吾輩はホロライブのパーフェクトスタッフである   作:ジョ力

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もももも
お待たせしましたも。12月はやりたいことが多過ぎて大変だも。


32 震えるぞhat!情熱の赤いクッキング!!

 

 

吾輩はパーフェクトスタッフである。

 

本日の仕事はASMR機器の点検である。非常に精密な作業なので倉庫でひっそりと行うのだ。

誰にも邪魔されず心を落ち着けてパーフェクトに行わなければならない。大きな音を鳴らすのは以ての外なのだ。

 

ガチャ

「はあっちゃまっちゃまー!!!記憶がないなったはあちゃまだよー!!!!ってどーしたの?丸まって。お腹痛いの?」

 

吾輩は咄嗟に大声を遮断するためにASMR機器を抱え込み少しでも守っていたのだ。

ASMR機器を前に大きな音を出すのは以ての外である!扉の前に作業中の立て札置いてたはずだが!!と小声で叫んでみた。

 

「見ぇねぇ。記憶がないから読めねぇあはははは!!」 

 

狂ってやがる。遅すぎたんだ。

このままASMR機器に何かされても困るので箱にしまう。この赤い悪魔をやり過ごしてからゆっくり片付けることにした。

 

「おー?もう仕事良いの?じゃあはあちゃまに付き合ってよ」

 

良くはないが、このまま赤井さんを放置しておくほうが危険なので目の届く範囲で監視しようという方針に切り替えたのだ。とは言えないので頼み事なら引き受けましょうとそれらしいことを言っておく。

 

「おお!流石モブさん!じゃあ料理作るから撮って」

 

“アイタタタ!お腹が痛くなってきた”

 

「あ、そう?じゃあトイレ行ってきてからで良いから来てね!キッチンスタジオで待ってるから!」

 

デュワッなんて声を出しながら元気よく扉を開けて出ていく赤井さん。吾輩は残念ながら逃げられないようだ。今日中にASMR機器の点検ができるか心配になってきたが、なんとか胃薬(こよりん印)で耐えるしかないようだ。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

というわけでやってきましたキッチンスタジオ。

赤井さんは準備万端いった雰囲気でキッチンに仁王立ちしている。何故か衣装は割烹着であった。

 

「ふっふっふノコノコとやって来たわね。モブさん!」

 

帰って良いなら帰るが。

 

「なんて?」

 

わざわざ包丁を両手に持ってこちらを見てくる赤井さん。吾輩は何も言ってない。心が帰りたがってたんだ。

 

「やれやれ。はあちゃまの手作り料理を食べれるなんて感涙モノなんだけど!!」

 

せやろか。もし涙は流すとしても血の涙なのではないか。吾輩は訝しんだ。

 

「まぁとりあえずここにカメラを置いてもらって、あとは反射しないように鍋と、ヘラと」

 

赤井さんからどんどん指示が出てくるのでその通りにしていく。カメラの映る範囲を確認しつつ調理器具も選んでいく。

しかし何を作るのだろうか聞いていない。

 

「ふっふっふ。それは出来てからのお楽しみ!」

 

はてさて出来上がったものを視認して認知できるものが造られるのだろうか。炭とかダークマターを出されても吾輩は判別できるか自信がない。

 

「どうして私までここに居なきゃ駄目なんですか」

 

Aちゃんも可哀想な実験台として連れてこられたらしい。頭を手で抑えて陰鬱な雰囲気で椅子に座っている。

 

「審査員がいないと美味しいか分からないでしょ?」

 

そんなことを言う赤井さん。吾輩からすると美味しかろうが美味しくなかろうが食べたくないのでどっちでも良いのだ。

 

「どっちでもいいですよ。早く作業に戻りたいので私は失礼しますね」

 

Aちゃんが言っちゃった。気持ちは分かるが我々には拒否権がないのだ。そう考えていると視界の端で縄を持った赤井さんがAちゃんを椅子に縛り付けている。

 

「さて、これでようやく料理出来るね!」

 

「ケテ…タスケテ」

 

助けを呼ぶ亡霊を無視するために吾輩が心を無にして赤井さんのお手伝い係に徹しているとガチャリとスタジオの扉が開いた。

 

「こんあくあー…Aちゃんいますかー?ってうえっ!?」

 

「あー!!あくあちゃーんいらっしゃーい!!ここに座ってー!!!!」

 

「え゛。あてぃし…そんなんじゃ」

 

「Aちゃんとお話してたら良いよ!はいどうぞー!!」

 

