地球さんはLevel Upしました~ありふれてない天職で世界最強~   作:大筒木朱菜

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はい、皆さん。こんにちはーーーーーーーーーーーーーーーー、大筒木朱菜です。

今回は命子ちゃんの秘密の夜の魔物狩りの話です。(笑)

あとがきには現時点で強さ表と、現在実施中のアンケートについて書いています。

あとがきまで良ければお付き合い下さい。










※注意事項
・同作者の作品「鬼滅の刃~総大将の軌跡~」の設定が多分に流用されております。
・原作設定と異なる点が多々ございますが、原作の平行世界と割り切って読んで頂けると幸いです。
・本作主人公の錬成魔法は地球さんがレベルアップすると同時に合成強化技能スキルと統合され、効果範囲が鉱物系だけでなく物質系全般にまで広がっています。
・本作では原作と異なり、侵入者の可否に関係なく基本的には最初から転移渦の色でダンジョン難易度が固定されています。
なので、主人公が最初に入ったダンジョンは原作風見ダンジョンとほぼ同じとなっているので、その点をご了承ください。
・本作では原作と異なり、無限鳥居ダンジョンの難易度が若干上昇。1つ目の山から魔物が5体以上の編隊で出現することがあります。
・本作で登場するダンジョン宝箱のレア度判別は、普通の木箱=Nノーマル。銅色宝箱=Rレア。銀色宝箱=SRスーパーレア。金色宝箱=SSRスペシャルスーパーレア。緑、青、赤等の色付き宝箱=URウルトラレア。虹色宝箱=SEシークレットレアになっています。
・無限鳥居ダンジョンの妖精の宿の滞在時間を24時間から48時間に変更。
・本作オリジナルのダンジョン地図が妖精の宿で販売。
・無限鳥居ダンジョン2つ目の山の難易度上昇。(魔物の出現数的な意味で)


第17話

 

 

 

【視点:命子】

 

 

 

妖精の宿での宿泊初日深夜帯。ささら達が熟睡している中、私は気配遮断技能(スキル)を使いながら布団から抜け出すと、装備一式を身に着けて部屋から抜け出した。

 

 

「ニャニャ?こんな時間帯に何処かへお出かけかニャ?」

「武器と防具の強化素材が欲しいから、ちょっと夜の魔物狩りに行ってきます。他の3人には内緒にして置いて下さい」

「短時間で大量の魔物を狩るなら丁度いいアイテムがあるニャ」

「何?」

「普通ならお勧めできないアイテムだニャ」

 

 

猫店長はそう言うと、カウンターの上にトローチくらいの大きさの錠剤を1つ置いた。

 

 

「休憩所以外のダンジョン内で砕くと、1時間魔物を引き寄せ続ける撒き餌だニャ。お嬢ちゃん以外の3人には絶対に売らない代物だニャ」

「…………おいくら?」

「元々売り物になるとも思ってなかった代物ニャ。50ギニーでいいニャ。」

「支払いは妖精カードで宜しく」

 

 

私が撒き餌を買い終えると、店から出る私を猫店長は何も見てないと言わんばかりに、視線を外してくれた。

 

妖精の宿から出立した私は、全集中の呼吸を使いながら全速疾走し、1~2分で2つ目の山へと繋がる橋の手前に到着した。

 

橋の手前には未確認の魔物である火を纏った鼠―――多分、かぐや姫の話に登場する火鼠の皮衣の素材っぽい魔物や手が鎌になった鼬―――多分、鎌鼬の妖怪っぽい魔物が4体ほど確認できた。

 

 

「シィィィィ………。全集中、雷電型(イカヅチノカタ) 二式・改〝霹靂一閃・神速四連〟!」

 

 

4体の魔物が私に気付くより早く、私は最速でその首を斬り落とす。首を斬り落された魔物は即座にドロップアイテムと魔石に姿を変えた。

 

ドロップアイテムは火鼠の皮が2つと鎌鼬の皮が1つ、鎌鼬の鎌が1つだった。鎌鼬の鎌は強化素材として即座に錬成魔法で滅竜刀・雷光に物質融合した。

 

滅竜刀・雷光の強化を終えた所で撒き餌を砕くと、ものの数秒で山の斜面を下る様に魔物が集まって来た。

 

確認済みの魔物が大半だけど、ミノタウロスのような未確認の魔物―――多分、牛鬼やぬっぺふほふ、大百足も現れた。

 

撒き餌ということもあって、集まって来た魔物も結構な数だ。パッと見た感じ、20~30体といった所かな?

