地球さんはLevel Upしました~ありふれてない天職で世界最強~   作:大筒木朱菜

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はい、皆さん。お久しぶりです、おはこんばんにちはーーーーーーーーーーーーーーーー。大筒木朱菜です。

リアルが忙しかったり、Vtuberに嵌まったり、ガンプラ製作に逃避したり、執筆済の話を大改訂したりしてたら、いつの間にか2年近く放置してしまってました。

誠に申し訳ないです。取り合えず、改訂済の話までを一気に再投稿します。








※注意事項
・原作設定と異なる点が多々ございますが、原作の平行世界と割り切って読んで頂けると幸いです。
・本作主人公の錬成魔法は地球さんがレベルアップすると同時に合成強化技能(スキル)と統合され、効果範囲が鉱物系だけでなく物質系全般にまで広がっています。
・本作では原作と異なり、侵入者の可否に関係なく基本的には最初から転移渦の色でダンジョン難易度が固定されています。
なので、主人公が最初に入ったダンジョンは原作風見ダンジョンとほぼ同じとなっているので、その点をご了承ください。
・本作では原作と異なり、無限鳥居ダンジョンの難易度が若干上昇。1つ目の山から魔物が5体以上の編隊で出現することがあります。
・本作で登場するダンジョン宝箱のレア度判別は、普通の木箱=N(ノーマル)。銅色宝箱=R(レア)。銀色宝箱=SR(スーパーレア)。金色宝箱=SSR(スペシャルスーパーレア)。緑、青、赤等の色付き宝箱=UR(ウルトラレア)。虹色宝箱=SE(シークレットレア)になっています。
・無限鳥居ダンジョンの妖精の宿の滞在時間を24時間から48時間に変更。
・本作オリジナルのダンジョン地図が妖精の宿で販売。
・無限鳥居ダンジョン2つ目の山の難易度上昇。(魔物の出現数的な意味で)


第9話(大規模改訂版 2025/08/21)

 

 

 

【視点:ささら】

 

 

 

私達がダンジョンに取り込まれて2日目の夕方。ダンジョン内で出現する魔物の強さが変化する18時30分になる前に安全地帯である妖精の宿に辿り着くことができました。

 

命子さんが妖精の宿の店主である猫妖精さんに、魔物から回収した魔石の買い取って貰ったり、宿泊する為のチェックイン作業をしている間、私と紫蓮さん、ルルさんはカウンター近くのベンチに座っています。

 

前日に利用した休憩所では、庭で武器の素振りなどを行いましたけど、流石にお店の玄関フロアで素振りをするのは非常識なので、今回は全集中の呼吸の反復練習を行います。

 

技能(スキル)として全集中の呼吸を獲得できた私と紫蓮さんは、命子さんが教えてくれた全集中の呼吸を365日24時間維持する全集中・常中を会得する為の反復練習を、ルルさんは全集中の呼吸技能(スキル)化する為に呼吸の精度を上げる反復練習を行っていますわ。

 

 

「フゥゥゥゥ………、フゥゥゥゥゥゥゥゥ………、フゥゥゥゥゥゥ………」

「ゴゥゴゥゴゥ………、ゴゥゴゥゴウゴウン………、ゴゥゴゥゴゥン………」

「シィィアァァ………、シィィィィィ………、スィィィィィ………」

 

 

私と紫蓮さんは呼吸の律動を浅くしたり深くしたりと、色々と工夫しながら全集中の呼吸を長く維持できる方法を模索しているのですが――――

 

 

「「ッ!!」」

 

 

全集中の呼吸を長時間維持しようとすると、肺や耳が凄く痛くなって、死にそうになるほど苦しくなります。

 

今まで生きてきた中で一度も感じたことの無い耳から心臓が、口からは肺が飛び出す様な感覚に襲われ、私だけでなく紫蓮さんも両手で耳を押さえた後に、口元に手を添えます。

 

 

