地球さんはLevel Upしました~ありふれてない天職で世界最強~   作:大筒木朱菜

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はい、皆さん。お久しぶりです、おはこんばんにちはーーーーーーーーーーーーーーーー。大筒木朱菜です。

リアルが忙しかったり、Vtuberに嵌まったり、ガンプラ製作に逃避したり、執筆済の話を大改訂したりしてたら、いつの間にか2年近く放置してしまってました。

誠に申し訳ないです。取り合えず、改訂済の話までを一気に再投稿します。








※注意事項
・原作設定と異なる点が多々ございますが、原作の平行世界と割り切って読んで頂けると幸いです。
・本作主人公の錬成魔法は地球さんがレベルアップすると同時に合成強化技能(スキル)と統合され、効果範囲が鉱物系だけでなく物質系全般にまで広がっています。
・本作では原作と異なり、侵入者の可否に関係なく基本的には最初から転移渦の色でダンジョン難易度が固定されています。
なので、主人公が最初に入ったダンジョンは原作風見ダンジョンとほぼ同じとなっているので、その点をご了承ください。
・本作では原作と異なり、無限鳥居ダンジョンの難易度が若干上昇。1つ目の山から魔物が5体以上の編隊で出現することがあります。
・本作で登場するダンジョン宝箱のレア度判別は、普通の木箱=N(ノーマル)。銅色宝箱=R(レア)。銀色宝箱=SR(スーパーレア)。金色宝箱=SSR(スペシャルスーパーレア)。緑、青、赤等の色付き宝箱=UR(ウルトラレア)。虹色宝箱=SE(シークレットレア)になっています。
・無限鳥居ダンジョンの妖精の宿の滞在時間を24時間から48時間に変更。
・本作オリジナルのダンジョン地図が妖精の宿で販売。
・無限鳥居ダンジョン2つ目の山の難易度上昇。(魔物の出現数的な意味で)


第8話(大規模改訂版 2025/08/21)

 

 

 

【視点:命子】

 

 

 

無限鳥居ダンジョンの1つ目の山と2つ目の山へを繋げる橋。そこから少し外れた場所にあるダンジョン内で経営されている万屋さん―――妖精の宿に訪れた。

 

妖精の宿は万屋ということもあって、武器や防具、回復アイテム、食品なども扱っていて、魔物から手に入れられる魔石やドロップアイテムなどの買取も行い、お金を支払うと休憩所としても利用できる場所だった。

 

妖精の宿で取り扱われている装備等級は基本的に稀少級(レアクラス)一般級(コモン)で、1人辺り6,000ギニーも支払えば最低限の武器と防具一式を手に入れることができる。

 

私は荷物となっている魔石やアダマンタイト製滅竜武装・真打シリーズを完成されてから不要となった特殊合金製滅竜武装・影打シリーズを妖精の宿で売却し、ダンジョン貨幣であるギニーを百数十万単位で手に入れ、妖精の宿で取り扱われている1人辺り40,000ギニーの最高品質――遺物級(レリッククラス)防具一式を購入した。

 

防具のみを購入したのは、滅竜武装・影打でも妖精の宿で取り扱っている秘宝級(アーティファクトクラス)武器の中でも結構な業物だと猫店長が教えてくれたからだ。

 

で、私達4人が無限鳥居ダンジョンの妖精の宿で手に入れた遺物級(レリッククラス)防具がどんなものかというと、私が前世の読んだことのある漫画で登場していた物だった。

 

防具の名前は死覇装。この世界には存在しない「BLE●CH」という漫画に登場する死神が身に纏う漆黒の袴着物。

 

妖精の宿の猫店主曰く、防刃、防撃、防熱、防寒、防水、自動修復機能が付与されていて、妖精の宿で購入可能な既製防具の中では誇張表現無しで最高品質の防具らしい。

 

形状も「BLE●CH」に登場する死神の大半が使用している一般的な死覇装から、帯を半幅帯へと変更したもの。丈を短くしたミニスカ着物風のもの。袖が切り取られたノースリーブ風のもの。隠密機動総司令官 兼 同第一分隊――刑軍統括軍団長が使用する刑戦装束まで色々なものが存在する。

 

