全員分のストーリー考えようとしてる私としては、完結が遠のいてしまったという気持ちと面白いメンバーが増えたのかと喜びのフィフティーフィフティー。
まだまだ書けるよやったぜ!
吾輩はパーフェクトスタッフである。
本日の業務は倉庫内の整理である。ここ最近忙しかったせいで非常に散らかっている。まるでカオスのよう。ここはクリスマスの用品が、と思えば門松も転がっている。
これは実に大変な作業になりそうだと腕捲くりをして気合を入れた。
季節ごとに物をまとめているとカボチャの被り物が段ボールの上に乗っていた。誰かが段ボールの中にしまうのを面倒くさがってそのまま置きっぱなしにしたのだろう。
これからハロウィンが始まるのに放置とは化けて出られても困る。
少し手入れでもしようとカボチャの被り物持ち上げると
『いててててて!!』
何か妙な声がカボチャから発せられたではないか。何故か持ち上げられないのでもう一度引っ張ってみた。
『あだだだ!?待て待て』
更に引っ張ると段ボールの中から腕が生えてきて吾輩の腕を掴んできた。
清々しいまでのマシンボイスである。このカボチャにボイスチェンジャーでもついているのだろうか。
それはさておき段ボールから腕が生えており上にカボチャの被り物が乗っているコレは誰なのだろう。
貴様は何者だ名を名乗れい。
『ふふふ私は…私は…えーと。カボ、カボロゼ?カボ…ローゼンタール。ジャックえーローゼンタール。あーパンプキンタールである!』
実にぐだぐだである。アキさんは前にも同じ事をしていた気がする。で、倉庫でなにをしているのか。吾輩の仕事でも手伝ってくれるのだろうか?
「手伝わない!」
手伝わないらしい。何故か浮いているツインテールがピョンピョン視界の周りを跳ね回っている。相変わらずどんな技術なのか。
『ふはは。私はこのカボチャ頭を探しに来ただけだ。見つけた瞬間にモブさんが来たから思わず隠れてしまったのだ』
カボチャ頭をユラユラと揺らしながら語るアキさん。吾輩はホラーゲームのハンターか。
だが探し物が見つかったのなら早に出ていくのだ。これから倉庫内の大掃除をしなけれなならぬ。
「まぁまぁまぁ。これからハッピーナイト。衝動的に爆誕したパンプキンタールの相手をしてくれないか」
衝動的に動くと大抵後悔することになるのだが、というよりアキさんは前にそれをやって苦しんだと言っていたではないか。そしてボイスチェンジャー切れてますが。
「前にリスナーにも言ったが、人は働きすぎると◯ぬんだよ」
腕を前に出してクロスさせたアキさんはバツー!と言いながら語り始めた。では吾輩が仕事を早く終えるためにこの倉庫の片付けを手伝ってくれれば良いのでは?吾輩はアキさんに疑問を投げかけた。
「…………いや駄目だ。これから始めるととんでもない時間が掛かる」
カボチャ頭は後ろを振り向き倉庫の惨状を確認すると頭を横に振った。吾輩の素朴なお願いを破棄された様子。
もうすでにとんでもない惨状だから今やらないといけないだろう。子供を諭す気持ちで正論パンチしてみた。
「しかし、いやここで私は帰るという手も、でもそれは流石に薄情かもしれない」
腕組みしながらシンキングタイムを始めたアキさん。まぁ吾輩からすれば仕事中ではあるので倉庫整理をさせてもらおう。
「よし!ここはこのカボロゼがお手伝いをしてしんぜよう」
“さっきはパンプキンタールって言ってませんでした?”
「あれ?そうだっけ」
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「ぅえぇあ゛」
倉庫整理をしていると急にカボロゼさんがうめき声を上げた。まだ開始して1時間ほどなのだが、どうかしたのだろうか。
「頭が重くて邪魔!」
ポイッとカボチャ頭を地面に投げ捨てるアキさん。暑かったのか頬を赤く染め、汗で髪の毛がくっついている。
一瞬色っぽく見えたが「ヴォアァ」と奇声を出しながら首を回している姿を見て気の迷いだったと納得した。
「暑いし下向くたびに首が折れそうになる!!」
ムキロゼさんの太く鍛え抜かれた首なら耐えれたのだろうか。残念ながら今のアキさんはノーマルフォルム。
流石に少し重めのカボ頭つけながら、しゃがみ持ち上げの繰り返しは応えるだろう。
「よし。これで私は本気を出せる!やったるぞー!!」
アキさんはさっきまで疲れていたのが嘘のように元気になった。テキパキと整理していくあたり重りを外して本気になったのは嘘ではないようだ。吾輩も負けてはいられない。
「これは年始の時の門松セット。こっちは去年の夏イベの小道具だ!懐かしい」
おぉ。これは吾輩の作ったクリスマスツリーではないか。多少埃がついているが綺麗なものである。ほぼ新品みたいなものだ。
「モブさん正月の鏡餅がたくさん出てきたけど!?カビルンルンしてる!」
“なんとぉ!?それは破棄です。厳重に封印して焼き払いましょう”
「どーしてこんなにあったの?」