 

 

「シュゥゥゥゥ………。全集中、大蛇型(オロチノカタ) 五式〝蜿蜿長蛇〟!」

 

 

撒き餌の効果で魔物が集まってくる時間はたったの1時間。少しでも多くのドロップアイテムを手に入れる為、私は出し惜しみせずに適材適所の呼吸を全力で使い、まずは夜の魔物の中でも雑魚に相当する魔物と相対する。

 

〝蜿蜿長蛇〟独特の蛇行で雑魚をすれ違い様に斬り捨て、雑魚を駆逐し終えると次は大型の魔物と順番に相対する。まずは昨夜も現れた複数体の惡鬼(おに)だ。

 

 

「シィァァァ………。全集中、虚空型(オボロノカタ) 三式〝塵旋風・削ぎ〟!」

 

 

惡鬼(おに)はミートチョッパに入れられた塊肉みたいに容易くミンチとなってしまい、魔石とドロップアイテムだけを残して残骸を消失させた。次の標的は大百足と大蜘蛛。

 

 

「ヒュゥゥゥゥ………。全集中、水龍型(ミズチノカタ) 二式・改〝水車一閃〟!」

 

 

〝霹靂一閃〟の踏込による加速から〝水車〟の斬撃へと繋げる混成接続剣技。

 

「進撃●巨人」のリヴァイ=アッカーマンが無垢の巨人の体を回転斬で斬り刻む様に、私は〝水車一閃〟で大百足の体を斬り裂いて行く。

 

大百足の体を斬り裂き終えると、その後方から迫って来ていた大蜘蛛に対して間髪入れずに攻撃を仕掛ける。

 

 

「炎槍、炎弾!一斉掃射!!」

 

 

今更だけど私は自分の周囲に六属性の魔導書を常時浮遊させていて、いつでも魔法を放てるように攻撃待機させていたので、蟲系魔物に対して効果的そうな炎攻撃を大蜘蛛に向かって連続発射する。

 

炎攻撃は私の予想通り大蜘蛛に対して効果的で、炎槍で地面に張り付けられた大蜘蛛は十数発の炎弾攻撃であっさりとくたばった。

 

大百足と大蜘蛛を処理し終えると、次はぬっぺふほふが標的だ。見た目は肉の塊。もしかしたら「北斗●拳」のハート様や「るろう●剣心」の夷腕坊みたいに衝撃を吸収する能力を持っているかもしれない。

 

取り敢えず、剣術で倒せるか試してから、無理そうなら攻撃手段を魔法に変更しよう。

 

〝塵旋風・削ぎ〟と似た様な性質でありながら、破壊力が段違いな首ごと体を抉り斬る焔燃型(カグツチノカタ)の技。

 

 

「コォォォォ………。全集中、焔燃型(カグツチノカタ) 十式〝煉獄〟!!」

 

 

〝煉獄〟が直撃したぬっぺふほふは、「BLE●CH」でバーナーフィンガーを喰らった吉良イヅルみたいになった。

 

予想では斬撃の威力が少しは減衰される筈だったんだけど、斬った感触は凄く柔らかくなるまで煮こまれたラフテーを斬ったような感じで拍子抜けした。

 

〝煉獄〟の破壊力が絶大だったのか、それともぬっぺふほふが見た目だけの張りぼてで、実はぬっぺふほふが夜の魔物で紙防御力の最弱雑魚魔物だったのか。

 

