この星の命を守るは彼らの使命。
誰が読んだか知らないが、彼ら5人の勇者のことを皆
「異世界戦隊 テンプレンジャー」と呼ぶ。
ありふれたもの、すなわち人間。生命。
これは、地球から離れた遠い、異世界の生命を守る勇者の物語である!
ここは地球とは違う、自然豊かな惑星ラジュエン。そこで大きく栄えた大国「ハッテ王国」のはずれにあるトアール村の住人は、今日も平穏に暮らしている。
村の住民は、人間のような見た目をした者、ゴブリンのような肌の違う者、エルフのような耳の長い者......。多様に存在し、互いに支えあって生きていた。
だが、この瞬間に平穏な暮らしが乱されようとしている。
「すべての知的生命を浄化せよ! 我ら魔王様と惑星ラジュエンのために!」
魔王、それは悪意。
悪意、それは唐突に現れるもの。
ここが異世界なら当然、魔王も存在する。これもありふれた生命の一つである。彼らは、魔王『ワルイーゾ』の命の元、彼ら魔族以外の生命根絶を目指しているのだった。
「ま、魔王軍がきた!」
「う、うわあああああああ」
阿鼻叫喚と共に静かな町は一変して、戦地と化す。家は燃え、住民は多くの魔族によって蹂躙されていく。ひときわ目立つ魔王軍の一人は、クモのような頭をしており、彼は多くの人々をその口化は吐き出す糸で締め付けていく。
だれもが絶望し、その生命の終わりを悟ったその時! 5人の勇者がその姿を現した。
「そこまでだ! 魔王軍!」
大きな発生とともにその方向に目を向ける魔王軍。
その方向にある村はずれの崖には、なんの変哲もない五人が立っていた。
「俺たちは、お前らになんか負けない! 平穏に生きている人たちは俺たちが守る!」
赤い派手な服を着た男が、魔王軍に啖呵を切った。彼の言葉と共に他の4人は前へ出ていく。
「さっさといくぞ」
青白く輝く剣を持った男が赤い服の男を横切り、魔王軍を切り倒していく。それに続いて、黄色いスカーフを首に巻いた男が赤い服の男の肩を叩き、彼を諫める。
「そういう戦隊ごっこいいから、村の住民の避難をしてください。あなたがリーダーやりたいっていうから従ってますけど......ちゃんとしてくださいね」
そういった後、彼も住民の避難のため村に入っていった。
「い、いや。こういうのはなんというか、流れというか『やるぞ!』みたいな意思表示じゃん?」
赤い服の男は少し困りながらも二人を追って住民を避難させていく。
「サブロー殿、いつ『ちぇんじ』とやらをするのだ」
黒い甲冑を着た図体の大きい女が赤い服の男に迫ってきた。
「あー、もう! みんなで変身したかったのに! いくよ、ジュナちゃん」
サブローと呼ばれた赤い服の男と、ジュナと呼ばれた黒い甲冑の女は、左手にあるガントレットにはめ込まれた丸い水晶のようなものに手をかざし、戦隊にありそうな変身口上を口にした。
「「テンプレチェンジ!」」
二人の身体は光に包まれていく。その中で、足や腕、そして顔に鎧のようなものが装着されていく。それはまるで地球で放送されている『スーパー戦隊』のように。
サブローは全身赤の龍をかたどった頭部の戦士に、ジュナは全身黒のライオンの頭部に小さくヘビの頭をつけたような戦士へと変貌した。
そして、彼らは村に降り立っていた魔王軍の下っ端たちと交戦していく。
下っ端たちを蹴散らしながら、サブローは自分の名前、もとい戦隊名を口にする
「ドラゴンの力、テンプレッド! 赤見三郎、推参!」
「こいつ、またやってるよ」
青白く光る剣を持った男は、クモの魔物を剣で切りつけた後、剣の平たい部分を自分の左手のガントレットにある水晶に押し付け、摩擦を起こすように一気に引いた。すると、三郎たちを同じように体が変化した。彼の顔つきは三郎の龍をかたどったものや、ジュナの獅子をかだどったようなものではなく剣そのものだった。
すでに他の3人より早くチェンジして、
「リカルド、僕の炎の攻撃に合わせて、剣でクモ男を叩き切るんだ!」
「タウマ、とか言ったな? その上から目線な態度は改めた方がいいぞ」
黄色の戦士タウマ、そして青の戦士リカルドはそれぞれに炎攻撃と剣撃でクモ男を弱らせていく。
「み、皆様! どいてください! マジカルマジカ・ブリザードフィニッシュ!」
奥の方で下っ端に苦戦している桃色の戦士は、魔法使いのような杖を用いて周り一面を凍らせていく。それは、クモ男も例外ではなかった。