もし、このダンジョンから脱出する絶対条件にボス討伐がなければ、ささら達には死覇装以外の稀少級(レアクラス)一般級(コモン)防具を選ばせて上げることができたかもしれない。

 

稀少級(レアクラス)一般級(コモン)防具は、死覇装と似た様な形状の袴着物でも、明治時代のハイカラさんみたいに小洒落た柄となっていて、防具カタログに目を通していたささらも素敵だって言ってたからなぁ。

 

申し訳ないけど、今回は安全第一ということで黒一色の死覇装で我慢して貰うしかない。

 

閑話休題。私達はそれぞれに気に入った形状の死覇装と一緒に、アクセサリーなどの補助防具も選び、妖精の宿に用意されていた試着室で順番に着替え、お披露目会をすることになった。

 

最初に着替えを始めたのはささらだ。あっ、ちなみにそれぞれが着ていた地上産の服は、私の宝物庫で預かることになっている。

 

 

「ど、どうでしょう?」

 

 

ささらが選んだのは、帯を半幅帯へと変更した「BLE●CH」の護廷十三隊四番隊隊長――卯ノ花烈風の死覇装だ。

 

補助防具に鉢金と「鬼滅●刃」の胡蝶カナエが着けていた蝶の髪飾り、手套と手甲、ハイソックス風足袋、脚絆、編上げブーツを身に着けている。

 

死覇装の上に蝶羽柄の羽織を羽織っているから、見た目が殆ど胡蝶カナエのコスプレをした美少女にしか見えない。

 

 

「超似合ってるよ」

「超キャワワデス!」

「………!」

 

 

私とルルが絶賛する横で、紫蓮ちゃんは無言のまま私達の意見に同意し、首が千切れそうな勢いで頷き続けていた。

 

ささらが装備のお披露目を終えると、入れ替わりでルルが試着室へと向かう。ルルが着替えている間、私はささらを褒めちぎり、紫蓮ちゃんは写メを撮り続け、ささらは赤面しながら私達の言動を止めようとしていた。

 

そうこうしている間にルルは着替えを終えたみたいで、試着室の扉が開き、私達の前にその姿を現した。

 

 

「ニンニンでゴザルデス!」

 

 

ルルが選んだのは、「BLE●CH」の元護廷十三隊二番隊隊長 兼 隠密機動総司令官 兼 同第一分隊刑軍統括軍団長を務めていた四楓院夜一風の刑戦装束(アニメver)だ。

 

帯の部分は完現術(フルブリング)編以降の護廷十三隊九番隊隊長――六車拳西の様にベルト―――ルルの場合は百獣王化・ライオネルに変更した状態だ。

 

補助防具は金剛石(ダイヤモンド)っぽいダンジョン産鉱石が埋め込まれた鉢金と「鬼滅●刃」の胡蝶しのぶの蝶の髪飾り、手套と手甲、ハイソックス足袋、脚絆、踵に隠し小刀が仕込まれた草履を身に着けている。

 

ちなみに蝶の髪飾りは夜会巻きにした状態の髪に着けていて、金髪碧眼の美少女外人が胡蝶しのぶコスか、女性版宇随天元コスをしている様に見えなくもない。

 

刑戦装束の上に羽織っている羽織は蝶柄ではなく、禰豆子の着物柄である麻の葉紋様だけどね。

 

護廷十三隊二番隊隊長 兼 隠密機動総司令官 兼 同第一分隊刑軍統括軍団長を務めている砕蜂(ソイフォン)が黄色の帯で隊首羽織を固定している様に、ルルも刑戦装束の上に羽織っている麻の葉紋様の羽織を黄色の鱗文様の帯で固定している。

 

 

「きゃぁああああ!?る、ルルさんはあの大胆な防具にされましたの!?」

「羽織無しだと背中丸見えで恥ずかしいデスけど、羽織を羽織ってたら恥ずかしくないデスよ?それにこれが一番忍者っぽいデス!ニンニン!」

「……鉢金や羽織の柄が派手で全然忍んでない」

「紫蓮ちゃん、現代社会でのNINJAは派手さが求められているんだよ」

 

 

淑女であるささらにはルルの選んだ刑戦装束は刺激が強過ぎたみたいだけど、中二病な紫蓮ちゃんには刑戦装束の露出度より、補助防具の派手さの方が気になったみたい。

 

