吾輩はホロライブのパーフェクトスタッフである   作:ジョ力

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開拓者の皆様には申し訳ないですが、今回もこの小説ではAZKiさん壊れます。
お気に入り500突破してた。感謝!!!


39 AZKiちどうでしょう!?地獄のサイコロの旅 その惨

 

 

吾輩はパーフェクトスタッフである。

 

今吾輩は四国高知県におります。今高知県で何をしているかというと我が事務所の誇るアイドルであるAZKi様を撮影しているのだ。

 

「はーい。こんあずきー…いやー。腹が立ちましたね」

 

「AZKiさん!?」

 

あの怒らないと有名なAZKi様がお怒りである。Aちゃんもびっくりしている。吾輩もスマホを落としそうになった。

 

「私の運の無さに腹が立ちました」

 

「あぁ、そういう」

 

バスに12時間乗って大分ヤられたらしい我が社のアイドルはサイコロ力の無さに嘆いていた様子。じゃあ然程問題ないので行き先の書いたホワイドボードを渡す。

 

「タレントが怒り悲しんでるのに労いの言葉はないの!?」

 

残り時間は18時間。最速でどうあがいても4時間は掛かる道のりだ。そろそろ急いで帰りたいところである。憤るAZKi様にホワイドボードも押し付けた。

 

「私の声でも表情がピクリともしないカメラマンがここにいます。もう私の声は届かないのか!!」

 

疲労からかそれとも謎のテンションか。妙な三文芝居をするAZKi様に近づくAちゃんがホワイドボードを眺めてポツリと漏らした。

 

「今回南に行くのないですね」

 

ホワイドボードの内訳は

1、2もういい加減帰らせろ企画終了のバーチャル北海道

 

3帰る前に寄り道だ兵庫の神戸

 

4もう少し近づいておこう大阪

 

5ばら寿司でも食べよう徳島県

 

6徳島に行ってから東京へゲームオーバー

 

「…ねぇ。6番何?」

 

流石に気になった様子のAZKi様。

説明しよう。

出目が6だった場合まずは徳島に移動。そしてそこからフェリーで東京へ。到着は明日の朝イチ。ざっと時間にすると18時間。つまりタイムオーバーになり北海道へはもう間に合わないのである。

 

「そんなの入れないでよ!!?Aちゃんもうダメだお願い代わりに振って私じゃ6番出るんだぁああ!!」

 

「イヤですよ!?なんでそんな責任負わなきゃいけないんですか!!自分で運命決めてくださいよ!!」

 

“ですがダメなのは6分の1なので出さなければ問題ないかと”

 

「「ちょっと黙ってて!!」」

 

“ハイ”

 

発狂したAZKi様に掴み掛かられてAちゃんが抵抗する様をカメラに収める。人が壊れていく様を見ると愉悦を感じてしまうのは何故なのか。人の性なのかもしれないね。そんなことを吾輩は思いながらキャットファイトで転がり落ちたサイコロを目で追った。5であった。惜しい。

 

「うえぁっ!?徳島行くの!?サイコロ振ってないよ!!」

 

「あ、サイコロ落ちてる。5か。良かった」

 

愚かな争いをしていた2人に次の目的地を告げる。ちなみに移動時間は四時間ほどである。つまり残り時間は14時間。まだ帰れないわけではないがドキドキである。

 

「徳島って北海道直通あるの?」

 

分からないので調べてみよう。なぁに移動時間中は時間がたっぷりあるのだ。

 

「この企画。目的地が決まった瞬間は一喜一憂するけど移動時間は虚無だね。ホントに暇する」

 

「私もう眠れないですよ。目茶苦茶寝てるはずなのに全然疲れ取れないし。そもそもあれは本当に寝てるのか。気絶なんじゃ」

 

吾輩も意味もなくいい加減時間を潰すという苦痛と疲労で頭がおかしくなりそうだと感じている。なにかハプニングや面白い出来事を撮影したいが何も無いのだ。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

新幹線内での出来事1

 

「ん?あれなぁんで御三方がここに?」

 

「…おぉホロスターズの夕刻ロベルさんじゃあないですか」

 

“お久しぶりで、今吾輩達は企画中でサイコロの旅をしています。サイコロ振らねぇか?”

