お気に入りもこんなに増えて…へ、へへへ。
ありがたい。これからもチビリチビリ更新していきます!!!
ところで先日知り合いが「小説とか書いてる?」と怪しいことを宣いやがったので思わず胸に拳を突き刺してしまったのですが無罪ですよね?
吾輩はパーフェクトスタッフである。
本日はデスマーチを終えた為、束の間のリラックスタイムである。
「………」
ただの死体になってしまったAちゃんが地面に落ちている。あと椅子まで数歩の所で力尽きたのでこの惨事である。他のスタッフも微かに脈が感じられる程度に生きている状態だ。
ガチャ
「お疲れ様でーす…う゛わ゛!!」
なんだアヒルが扉から出てきたぞ。どうやら大分吾輩も限界が近いようだ。
「アヒルじゃねーわ!!ってモブさんも死んだ顔してる!?」
……あぁ。スバルさんか。視界が歪んでいて分からなかった。
今日もジャージ似合ってるな。でも声のトーン下げておくれ。耳からダイレクト入る音波に脳が震える…
「大分キテるっスネ…」
スバルさんは同情の目で我輩を見てくる。
大分死にかけてはいるが、だからといって要件を聞けぬほどではない。スバルさんのスケジュールは全て終わっている筈だが、何かあっただろうか。
「あー…なんというか…疲れてるモブさんに言うことじゃないから今度にしようかな」
“ふむ。少し待ちを…今からエネルギー補給するので”
「エネルギー補給?」
最近ずのー!の人から新しい栄養ドリンクを貰ったのだ。「こよりん印のコヨエナドリンクマキシマム」なにやらマキシマムトマトなる栄養価たっぷりな具材も混ぜ込まれているらしい。
飲むとトマトとマヨネーズの味が染み渡り脳内にピピピと体力を回復していくような音が聞こえる。ンッンー効くう!!
「モブさんそれ大丈夫なやつ!?なんか痙攣してるけど!!」
吾輩のワイシャツの胸ぐらを掴みガックンガックン揺らしてくるスバルさん。無論大丈夫である。だから揺するのはやめてくれないか。口からリバースしてしまいそうだ。
「いや、本当にこよりが作った物は気をつけてほしい。本当に頼むから。モブさん倒れたら終わる。マジで終わるから」
真顔でスバルさんは離れてくれた。
何を言うかと思えば、高々吾輩一人の力などパーフェクトに業務をこなすことしかできない。優秀なスタッフなら他にもいるのだ。
「じゃあ周り見て。死屍累々で動いてるのモブさんしか居ないから」
ふむ。確かにこの騒ぎの中で誰一人ピクリとも動かないが、いや待て。あそこでモニターとにらめっこしているのは春先のどかさんではないか!生存者だ!!生存者がいるぞ!!
「いや、あれは」
ツカツカツカ チョン ドサッ
「とうの昔に力尽きてたんだ」
スバルさんがのどかさんの肩をほんの少し押すとまるで崩れ落ちるトランプタワーのような儚さで倒れた。
我が社では稀に見る光景だが、いざこの目で見ると非常に胸にクるものである。とりあえずのどかさんは仮眠室に投げ捨てておいた。
『ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛』
誰か先に寝ていたらしい。許せ。
“ところで要件はなんだったのですか?”
「え、あー。ようやく山場乗り切ったし何か美味しい物でも食べに行かん?って思ったんだけど」
“ラーメンですか?”
「いや、ラーメンはしばらくホロメンとサシで行く予定だからラーメン以外で」
“深夜に?”
「深夜に」
まさしく若くなければ出来ない事である。羨ましいような気持ちもあるが、そんな何度も行きたいわけではない。
しかし、美味しいものか。何がいいだろうか?魚か肉か。
「スバルはとモブさんが最近行く喫茶店があるってシオンから聞いたんだけど。そこ行って見たい」
“ふむ。では行きますか”
「わぁい」
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「いらっしゃいませ~」
「喫茶リコリコかぁ。ええ!めっちゃ衣装かわいい!!」
「ありがとうございまーす!こちらメニューになります!」
今日もリコリコは元気にやっているようで挨拶も素晴らしい。気分がいいね!
明るい髪色の店員さんも陽の者だからかスバルさんと相性良さそうである。どうでも良いことであるが、スバルさんの店員を見る顔がゆるゆるの笑顔でちょっと気持ち悪い。
「良いっすね!」
“メニューが?それとも店員さんが?”
「両方!!」
目を見開き普段より2割増しの声が出ている。君そんなキャラだった?いやこんな感じだった。
よく配信でこんなハイテンションになってた気がする。
メニューを見ながら店員さんを覗き見るという器用なことも始めた。ちょっと今から他人のふり出来ないですかね?
