地球さんはLevel Upしました~ありふれてない天職で世界最強~ 作:大筒木朱菜
リアルが忙しかったり、Vtuberに嵌まったり、ガンプラ製作に逃避したり、執筆済の話を大改訂したりしてたら、いつの間にか2年近く放置してしまってました。
誠に申し訳ないです。取り合えず、改訂済の話までを一気に再投稿します。
※注意事項
・原作設定と異なる点が多々ございますが、原作の平行世界と割り切って読んで頂けると幸いです。
・本作主人公の錬成魔法は地球さんがレベルアップすると同時に合成強化
・本作では原作と異なり、侵入者の可否に関係なく基本的には最初から転移渦の色でダンジョン難易度が固定されています。
なので、主人公が最初に入ったダンジョンは原作風見ダンジョンとほぼ同じとなっているので、その点をご了承ください。
・本作では原作と異なり、無限鳥居ダンジョンの難易度が若干上昇。1つ目の山から魔物が5体以上の編隊で出現することがあります。
・本作で登場するダンジョン宝箱のレア度判別は、普通の木箱=
・無限鳥居ダンジョンの妖精の宿の滞在時間を24時間から48時間に変更。
・本作オリジナルのダンジョン地図が妖精の宿で販売。
・無限鳥居ダンジョン2つ目の山の難易度上昇。(魔物の出現数的な意味で)
【視点:命子】
出会いと別れの季節を象徴する日本の国花―――桜。その桜が咲き乱れ、舞い散る4月某日に私が通うことになる風見女学園では入学式が執り行われた。
大概の学校は同じ様な流れで入学式が行われると思うけど、風見女学園では入学式が始まる前、式場である講堂に新入生の親が先に入って待機する。
そして、新入生は連絡掲示板に張り出されているクラス名簿で自分のクラスを確認し、入学式開始まで教室で待機。で、時間になると先頭クラスから順番に講堂に入場し、入学式が開始。
入学式の定番である校長先生の長い挨拶には、地球さんに新規実装されたカルマシステムの話も含まれていて、カルマ値マイナスの子達に対して良い事を言っていた。
自分を見つめ直し、思いやりのある淑女に生まれ変わるチャンス、的なことを言っていた。つまり、ピンチはチャンス!ぷ○ぷよの攻略本の名言を良い感じにリメイクして言ってたんだよ!!
多分、校長先生は○よぷよ信者なんだろうなぁ。まぁ、私もテト○スよりぷよ○よ派だから、校長先生の気持ちは分からなくもない。
入学式が終わった後、新入生は先頭クラスから順番に講堂から退場し、各教室へと戻っていく。そして、教室に戻ってから少しの間は待機時間。
この風見女学園では入学式終了後、各教室の担任から行われる初めてのホームルームを父兄に参観して貰うスタイルみたいで、待機時間は父兄が集合するのを待つ時間だったりする。
授業参観と同じ様に教室最後尾と、窓の開け放たれた廊下側に父兄が集まっていることを確認した担任は自己紹介を始める。
私の担任は、見た目が日本酒を杯で飲んでいる任侠の姐さんみたいな凛々しい女性だったので、私は心の中で姐さん先生と呼んでいる。
姐さん先生は自己紹介の後、新入生である私達に祝辞と激励の言葉を送り、続けて出席番号順で自己紹介をするように促してきた。
まぁ、入学式や新学年の最初のホームルームでは生徒の自己紹介なんてテンプレだよね。高校生になるまでの9年間の学生生活で9回も同じ経験をしていると、コミュ障でもなければ楽にこなせる作業だ。
知人でも知人じゃなくても、自己紹介を終えたクラスメイトに惜しみない拍手を送るのは、小中で培った学生の自然な行動だよね。
あ行、か行のクラスメイトが
「笹笠ささらです。風見学園での生活を通して立派な淑女になれる様、勇往邁進したいと思っております。皆様、宜しくお願い致しますわ」
自分だけでなく他人にまで厳しいお嬢様と勘違いされかねない自己紹介をしたささらに、私は父兄も含めた教室にいる誰よりも早く拍手を送った。
すると、ささらは私の方に顔を向けて微笑み、クラスメイトはささらの微笑みを見たことで、ささらが厳粛系(?)お嬢様ではないと安堵していた。
淑女という単語や勇往邁進なんて四字熟語が飛び出したささらと違って、その後に行われる自己紹介は無難なもので、自己紹介を終えたクラスメイトは春の陽射しもあってか、欠伸しそうな子が何人か見て取れた。