「しゃ、シャーラ!?シレン!?大丈夫デスか!!?」

「し、心臓が耳から飛び出したかと思って、驚いてしまいましたわ」

「ぴゃ、ぴゃぅぅぅ……」

 

 

技能(スキル)化前、全集中の呼吸を会得する為、試行錯誤で呼吸していた時は、呼吸を長時間維持しても死にそうな程苦しくなることはありませんでした。

 

 

「…………今の私達は身体が―――肺が貧弱過ぎて、全集中の呼吸を長時間維持することに耐えられない、ということなのでしょうか?」

「ん。多分、技能(スキル)化しても使える様になっただけ。使えることと、使いこなせることは別」

「呼吸の律動に緩急を付ければ、肺への負担も軽くなると思ったのですが……」

「我も同じ考えだった。けど、よくよく考えると身体能力を爆発的に向上させる技術を簡単に使いこなせる訳が無い」

「そうですわね。私も甘い考えでしたわ。使いこなせる様になるには、日々鍛錬を行って体に慣らしていくしかないということですわね」

 

 

命子さんに尋ねてみれば、全集中・常中を会得するコツを教えて頂くことができるでしょうか

 

全集中の呼吸を会得することができたからこそ、今更ですが私は命子さんが出会った時から今に至るまで、様々な全集中の呼吸を戦う時以外にも使い続けていることに気付くことができました。

 

……………ですが、命子さんは物心がついた頃から全集中の呼吸を使っていると言っていたことを考えると、その頃から既に全集中・常中へと至っていた可能性もあり得るかもしれませんわ。

 

その場合、命子さんは私達が全集中・常中を使えない理由を理解できず、改善点やコツを伝えることができないかもしれません。

 

全集中の呼吸に関して、命子さんは指導者向きの秀才か、それとも指導者に不向きな天才なのか。

 

もし後者の場合、命子さんは人を見下す様な方ではないので、凡人の悩みを理解できない自分を不甲斐なく思い、精神的な意味で私達と距離を取ったり、壁を作る可能性があるかもしれませんわ。

 

命子さんは私にとって人生初の友人なので、物理だけでなく精神的に距離を取られたり、壁を作られるのは絶対に回避しなければいけません。

 

けれど、命子さんに依存することなく、一致団結してダンジョン攻略することを考えると、戦闘技術の向上だけでなく、全集中・常中に至ることも必須。

 

………………やはり、独学の反復練習しか全集中・常中に至る手段は無いのでしょうか?

 

私が全集中の呼吸ではない、普通の呼吸で息を整えながらそんなことを考えていると、猫妖精さんとの遣り取りを終えた命子さんが私達の方にやって来ました。

 

 

「魔石の買取とチェックイン、終わったよ。すぐ部屋まで案内して貰えるみたいだけど、どうする?

日中はゆっくり見ることもできなかったから、部屋に移動する前に、この店で取り扱ってる商品の御品書きを再確認するのもありだと思うんだよね」

「そう言われれば、私達が確認したのは補助防具と装飾品の欄だけで、体防具や武器の欄はちゃんと確認していませんでしたわね」

「体防具も武器も私達が持っているのを上回るのは無いみたいだけど、ファッション的な意味でどんなのがあるのか気になるよね?

ダンジョン滞在中に稼いだギニー次第では、家族へのお土産にカッコ可愛い防具を買って帰るのもありかも知れないよ」

 

 

命子さんと私が妖精の宿の商品について話していると、ルルさんと紫蓮さんも話に加わって来ました。

 

 

「羊谷命子。この店の商品のラインナップも気になるけど、それよりも気になってることがある」

ニャウ(はい)!私も気になってることがあるデス!」

 

 

……これは加わっていると言えるのでしょうか?2人はお店の商品とは異なる話をしようとしています。何だか嫌な予感が………。

 

 

「どうすれば最短で全集中・常中に至れる?」

「どうすれば早く全集中の呼吸を会得できるデスか?」

 

 

言いましたわ!言ってしまいましたわ!?私が躊躇して頭を悩ませていたことを、何の躊躇もなく言ってしまいましたわ!?