「スペシャルエレガントパフェお願いします!」
“最初からクライマックス過ぎる。これ食べたら帰りますか?”
「いや!他にも美味しいもの食べに行く!」
どうやら他の店を梯子したいらしい。最初から特大パフェは順番を間違えてると思うのだが、本人の意見は尊重しよう。では他に何か食べたいものは?
「折角だからあまり食べない珍しいものが良いかな」
「美味しい店といえば!!」
「うわ!?」
横から明るい髪色の店員さんがパフェを持ちながら会話に入り込んできた。ふむふむ噂やネットで聞いたことのある店だ。しかし珍しいわけではない。
「そのお店聞いたことある!ハンバーグ美味しいんでしょ?」
「そーそー!お肉もジューシーなんだけどソースがこれまた絶品で!!」
もうすでに店員さんと仲良くなってる。これが陽の力か。
では店員さんからの情報収集はスバルさんに任せて吾輩は吾輩なりの情報収集をするとしよう。
パーフェクトデビルイヤー!
吾輩の数多の必殺技の一つ。ただの地獄耳ともいう。カフェ内の店員や客の会話を盗み聞きして情報を集める技術である。
『そういえば聞いた?アンブレラ社が主催の治験バイトの話!』
『有名な製薬会社だっけ?結構給金良いらしいね。アフターサービスも良いらしいじゃない。前にうちの旦那が言ってたけど、友人が研究員でアメリカのラクーンシティってところに出張だって!!凄いわよね』
『このチラシ見てくれ!俺ここに募集してみようかな!』
『なんだこれ?アナハイムエレクトロニクスの工場で作業員募集。初心者歓迎誰でも働けるアットホームな職場?ほーん。結構大企業だったよな』
『そういえば米花町でまた殺人事件だってよ。』
『また!?ここんとこずっとじゃん!どんだけ治安が悪いんだよ!怖いわぁ』
「へーそうなんだ!スバルは最近面白いと思うアニメとか映画ある?」
「あれかな。刃牙とオリバの神隠し!」
「あははは!なにそれ!!」
最後のは店員さんとスバルさんの会話である。声の主張強過ぎて他の音が掻き消されてしまった。仲が良くて大変素晴らしい。
残念ながらめぼしい情報がないな。
“平和そのものだ”と思わず呟く。
「え?」
吾輩がボソリと呟いた言葉に黒髪の店員さんが反応した。チラと目を向けると何言ってるんだコイツみたいな目でこちらを見ていた。何か言いたいことがあるなら言えば良いではないか。
「いえ。お気になさらず」
黒髪の店員さんに目を逸らされてしまった。一体何なんだ。
「あー!!うちの従業員をイジメるなー!!」
「なにー!!モブさんお前ええぇえ!!」
ええい。喧しい!別に虐めてたわけではないわ!!
詰め寄ってくる女性二人をなんとか押し退けて肌の浅黒いイカつい見た目な店員さんの所まで逃げてきた。
「大変そうだな。そういえば〇〇町にあるレストランはあまり見ない食材を扱っている店があるそうだぞ。確か名前は…」
ほほう。あまり見ない食材とな。
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ということでやってきました。2店目は噂のレストラン。
外観は特に普通の店であった。人は沢山入っているが美味しい店ならば人入も多いだろう。
「パッと見普通のレストランって感じ」
スバルさんや気になるのは分かるがあまりキョロキョロ周りを見るのはやめたまえ。
確かに見た目は普通のチェーン店のレストランのようだが、そんな中で挙動不審だと吾輩たちが目立つではないか。
「メニューも普通のような気がする。ってなんだこれ?」
メニューから何かチラシのようなものがハミ出ている。スバルさんが裏メニューみたいなものかと呟きながらテーブルにチラシを置いてくれた。
「どれどれ?人間国宝節乃監修?」
吾輩の記憶力が確かであれば、とんでもなく凄い料理人の名前だったような気がする。
チェーン店でもそのような味が楽しめるのか。良い時代になったものだ。
「にんにく鳥の親子丼だって。にんにく鳥ってなんだ」
分からぬ。チラシを見るにこの親子丼はオリジナルの出汁を使っているらしい。
そういえばみかんの香りがするブリもあるとのことだ。ニンニクの香りがする鳥がいてもおかしくはないだろう。
「なにそれ魔法じゃん。そんなんあんの!!?」
うちには魔法使いがいるが、ポコポコ魔法使って自堕落な生活をしている小娘が。ソファーの上からマンガ本を魔法で手元に運んでる姿が脳裏に浮かぶ。
世の中不思議なことばかりである。とりあえず店員さんに親子丼を2つ注文しておく。