ルルが装備のお披露目を終えると、私は最後のお披露目を希望したので、紫蓮ちゃんが試着室へと向かう。

 

紫蓮ちゃんが着替えている間、憧れの忍者衣装―――厳密には隠密機動第一分隊・刑軍の軍団長の衣装だけど―――を着れたことで、ルルがハイテンションを通り越して切なげな声を出し始めたので、正気を取り戻させる為、私がルルのお尻をペシッと引っ叩いたりしていた。

 

そして、ルルが落ち着いた所で紫蓮ちゃんが試着室からお出ましだ。紫蓮ちゃんは割と空気が読める子だから、着替え終えた後にルルが落ち着くまでスタンバってたッ可能性がある。

 

 

「我、ここに顕現!」

 

 

紫蓮ちゃんが選んだのは、帯を半幅帯へと変更し、丈をミニ着物みたいに短くした「BLE●CH」の護廷十三隊十二番隊副隊長―――涅ネム風の死覇装だ。

 

補助防具はささらと同じ鉢金、「鬼滅●刃」の栗花落カナヲの蝶の髪飾り、黒マフラー、手套と手甲、足袋、下駄を身に着けている。

 

紫蓮ちゃんは蝶の髪飾りを使うに当たって、髪型を栗花落カナヲと同じサイドポニーへと変更している。

 

当然のことだけど、ささらやルルと同じ様に虹色宝箱から手に入れた黒無地の羽織を死覇装の上から羽織った状態だ。

 

 

「にゃふーっ!シレン、可愛さ大爆発デス!!」

「はわわ!紫蓮さん、丈が短過ぎませんか!?」

「アニメやラノベだとダークヒーローならぬダークヒロインっぽい見た目だね」

 

 

大絶賛のルルに対して、恥ずかしそうにミニ死覇装を指摘するささら。丈の短さならウチの女子校のスカートもどっこいどっこいじゃない?

 

紫蓮ちゃんのお披露目が終わったので、今度は私が試着室へと向かう。試着室で剣道着から一般的な死覇装へと着替えた私は、火焔柄の白地外套と既製補助防具を身に付け、皆の前に姿を見せる。

 

 

「ふぉおおおお!メーコ、カッコいいデス!!」

「侍みたいで素敵ですわ!!」

「羊谷命子、カッコいい。流石、剣鬼」

 

 

私は何故か可愛いではなくカッコいいと評された。私、これでも女の子なんだけどな。

 

ちなみに私の格好は、さっきも言った通り一般的な死覇装に火焔柄の白地外套を纏っている状態で、補助防具として、「シャーマ●キング」の登場人物―――いや、登場霊物である阿弥陀丸が身に着けていた籠手と大袖を装備。

 

これだけを見れば、今の私は「BLE●CH」、「鬼滅●刃」、「シャーマ●キング」の融合系。というか、見た目だけなら殆ど炎柱の外套を纏った縁壱零式。もしくは阿弥陀丸だ。

 

……むしろ阿弥陀丸が正解かも知れない。だって、阿弥陀丸の着物は色だけでいえば死覇装と同じだし、外套も火焔柄が加わっただけで、形状は炎柱の外套と大して変わらない。

 

週刊少年ジャ●プ装備以外に買った補助防具は鉢金、足袋、火焔柄の脚絆、草履と他の3人が買っていた物と大して変わらない。

 

あっ、私は3人と違って髪が短いから蝶の髪飾りは買ってない。代わりではないけど、蝶飾りが付いた簪風ヘアピンを買って、髪に付けている。

 

……さて、全員分の防具を揃え終えた所で、今後のダンジョン活動の予定を組む為にも猫店長から色々と情報収集をしておこう。

 

 