自己紹介がな行に突入し、私の隣席のクラスメイトに順番が回って来ると、隣席のクラスメイトは元気よく立ち上がり、これまた元気よく自己紹介を始めた。
「ワタシはルル=ナッガーレというデース。日本人パパとキスミア人ママの子供で、ハーフになりマース。多分、日本に永住?するデス。皆、仲良くして欲しいデース!!」
初見から何となく外人さんかと思ってたけど、隣席のルル=ナッガーレさんはハーフなのか。まぁ、純日本人で色白金髪碧眼美少女なんて生まれる訳ないよね。
もし、この容姿で純日本人なら髪色も目の色も天然じゃなくて、毛染めやカラコン使ってることになるから、カラコン使ってる紫蓮ちゃんの進化系中二病者ということになっちゃうよ。
取り敢えず、私は外人だろうとハーフだろうと臆することが無い。何故言語理解
ナッガーレさんへの拍手も、ささらの時と同じ様に私が教室内で真っ先に送ると、ナッガーレさんは花が咲いた様な笑顔を私に向けてくれた。
ちなみにキスミアはヨーロッパでおしゃれの国としてよく知られるフェレンスと、租税回避地として有名なセイスの間にある山に囲まれた小国で、ぶっちゃけると陸の孤島だったりする。
「念の為言っておくと、彼女の本名は流ルル。西洋風に言い直したとしてもルル=ナガレだ。流は河童の川流れの『流』になる」
「
姐さん先生の補足に流さんは笑顔で返答し、クラスメイトはそのネタがツボったようで、クスクスと笑いながら流さんを自然と迎え入れた。
あと、英語や古語、漢語の授業以外で初めて言語理解さんが発動したよ。お母さんがキスミア人って言ってたし、多分キスミア語かな?キスミア語で「はい」のことを「ニャウ」って言うんだね。
流さんの自己紹介が終わると、また当たり障りのない自己紹介が続き、は行でついに私の順番が回って来た。
「羊谷命子といいます。趣味は武術鍛錬。特技は実戦を想定した剣術メインの武術全般と魔物討伐―――特にバネ風船と魔本狩りが得意で、ステータスにバネ風船スレイヤーと魔本スレイヤーの称号を獲得してます。
ダンジョンや魔物に興味がある人は気兼ねなく話し掛けて頂けると幸いです。3年間、宜しくお願い致します」
自己紹介で女子校生らしからぬ趣味と特技を言ったものの、クラスメイトの大半は大江戸TVニュースやフォーチューブで私のことを知っていたみたいで、私の趣味と特技に納得した状態で拍手をしてくれた。
私が自己紹介を終えると、わ行まで一般的な自己紹介が行われ、クラスメイト全員の自己紹介が終わると、時間割表などのプリントが配られたりして、その日は自由解散となった。
そして、その日の夜。母を手伝いで夕食の準備をしていると、父さんが唐突に質問をして来た。
「命子、今日の自己紹介で特技が実戦を想定した剣術とか武術って言ってたけど、そんなのいつの間に覚えたんだい?」
「……元々、剣道はやってたし、河川敷で行ってる集団鍛錬で実戦剣術が得意なご隠居さんと出会って、手合せしている時に見様見真似で覚えたんだけど、それがどうしたの?」
家族の中で私が実戦剣術を使える上、バトル漫画のキャラクターみたいな挙動ができることを知っているのは、妹のモモちゃんのみ。
父と母は持久走をしていることは知っていても、剣術の鍛錬―――というか、柱稽古をしていることすら知らないと思う。
多分知った所で、剣道の素振りをしているだけ、と勝手に自己完結していただろうから、私自身報告する気は無かった。
「なんで実戦剣術?危なくない?」
「ダンジョンを冒険するのに剣道じゃ力不足じゃない。ダンジョンが一般公開されたら、私も冒険したいし」
「えっ?そんな危ないこと、女の子がしちゃダメでしょ」
「……………お父さんのその発言、性差別だよね。ぶっちゃけ、お父さんの考え方って旧時代のものだよ。
地球さんが進化したことで、カルマ値の±ってハンデはあるけど、基本的には努力次第で平等に進化する権利を地球上の全生物は与えられたんだよ。
新時代では女でも身体能力が男より劣るとは言えなくなるんだ。女だから冒険しちゃいけないとか、馬鹿馬鹿しい考え方だよ」
「ッ!?」
「それに地球さんが将来的にはダンジョンの魔物が地上に出て来るって言ってたよね?その将来っていつ?
