女らんまと攻略する異世界地下迷宮   作:RNOVEL

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11.妖女イシュダル

「わかりました……それじゃ、モンスターを倒した後は約束どおり、4人全員と……ですよ?」

 

「話がわかる勇者さんで良かったわ」

「ふふ、これで鬼に金棒。いや、女パーティに最強勇者だ」

「ありがとうございます!このご恩は一生、忘れません」

「さぁ、行こう、行こう」

 

 そろそろ良いだろう。茶番はここまでだ。

 

 オレは鞘から剣を抜き、囲んだ女パーティ四人全員に当たるように剣を回した。

 

 ズザ、ザザアアッ!!

 

「怪しすぎるんだよ、オマエたち! 正体を現しやがれっ」

 

 もちろん、女パーティらが血を流す事はなく、身体はまるで雲のようにゆらゆらと空中に漂い、その姿が重なり、一つへとなっていった。

 

『ふふふ……貴様、どうしてわかった?』

 

「オレを見ただけで勇者達也と言ったからな」

 

『そうか。男女二人の人間にはこの手が一番通じるかと思ったんだがな、はっははは!我が名は妖女イシュダル。まあ、良い。相手してやろう』

 

 幻影は実体化すると真っ青な肌に黒目のない深紅の瞳を持つ悪魔が現れた。耳は尖り、へそまで露出したセクシー美女モンスターがオレたちに吹雪の攻撃呪文を放ってきた。

 

 吹雪を盾で受け止めながら、オレは熱い言葉を放つ。

 

「へっ! オレとらんまは毎晩、●リマ●りなん●。らんまの●はめちゃ●●ゃで●い。●●クスしてもしても飽きないほどにな! ベ●ドの上じゃ、らんまはすごい激し●●●ぜ。●●ラ●オに●●ク●ナ●ン。●位なん●四十八●すべてをマスター●●るんだ!」

 

「馬鹿達也、な、なに言ってんだよぉお」

 

らんまが真っ赤になるほど、イシュダルに向けて、盛大に惚気るオレ。

 

「とにかくな、100人の美女に取り囲まれたって、オレはらんまを選ぶんだ。オレがどれだけ、らんまのことを好きか知らないだろう」

 

「はっはははは、バカップルめ。そんなバカップルが一番、嫌いなんだよ。オマエたちは私を追いかけ回しているバカップルによく似ている。だからこそ、気に入らないんだよ。死ねぇ!」

 

「らんま! いよいよ、ラスボスのお出ましだぜ」

 

「待ってました。勝負だ、イシュダルッ!」

 

 青黒い翼を羽ばたかせながら妖女イシュダルが複数の斬撃を繰り返してきた。冷たい刃の斬撃。受け止めた盾が一瞬で凍りつくほどの冷気だ。

 

「手加減はいらないようだな、いくぜ」

 

 オレは剣で、らんまは槍で妖女イシュダルに向かっていく。しかし妖女イシュダルも短剣でオレたちの攻撃を受け流していった。

 

「なかなか、やるじゃねえか。じゃあ、これだ。無差別格闘早乙女流奥義!火中天津甘栗拳っ」

 

 らんまが武器をツメ装備に持ち替え、得意の多段攻撃を仕掛けていく。

 

「ふふ、遅い。遅い、冥界の武闘家に比べれば、まだまだだな」

 

 カンカンッ!カンッ。

 

 らんまの爪と妖女イシュダルの短剣の刃が幾度とぶつかりあい火花を散らした。

 

「イシュダル、覚悟ぉ!」

 

 タイミングを見計らうとオレは高く飛び上がり、上空から妖女イシュダルを斬りつけた。

 

「隙だらけだ、甘い!」

 

 妖女イシュダルは無詠唱で手のひらから吹雪を出して、オレの腕を凍りつかせた。

 

「くっ……」

「達也、こいつ魔王の力を持ったサキュバスよりも強くないか」

 

「はははは、魔王? それは下界の雑魚モンスターかしら」

 

 これまでのモンスターとは段違いな強さを誇る妖女イシュダル。オレとらんまでさえ、これだけ苦戦するんだ。他の冒険者じゃ太刀打ちできないだろう。

 

「さぁ、おどき! わたしは人間界に用があるんだよ。見せてやろう、我が闇の力を!はぁああ!」

 

 妖女イシュダルが闇の攻撃呪文を放った。オレとらんまが吹き飛ばされるほどの絶大な威力。はじめて見る属性の攻撃呪文だ。

 

 危機一髪で避けると、地面に大穴が空いてしまうほどの凄まじい攻撃呪文だ。

 

「長期戦に持ちこむとまずそうだ。達也、最大火力の猛虎高飛車で仕留める。だから、時間稼いでくれ」

 

「よし、わかった。任せろ」

 

 猛虎高飛車。良牙の獅子咆吼弾に対抗するためらんまが開発した。強気を利用し、強い気を放つ。気持ちで負けていると威力が下がってしまうが、気持ちが強ければ強いほど、威力を増すエネルギー波だ。

 

 オレはらんまが構えている間にイシュダルの短剣と交える。

 

 カキンッ!カキン!キン!