 

 

「………全集中の呼吸は肺に空気を沢山取り込んで、心臓の鼓動を強めることで血の巡りを早め、体温上昇と共に筋力を増強させる技術。

肺が弱ければ、全集中の呼吸は会得できないし、維持もできない。ぶっちゃけ、肺を死ぬ程鍛える以外にできることはないよ」

 

 

そうですわよね。肺を死ぬ程鍛える以外に最短の手段は無いですわよね。命子さんからコツを聞こうとした自分が不甲斐ない。穴があったら入りたいですわ。

 

 

「まぁ、昼間は魔物との戦闘で肺を酷使して、夜は瞑想しながら指先まで空気を巡らせる様に、ゆっくりと深く呼吸するようにしたら、少しずつだけど肺が全集中の呼吸に慣れていくとは思うよ」

 

 

私が自分の不甲斐なさに打ちのめされていると、命子さんはより具体的な肺の鍛え方を教えてくれました。

 

 

「ゆっくりと呼吸するのは、酷使した肺に過剰な負担を加えない為だと理解できますが、どうして瞑想しながらなんですの?」

「瞑想は集中力を向上させるからね。ただ全集中の呼吸を使うだけの場合、無意識に呼吸の速度が早まって、肺に過剰な負担が加わるかも知れないでしょ?」

 

 

なるほど。集中しながらゆっくりと深く呼吸することで、過剰な負担を加えずに肺を鍛えられるから、集中力が向上する瞑想が効率的という訳ですわね。

 

 

「適性呼吸の全集中・常中なら、地上でも日中の全集中の呼吸を使った素振りと筋トレ、ランニング、夜の瞑想とゆっくり呼吸をするだけで9日もあれば会得できると思う。

ダンジョン内ならステータスのレベルが上がり易いし、レベルアップすれば鍛錬効果が上昇するみたいだから、魔物と戦えば戦う程、全集中の呼吸全集中・常中に至り易くなるんじゃない?」

「…………レベルアップが鍛錬効果の上昇に繋がるなんて発表、防衛省からされていたでしょうか?」

「…………………あ」

 

 

今、命子さんは「あ」って言いましたわ。「あ」って、どういうことでしょうか?

 

 

「…………今の話、防衛省所属(?)のダンジョン研究員である礼子さんから聞いた話なんだけど、まだ防衛省から公表されてない情報だから、オフレコでよろしく」

 

 

そういえば、青空修業道場での休憩時間中に聞いたことがある気がします。命子さんが人類初のダンジョン帰還者になった時、防衛省の女性自衛官1人とダンジョン研究員1人の計2名と親しくなって、ダンジョン研究員の方とは互いにルインの友達登録までした上、1日1回はトークをしていると………。

 

 

「…………ダンジョンで数日間過ごせば、自然に気付くことができることだと思いますし、私は命子さんからは何も聞いていませんわ」

「羊谷命子は何も言ってない」

ニャウ(うん)。私達は全集中の呼吸のコツしか聞いてないデス」

「………それじゃあ話を戻すけど、これからどうする?御品書きの確認?それとも宿泊する部屋に行く?

あっ、選んだのは利用料が4,000ギニーの一党(パーティ)用の大部屋なんだけど、それで良かった?

