神してんのこの人。
「...なんだその目は、クソマンコが....。そんなに嫌ならまた肉壺に戻るかえ?えぇ!!!!」
そう爺さんが言った後、目に見えて夜霧さんの様子が変わる。
さっきまで口では旦那様とか言っていたが不本意であるという様子を見せていた。
しかし今ではただ何かに怯えるように震えるだけ。
伏せられた目、つーと流れる脂汗。
呼吸は荒くなっている。
顔色はどこか青く、まるでトラウマを想起したかのよう。
「...肉壺..肉壺は嫌....肉壺はやめろ...やめて、下さい....。」
「ふん...カスが...だったら相応しい態度があろう...頭が高いのだ雌畜生ッッ!!!」
震える夜霧さんを見て、不快そうに鼻を鳴らして声を上げると夜霧さんの頬を杖で殴った。
「ちょっ...!それは流石に....!!」
「なんじゃ統一郎。貴様も蟲波見なら日和るんじゃない....女など、この程度の扱いでッッ...良いのだッ!!!」
「ッッ...!!」
執拗に杖で夜霧さんを殴りながら、こちらを睨みつける。
その視線の剣呑さに気圧されてしまう。
「お願いしたいのなら誠意を見せいっ!教えたろうが脳無しが!!!服を脱いで、頭を地面に擦りつけ平服せいっ!!」
「っ...わかり、ました....。」
えっ!?アンタがメイド服着せたであろうはずなのにっ!?
脱がすんすか!!?
何の為に着せたの????
しかし肉壺とやらをほのめかされた夜霧さんは言われるがままゆっくりと服を脱ごうとする。
流石にこれでジッと見る程の度胸もないので、俺は目を逸らす。
そして、次に目線を戻すとそこには服を横に綺麗に畳んだまま土下座をしている夜霧さん。
「どうか...お許しください、蟲波見様...。」
「ふんっ、愚図が...。今までこんなのに苦しめられていたと考えると馬鹿らしいわい。」
そう言いながら地面に擦り付けられている夜霧さんの頭に杖をグリグリと押し付ける。
そしてそれを辞めると、吐き捨てるように爺さんは言った。
「嗅ぎまわらなければ今でも耶蘇神の家元として大きな顔をしていたであろうに...馬鹿な奴め。これからは我が家の飼い犬。それを自覚しろよ中古女。未来の蟲波見の子を孕む母体になれたことを光栄に思え。」
「はい...肝に..ッ、銘じます。」
声は震えている。
無念さが現れていた。
すると爺さんは鼻をまた鳴らして、彼女に背を向ける。
えっ、ちょっ待って....。
「え、このままにすんの!?」
「....何を言って居る。貴様の女になるのだから、貴様が臨むようにすればいいではないか。儂の領分は終わった。夜を楽しみにしておけ。」
いや、楽しみにしろとか言われても....無理でしょ。
俺、竿役じゃないんだよ?
こんな訳の分からない状況で、でもセックス出来るから良いじゃんとはならないよ~。
え~、こんな状態の人押し付けられても困るよ...。
しかし、俺の気持ちなど伝わるはずがなく爺さんはそのまま部屋を出た。
そして夜霧さんは平伏したままだった。
「...頭を。」
「へっ!?」
「頭を...上げて、よろしいでしょうか。だ、...ッ!!.....旦那...様...。」
めっちゃくちゃ嫌そうに旦那様って言われた。
まぁ、でしょうね!
でもね、今頭を上げて欲しくはないんだよ!!
だってほら!!
「あの、頭上げたら裸見えちゃうんで...俺が部屋から出たら好きに上げて良いですよ。うん。自分の部屋でやることあるんで。」
本当はやることなんかない。
しかし、俺は今この状況から目を逸らす為に嘘を吐いたのだった。
「...。」
すると黙ったままだ。
返事はない。
...分かったのかな?