“大凡予想はつきますが、後で配ろうとして年始の忙しさでそのままにしていたのでしょう”
「あー。そういえば鏡餅配るとか言ってたような」
会社の鏡餅は忘れがちになるしすぐカビルンルンしてしまうのだ。今回はあまりにも放置しすぎて兵器になったがそこは今後気をつけましょうということで。
「お、ここには災害時用の食べ物が。賞味期限…まだ大丈夫っぽいね」
緊急時の備えは大事。それは吾輩が毎年確認しているのだ。Excelにも期限と量を記録しているのだ。
「さっすがモブさんはマメだなぁ。賞味期限近いものはどうしてるの?」
“スタッフさんたちのご飯だったり軽食です”
「あぁ…今度は私も食べてみたい!この頑丈な包装された乾パンとか。こういう軍用レーションみたいな保存食は気になるよね」
このような保存食はあまり美味しい訳ではないが、それを分かっていても食べてみたくなる好奇心は分からんでもない。
倉庫整理を手伝っていただいたので報酬に食べても構わないと伝える。
「やったー!!でも報酬としては安上がりに片付けられた気がする」
“じゃあせめて飲み物は奢りますよ”
「麦のジュースとかでいいよー」
“社内自販機にはないです”
「チェッ」
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「やはり予想以上に薄味でした。保存のためなんだろうけど」
そりゃそうだ。気持ち固めで噛むという行為に満腹感を与えさせ、尚且つ保存を目的としてるから水気もなくパサパサ。昔に比べればこれでも美味しい方なのだ。
「はえー」
アキさんは少し遠い目をしながらリンゴジュースで乾パンを流し込んでいる。そろそろ昼ごはんの時間なため吾輩も食事にするとしようか。
「モブさんは缶詰か。んー?見たことないパッケージだ」
吾輩が取り出した缶詰だがこれも非常食である。これは賞味期限がなんと25年!サバイバルフーズと呼ばれるものだ。ちなみに中身は鶏雑炊。缶切りも付属しててこれだけで食は完結できるのが強み。
「えぇ!?美味しそう!!というかそれあるなら私が乾パン食べてるとき一緒に出してくれても良いんじゃないの!!」
アキさんが乾パンを抱きしめてたので、吾輩は気を利かせてあえて言わなかったのだ。
「ぐぅう…確かに乾パンに目が奪われていたのは確かだけど!というか25年も持つなら今賞味期限切れるわけ無いじゃん!!」
そのとおりである。吾輩が防災時対策をしているが、そういえば自身で食べたことないモノを配るのも如何なものかと考えた次第。ではいただきます。
「じー…」
中身はやはり乾燥してようだ。味は塩気が強いがちゃんと鶏雑炊だと分かる物だった。決して美味い訳では無いがいざという時にはコレでも十分ご馳走といえるだろう。
多分だが水とかお湯で薄めるともっと味わえるのかもしれない。
『私はカボロゼ。私にもその非常食とやら寄越すのだ』
ジッとこちらを見ていたアキさんは吾輩がなんのアクションも示さないことにご不満な様子。先程倉庫から持ってきたカボチャ頭を被り、隣の席から頭を押し付けてきた。痛い痛い
“分かりました。ではこちらを差し上げましょう”
『おぉ。この頭手元よく見えないえーとナニナニ』
“ライスクッキーですね。保存期間は5年程でなんとアレルギー性の品目が使われてないのです。しかもいちご味”
『…………』
スッと立ち上がりカボチャ頭を外すアキさん。どうかしたのだろうか。
「雑炊よこせよー!!」
ガンガンガン!
あろうことがアキさんは吾輩に何度もカボチャ頭を叩きつけてくるではないか。ぐわー!!
「やはりご飯の奪い合うことになるなんて。私は悲しいよ」
吾輩が一方的に強奪されただけだが。
「本当だ。塩気強いけど鶏雑炊っぽい。パサパサしてるけど鶏肉に人参とかきのこもちゃんと入ってるじゃん」
そのスプーンは吾輩のだから間接キスになるが。
「ムグッゲホゲホ」
パッサパサの塊を喉に詰まらせ死にかけてるアキさんを尻目に吾輩は立ち去るとしよう。この後はどうせ手痛い一撃をぶち込まれるに決まっているのだ。吾輩は詳しいんだ。サラバダー!
「ゲホゴホ待ってゴホ」
吾輩が扉を閉めると同時に何か固いものが扉にぶつかる音が聞こえた。フッやはり吾輩の読みは正しかったようだ。
たとえ大人気無いと言われようと食の邪魔をされた借りは返した。少し気を良くしながら午後の仕事に戻るのであった。
モブ
昼休憩後凄まじい速さで倉庫を片付けて行方をくらましたらしい。多分社内にはいない。どこかの喫茶店に逃げた可能性が高い。因みにメールと電話にはすぐ反応するとかなんとか。
アキ・ローゼンタール
その後非常食を食べきりモブを探したが発見できなかった。倉庫に戻ると整理が終わってて驚愕した。社内全部確認したが発見できず。カボチャ頭だけ持って帰った。
カボチャ頭
熱がこもり暑い。しかも重いし視野もあまりよくない。ボイスチェンジャーがついている。ホロメンでの評判は微妙。何個があるがほぼ置物として使われる。何故かたまに浮いたり光ったりする。