「猫店長。この妖精の宿が万屋ならダンジョン情報とか売ってたりするの?」

「御嬢さん達には一番高い防具を買って貰ったし、うちで扱っているのより性能のいい武器を売って貰ったから、ある程度ならダンジョン情報もタダで教えてやるニャ」

「それじゃあ、このダンジョンでの日の出と日の入り時間を教えて?」

「地上の日本時間で日の出は5時、日の入りは18時30分だニャ」

「日中と夜では魔物の種類や強さが変わるよね?レベル的にはどの位の差があるの?」

「日中に現れる魔物のレベルは1~5、夜に現れる魔物のレベルは15以上で基本的に上限は存在しないニャ。

御嬢さんなら夜の魔物相手でも余裕だと思うニャけど、他の3人の御嬢さん方は今の装備で挑んでも間違いなく死ぬニャ」

「……このダンジョンのボス情報は教えて貰える?」

「それは簡単な情報でも、流石に情報料が足りないから教えられないニャ」

「追加で情報料を払えば簡単な情報を教えて貰える?」

「…………ダンジョン装備の御品書きのモデルになってくれるなら、簡単な情報ならタダで教えてやるニャ」

「御品書きのモデルって、装備を試着して写真撮るの?」

「ダンジョン装備は一度着用すると、着用者のサイズで固定されるから、そんなことをしたら試着した防具をすべて買い取って貰うことになるニャ」

「じゃあ、どうすんの?」

「地上でいう所の合成写真技術的なもので、御品書きのマネキン素体を御嬢さん達の姿に変更するニャ」

「……モデルになるだけでボスの簡単な情報を得られるなら、モデルにして貰っても構わないよ」

「交渉成立ニャ。ボスのどんな情報が知りたいニャ?」

「ボスの種族とか強さ、使用する技、弱点を教えて貰えると助かるんだけど?」

「ボスの種族か強さのどちらかなら教えられるニャ。使用する技や弱点は、最低でも1000万ギニー支払って貰わないと教えられないニャ」

「んじゃ、ボスの種族を教えて」

「この無限鳥居ダンジョンのボスは龍――ドラゴンだニャ」

 

 

ボスモンスターはドラゴン。つまり、滅竜刀真打と滅竜魔法の検証相手としてはうってつけと言うことになる。

 

猫店長の情報を聞いて思わずニヤケそうになる私に対して、ささら達はこのダンジョンから脱出できるのか不安になったみたいで息を呑む。

 

 

「ドラゴンといっても強さはピンキリ。火蜥蜴(サラマンダー)なんかの空を飛べない低級ドラゴンはLV10程度だニャ」

「そういえば魔石の買取査定をして貰っている時、日中のボスなら私達の持っている武器でも倒せるって言っていたね。

もしかして、このダンジョンのボスは通常モンスターと同じで時間帯によって強さが変わるのかな?」

「…………これ以上の情報は別料金になるニャ」

 

私が更に情報を引き出そうとすると、猫店長は口にチャックをしてしまった。まぁ、有益な情報は得られたし、これ以上は嫌われかねないから聞き出さないでおこう。

 

 

「妖精の宿を休憩所として利用する場合、滞在時間は48時間。そして、ダンジョンが最も危険になる時間は18時半からの10時間半。

日の入りから日の出までを妖精の宿で過ごし、日の出から日の入りまでの日中でレべリングをするなら、約42時間の利用で4泊は余裕でできる。

余った約6時間も4日間利用する場合、1日辺り約90分の休憩時間として妖精の宿を利用できることになる。

今チェックインして、90分休憩してからレベリングに行くこともできるけど、休憩する?」

 

 

私が3人にそう尋ねると、3人は無言で首を横に振った。まぁ、ダンジョンボスがドラゴンで、夜のモンスターと戦えば死亡確定なんて聞かされたら、貴重な日中のレベリング時間を無駄にしたくないよね。

 

私達は猫店長に18時半前に再来店することを伝えると、制限時間ギリギリまで1つ目の山の探索と魔物討伐によるレベリングを行うことにした。

 

そして、ダンジョン産防具を手に入れたことで、魔物の攻撃で受けるダメージ量を装備前と比べて心配する必要が無くなったので、ささら、ルル、紫蓮ちゃんの3人は積極的に攻撃を仕掛けられる様になった。

 

3人が積極的に攻撃を仕掛けられる様になったお蔭なのか、再探索とレベリングを始めてから1時間程でささらが最初に時雨を木刀形態から滅竜刀形態へと変化させられる様になった。

 

 

「………え?」

 

 

ささらが未熟な(はな)の呼吸を使いながら、繚乱型(リョウランノカタ) 一式〝菖蒲斬り〟を放つと、ささらの時雨が滅竜刀形態へと変化し、相対していた市松人形の首を刎ね飛ばした。

 