「そういえばそうだったわ。シオンは魔法使いだった。あまりに日常的に使い過ぎてて忘れてたわ」
魔法ってとんでもない技術らしいが縁遠い我等には関係のないことだ。MPが足りない。
「特技はイオナズンって?お、キタキタ!」
他愛もない雑談をしていると親子丼が来たようだ。
「滅茶苦茶美味そうやん!なんかキラキラしてるし!!うわぁ~良い匂い!!」
テンション爆アガリのスバルさん。随分と食欲の唆る匂いが周囲に立ち込める。流石の吾輩も食欲を抑えられないとは…恐ろしい親子丼だ。
「いただきまーす!!あむっ」
口に親子丼を運ぶスバルさん。果たして味は。
「うんんんんんま!!!口の中で鶏肉と卵が溶けたんだけど!!美味すぎて飲み込む前に喋りそうになったわ」
その場合口から食べたものをみおーんしていたのだろうか。対面に吾輩がいるのだから勘弁してほしい。よく我慢してくれた。
「スバルの語彙力が無いのが悔やまれる。とにかく美味い」
ニッコニコで親子丼を口に運んでいる姿はよほど美味しい様子。どれ吾輩も食べてみよう。まずは一口。
「どう?」
“細胞が活性化したような気がした…”
「何言ってんの?」
何を言ってるのか分からないと思うが吾輩にもよくわからない。とにかく食事で細胞が喜んでいる。そんな気がしたのだ。
トロトロの卵の黄身に少し甘さを感じる出汁がしっかり効いており、肉も柔らかく米まで美味いときた。素晴らしい。
「なんかモブさん輝いているような気がする」
吾輩の魅力が天元突破したということか?いや、スバルさんの身体も何やら輝いてるが。
「え?うおおぉ!?なんだこれーー!?」
やはり細胞が喜んでいるという表現は間違いではなかったのかもしれない。なんなら疲労が全て吹き飛んだ。そんな気がする。
「いやいやいやいや、いくら美味しいもの食べたからってそんなこと…確かに体軽いなぁ」
スバルさんは難しい顔をしながら手をグーパーグーパーさせたり肩を回したりしている。
本当に体は軽くなった。これならもう何日か働けそうである。
「程々にね。おーし完食!」
“「ご馳走さまでした!」”
思わず食事への感謝の気持を体で表してしまっていた。
最近忘れていたが昔はよくこうして食事への感謝をしていた気がする。
「はぁー満足満足。いやーモブさんありがとう!満足した!!」
“スバルさんも満足したようだし帰るとしましょうか”
「ウィーッス」
その後、スバルさんを家に送った吾輩は数日完徹したが体の疲労感は大分軽減していたような気がした。スバルさんも前より激しい運動をしても疲れにくかったと言っていた。
恐ろしいぞ節乃監修にんにく鳥の親子丼!!覚えたぞその名前!!
また次回があったら食べに行こうと思う吾輩であった。
モブ
珍しくスバルのことは名前で呼ぶ。陽キャパワーでスバル呼びにされた。
危機察知能力は緊急時にならないと低め。特に自分に被害があるものじゃないと反応しない。自分に被害がありそうなときは脱兎のごとく逃げる。
今回ちょっと細胞が活性化した。
スバル
陽の者。美味しいもの食べて細胞がちょっと活性化した。もしかしたら勇者スバルドになるかもしれないしならないかもしれない。ボイスバズーカなら出来そう。
謎の声の主、もしくは妖怪ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛
力尽きていた突如上から感じる重さで目覚める。その後また二度寝した。
たまに仮眠室に出現する。
シオン
日常的に魔法使って楽をしている姿が散見される。たまに浮いて移動するので歩いてすらいない時もあるとかなんとか。
こよりん印のコヨエナドリンクマキシマム
どこからか仕入れたマキシマムトマトとマヨネーズを混ぜたもの。少しドロっとしてるがさっぱりとしたトマトジュース味。後からマヨネーズが顔を見せてくる。
明るい髪色の店員
モブが前回と違う女性を連れてきたので変なことしてる人かと思った。後日来店したスバルに話を聞いたところでスタッフだと判明。
黒い髪の店員
モブのパーフェクトデビルイヤーを看破した。あれだけフラグ満載な会話が店内であったのに平和だと宣った精神にドン引きした。
特技はイオナズン
昔々の面接ネタ。運が良かったな。今日はMPが足りないみたいだ。
節乃監修親子丼
チェーン店でも食べられるがとても美味と評判。食べたら細胞が活性化して超人的な力を手に入れるかもしれない。