もし個室が良ければ、追加金の1,500ギニーを払えば部屋の変更もして貰えるみたいだけど」

「私は別に問題ありませんわ」

「我も問題無し。林間学校や修学旅行みたいなもの」

「シューガク旅行!パパから聞いたことがあるデス!仲の良い友達と大きな部屋でお泊りする学校のイベントデス!!」

「お泊りが主目的のイベントではないけど、大部屋で複数人が寝泊まりする点では修学旅行みたいなものかな?ルルも問題ない?」

「問題無しデース!」

「よし!部屋に戻る場合は、先に晩御飯を済ませるか、お風呂を済ませるかの選択肢があるよ。

お風呂の場合、この店には温泉があるみたいだから、お客さんが私達しかいない今は貸切で利用できるね。

晩御飯はチェックインした時にお食事券を貰えたから、それを使って自分好みで定食を注文できるみたい」

 

 

温泉!?昨日利用した休憩所にはお手洗いは完備されていましたが、お風呂はなかったので凄く有難いですわ。

 

どのような温泉なんでしょう?岩風呂でしょうか?それとも檜風呂?屋内なのか、それともお店の敷地内にある露天なのかも気になりますわ。

 

 

「夜の瞑想鍛錬は食事と入浴を終えた後でもいいと思うし、よくよく考えると御品書きの確認は入浴を終えた後にカウンターに立ち寄ってすることもできるね」

 

 

うー……。命子さんが色々な選択肢を提示するので、どうするか迷ってしまいますわ。ルルさんと紫蓮さんも私と同じ様で、「うー、うー」と唸っています。

 

私達が悩み続けていると、カウンターにいる店主の猫妖精さんが声を掛けて来ましたわ。

 

 

「御品書きの冊子なら複数あるから、1冊なら部屋に持って行っても構わないニャ」

 

 

猫妖精さんの鶴の一声によって、私達は声を揃えて部屋へ向かう選択肢を口にしました。

 

 

 

【視点:命子】

 

 

 

妖精の宿での宿泊初日。猫店長が案内してくれた一党(パーティ)用の大部屋は、4人で利用するにはかなり広めで、広縁もある12畳の畳部屋だった。

 

部屋の真ん中には折畳式の方形卓袱台が配置されていて、その中央には菓子鉢に入ったウェルカムお菓子、もといお着き菓子が用意されていた。

 

ちなみに和風旅館などで客室にお着きお菓子が用意されている理由は、利用客が観光後に宿へ辿り着いた場合、血糖値が下がっている可能性が高く、その状態で温泉に入ると立ち眩みや失神してしまう為、その可能性を回避する為とか、利用客の旅の疲れを甘味で癒す為だとか言われている。

 

広縁の窓からはこの無限鳥居ダンジョンの絶景―――朱色の鳥居や2つ目の山へと架かる赤い欄干の橋、雲海、満開の桜、山陰に隠れつつある太陽を一望することができた。

 

 

「素敵な客室ですわ!」

「洗面所と洋式のおトイレもあるデスよ!」

「こんな贅沢な部屋を時間調整次第で4泊もできるとか、地上ならあり得ないね」

「同意」

 

 

地上の旅館でこのクラスの客室に1人1泊する場合、宿泊費は大体1万5,000~3万円くらいだったっけ?

 

間を取って2万2,500円とした場合、1人4泊で9万円。それが1,000ギニーだとするなら、ギニー/円為替は1ギニー=90円ってことになる。

 

けど、ちょっと待てよ。この店で一番安い小太刀が1500ギニーで、地上で取引されている本物の小太刀が安くても10万円以上だと考えると、ギニー/円為替は1ギニー=66~67円になる。

 

四捨五入でキリのいい数字の1ギニー=70円で考えると、1人4泊7万円(税込)で1泊1万7,500円(税込)が正しい金額になるのかな?4泊すれば1泊辺りの金額はかなり妥当な値段と言えなくもない。

 

けど、このカツオブシの間の利用費は先払いな上、極端な話だけど利用期間が1泊でも1人7万円(税込)ということになる。

 

 

「………個室のマグロブシの間はこのカツオブシの間の倍額だよね?妖精の宿、マジで高級宿じゃん」

「命子さん、どうされましたの?」

「メーコ?」

「めーちゃん?」

 

 

妖精の宿を休憩所として利用費を日本円に換算した私が、考えていたことを思わず口に出してしまうと、広縁から景色を眺めていた3人が私の方に振り返った。

 

 