Aちゃんを探しに来たあくあさんはなんとか断ろうとしているが残念ながら対人スキルが足りない。赤井さんに後ろから肩を揉まれながら席に座らされてしまった。もう逃げられないぞ。

 

「も、モブさん…どーしてはあちゃまがここに」

 

あくあさんが涙目でこちらを見てくるがこのキッチンスタジオを使うということは料理をするか撮るために決まっているのだ。はあちゃまクッキングの再来である。

 

「うう。なんでこんなことに」

 

メソメソと嘆き始めたをメイドを尻目に吾輩はこよりん印の胃薬を手に持ち、菩薩の顔で祈りを捧げる。

今ここに居る三人はこのまま死刑執行か。逆転無罪か。

あとは判決が出ることを祈るしかない。

 

「今日はあちゃまクッキング始めるよー!!」

 

「ヒエッ」

 

ついに開廷してしまったはあちゃまクッキング。隣であくあさんはこの後起きる惨劇に身体を震わせていた。Aちゃんはどこか遠いところを見ているのか無反応である。

 

「はあちゃまはお団子を作ろうと思うよ!だんご粉?種類多いな。多分これだろドバーっと」

 

遠目でよく見えないが多分だんご粉や白玉粉等で迷ったのだろう。あれは米粉ではあるが製法だったり原料が違ったりするから用途によって使うものを変える必要がある。今回は団子ということなのでだんご粉で良いだろう。…赤井さんが入れたのだんご粉だよね?ボウルと手が邪魔していてよく見えない。

 

「粉に水と砂糖ジャバー。混ぜる!ガチャガチャと!」

 

吾輩の目には計量しているようには見えない赤井さんは順調?に料理を行っている。ヘラで本当にガチャガチャかき回してるから中身が溢れてる。アレの掃除はちゃんとしてくれるのだろうか。

 

「アレ?なんか緩いぞベチャベチャだ」

 

順調ではなかった。ヤー!なんて声とともに粉を追加投入している様がみてとれる。もう駄目かもしれんね。

 

「でも今までのはあちゃまクッキングに比べるとまだ見た目綺麗だよ」

 

お目々ぐるぐるさせながら語るあくあさん。確かに今までのはあちゃまクッキングは真っ黒か茶色のナニカになっていた。そもそも団子でそんな色になったら何かを混ぜないとそんな色にはならない。そう考えればそこまで酷いことにはならないかもしれない。

赤井さんは団子を丸めているので仕上げまで近づいているようだ。

 

「あとは茹でる!鍋の水少なかったか。まぁ大丈夫でしょ」

 

「なんとかなりそうだよ?」

 

赤井さんがぶつくさ語りながら団子を茹でている間ヒソヒソとあくあさんと話をする。このまま問題なく終わるのならこの胃薬も必要なかったかもしれない。吾輩の祈りは通じたようだ。

 

「最後はこれ!みたらしとごまが一緒に食べれて一石二鳥!!はあちゃま特製たれ!!」

 

「え゛」

 

突然出てきた怪しげな物質。なにやら汚いデロっとしたなにかを団子に塗りたくり始めるではないか。なにしてるんだよはあちゃま!!と自分で笑いながらべちょべちょと塗ってる様は狂気的である。

隣であくあさんが吾輩の腕を掴んで揺すってきているがもはや賽は投げられた。あとは逝くのみなので諦めてほしい。

 

「ヤダーーー!!!」

 

湊あくあ魂の叫び。君そんな大きな声出せたんだねと吾輩が感心していると目の前に黒と茶色の物体が乗った皿が出された。

 

「さあ食べなー」

 

目の前で汚いタレをぬちゃぬちゃとかき回しながら近付いてくる赤井さん。

それヤメナー。音も見た目もよろしくない。

 

「ワァ…みたらしのタレこんなに黒かったっけ。ごま…かぁ。なんか違うような」

 

「そういえばあんこも混ぜた。一石三鳥だったね!」

 

衝撃。なんか黒いと思ったらあんこも混ぜたと宣っている。アレンジャーここに極まれりだ。どうしてこんな事するの。

隣であくあさんは深呼吸をして心を落ち着けようとしている。Aちゃんはまるで肺ごと吐き出しそうな程のため息を吐いていた。

 

「まぁ見た目はまぁまぁまぁだけどね味は良いから!!」

 

少しも味見をせずに何を言うのかこの狂人は。だがさっさと食べれば終わるのだ。サクッとリアクションをとってお開きにしてしまおう。非常に重く感じる箸を団子に伸ばそうとするが