100年後?10年後?それとも1年後?1ヶ月後や1週間後、もしかしたら明日の可能性もあるかも知れないよね?
私は魔物と戦える術を得られる環境にいるのに、何もせずに魔物に殺されるなんて絶対に嫌だよ。自分だけじゃなくて、家族や友達が殺されるのも嫌だ。
自分や自分の大切な存在が害される前に、害する存在を叩き潰す。その手段を得る為に自己鍛錬を行う。至って普通のことじゃない?」
「ふ、普通じゃないよ!魔物が地上に出て来たとしても自衛隊や警察が対処する筈だから、命子が戦う必要は無いでしょ!?」
「出現する魔物の数が風見警察署の署員の10倍以上でも警察は民間人に犠牲者を出さずにいられると思うの?
警察が政府に救援要請をしたとして、政府が自衛隊に出動命令を出して、自衛隊が風見町に到着するまで警察は民間人を守りきれるの?
もし、日本中で同時多発的に魔物が地上に溢れ出たとしても、自衛隊と警察だけで民間人を守りきれる?
仮に守りきれたとしても、警察官と自衛官に大勢の犠牲者が出るよね?自衛隊と警察の戦力が減った状態で、魔物の地上出現が長期間続いたらどうなると思う?
最終的には戦える人間がいなくなって日本人が絶滅することになるよね。極端な話になるけど、地球さんが進化したことで全世界は国民皆兵を強制されてると言えなくもないんだよ」
「………………………」
可能性としては極小だけど、無いとは言い切れない最悪なシナリオを口にすると、父は黙り込んだ。
「それに――――」
「!?」
私は気配遮断
「少なくとも私はお父さんより強い。………私が魔物じゃなくて良かったね。もし魔物だったらお父さんは死んでたし、お父さんが死んだらお母さんとモモちゃんも守ってくれる人がいないから死んでたよ」
「―――――!?」
「真面目な話、守りたい人がいるなら実戦武術を学ばないとしても、体を鍛えるくらいはした方がいいと思うよ。圧倒的強者の前では弱者なんて選択肢も与えられないんだから」
無慈悲かもしれないけど、私は父に現実を叩き付けた。すると、当然と言うべきなのか父は呆然自失になってしまい、夕飯も食べずに自室に篭ってしまった。
すまない、父。けど、これも父に危機感を持って貰いたいからだ。だから、私は心を鬼にして
別に私がダンジョンで冒険に満ちた生活をエンジョイしたいとか、そんな利己的な理由で
――――風見女学園に入学して1週間。クラスメイトだけでなく、他の同学年や上級生もダンジョンに興味津々の様で、毎日違う人からダンジョンについての質問される日々を送っている。
私が学園の休み時間にする会話は、基本的に私の知り得るダンジョン情報の公開で、極偶にダンジョンの質問ではなく、部活動の勧誘で上級生から話し掛けられることもある。
部活動の勧誘に関しては、私自身が柱稽古のコミュニティで鬼滅流の型式指南役を務めていることもあって、全て断る様にしていた。
柱稽古コミュニティといえば、9日前に呼吸術の存在を開示すると、肺活量を向上させる為に基礎能力向上訓練をメインにする者が増えた。
開示してからの3日間とか、中学生以上の柱稽古参加者は基礎能力向上訓練の持久走しかやらなくなり、小学生組だけが柔軟や太刀筋矯正などを行うという事態になっていたりもした。
4日目以降は、中学生以上の参加者も基礎能力向上訓練だけでなく、柔軟や太刀筋矯正などを行うようにはなったけど、それでも鍛錬に費やす時間の割合は基礎能力向上訓練が8に対して、他が2といった感じ。
まぁ、鍛えられた肺でなければ呼吸術を会得するなんて、夢のまた夢だからね。肺活量に自信のない人は有酸素運動で肺を鍛える為に持久走を優先するのも仕方がない。
柱稽古参加者の中には日常的に有酸素運動を行っている武術経験者や体育会系活動経験者も居て、そういった人達の一部は入門者仕様の柱稽古で太刀筋矯正を突破し、高速移動稽古に突入していたりする。