「いや、このカツオブシの間の利用費を日本円に換算したら、妖精の宿が冗談抜きの高級宿ってことが判明して、思わず声に出しちゃった」

「………どれくらいの金額になりましたの?」

「この店で販売されている武器と地上で販売されている本物の刀剣類の金額からギニー/円為替レートを計算してみたんだけど、大体1ギニー=70円になるんだ」

「………ドルよりギニーの方が円高」

「で、滞在時間を上手く遣り繰りして4泊した場合、1人1泊1万7,500円(税込)になる」

「……割と妥当な金額なのではないでしょうか?」

「けど、ここの利用費は一括先払い。つまり、極端な話だと1泊しか利用せずに先に進んだとしても、1人7万円(税込)は支払うことになる。

私達の場合、4人だから28万円(税込)を先払いしたことになるんだよね」

「「ッ!?」」

「にゃあーっ!!?」

 

 

………よくよく考えると、私達の着ている死覇装を始めとしたB級防具一式の地上での金額は420万円ということになる。

 

で、さっき売り払った魔石やドロップアイテムの買取金額も含めた私達の所有平均ギニーは約27万ギニー。日本円に換算すると――――

 

 

「1890万円?」

「め、命子さん?1890万円って、何の金額ですの?」

「………………………70で割ったら27万ギニー?」

「ぶっちゃけると私達1人辺りの妖精カードに入金されている金額が大体それくらいね。あと、私達の防具一式の金額は1人辺り約6万ギニー。日本円に換算すると――――」

「約420万円ということですか?」

「そういうことになるね。ちなみに4人分の妖精カードの入金額を合計して、日本円に換算すると――――」

「……………………7560万円デスか?」

 

 

そういえば、特殊合金製滅竜武装の買取価格が12万5,000ギニー、アダマンタイト製なら最低でも100万ギニーって猫店長は言ってたし、店で販売する場合は買取価格の倍で表示するとも言ってたよね?

 

つまり、地上での滅竜武装シリーズの販売価格は、一番価値の低い合金製でも1750万円。アダマンタイト製なら1億4000万円以上。時雨シリーズは35万円ということになる。

 

地上産の刀剣で保存刀に分類される刀剣の相場が10万~100万円であることを考えると、本物の刃物に可変する時雨シリーズが10万円以上なのは妥当なのかもしれない。

 

地上産で特別重要刀剣に分類される刀剣の相場は、最低価格が500万円以上。1000万円を超えるものが存在する。

 

材質だけでなく属性付与していることも考慮すると、滅竜武装シリーズの査定も妥当なのかもしれない。

 

物質融合で強化済みの灰王の剣は、販売価格535ギニーで買取価格268ギニーだから、地上での販売価値は3万7,450円、買取価値が1万8,760円って所になるのか。

 

灰王の剣は妖精の宿で取り扱ってる既製武器より攻撃力が低く、素材によって値段がピンキリの木刀も安ければ2000円前後で手に入るけど、変成魔法神代魔法を付与された上、魔物との戦闘にも耐えられる実用品だし、模造刀でも3万~6万円以上する物が存在するって考えると、かなり妥当な査定と言えなくもない。

 

ちなみに、生成魔法は鉱物に魔法や技能(スキル)を付与する魔法、変成魔法は既存生物を変質させ、強化することで魔物化する魔法だと思われがちだけど、正式な効果は全くの別物。

 

生成魔法は無機的物質に干渉する魔法で、変成魔法は有機的物質に干渉する魔法。

 

つまり、干渉できる物質に有機物と無機物の違いはあるけど、効果はほぼ同質と言えるもの。だから、有機物である木刀に干渉し、魔法を付与する場合は変成魔法で間違いない。

 

有機物と無機物が錬成魔法の物質融合で合成されている時雨シリーズの場合、生成魔法変成魔法のどちらでも魔法を付与できたりする。

 

ついでだから他の神代魔法も簡単に説明しておこうか。重力魔法は重力に干渉する魔法ではなく、星のエネルギーに干渉する魔法。

 