まぁ、いいや。
外出よう。
「え~と、失礼...しますよ~。マジで俺が外出たら好きにしてもらって構いませんからね~。」
そう声を掛けた後、彼女を気にしながら部屋を出ようとする。
土下座する彼女はシミ一つない綺麗な背筋や膝で押しつぶされて広がった大きな胸などが目に入る。
しかし、今はそんなことで興奮するほどの余裕はなかった。
ただ単純に考えているのは一つ。
とんでもない家に生まれてきちゃったな俺....。
絶対あの爺さんヤバい奴だよ....母さん帰ってこないのも絶対アイツのせいじゃん!!
ってことは俺もその内ヤバいのでは!!??
そんな一抹の不安で心中穏やかでなかった。
◇
一日の終わり。
外は暗く、名前も知らない虫の鳴き声が聞こえる。
夕餉を久しぶりに爺さんと食べた俺は、そのまま歯磨きを済ませて自分の部屋で眠りに就こうとしていた。
そう、部屋の扉を開けるまではそのつもりだったのだ。
中を見るまでは。
「....あの~、夜霧さん..でしたっけ?俺の部屋で何してるんすか?」
ベッドの上で夜霧さんが正座をしている。
何故って感じだ。
「...旦那様の祖父様に色を教えろと頼まれた為、今ここに居ます。」
ぎろりとこちらを睨みながらもそう言う。
あたかもお前らが言い出したことだろうが惚けてんじゃねぇぞって感じだ。
いや、確かに爺さんそう言うこと言ってたけど別に俺そんなん要らんし....さっきまで忘れてたし....。
「早く...済ませてください。」
「いや、そんなこと言われても俺も求めていないっていうか...困りますよ。」
ワイ前世童貞。
せっかく新しく生まれ変わったのなら、もっとこう...良いシチュエーションを追及したいとは思わないだろうか?
こんな凌辱エロゲの濡れ場みたいな状況でかなぐり捨てるには些か俺はまだ若すぎると思う。
「だったら....私はどうすれば良いと言うのですッ!!私は、貴方に隷属することを強いられているのです。つまり、貴方に使い潰されているという事実がなければ肉壺に逆戻り、まぁ?貴方はそれが目的なのかもしれませんが?蟲波見が....反吐が出る。」
俺の言葉を聞いて、彼女は悲痛に言葉を吐きだす。
つまり、俺にまるで凌辱エロゲのヒロインみたいにメタクソ犯されたりしてないと爺さんは満足しないってわけか。
断ったとか思われると、再教育....って感じなのだろう。
悪態を吐いたものの、夜霧さんは震える肩を抱いている。
肉壺...というものがどんなものかは分からないが、それほど恐ろしい物だったんだろう。
「私は蟲波見を繁栄させる為の礎にならなければならない。だからこそ、貴方に私が居ることで恩恵を与えなければ、あの老獪は迷わず切り捨てるでしょう。...封印術式がなければ....ッ!!」
悔しそうに歯噛みする彼女。
つまり、性処理要員でもなんでも役割を以て俺に恩恵を与え続けることを爺さんに課されているのだ。
なるほど、だとすれば夜霧さんが隷属って言ったのはもっともだと頷ける。
そんなのは爺さんが嫁さんとかママとか言っていたがむしろ中世の奴隷と言った方がふさわしいだろう。
それに、多分彼女は爺さんと敵対していたのだ。
つまりは、そんな女を使い潰すことで溜飲を下げようとしているのだろう。
でも、それならば俺に出来ることは一つある。
正直、彼女に関心を抱いてないと言えば噓になるのだ。
ある意味、俺は夜霧さんに興味津々だった。
俺は口を開いた。
「だったら...口裏を合わせましょう。俺と、貴方で。」
俺が言うと、彼女は動きを止める。
ただ、俺をじっと見つめた。
まるでどういうつもりなのかと見極めようとしているかのように。
「俺と貴方がその....行為を為したってことにすれば...あなたは不本意なアレをやらずに済むわけだし、俺としてもこういきなり知らない女の人とエッチしろって言われても困るから...助かるんすよね?どうすか??」
「....蟲波見の、それもあの男の血を引いている貴方の言うことを信じるとでも?」
夜霧さんは眉を顰めながら、警戒の色を露わにする。
そりゃ信じられるとは到底思っていない。
彼女の状況から考えて、俺の申し出を聞き入れてもし俺が掌返して爺さんにチクったらそれだけで肉壺とやらに逆戻りだ。
でも、逆に言えば爺さんが好きにしろと言ったということはつまり、俺に好きに命令させるつもりなんだろう。
だからこそ、逆にそういう性交渉以外で彼女が俺の役に立つとすれば??