あと、太刀筋矯正を突破した人は私が〝透き通る世界〟で肺を見てから適性呼吸を判断し、鬼滅流の適性型式を指南するようになっている。
私の鬼滅流の素振りを見たことのある若年層~青年層(?)の柱稽古参加者は、ほぼ全員が鬼滅流を使える様になることを目標としている節もあって、鬼滅流の型式指導も真剣に受けてくれる。
多分、鬼滅流を使いたくなる理由は、呼吸術を使用した鬼滅流剣技に魔法適性の無い者でも魔法現象染みたエフェクトを発生させることができるからだろう。
普通に使える私が言うのも変だけど、鬼滅流剣技で発生するエフェクトはカッコいいからね。
………私個人に関わる出来事ではないけど、この1週間でダンジョンやステータス関係の情報が防衛省から発表されるという出来事もあった。
・
・ダンジョンに入ったら、視認可能距離に脱出用転移渦は存在しない。
・ダンジョンに入ってから1時間以上経過するとジョブ選択が可能となる。
・ジョブに就くと総合魔力が10減少する。
・マイナスカルマ者はジョブに就けず、レベルが上がらない代わりにカルマが少しずつ回復する。
・犯罪者など、一定数値下回るマイナスカルマ者は、黒炎でその身を焼かれながら地獄へと引き摺り込まれ、カルマログによって犯した罪が晒される。
・現時点で確認できている最弱の魔物スペックは、移動速度が中学生の徒歩相当、攻撃力が直撃で世界へヴィー級ボクサーのパンチ相当。
※当たり所が悪ければ一撃必殺もあり得る。
・時速約140kmの魔法攻撃(水、火、風、土、雷、氷の6属性が確認済)を放つ魔導書型の魔物を確認。
・遠距離攻撃に該当する旧時代(地球さん進化前)の物理法則が、ダンジョン内外に関係なく通用しなくなっており、投擲物によるダメージは魔物・人間・動物に問わずほぼ無効。銃火器によるダメージも魔物・動物で意味を為さないことが確認済み。
※ただし、遠隔操作された魔導書による物理攻撃は効果があるので、
・魔導書の初期可動範囲は、装備者を中心とした半径2m。
これらの公開された情報の中には、私がダンジョンから脱出した後に行われた聞き取り調査で提供した情報も含まれている。
例えば、某ハンティングアクションゲームの小型甲虫種モンスターに相当するであろうバネ風船のスペック情報とか。
木刀や滅竜刀でけん玉パンチを捌いた時の衝撃から、世界へヴィー級ボクサーの利き手ストレートパンチ相当と判断し、聞き取り調査でもそのまま報告している。
ニュースでは魔物の攻撃を受けたダンジョン調査団の自衛官1名が重症って報道されていたけど、これは私の報告を鵜呑みにする訳にもいかないから、実際にバネ風船の攻撃を受けてみたのかもしれない。
魔本の属性に関しては、情報元が完全に私からのものだ。聞き取り調査で出会ったダンジョン研究員(?)の礼子さんとモバイルメッセージアプリ・ルインを交換していて、自衛隊が確認できた魔本は水と火の2属性だけだと教えて貰えたからね。
自衛隊が命懸けで手に入れたダンジョン情報を、一般人に漏洩したら普通なら懲罰ものなんだろうけど、私の場合は一般人ではなく世界初のダンジョン生還者という逸般人だし、私も錬成魔法で地上産金属とダンジョン産バネ金属を合成し、新素材である特殊合金の鉱物特性を合成比率も含めて礼子さんに詳細に報告しているから、情報共有が許されているのかもしれない。
レベルアップが身体能力に与える影響なんかの報告も行いたかった所だけど、私は元からレベルもステータスもバグっている上、オルタロスやブナハブラに相当するバネ風船や魔本を倒した所でステータス上昇も起きないから報告しようがない。
