ナルトTS逆行伝   作:逆行物増えろ

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※独自解釈、独自設定が出てくる場合があります。また、原作がありストーリー展開が決まっている話の逆行物を書くのは初めてなので更新が滞る可能性が大いにあります。それと三人称視点練習中。



2話 これからのこと

 

 

 

ナルトとヒナタ、二人は頭を悩ませていた。

 

「――つまりここは昔の木ノ葉隠れの里で、私達は意識だけ過去の自分達へと飛ばされてしまった……」

 

「そうみたいだってばよ。九喇嘛とも相談してみたけどやっぱり結論はそうなっちまったんだ。信じられねぇけどよ……」

 

同じベッドの上で向かい合って座る二人。

九喇嘛も交え、それぞれの知識や経験を元に考察していくが結論が変わる事はなさそうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ベッドに身を投げ出し途方に暮れるナルト。ヒナタはその横に座ったまま、チラリチラリとナルトの方を窺っている。

 

そんな視線を受ければ流石のナルトも気になるのだろう。起き上がり、肩が触れ合う様な距離感でヒナタへの疑問を顔に出す。

 

しかしヒナタはモジモジとしながらコチラを見つめ、目が合ったかと思えば顔を赤くして目を背けてしまう。

 

「どうしたんだってばよヒナタ? なんだか昔みたいだぞ?」

 

「あの、ナルトくん……コレ」

 

意を決したのか、ヒナタはベッドの脇に置いてあった自分のポーチから手鏡を取り出しナルトへと手渡した。

 

「手鏡? ん〜……? なんか変なところでもあるのかってばよ?」

 

わけも解らず手鏡を受け取ったナルト。疑問を浮かべたまま狭い手鏡に写る自分の顔を確認していく。

 

「怪我とかは無さそうだけど……」

 

しばし眺めて……ふと、気が付いたのだ。

自分の顔はこんなにも可愛らしかっただろうか? アカデミーの頃の年齢にしたってコレは――。

 

 

「????」

 

 

ようやく違和感の正体にたどり着くナルト。

 

「ヒ、ヒナタぁ……!」

 

自分の理解の範疇を超える出来事から、目の前にいる自らの伴侶に縋り付いてしまう。

 

「お、落ち着いてナルトくんっ!」

 

涙を滲ませた縋るような瞳と、その幼くも可愛らしい容姿に悶えそうになりながらも、ヒナタは自らの夫であるはずの女の子の肩を抱きなだめすかす。

 

 

パッチリとした快活そうな蒼い瞳に、陽光を束ねたような繊細で明るい金髪。顔の輪郭も気持ち細くなった様で華奢な印象が強くなっている。肌も男の頃と比べて少し色白になり、この事態のせいでか朱が差した頬がより一層女の子らしさを引き立てていた。トドメには短めの可愛らしいハイツインテール。それがナルトの動きに合わせてピョコピョコと跳ねるのだ。しかも上目遣い。

ヒナタ目線では、控えめに言って傾国美少女であった。

 

 

――『守護らねば』

 

 

とある少女はそう思ったとか思わなかったとか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうすればいいんだってばよぉ……」

 

ナルトは完全に参ってしまっていた。

 

初めは幻術や変化の術の類ではないかと疑い、自分の知る限りありとあらゆる解呪の方法を試したのだ。だがそれも効かなかったため、その勢いのまま物理的に確かめようと服を脱ごうとした。しかしそれも、目の前の伴侶にはしたないと窘められてしまい自重するしかなかった。

 

しかしそれでも自分の身体がどうなってしまったのか気になるナルト。改めて直接見るのは怖かったのでヒナタに身体を確かめてもらう事にしたのだ。

だがその結果はナルトにとって受け入れ難い現実だった。

 

下半身のそれなりだったはずのアレは消え失せ、その変わりなのか、上半身には年相応のささやかな、しかし確かに膨らみを感じられる柔らかなモノが付いていたのだった。

 

明らかになったその事実に取り乱してしまえば、その狼狽っぷりを九喇嘛に笑われ、自分の最愛の奥さんからは「可愛いよ」などというよくわからないフォローが飛んでくる。

 

こうしてナルトが死んだ様にベッドに倒れ伏してしまうのも無理からぬことだった。

 

 

「うぅ……オレは、男なんだってばよぉ……」

 

「ナルトくん……こっち」

 

ヒナタはそんな弱りきっている夫の頭を抱き寄せ、膝の上で髪を梳く。

 

「ヒナタぁ……」

 

「ナルトくん……」

 