ぬっぺふほふの次は牛鬼が相手だ。全長2m50cm以上の牛鬼は身の丈ほどの大刀―――というよりかは斬馬刀?形状は「NAR●TO」に登場する霧の忍刀七振りに数えられる断刀・首斬り包丁に似た武器を持っている。

 

見た目の大きさに反して、力任せに振り降ろされる断刀もどきの速度は意外と速く、雷光で受け止めた一撃も私の足と接地している地面が砕ける威力を有していた。

 

この牛鬼は私が今まで出会った夜の魔物の中で最強と呼べる存在だ。まぁ、その現時点で最強の魔物の一撃でも私は無傷なんだけどね。

 

自分で言うのもなんだけど、イメージ的には「るろう●剣心」のvs破軍(乙)の不二戦での比古清十郎と同じくらいの強者感が今の私にはあると思う。

 

牛鬼は初撃を受け止められると思っていなかったのか、二撃目以降は崩山剣舞と言わんばかりに断刀もどきを闇雲に振り回してきた。

 

「鬼滅●刃」の竈門炭治郎が上弦の陸である堕姫の帯を捌く様に、私も闇雲に振り下される断刀もどきの攻撃を雷光で捌き続ける。

 

そして、捌かれた断刀もどきが勢い余ってその刀身を地面へと減り込ませた瞬間、私は攻勢に出る。

 

 

「ホォォォォ………。全集中、月詠型(ツクヨミノカタ) 六式〝常世孤月・無間〟!」

 

 

月輪を纏う縦方向に弧を描いた無数の斬撃を放つと、牛鬼はいとも容易く斬り刻まれ、ドロップアイテムと魔石を残してその体を消失させた。

 

撒き餌のお陰というべきか、私が牛鬼と戦っている間におかわりの魔物が集まっていたみたいで、中にはこれまた初見の全長150cmは有りそうな進化系市松人形が複数体含まれていた。

 

 

「………流石に人間大の市松人形はホラーでしかないね」

 

 

市松人形(大)が持っている武器は個体ごとに異なっていて、市松人形(小)と同じ脇差の個体もいれば、大刀の個体や薙刀の個体、槍の個体もいた。

 

市松人形(大)は市松人形(小)と同じ様に浮遊した状態で、一般的な成人男性が全力疾走する位の速度で一斉に襲い掛かって来た。

 

一対多数での戦闘を得意とする武術の知識が私には複数ある。その1つは飛天御剣流を源流とし、呼吸術と組み合わせた鬼滅流飛天型(ヒテンノカタ)。もう1つは――――

 

 

「シュフゥゥゥゥ………。全集中、千手型(センジュノカタ) 終式〝千刀巡り〟!」

 

 

千手型―――源流であり、「刀語」に登場する千刀流の基本戦術は奪刀術。そして、本来の〝千刀巡り〟は四季崎記紀が造り出した完成形変体刀・千刀〝(ツルギ)〟との共同合作奥義。

 

けど、先輩転生者であるリクオ先輩は〝千刀巡り〟を、一対多数での戦闘で相手が武器を持った状態であれば、最大限の効果を発揮する奪刀術の究極形であり、別に完成形変体刀・千刀〝鎩〟が無くても使えるという結論に至ったみたいで、私がリクオ先輩から得た戦闘知識では千手型(センジュノカタ)の奥義に当たる終式となっていた。

 

閑話休題。私は向かってくる市松人形(大)の武器を奪い取ると、そのままその武器を使ってカウンター攻撃を仕掛けて返り討ちにした。

 

カウンター攻撃は全部突き技になったんだけど、確実に相手を仕留める為に天神型(イザナギノカタ) 鉄ノ秘剣一式〝虎穿〟を併用して破壊力を上げておいた。

 

まぁ、槍や薙刀相手のカウンター攻撃は〝虎穿〟というより、どちらかというと〝ブラッディースクライド〟みたいな感じになったけどね。

 

言い忘れてたけど、市松人形(大)以外に一反木綿や提灯お化けなども現れていた。まぁ、一反木綿や提灯お化けは夜の魔物の中でも弱小に分類される魔物みたいで、瞬殺できたんだけどね。

 

あっ、一反木綿に関しては倒すのに少しだけコツがいるかも。例えるなら上弦の陸である堕姫の帯みたいな感じだからね。強靭だけどしなやかで斬り難いみたいな?