 

 細い腕のくせにすごいパワーとスピードの短剣さばきに、オレは必死に剣で斬りかかっていく。こんなんだったら先代から受け継いだ勇者の力だけじゃなくて、やっぱり剣術も磨いておくべきか。そんな後悔する暇は今はなく、オレは全身、汗まみれになりながら、力と気力を剣に託していった。

 

「達也ぁああ! 準備オッケーだ」

 

 らんまの掌と掌の間に青白いエネルギー波が現れた。どんどん大きくなっていく。

 

 オレは息を吸い込み、大声で叫ぶ。

 

「らんまぁ! 大好きだ! さっき100人の美女に取り囲まれたってらんまを選ぶと言ったが、間違ってた。1000人、いや、1万人、1億人の美女に囲まれたってオレはらんまを選ぶ! らんま愛してる!これからも一緒にいてくれ。それにらんまとの迷宮攻略、めちゃくちゃ楽しかったぜ」

 

 らんまに向かって、他の誰かが聞いたら恥ずかしくなるような気持ちを叫んだ。でも、すべて本心だ。

 

「ありがとよぉお! 達也、いくぜええ、無差別格闘早乙女流奥義!猛虎高飛車ぁああああ!!」

 

 ドッ!っと妖女イシュダルに向かって放たれる猛虎高飛車。その膨大なエネルギー波に対して、イシュダルが真っ向から闇の呪文で受け止めた。

 

「ふんっ、この程度の攻撃、我が魔力で押し返してくれる」

 

 猛虎高飛車の青白いエネルギーと妖女イシュダルの紫黒の魔力がぶつかりあう。目も開けているのが困難なほどの眩しいエネルギーを、紫黒の魔力が消しあっていく。

 

 らんまの隣に行き、オレも猛虎高飛車のエネルギー放出に加わった。

 

「猛虎高飛車ぁあああ!」

 

 らんまほどではないが、オレも見よう見真似で強気な気を放出する。らんまと手を重ね、エネルギーを追加、ならぬ、追い強気していく。

 

「負けられっかよ、オレと達也は最強カップルなんでい!!」

 

「そうだ、オレたちはひとりじゃない、二人でひとつなんだ」

 

「「愛の猛虎高飛車ぁあああ!」」

 

 オレはらんまを後ろから抱擁しながら、手を重ね、エネルギー波の火力を高めた。

 

「愛の力なんぞ、愛の力なんぞ、愛の力なんぞ、愛の力なんぞ、妾は認めん、認めないいい!」

 

 オレたちの猛虎高飛車の強気がイシュダルの魔力を上回り、イシュダルの身体を溶かしていく。

 

「ぐぬぬぬぬぅうー、愛の力なんぞに、やられてたまるか、ぐあ、ぐはぁぁぁあああ」

 

「やったぜ、らんま!」

 

 らんまは喜びを表現するようにオレに抱きついてきた。頰がぴったりとくっつくほどの密着。やっぱり、1億人の美女よりも1人のらんまだぜ。

 

「達也をそんじょそこらの男と一緒にするんじゃねえ。オレのおっぱいが一番大好きなドスケベのど変態なんだよ」

 

 らんま、それはちょっと言い過ぎじゃないか。オレも段々恥ずかしくなってきた。

 

「おのれぇ……小娘が。だが、こっちには、まだいるんだよ。強力な冥界のモンスターがね」

 

 消えようとしているイシュダルが懐から小瓶を取り出した。オレとらんまも使役しているように小瓶の中に幻獣がいるかもしれない。

 

「らんま、あいつ、幻獣を召喚するかもしれない」

 

「そうはさせねえ!」

 

 が、一歩遅く。消えゆくイシュダルは小瓶から幻獣を召喚してしまった。

 

「ふふふ、ヤマタノオロチ。好きに暴れるがいい……ぐはっ」

 

 円形フィールドを覆い尽くすほどの強大な8つ頭の龍が現れた。鬼灯のような眼が光れば、オレたちに向けて、やけつく息を吐いてきた。

 

「はぁ?! 連戦?!」

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