分かり易い例えは、「シャーマ●キング」の五大精霊を纏めた様な効果。つまり、その気になれば磁場を操ったり、氷河期を起こしたり、火山を噴火させたり、斥力や引力も操ることができる。

 

空間魔法は転移系魔法や収納系魔法の類ではなく、境界に干渉する魔法。

 

幻術と組み合わせれば、幻の実体化と実体の幻化といった「家庭教師ヒット●ン REBORN」に登場する六道骸の幻術を凌駕する能力になりえる。

 

再生魔法は有機・無機に関係なく損壊を修復する魔法ではなく、時に干渉する魔法。

 

壊れた物質の時間を巻き戻して元の状態にするだけでなく、修繕された物質の時間を巻き戻すことで損壊した状態にすることもできる。あと、過去視や未来視にも使える。

 

魂魄魔法は生物の魂魄や精神に作用する魔法ではなく、生物の持つ非物質に干渉する魔法。

 

生物の持つ非物質には魂魄以外に魔力や体温、思考、記憶、感情も存在するから、単体で使用する神代魔法の中では1、2を争うヤバい魔法だと私は思っている。

 

代表的な使用例として、重力魔法の使い手であるミレディ=ライセンが「鋼●錬金術」のアルフォンス=エルリックみたいに無機物へと魂を定着させていたけど、魔力量次第では「封神●義」の始まりの人みたいに魂魄体での活動も可能なのではないかと思う。

 

あと、「聖闘●星矢」に登場する蟹座の黄金聖闘士が得意とする積尸気冥界波とか積尸気鬼蒼焔積尸気魂葬波積尸気転霊波も使えると思う。

 

昇華魔法は使用対象の全能力を昇華(最低でも1ランク進化)させる魔法ではなく、情報に干渉する魔法。

 

魔力量に応じて閲覧済の情報に対して情報干渉ができるみたいなんだけど、多分使い様によっては遺伝子情報に干渉して遺伝子病を治したりすることもできるんだと思う。

 

あと、再生魔法の時間干渉と昇華魔法の情報干渉を組み合わせれば、魔力量次第で「BLE●CH」のブック・オブ・ジ・エンドや全知全能(ジ・オールマイティ)の再現も可能かも?

 

閑話休題。ささら達は自分達の所持品並びに所持金の地上での価値(仮)を知って、カタカタと震え出した。これはフォローしといた方が良さそうかな?

 

 

「………まぁ、ダンジョンは命を奪われる危険性が高いから、地球さんから危険手当的な恩恵があるのかもしれないね。

だから、探索と魔物のドロップアイテムで得られる収益が多いと割切ればいいんじゃない?」

「………メーコ。約420万円の防具一式については?」

「私も詳しくは無いけど、着物で高い物だと100万円越えするのも普通にあるみたいだし、防具に関しては気にするほどのことでもないんじゃない?特にささらは普通に着たことありそうだし」

「確かに、本加賀友禅の留袖など作者次第では300万円近い値が付けられている物もありますけど、10代の女性が着る紬や振袖で100万円を越える物は殆どありませんわ。

それに私自身、この死覇装を着るまで400万円を超える高価な着物を身に着けたことなど一度もありませんわ」

「それじゃあ、単純に防御力の高い防具=生存確率が高いと考えて、私達は420万円でダンジョンでの生存確率を買ってるとでも思えばいいんじゃない?気休め程度にはなると思うよ?」

「…………ファンタジーは金銭感覚クラッシャー」

「言い得て妙だね。紫蓮ちゃん」

 

 

まさか、案内された客室でギニー/円為替の大凡の額だけでなく、私達が金銭感覚の狂った買い物をしていたことまで判明するなんて、思ってもみなかった。

 

というか、ダンジョンでの探索と魔物討伐で得られる収益も、よくよく考えると金銭感覚を崩壊させる事柄だよね。

 