命令さえ聞いていれば隷属したことになるのであれば、逆にそれ以外の命令をくれてやれば良い物。
エッチなことではない且つ、彼女でないと出来ないこと。
それを提示しなければ、彼女は納得しないだろう。
彼女でないと出来ないことがらを頼みたいから、俺が態々自分から夜霧さんを手放すようなことをすることはないと示す。
幸い、それに心当たりはあった。
俺が彼女に向けていた興味、それこそがまさにその条件を満たしているのだから。
「夜霧さんは、僕の爺さんの敵なんでしょ?それで術とかいうのも使える。」
「...分かり切ったことを聞かないでください。無駄ですから。」
冷たく俺の問いかけに答える。
どうやらそうみたいだ。
だったら願ったり叶ったり。
「だったらさ、...俺に術っていうのの基本から教えてよ。爺さん、何故か俺には何にも教えてくれないんだ。」
俺が彼女に向けていた興味。
それは、爺さんも夜霧さんも口に出していた『術』。
せっかくこの世界に転生して、術とかそんな興味惹かれることを耳にしてそれを使っているであろう家に生まれたのに、爺さんは俺に頑なに教えようとしなかった。
いわく、俺には必要ないとか。
そんなの勿体ないじゃないか。
それに、術について何も分からなければ前の世界とこの世界の違いも認識できないだろう。
それは少し危険な気がしたのだ。
だからこそ、俺は爺さんがどこか信用できなかった。
そして目の前には爺さんに敵対している夜霧さん。
術について知っているのなら彼女に教わるのが良いだろう。
少なくとも爺さんによってなんか調教されたっぽいし、俺に敵対的な行動は取れない。
命令に従わざるを得ないということは正しい知識を教えろと言ったら教えざるを得ないのだ。
だからこそ、爺さんよりも信用できる。
僕の突然の申し出に目の前の夜霧さんは戸惑う。
だからこそ、最後の一押しをする。
少し卑怯だが、彼女の境遇を利用させてもらうのだ。
「夜伽をしたということにして、俺に術についてどういうものかとかの基本知識を教えろ。これは命令だ。背くのであれば爺さんに伝えて再教育してもらう。」
わざと威圧的にそう告げる。
すると、彼女は俺の意図が分かったのか鼻で笑った。
「なるほど....そう言われてしまえば私は頷く以外の選択肢を失う。私から術の知識を得てどうするつもりなのかは分かりませんが...良いでしょう、従ってあげます。...ただし、私は貴方を信用していない。それだけは、ゆめゆめ忘れないように。」
「それくらいでちょうどいい。だってほら、初対面の人に信用されるって...なんか怖いじゃん?」
冗談めかして笑いかけるも、彼女は冷たい目線を緩めることなく俺に注ぐ。
俺がしたいように事態は進む。
しかし、彼女の睨む顔に今更少し恐怖を覚える自分が居るのに気づいた。
やれやれ...美人って怒ると怖いんだよなぁ.....。
他所の母親をヒロインにして書きたかったので気分転換に書いてみました。
気が向いたら続くと思います。