(逆行して早々、なんだこのクソ甘ぇ空間は……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時間がしばらく続きようやく落ち着いてきた頃、またもやその感情をメチャクチャにする人物が現れたのだ。

 

「よかった、起きてたのかお前ら。身体に異常はないか?」

 

ナルトは声の主を凝視したまましばし固まると――

 

「イルカ先生っ!」

 

「うおっ!?」

 

思わず、といった様子でナルトはイルカの胸へと飛び込んでいったのだった。

 

「お前なぁ……さっきまで気絶してたんだからもう少し自分の身体を労ってだな……」

 

「へへっ……!」

 

こうして叱られるのすらナルトにとっては懐かしく好ましい事であった。

 

イルカは自らの恩師であると同時に、里を守るために何十年も共に奔走してきたかけがえのない仲間であった。信頼度も好感度も極限まで振り切れている上に、ナルト目線では本当に久しぶりに会えた人でもある。

 

ナルトもヒナタも子供の身体になったせいか、言動や口調までもがこの頃の幼いモノに引っ張られてしまっていた。そこに前世で全てをやりきったという達成感とそれに伴う開放感が加算されて、といった具合だ。

そんな今のナルトが感情のままに行動してしまうのもしょうがない事であった。

 

 

 

ナルトはイルカの生を確かめる様にギュッと抱き着いたまま頬擦りをしている。

 

「というかお前もそろそろ年頃なんだし、もう少し恥じらいというのを持って女の子らしくだな……」

 

イルカもそんなナルトに小言を言ってみるが……あまり効果はなさそうだった。

 

「……はぁ」

 

そんなナルトの様子にイルカは注意するのを諦め、手持ち無沙汰となった片腕で頭をポンポンと撫でてやる。

何故かまた一段と抱き着く力が強くなった気がする……。

 

 

恥ずかしそうにしながらも満面の笑みで見上げてくるナルト。

男勝りでガサツな印象が強かったのだが、こうも至近距離で見つめられてしまえば今までで見えていなかった面が見えてくる。

 

性別の違いもあって、気にはかけつつもあまり関わり合いを持つ事はできなかったのだ。一応ミズキとの一件でかなり懐かれた気はしていたのだが、ここまでではなかったはずだ。

 

以前のナルトの眼はどこか仄暗さを孕んでいた様に思える。しかしそれでも前を向こうとする強さも持っていた。

そして今、ナルトの眼にはあの頃の様な闇は全く見当たらず、それどころか強い信念、意志を持った火を宿していた。

 

いつの間に曇り気のない、こんな真っ直ぐな眼ができる様になっていたのだろう?

自分達大人がどうにかしてやるべきだったのに、いつの間にか解消されていたのだ、気にならないはずがない。

 

自分がナルトの闇を払えなかったのには教育者としても恥じ入るばかりだが、それは自分の内心だけの事でどうでもいい話だ。そんなことよりもナルトが救われた事の方が重要だろう。

 

(……何かがあったはずだ)

 

そしてナルトの周りで今までと違う事といえばヒナタだろう。

 

先程、医務室に入った時もいつの間に仲良くなったのか、仲睦まじい様子だった。

何があったのかは分からない、しかし本当の意味でナルトを救ったであろうヒナタに対して大きな感謝を感じているのだった。

 

それはそうと――

 

「(いい加減女の子としての自覚を持つよう、コイツに注意して欲しいのだが……)」

 

「(ごめんなさい、もう少しだけそのままにしてあげてください……)」

 

視線で助けを求めれば、申し訳そうにしつつもそう返されてしまう。

一回りほども歳下の女の子に年齢不相応な包容力を感じてしまい、しばらくの間イルカはその場を動く事ができなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ気を付けてな」

 

「おう、イルカ先生もまたな!」

「では失礼します」

 

夕焼けの中、ナルトとヒナタは並んで帰り道を歩いている。

その顔は先程とは打って変わって厳しいものだった。

 

「……これからどうするってばよ?」

 

「先ずは現状の把握、かな? この世界がただの過去なのか、前回……仮に前世と比べてどの程度の差異があるのか、そういった事を調べてからじゃないと……」

 

「そうだよな……まぁイルカ先生の話を聞く限りでは前と大体同じだと思うってばよ――俺が女になっている事以外は……」

 

「「うーん……」」

 

考えても解らない事だらけだ。

だがそれでも、二人の心の中には確かな想いが芽生えていた。

 

――あの悲劇を決して起こさせはしない……!

 

そう決意を固めたのであった。

 

 

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