昨日今日の戦闘で手に入った魔物のドロップアイテムと魔石を売買して得られた金銭と、宝箱で手に入れたギニー貨幣を合わせた収益は約4万ギニー。日本円で280万円。4人で割っても1人当たり70万円。

 

無限鳥居ダンジョン初日の活動時間は大体10時から17時40分までの約7時間40分。2日目の活動時間は5時40分から18時30分までの約12時間50分。総合活動時間は約20時間30分。

 

ギニー貨幣の入った宝箱と遭遇できる可能性は運次第だけど、私達が無限鳥居ダンジョンで得られた金銭を時給で換算すると、四捨五入して1人辺り488ギニー。日本円で換算すると時給約3万4,160円。

 

時給3万5,000円近く稼げる仕事で思い浮かぶのって、闇●ウシジマくんの廃人になる可能性がある合法の仕事だよね。

 

やっぱり、ダンジョンで得られる収益には、地球さんによる恩恵で(精神的にではなく生命的な意味での)危険手当があるように思える。

 

何はともあれ、こんなことが地上で公になれば、ダンジョン産の武器防具を地上で転売しようと目論む金の亡者によって、現代のゴールドラッシュといえる現象が起こるかもしれない。

 

多分、金の亡者は目先の利益に目が眩んで、魔物の危険性を考えずにダンジョンに入る様な気がする。

 

そして、ダンジョン内で最弱のバネ風船のワンパンで殺されるだろうから、世界規模で行方不明者が続出する可能性がかなり高い。

 

…………地上に戻ったら翔子さんと礼子さんに、私が危険視しているダンジョンゴールドラッシュ現象の危険性を説いて、防衛省の上層部経由で政府から公表して貰うようにした方がいいかもしれない。

 

 

「…………言い出しっぺの私が言うのも何だけど、1ギニー=70円っていう為替レートも正しいとは限らないし、お金関連のことを考えるのは止めよう。

そんなことより私達が今すべきことは、お風呂に入って、ご飯を食べて、気分をリフレッシュした後に瞑想しながら全集中の呼吸の精度を上げる鍛錬を行い、明日に備えて体をしっかり休めることじゃない?」

「………ですわ!」

「デス」

「ん」

 

 

そんなこんなで私達は部屋に用意されていた浴衣を持って、妖精の宿ご自慢の大浴場へと向かうことになった。

 

ちなみに大浴場では特に変わったことは無かったよ。服を脱いでいる時、地獄のような沈黙が脱衣所を支配したり、予想外にもルルが皆とお風呂に入るのを少し恥ずかしがってたのが意外だったかな?

 

浴場でささらとルルが背中の流し合いをしてたけど、これも特に変わったことは無かったかな。

 

え?ささらとルルが背中だけでなく互いの前の流し合いをしなかったかって?そんなこと常識的にする訳ないでしょ。悪ノリで誰かが唆さない限り、地球さんを祝福するピュア娘2人組がそんなことをする訳ありません。

 

大浴場から上がった後、私達は浴衣に着替えて、部屋に戻る前にカウンターでチェックイン時に貰えたお食事券を使うことを猫店長に伝えるついでに、ダンジョンの地図が売ってないかの確認を行った。

 

 

「勿論取り扱ってるニャ」

「流石は万屋、いい仕事してるね」

「ダンジョン地図のランクは松竹梅となってるニャ」

「梅のダンジョン地図はどんな地図なの?」

「梅は白紙の地図を自分達で埋めていく地図ニャ。所有者の進んだ道が自動的に描き足されていく仕様になってるニャ」

「それじゃあ、竹のダンジョン地図は?」

「竹はダンジョン全体の道が記載されてるニャ。最短距離でボスの場所まで行くなら必須のアイテムだニャ」

「松は?」

「松はダンジョン全体の道だけでなく、魔物の出現場所や出現数、再出現時間、SR~Nの宝箱がある場所まで事細かに記載されてるニャ。魔物との戦闘を避けてボスの場所まで行くなら必須のアイテムだニャ」