 

兎に角、撒き餌を撒いてからの1時間は、それなりに厄介なのから大したことないのまで、色々な魔物を斬り伏せ続けた。

 

ちなみに厄介な魔物は牛鬼や市松人形(大)のことじゃないよ。出現時はマネキンみたいな姿だったんだけど、対峙した瞬間に私やささら、ルル、紫蓮ちゃんの姿に変化して攻撃してくる魔物だった。

 

しかも、ささらやルル、紫蓮ちゃんの姿に変化した魔物は、現時点での3人を凌駕する戦闘技術を持っていたんだ。

 

全集中の呼吸は使ってこなかったけど、3人が使ったことのある繚乱型土公型鈿女型の型式剣技は使って来たから、少しだけ驚かされた。

 

私の姿に化けた魔物も私が無限鳥居に入ってから使った鬼滅流の型式剣技を使って来たからね。まぁ、私の偽者は戦闘能力も戦闘技術も、私の3割以下でしか再現できてなかったけど。

 

多分、この魔物はダンジョンに入って来た生物の能力を一定数値まで向上させた上で、戦闘技術も一定レベルまで再現できるのかもしれない。

 

例えば、装備品のバフ込みで呼吸術を使用しないささら達の戦闘能力値を280とした場合、偽物の最大戦闘能力値は750ってところかな?

 

私は呼吸術や魔法による身体強化抜きで2000くらいが妥当かも?基礎戦闘能力が魔王ハジメ+星脈世代(ジェネステラ)だし。

 

取り敢えず、見た目が仲間に変えて攻撃してくるから、精神的な意味で戦い辛くはあった。

 

あっ!あと、この魔物は完全に物理近接戦闘型。私がダンジョンに入ってから使った神代魔法を、私の偽物は一切使って来なかったからね。

 

まぁ、この偽物―――モシャス魔物がダンジョンの生み出した試作品の魔物という可能性もあるから、時間が経てば、私を完全再現できるモシャス魔物が現れる可能性もあるかも知れない。

 

………自分で言っといてなんだけど、完全再現モシャス魔物はかなりヤバいね。どこぞの戦闘狂なら再現された時点での自分を凌駕すれば問題ないっていうと思うし、私もその意見には同意するけど、私以外の人間が3割再現の偽私を相手にするのは結構キツい気がする。

 

………………まぁ、何はともあれ1時間の間にかなりの魔物が集まってくれたおかげで、かなりの素材が手に入った。妖精の宿に戻ったら、この素材を使って皆の武器や防具を強化しよう。

 

ちなみに魔物を斃した時に手に入るドロップアイテムをどうやって回収していたかというと、空間魔法を使って回収していました。

 

 

 




アンケート内容
①【ささら達のボス攻略LVもとい無限鳥居の安全マージン】
(キャラクター設定~第14話のあとがき後で実施中)
・原作通りLV12
・原作より少し高いLV15
・原作より割と高めのLV20
・原作よりかなり高めのLV25
・原作8章超えのLV30



②【無限鳥居でのささら達のレベリング手段】
(第15~16話のあとがき後で実施中)
・最後まで地道な魔物との戦闘で得られる経験値
・妖精の店での宿泊3日目の夜に昇華魔法と変成魔法で強制レベルアップ



③無限鳥居ダンジョンボスはどれ?
(第17話のあとがき後で実施中)
・八岐大蛇幻影体・劣(戦闘能力値:1500?)
・八岐大蛇幻影体・弱(戦闘能力値:2250?)←3つ首
・八岐大蛇幻影体・強(戦闘能力値:3400?)←5つ首
・八岐大蛇幻影体・狂(戦闘能力値:4250?)←8つ首

無限鳥居でのささら達のレベリング手段

  • 最後まで地道な戦闘
  • 最終的には神代魔法による強制強化

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