滅竜刀形態となった時雨の刀身は、ささらにとって最も適性の高い呼吸の色―――鮮やかな桜色へとその色を変化させた。

 

 

「おめでとう、ささら。初歩中の初歩だけど、ついに全集中の呼吸を会得したみたいだね」

「…………」

 

 

自分が全集中の呼吸を使える様になったことが未だに信じられないのか、呆けているささらに私は言葉を続けながら宝物庫から武器を取り出す。

 

 

「まぁ、会得したといっても初歩の初歩ができる(・ ・ ・)ようになっただけ。四六時中全集中の呼吸を維持する全集中・常中に至り、全集中の呼吸で止血をすることができるようになって、漸く使い熟す(・ ・ ・ ・)域に足を踏み込み始めたといえる状態だから、呼吸術を極めようと思うならまだまだ先は長いよ」

 

私はそう言いながら、宝物庫から取り出した魔石無しの滅竜刀真打とささらが腰に差している灰王の剣を交換した。

 

呆けたままのささらは、本当に自分が全集中の呼吸を会得したという確証が欲しかったのか、地球産のウインドウステータスを開く。

 

 

 

※ウインドウステータス

笹笠ささら(15歳)

 

ジョブ

見習い騎士

 

レベル

7

 

カルマ

+1672

 

魔力量

272/272(装備品補正+250)

 

スキル

【防具性能上昇(小)】【全集中の呼吸(花/小)】

 

ジョブスキル

【騎士剣技(初)】【斬撃速度上昇(小)】【刺突速度上昇(小)】【抜刀速度上昇(小)】【刀剣装備時 物攻上昇(小)】【自動回復(オートヒーリング)(微)】【防具性能上昇(小)】

 

称号

【地球さんを祝福した者】

 

 

 

ジョブ技能(スキル)をFa●eシリーズに登場する英霊がサーヴァントとなることで得られるクラス技能(スキル)だとすると、技能(スキル)は英霊が生前に身に付けた保有技能(スキル)に該当すると思う。

 

そして、ささらの技能(スキル)欄には新規獲得技能(スキル)を表す赤字で、【全集中の呼吸(花/小)】が加えられていた。

 

 

「……本当、ですわ」

「………ささらさんに先を越された」

「おめでとーデス、シャーラ!私達もシャーラに続くデスよ、シレン!!」

「ん」

 

 

ささらが全集中の呼吸を会得したことを、自分のことの様に喜びつつ、対抗意識を燃やす紫蓮ちゃんとルル。

 

 

全集中の呼吸を会得したばかりのささらが次にするべきことは、自分の適性剣技を使える様になることかな?」

「適性剣技、ですの?」

「うん。ささらのステータスにも全集中の呼吸の横に花って書かれてるでしょ?これは(はな)の呼吸―――繚乱型(リョウランノカタ)が適した剣技だって教えてくれているんだと思う。

繚乱型(リョウランノカタ)は全部で十の型式があるから、ジョブ補正である戦闘技術の習熟効果を活用し、最短時間で全ての型式を使えるようになろう」

 

 

このあと、私はささらへの見取り稽古も兼ねて、繚乱型(リョウランノカタ)の型式を全て見せ、太刀筋などのアドバイスを終えると、ダンジョン探索と魔物狩りを再開。

 

ささらは魔物と遭遇すると、繚乱型(リョウランノカタ)で最も使い易い一式の〝菖蒲斬り〟で魔物を斃す様になり、自分で納得できる〝菖蒲斬り〟を放てるようになると、二式の〝御影梅〟を使い始めるというスタイルで繚乱型(リョウランノカタ)の型式を覚える様になった。

 

妖精の宿から出て1時間、2時間と着実に時間が経過している訳なんだけど、その経過している時間で私はこのダンジョンの法則を1つ把握することができた。

 

それは18時半に近付くにつれて魔物の出現率が上がるということ。妖精の宿を出た15時以降、気配感知に引っ掛かる魔物の数が15時前と比べて少しずつではあるものの、確実に増えていたので気付けた法則だ。

 

まぁ、日中の魔物相手なら3人とも危な気も無くなったし、魔物の出現率が上がる=ささら達の戦闘経験が増える=ささら達がレベルアップし、ステータスと戦闘技術の向上する=ボス戦での生存率上昇に繋がる訳だから、特に問題視することでもないんだけどね。