「………お値段は?」

「梅が100ギニー、竹が2,000ギニー、松は6万ギニーだニャ」

「……………松地図の値段、ヤバいね」

「運が良ければ記載されてる宝箱の中身で元が十分取れるから、かなり良心的な値段だニャ」

 

 

いや、言われてみればそうなのかもしれないけど、高いものは高いよ。約20時間30分で稼いだ約5万7000ギニーでも届いてない金額じゃん。

 

 

「皆、どうする?松地図を買えば魔物の出現場所と出現数、再出現時間が分かるから、皆のレベリングが効率良くできる様にはなるけど?」

「松一択」

「ですわね」

ニャウ(うん)!」

「レベリングの為、態と魔物が出現している場所へと向かうのに松のダンジョン地図を利用するとは思ってもいなかったニャ」

「それじゃあ、猫店長。松地図を1つ頂戴。支払いは――――――」

「私達4人の妖精カードから1万5,000ギニーずつでお願いしますわ」

 

 

私が自分の妖精カードから一括で支払おうかと思っていたら、ささら達も妖精カードを出して、割勘で支払うことになった。

 

 

「毎度ありニャ。ところでお食事券で頼む料理は何にするニャ?」

「私は小鍋定食で」

「私は杵ウサギの南蛮風唐揚げ定食にしますわ」

「私は天ぷら定食デス!」

「我は杵ウサギのシャリアピンステーキ定食で」

「畏まりましたニャ。料理は出来上がり次第、部屋までお持ちしますニャ」

 

 

夕食の注文を終えた後、私達は部屋に戻ると方形卓袱台に松地図を広げ、料理が届くまでレベリングの為の作戦会議を行った。

 

 

「魔物の出現場所だけでなく、出現数と再出現時間まで分かるとレベリングも効率よくできる。妖精の宿からの移動時間も考慮して、候補の場所を探そう」

「………魔物の出現数はこの1つ目のは山より橋を渡った先にある2つ目の山の方が多いですわね」

「ここでは多くても5体しか出なかったデスが、2つ目の山は5体が最低数みたいデスね」

「……多ければ10体出る場所もある」

「地図で分かるのは道筋だけで道の状態までは分からないから、悪路で移動時間が掛かることも想定して予定を決めないといけないね」

「なら、2つ目の山を探索するなら橋から近い山の麓がベストですわね」

ニャウ(うん)!」

「ん」

 

 

この後、未遭遇の魔物が現れた場合の対処法なども話し合い、キリのいい所で夕食が届けられたのでその時点で作戦会議を打ち切った。

 

運ばれてきた夕食は、初日に食べた素人料理である杵ウサギの串焼きとは段違いで、正しくプロの料理人が作ったダンジョン料理という見た目だったので味にもかなり期待できた。

 

注文したのが全員定食だったこともあってご飯と漬物、汁物は付いていたので、主菜を方形卓袱台の中央に寄せて、皆で分け合って食べた。

 

夕食を食べ終えた後、小休止で御品書きに目を通し、小休止を終えた後、ささら達は瞑想しながら全集中の呼吸の鍛錬を行い、私は3人の武器のメンテナンスを念の為行っていた。

 

そして、地上時間での23時頃には畳の上に布団を敷き、4人仲良く眠りに就いた。

 

 




アンケート内容
①【無限鳥居でのささら達のレベリング手段】
・最後まで地道な魔物との戦闘で得られる経験値
・妖精の店での宿泊3日目の夜に昇華魔法と変成魔法で強制レベルアップ



②無限鳥居ダンジョンボスはどれ?
・八岐大蛇幻影体・弱(戦闘能力値:2250?)←3つ首
・八岐大蛇幻影体・狂(戦闘能力値:4250?)←8つ首

無限鳥居ダンジョンボスはどれ?

  • 八岐大蛇幻影体・弱
  • 八岐大蛇幻影体・狂
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