女らんまと攻略する異世界地下迷宮   作:RNOVEL

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7.隠し階段の先

 石の下から現れた階段。オレが先に降りてみる。続いて、らんまがピクシーと一緒に降りてくる。

 

「ボス階に近づいたってところかな?」

「ここ何階?」

「えーと……」

 

 よくわからなくなってきた。たぶん23層目かな。

 

「あの隠し階段が使われていなかったってことは……もしかして、先の連中を追い抜いちゃった?」

「かも知れないな」

 

 オレはもう真っ暗になってしまった階段の穴を見上げた。自動で閉まったらちょっと嫌だけど、どのみち進んで行くしかないのだ。部屋にひとつしかない入口から向こうを伺うと、遠くの方がうっすら明るいような気がした。

 

「また何か来ないうちに、行こう」

「よし」

 

 強力な魔力を帯びたダンジョンをできるだけの早足で進む。やがて壁の所々に紫色の炎が灯る場所に来た、床も地面じゃなく石が敷かれている。

 

 それまでと景色が変わった。紋様が柱に描かれた神殿のようなダンジョンを歩く。

 

「これは……いよいよ、かな」

 

 通路の向こうで怒鳴る声と悲鳴、武器を打ち合う音が聞こえた。そして、ライノソルジャーとトロルの集団がこっちに向かってくる。いや、逃げてきた。オレたちに気がついて一瞬立ちすくみ、それから斧やこん棒を振りかざして襲いかかってきた。

 

 もちろん、通路の中だから数が多くても一度に相手をするのは4匹くらいだ。10匹ほど叩き斬って蹴り飛ばすと、また向こうへ逃げて行く。今度はオレたちがライノソルジャー共を追いかけて行く。

 

 少し広めの掘り抜き部屋に出た。いろいろ雑多な物が積み上げられて、粗末なテーブルや寝床みたいなものが並んでいる。そこで、反対側の通路からライノソルジャー共を追い込んできた連中と出くわした。先行パーティだ。さっきの聖女ルーナを残した奴らかもしれない。

 

 重装備の戦士に、赤ローブの魔法使いと、あと一人は盗賊のようだ。盗賊のスキルを使ったから、こいつらは仕込まれた宝箱にひっかからなかったのだろう。

 

 オレたちと連中は互いの存在に気づき、残っているライノソルジャーを全部やっつけた。

 

「オマエら、2人だけか? どこから来た?」

 

 連中のリーダーらしい重装備の戦士が近寄ってくる。屈強な男。顔はアラレちゃんのせんべい博士。

 

「真ん中の通路です。やたらにモンスターが出て手こずったけど、隠し階段がショートカットになったようです」

 

 

 オレはトロルの死体で剣を拭って鞘に収めた。それを見て、戦士も剣を収める。

 

「ふたつ上の階にルーナって名前の女を置いていったの、オマエたちか?」

 

 らんまが聞く。

 

「そうだ」

「オークに襲われるところだった。ルーナは邪魔だったからオークは斬ってきたけど、そのあとどうしたのかまでは知らない」

「そっちは、2人か?」

 

 赤ローブの魔法使いの男が聞いてきた。

 

「そうです。こっちは2人」

「ふーん、オマエたちも仲間を残して、先へ進んだのか?」

「あ、いえ、オレたちは最初から2人で入りました」

「へっ、オマエたちと一緒にするんじゃねえ」

 

 らんまを最後に、ちょっとだけ会話が途絶えた。向こうが何を考えているのか、何となくわかる。この先のアイテムやダンジョン攻略の報酬などだ。

 

「アイテムの優先権のことは、心配しないでください」

 

 オレは先に言った。

 

「オレたちはある人の依頼でここを潰すために来ています。だから、あなたたちがラスボスを倒してくれるなら、オレたちはそれでぜんぜん構わないんです」

 

 また、先行パーティの3人が顔を見合わせて、ひそひそと話した。

 

「ギルド報酬は?」

 

 盗賊が言った。

 

「報酬金は、すでに貰っていますから、オレたちは見届けることができればそれでいい。一切手は出すつもりもありません」

「そいつは、ありがたいな。俺はガルザス、魔法使いのシルドーと盗賊のトゾルだ」

 

 オレたちは全員と握手した。それで話しはまとまった。

 

 オレとらんまは連中の後ろを進む、ライノソルジャーたちはあそこで退治したので全てだったのか、どこを探してもいない。

 

「何か……おかしくない?」

 

 らんまが小声で言った。オレは小さく頷く。

 

「きっとどこかで見張ってて、反撃……」

「そうじゃなくて」

 

 囁くようにらんまが言う。

 

「あの、盗賊のトゾル。さっきから、ずっとオレたちの様子伺ってる」

 

 そう言われて気をつけて見ると、トゾルは確かに時々、ちらちらとオレたちを見ている。

 

 通路を辿り、いくつかの部屋を覗いたけど、たいした物は見つからない。見つかるアイテムもいらないと言ってあるので、連中が部屋を捜索している間、オレたちは待つしかなかった。

 

「あ」

 

 いきなり、部屋の扉が外から閉じられた。オレもらんまも一瞬戸惑って、ドアに手をかけて揺すってみた。開かない。おそらくは盗賊のスキルで施錠されたようだ。

 

「ダメだ、完全に閉まってる」

「やっぱり、あいつら俺たちのこと信用してなかったんだ。ちきっしょぉ」

 

 らんまが悔しそうに言う。

 

 追いかけて行ってケンカになっても意味がない。だがここに置いて行かれるのも困る。オレは攻撃呪文で壁に穴を開けた。

 

 ボロボロと崩れ落ちた壁から通路に出る。その先から戦闘の気配が伝わって来た。

 

「あいつら、やべーぞ!」

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