 

魔物の出現率上昇を考慮して、18時30分前には妖精の宿に辿り着ける様にダンジョン探索を続けていると、18時少し前くらいに遭遇した魔物を斃したタイミングで、ささらに続く形で紫蓮ちゃんの滅竜棍影打の色が灰色に変化した。

 

 

「おっ!ささらに続いて紫蓮ちゃんも全集中の呼吸を会得できたみたいだね。滅竜棍影打の色が変わったよ」

「……………」

 

 

私が紫蓮ちゃんに全集中の呼吸を会得できたことを教えてあげると、紫蓮ちゃんはささらよりも冷静な態度で地球産のウインドウステータスを開く。

 

 

 

※ウインドウステータス

有鴨紫蓮(14歳)

 

ジョブ

見習い棍術士

 

レベル

7

 

カルマ

+1472

 

魔力量

273/273(装備品補正+250)

 

スキル

【生産魔法】【全集中の呼吸(岩/小)】

ジョブスキル

【棍技(初)】【打撃速度上昇(小)】【棍装備時 物攻上昇(小)】【与ノックバック(微)】

 

称号

【地球さんを祝福した者】

 

 

 

紫蓮ちゃんの技能(スキル)欄で文字化けしていた全集中の呼吸が、ささらのウインドウステータスと同じ様にはっきりと表記されたものへと変化していた。

 

私はささらの持っていた灰王の剣を滅竜刀真打へと交換した時と同じ様に、宝物庫から滅竜棍真打・白龍を取り出して、紫蓮ちゃんに差し出す。

 

 

「会得したのは初歩の初歩だけど、全集中の呼吸を使える様になったから、ささらと同じ様にアダマンタイト製滅竜棍を渡しておくね。

滅竜棍影打は紫蓮ちゃんがそのまま持っていていいよ。見習い職人にジョブチェンした時の研究材料にできると思うから」

「ん。ありがとう、羊谷命子」

「アーッ!シレンに先越されたデス!!……………ハッ!!もしかしたら、気付かない内に会得してる可能性もあり得るデスか?」

 

 

希望を持つのは悪くないけど、時雨を可変させられない時点で全集中の呼吸は会得できていない。ルルは儚き夢を打ち砕く現実が記されたウインドウステータスを開く。

 

 

 

※ウインドウステータス

流ルル(15歳)

 

ジョブ

見習いNINJA

 

レベル

7

 

カルマ

+1835

 

魔力量

272/272(装備品補正+250)

 

スキル

【見習いNINPO】【全+中の%吸(?/微)】

 

ジョブスキル

【斬撃速度上昇(小)】【刺突速度上昇(小)】【抜刀速度上昇(小)】【連撃時 物攻上昇(小)】【二刀小太刀(脇差、短剣可)装備時 物攻減少無効】【毒耐性(微)】【麻痺耐性(微)】

 

称号

【地球さんを祝福した者】

 

 

 

「………私だけ文字化けしたままデシュ」

 

 

ウインドウステータスに記された現実を直視したことで、涙目で凹むルル。ちなみに先程まで魔物と戦っていたこともあり、ルルは百獣王化・ライオネルで半獣化していて、頭に生えている猫耳がヘニョッとなっている。

 

 

「………ルルが全集中の呼吸を知って呼吸を意識し始めたのは、このダンジョンに入った昨日からだから、会得するのに時間差があっても仕方ないことだと思うけど?

それに文字化けしてるっていっても、2文字だけだし、呼吸の仕方も徐々に全集中の呼吸に近付いてるから、明日か明後日にでも会得できるかも知れない。

取り敢えず、焦って物事を進めようとすると絶対に失敗するから、焦らずに呼吸を意識することに集中しよう。

あと、ダンジョンで魔物と戦えばレベルも上がり易いみたいだし、私はレベルが上がれば上がる程、技能(スキル)の熟練度も上がると思ってるんだ。

だから、明日も頑張ってレベルを上げれば、ルルもすぐに全集中の呼吸は会得できると思うよ」

ニャウ(うん)……。メーコの言葉を信じて、シャーラ達に追いつける様に焦らず頑張るデス」

「ルルさん、勇往邁進ですわ」

「ファイト」

「シャーラ、シレン。ありがとうデス」

 

 