 

「あ、そうだ見栄え!これじゃどこに団子あるか分からないから串はないから箸でいいかブスッとな」

 

違う、違う、そうじゃない。赤井さんは良かれと思ってやってるのか分からないが団子を箸に突き刺していく。今更見栄えもクソないと叫びたいが吾輩は大人。多少のことは目を瞑ろう。

 

「さあ召し上がれ!!」

 

満面の笑みでこちらを見てくる赤井さん。吾輩達3人して仕方なく箸団子を口にし咀嚼する。

もちゃもちゃもちゃ

3人の咀嚼音だけがスタジオ内に響き渡る。

 

「どう?どう!?食べれるでしょ!!」

 

「すごい甘ったるいというか…あんこかあ。」

 

「みたらしの香りが一瞬あんこみたいな味で塗りつぶされる。あと食感?がジャリジャリしててその…うん」

 

食べれるが味の調和がされている訳でなく、みたらし!あんこ!ごま!!みたいに口の中で味の暴力が次から次へと襲いかかってくるだけの一品。美味くもないが不味くもない。見た目は悪い。そんな評価である。

 

「たはー!!辛辣ー!!」

 

三者一様の評価を聞いて頭に手を当てて体を仰け反らせるオーバーアクションをした赤井さん。吾輩は悲しいキメラ団子食べたので帰ろうと思ったが、先にこの汚れたキッチンとキメラ団子を片付けていきたいところ。

 

「ん?どーしたの?」

 

まぁ団子は赤井さんが責任持って処分するとして。

するよね?ん?

 

「あ、はい食べます。タベモノソマツニシマセン」

 

「私は先に仕事片付けたいので戻りますよ。巻き込まれただけですし」

 

「あてぃしもAちゃんに次のスケジュールについてその〜…一個だけ聞きたいことあって」

 

二人は仕事があるのでこのまま退席してもらう。そして吾輩も元の仕事に戻っても良いのだが。

 

「もちゃもちゃもちゃもちゃ」

 

赤井さんは寂しそうに残った団子を口の中に放り込んでいる。流石に放っておくのも悪いのでこの汚れたキッチンを片付けるとしよう。

 

「んぇ!?も、モブさん片付け手伝ってくれるの!!?」

 

美味しいかったかはさておき、おやつを作ってもらった手前そのままサヨウナラというのも「人の心とかないんか」と思われそうで癪である。せめて後片付けくらいは手伝おう。

 

「も、モブさん!!」

 

感動した様子でお祈りのポーズをする赤井さん。◯ぬほど感動しちゃってくれたまえ。

 

「なんだかんだ言いながら手伝ってくれるのツンデレってやつ!!?」

 

そのまま◯んじゃってくれたまえ。吾輩は養豚場の豚を見る目で見つめた。

 

「お礼にこのお団子をあげる!!」

 

それは自分で処理しないか。仏の顔は3度までだが吾輩は仏ではないので二度目でプッツンである。残った団子を赤井さんに無理やり押し込んだ。

 

「もがむむむむー!!!?」

 

良い子は真似しないようにねと心の中で念じながらキッチンの片付けをしている間、ずっと後ろでもっちゃもっちゃと咀嚼音が鳴り響くのでしたまる

 

ちなみに動画は思ったより面白くなかったということでボツになったとか。許せぬ。

 




モブ
今回は肉体にダメージ無かったため無事仕事も出来た。片付けはしっかりするタイプ。職場はキレイでなければならない。

赤井はあと
はあちゃまクッキングという恐ろしいものを創造した人。見た目はさておき食えるものが出来る。本人はさておきこの小説では片付けは表面上はするタイプ。モブさんが丁寧に換気扇まで綺麗にしてて引いた。
筆者ははあちゃまクッキングの見た目は好きじゃないけど動画自体は好き。

Aちゃん
被害者。逃走しようとしたが縛り付けられた。実は食べる直前で縄を解いてもらって再度逃走しようとしたがはあちゃまはずっと直ぐ目の前にいた。逃げられないぞ。
本人がどうかは知らないがこの小説では片付けはマメにするタイプ。

湊あくあ
被害者2
コミュ力が足りていても逃げられないのは火を見るより明らか。今回はクッキングの恐怖で帽子を被ってなくてもモブさんと話せた。
本人は知らないがこの小説では掃除は一気にするタイプ。本当に綺麗になるかはさておき。
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