本当、レベルやステータスを上げる条件すら検証できないこの身が恨めしい。RPG的に考えれば、魔物を斃すことで経験値を獲得し、レベルとステータスを上げられる訳なんだけど、現実とゲームのシステムを混同するのは愚かしいことでもある。
それに可能性は極小だけど、レベルアップせずとも、鍛錬によるステータスの上昇効果はあり得るかも知れない。
ステータスプレートのステータスで例えると、レベルアップによるステータス上昇は6項目を万遍なく急成長させられるけど、鍛錬によるステータス上昇は鍛えた項目―――腕立て伏せや腹筋、スクワット、素振りなら筋力(攻撃力)と体力、持久走なら体力と敏捷―――のみを少しだけ成長させられるとか。
鍛錬によるステータスの上昇効果は、柱稽古参加者の成長速度から私が検証できる唯一の事柄なので、少しの変化も見逃さない様に指南しないといけない。
公表された情報で私が一切関与してないのは、ジョブ関係とカルマ関係、飛び道具関係かな。
飛び道具の情報で投擲物のダメージがほぼ無効されるという話は、ダンジョン帰還後の聞き取り調査で聞かされてはいたし、魔物に対して銃火器攻撃が無効化されるという話も礼子さん経由で知っていた。
けど、銃火器攻撃が魔物だけでなく動物にも意味を為さないというのは、礼子さんからも教えて貰ってなかった情報で、完全に初耳だった。
多分、自衛隊員が猟友会員と一緒に山に入って、熊や猪を対象に猟銃を使って銃撃効果の有無を確認したのかもしれない。
ただ、この確認方法は人間を殺傷して害獣認定された訳でも無い熊や猪を、人間の都合で射殺する行為だから、カルマ値に影響を及ぼす可能性もあると思うんだけど、どうだったんだろう?
カルマ値といえば、風見女学園―――略称:風女の同学年でマイナスカルマの女の子集団から泣きつかれたりもした。
15~16歳でマイナスカルマになった原因は、小中学校時代にいじめや万引き、恐喝etcetcといった害悪行為をしていたんだと思う。
私に泣きついて来た理由は、私が防衛省の発表したダンジョン関係の情報に詳しいから、カルマ関係の情報も詳しいと思ったらしい。
実際の所は、カルマ関係について私の持つ知識は大して多くも無い。ダンジョンでの行動―――主に魔物との戦闘行動でカルマ値が増えるとか、柱稽古での指南役といったボランティア活動でカルマ値が増えるといったものしか知らない。
だから、私はボランティア活動の貢献度でカルマ値が増えることを教えた上で、マイナスカルマっ娘達に柱稽古コミュニティへの参加を提案した。
提案するだけで強制はしてない。だって、カルマ値をプラスに戻そうと努力するのも、努力をせずにマイナスのまま嘆き続けるのも本人達次第で、私にとってはどうでもいい事柄だからね。
閑話休題。他に身の回りで起こった出来事といえば、父を論破――論破なのかな?取り敢えず、父を言い負かした翌々日から、私が基礎能力向上訓練に向かう前に家の庭で柔軟運動をしていると、カーテンの隙間から毎日鬱陶しい視線を向ける様になったことかな。
娘に危険なことをさせたくないって気持ちは理解できるし、家族を養う為に働いて、貴重な休みの日に疲れ切った心身を癒すという行動も理解できる。
けど、出勤日も会社まで車移動で、休みの日にはグータラしている姿を見せつけられ、大切な家族を守る手段も警察頼り、自衛隊頼りの他人任せとか、話にもならないよ。正に片腹痛し。
将来的にはダンジョンが一般公開され、魔物のドロップ品を公共機関が買い取る様な制度が導入されると私は確信している。
その理由は、将来的にダンジョン内だけでなく地上にまで出現する魔物に対して、自衛隊と警察、消防だけでは確実に手が回らなくなるからだ。
つまり、必然的に民間人からも戦力を提供しなければいけない状態になるということ。けど、中途半端な戦力は余計な犠牲を生むことになり兼ねない。