「うお! あっぶねえな! でも、ナイス判断! アイネ」
「き、恐縮です! ごしゅ、じゃなかった。リーダー!」
「お、お前ら何者だ!」
クモ男は思わず五人が何者なのかを尋ねてしまった。
それがトリガーとなり、三郎は口火を切り出す。
「聞かれたんなら、仕方ねえよな! 聞きたきゃ聞かせてやる。聞きたくなくても聞かせてやる! ドラゴンの力宿りし勇者! テンプレッド! 次、ブルーだよ」
「......ブルーソード」
「確か、次って僕だよね? フェニックスの力! フェニックスイエロー! はい、次ジュナちゃん」
「え、私か。えーと、キメラブラック!」
「最後に私ですね! 魔法はおまかせ! テンプレ~ピンク♪ これでいいですか?」
「いいね! 5人そろって! 異世界戦隊!」
「「「「「テンプレンジャー!!!」」」」」
なぜか背後で爆破した。爆破物がおかれたわけでも攻撃されたわけでもない。単なる爆破だ。おそらくなんらくの演出であるが、なぜそうなったのかはわからない。その音を合図に5人は集まり、左手を重ね合わせる。
「「「「「テンプレバズーカ!」」」」」
そう叫ぶと5人のつけていた水晶が光りだし、空から急に大きな大砲が登場した。スーパー戦隊おなじみの戦隊櫓の必殺武器である。(多分)
「5人の心を一つにするんだ!」
「「「「「テンプレファイブ・グレートバスター!!!」」」」」
掛け声とともに引き金が引かれると、下っ端ともどもクモ男は爆発四散した。周りの氷も砕け、キラキラと5人を輝かせた。だが、彼らの戦いはまだ終わらない。
突如として黒い霧が現れてきたかと思うと、先ほど倒したはずのクモ男が巨大化して復活したのだ。
先ほどの戦いで村はボロボロになったというのに、彼が大暴れすることでまたも家屋が崩れていく。
彼の行動を見かねた5人は再び立ち上がる。
「とりあえず、あいつを村から追い出すぞ! 召喚(サモン)! ドラゴロイド!」
またも、腕に着いた水晶を回すと今度はどこからともなく、機械仕掛けのドラゴンが現れてきた。
赤見三郎、もといテンプレッドの巨大メカである『ドラゴロイド』である。テンプレッドが高く飛び上がると、ドラゴロイドに吸収されていき、彼を乗せたドラゴンが巨大クモ男を押し出していく。
続いて、ブルーソード、キメラブラックがユニコーンとキメラを模した巨大メカを繰り出してクモ男を広い大地へ追いやっていく。だが、それは決め手には欠けている。さらにフェニックスイエローのフェニックス、テンプレピンクのヤモリが続々と姿を現していく。
「よし、合体だ!」
5人の巨大メカが次々と変形していき、そして一つの人型となって姿を現した。
「完成! テンプレダイオー!!」
巨大なロボットのようなものが大地に降り立った。それにたじろぐも蜘蛛の糸で身動きを取れないようにしようとする。
「ユニコーンソード! そんなもの、俺が叩き切ってやる」
ユニコーンの頭部が剣となったユニコーン剣に、切れないものなどないかのようにクモ男を切りつけていく。その怪物はだんだんと弱っていき、片膝をついてしまう。
「フィナーレといくか!」
「「「「了解」」」」
ユニコーン剣を大きく下から半回転させて、中にいる五人は息を合わせて、空を切りさく。
「「「「「テンプレダイオー、フィナーレスラッシュ!!!」」」」」
大爆発と共に、クモ男は死滅した。一仕事を終えたテンプレダイオーは雄大に剣を掲げる。
「よっしゃあ! なんだか仮面ライダーみたいな敵だったけど結果オーライだよな」
テンプレッドはみんなを抱き寄せて勝利を分かち合う。
「近づくな。馴れ馴れしい......。だが、晴れ晴れとした気分だ」
「中々いいよね、戦隊も」
「腹がへった。サブロー殿、またかれーとやらを作ってくれ」
「ふう、お疲れさまでしたぁ~」
テンプレ、それは勝利の証
テンプレ、そして終わりもまた不変。
テンプレンジャーはこれからも異世界の平和を守るため、自らの力を使う。
ありがとう、テンプレンジャー。ありがとう、異世界戦隊......。
次回とかはとくにないです。
新作戦隊の初顔だし映画を想定して書きました。
少し長いかもしれませんがお付き合い下さい。
今後も連載してほしいですか
-
連載でみたい
-
普通
-
つまらなかった