上から目線からとかではなく、純粋にルルを応援するささらと紫蓮ちゃん。そして、その応援を純粋に受け止めるルル。流石、純粋に地球さんを祝福するピュア娘三人組だなぁ。

 

それにしても、私が助力することがあるとはいえ、たったの2日でレベルが1から7まで成長したことには驚かされる。

 

多分だけど、「ソードアー●・オンライン」に登場するVRMMOのSAOでも2日――ダンジョン探索に費やす時間が24時間未満、モンスターとの総合戦闘時間も6時間以下でレベルを7まで上げられないんじゃないかと思う。

 

「SAO」の場合、確か階層の数字+10がボスの設定レベルになるんだったっけ?第1層ボスはLV11、第2層ボスはLV12みたいな?

 

………う~ん、記憶が曖昧過ぎて詳しい設定を思い出せない。印象に残っている設定は、プレイヤーレベルがボスの設定レベル+10以上で安全マージンってやつなんだけど、この記憶も自信が無いなぁ。

 

………ボスの設定レベルじゃなくて、プレイヤーレベルの安全マージンが階層の数字+LV10だったような気もして来た。

 

何はともあれ、現実にもダンジョンが顕現した以上、似た様な安全マージン理論を確立する必要がある。

 

 

階層+LV10の安全マージン理論は、全100層からなる浮遊城アインクラッドみたいな超大型ダンジョンだからこそ確立されたもので、階層型とは異なるこの無限鳥居ダンジョンみたいな野外(フィールド)型ダンジョンでは意味を為さない気がする。

 

では、野外(フィールド)型ダンジョンの場合、どの様にして安全マージン理論を確立すべきか?

 

ダンジョン内で出現する魔物レベルを参考に、ボスの設定レベルを予想。ボスの設定レベル+LV 10を無限鳥居での暫定的な安全マージン理論とするのが理想かな?

 

猫店長から得た情報で、日中に出現する魔物のレベルが1~5ということは確定している訳だし、日中であればボスの設定レベルも予想し易い。

 

私の助力無しで一般的な魔物からささら達の身の安全を最低限保証できるレベルは、日中だと15以上ということになる。

 

夜に出現する魔物はレベルが15以上で上限無しって話だから、夜に関してはレベルだけの安全マージンなんて設定できないことになるけど。

 

無限鳥居のボスは、一般的な魔物と同じ様に日中は弱体化するって話だけど、どれだけ弱体化したとしても、夜に出現する最下級魔物と同等かそれ以上と考えるべきだろう。

 

つまり、日中ボスの予想レベルは15~20。そのボスを攻略する為の安全マージンはLV30あった方がいいかもしれない。

 

妖精の宿で4泊し5日目で一気にボス攻略する場合、明日以降1日辺りレベルを6~7ずつ上げる必要が出てくる。

 

多分、2つ目の山にも休憩所はあるとは思うけど、利用時間は確実に妖精の宿より短い筈。今後のことを考えて、どういった感じでレベリングするか、3人とも相談して決めないといけない。

 

もし、妖精の宿に無限鳥居のダンジョンマップが販売しているなら、それを購入した上で魔物の出現率が高い所を自分達の足で探し当てて、効率よくレベル上げをする様にしよう。

 

まぁ、猫店長から効率よくレベルを上げられる狩場の情報を買うことができたら、それが一番なんだけどね。

 

最悪の場合、3日目くらいに昇華魔法変成魔法の説明をして、皆の了承を得られたら、肉体改造で使徒化するという最後の手段もある。正直、使いたくない手段だけど。

 

取り敢えず、今後の方針は妖精の宿で晩御飯とか食べて、一息ついてから決めればいいか。

 




アンケート内容
①【無限鳥居でのささら達のレベリング手段】
・最後まで地道な魔物との戦闘で得られる経験値
・妖精の店での宿泊3日目の夜に昇華魔法と変成魔法で強制レベルアップ



②無限鳥居ダンジョンボスはどれ?
・八岐大蛇幻影体・弱(戦闘能力値:2250?)←3つ首
・八岐大蛇幻影体・狂(戦闘能力値:4250?)←8つ首

無限鳥居ダンジョンボスはどれ?

  • 八岐大蛇幻影体・弱
  • 八岐大蛇幻影体・狂
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