犠牲者を出すとしても最小限に抑えるにはどうするべきか?H○NTER×H○NTERのプロハンターやBL○CK CATの掃除屋みたいに、生命保障は自己責任なダンジョン活動の専門職―――冒険者と仮称しようか、冒険者(仮)という新しい職業に作る以外の方法は無いと思う。
冒険者(仮)はプロハンターや掃除屋みたいなライセンス制になるだろうね。まぁ、ダンジョンへの転移渦は発見され次第、各国の政府が管理するだろうから、ライセンスを持たないアマチュアやモグリの冒険者(仮)が生まれる可能性が限りなく低いだろう。
………まぁ、これらの冒険者(仮)という新しい職業の重要性や全都道府県で魔物が大量発生した時の危険性、自衛隊と警察、消防だけで対処した時の被害予想、冒険者(仮)という職業もしくは組織を作る場合の草案的な物は既にレポートとして纏め、礼子さんとダンジョン対策本部の女性自衛官である翔子さんに書面で提出してるんだけどね。
レポートの内容を読み終えた2人は、声を揃えて――――
「「命子ちゃん(くん)は本当に女子高生なの(か)?」」
と言い、訂正などは特にせずレポートを防衛省の上層部に提出するとまで言っていた。
女子高生の考えをそのまま採用するとは思えないけど、少しくらいは問題点を探し、それを訂正して制定して下さいね。お願いします、国会議員さん。
っと、少し話が逸れた。近い将来――1年以内、冒険者(仮)という新しい職種ができて、ドロップアイテムの買い取り制度とライセンス制度が導入されたら、私は絶対にライセンスを取得する。
取得年齢で引っ掛かったら諦めるけど、原付免許が16歳で取得できることを考えると、16歳からライセンス取得ができる可能性も十二分にあり得る。
私は10/10には16歳になるから、ライセンスの取得可能年齢が16歳からなら、10月中にライセンスを取得する。
父の態度が来年の3月までに変わらなければ、家を出てドロップアイテムの売買で得たお金で1人暮らしを始める。
その時は母に迷惑を掛けることになるけど、連帯保証人になって貰おう。と、こんなことを考えてしまえるくらい、今の父を鬱陶しく感じてしまっていたりする。
そして、私は今日も剣道着姿で背中に父の鬱陶しい視線を感じながら、柱稽古の為に家を出て、紫蓮ちゃんと一緒にささらとの待ち合わせ場所へと向かう。
いつもは河川敷で基礎能力向上訓練をするんだけど、今日は気分転換も兼ねて山の麓にある農道を利用することになっている。
私は紫蓮ちゃんと一緒にささらと合流すると、水の呼吸を使いながら、ささらと紫蓮ちゃんの速度に合わせて走る。
私が呼吸術の存在を開示してから、2人も持久走の際は呼吸を意識する様になったみたい。
今もささらは水系統を思わせるの柔らかい息遣いで、紫蓮ちゃんは炎系統や岩系統を思わせる力強い息遣いで走っている。
まぁ、2人とも現時点では肺も発展途上で、呼吸も正しい呼吸術とは言い難い拙いものだけど、肺に負担を掛ける様な呼吸法でもないし、自分に合った呼吸術を自分なりに探るのは悪いことでもないから、私は2人の行動に干渉したりはしてないよ。
アンケート内容
①【無限鳥居でのささら達のレベリング手段】
・最後まで地道な魔物との戦闘で得られる経験値
・妖精の店での宿泊3日目の夜に昇華魔法と変成魔法で強制レベルアップ
②無限鳥居ダンジョンボスはどれ?
・八岐大蛇幻影体・弱(戦闘能力値:2250?)←3つ首
・八岐大蛇幻影体・狂(戦闘能力値:4250?)←8つ首
無限鳥居ダンジョンボスはどれ?
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八岐大蛇幻影体・弱
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八岐大蛇幻影体・狂