 

軽快な声とAちゃんの声で目を覚ました。

新幹線内で歩いていた野生のロベルさんに遭遇。地味めな色のシャツにジーパンという軽装のためオフなのだろう。吾輩とはロベルさんとたまに美味しかったお酒の話やコーヒーショップなどで盛り上がる程度には仲が良いが、企画名を出した瞬間に回れ右をしたので肩を掴む。

 

「イヤやぁ!!今日オフなんで丁重にお断りさせていただきます!!ただの旅行!!」

 

振り払われてしまった。残念だ。

 

「後でゆっくり配信された動画楽しませてもらいます。ところでAZKiさん寝てるのかピクリともしないんやけど」

 

“連れを起こさないでくれ。◯ぬほど疲れてる”

 

「モブさんが◯ったんか?www」

 

そんな一幕があった。

 

 

━━━━━━━━━━ 徳島 ━━━━━━━━━━

 

 

「はい皆さんこんあずきー!!徳島に来て今日も元気だ!!」

 

「さっきまで魘されてましたよ?」

 

「記憶ないなぁ」

 

先程ロベルさんが来ていたが、ぐで◯まの様な顔でぐでったAZKi様は記憶喪失らしい。プロ根性で無理やり作られた元気を撮影しておこう。

では次のサイコロである。残り時間は14時間である。急がなければならない。

 

「さぁ今回の目的地は」

 

ホワイドボードの内訳は

1、2、3企画終了のバーチャル北海道

 

4長崎に行って観光ハウステンボス

 

5いいから帰ろう東京

 

6行ってみたいね観光出羽島

 

「見て下さいAZKiさん!!二分の一で北海道ですよ!!」

 

「観光気になるけどそんな時間無いでしょ。というか6番の島なんか言ったらもう戻れないじゃん!!カメラマンさんダメじゃないですかこんな選択肢ばっかりじゃ。Aちゃんにも優しい選択肢にしてくれないと」

 

「何然りげなく私がサイコロ振るみたいに言ってるんですか!!AZKiさんあなたがやるんですよ!!」

 

「やだー!!!」

 

お姉さんぶったと思ったら一瞬で地べたに横たわりヤダヤダ言う駄々っ子にフォルムチェンジした。疲労のせいか随分メンタルが限界のようだ。周囲の目がヤバい事になるので一旦休憩に入るとしよう。ついでにこのAZKi様の痴態はしっかり納めたデータのバックアップも作る。これは良いものだ。

 

「早く帰るから振る」

 

「なんか幼児退行してませんか?」

 

ムッスーとした顔で吾輩からサイコロを奪い取ったAZKi様は叩きつけるようにサイコロを放った。Aちゃんが追いかける。吾輩が結果を映す。サイコロには丸が4個描かれている。AZKi様を見るともう脱力して倒れ込んでいた。服が汚れるのも気にせず地面と一体化している。AZKi様のこんな姿を見るのは初めてである。ホラーゲームやるときでもこんな顔はしてなかった。

 

「これでハウステンボス行ったらあと何時間残りますか?」

 

「あと…6時間ないですかね」

 

「オワッタ。皆今までありがとう。私は南に囚われるよ」

 

Aちゃんの言葉がトドメになり壊れて笑い始めてしまった。惨めである。掛ける言葉はない。ちなみにだが、長崎のハウステンボスから北海道に行くとなると最短で6時間くらいだ。ギリギリ間に合うということである。

 

「モブさん北海道は広いんだよ!?着けば良いって事じゃないんだ!!そこから会場まで移動が待ってるの!!分かってる!?」

 

急に立ち上がり涙目のAZKi様が掴みかかってくる。せっかく良いシーンが撮影出来てるのに吾輩の名前を呼ぶせいでこのシーンが使えないじゃないか。いや、無音で壊れたAZKi様とテロップを入れてCMのように使うか。

しかしこれで北海道にたどり着けば企画は終了なのだ。それで良いじゃないか。今日日オンラインでも打ち合わせはできる。まぁ現地の雰囲気が分からないのは仕方ない。

 

「今から帰ろう!!もう私の負けで良いから!!」

 

あと少しで企画が完了するのになんて無粋なことを言うのか。憤慨した吾輩は仕方なくAZKi様を抱えていくことにした。さぁ長崎か。長崎で何を食べるかリサーチでもしようじゃないか。

 

「帰れなかったら本当に大変なことになるんだって!!ちょ、ま、やめ!?ひ、人攫いー!!!」

 

「ほらAZKiさん行きますよ。泣いても笑っても次が最後なんですから我慢してください!!」

 

周りの目が凄いことになってるが、最早吾輩に怯えはない。この企画の最後はどうなるのか。きっと素晴らしい動画ができるだろう。吾輩は意気揚々と歩みを進めた。

後ろをのそのそと歩いているAちゃんを目にする。何をしているのか、ラストスパートだから急ぎましょう。

 

「あっはい。くっそなんで元気なんだあの人は…」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

新幹線内での出来事2

 

 

「カクカクシカジカらしいんだラミちゃん」

 

「はえー。AZKi先輩そんなキツイ企画をしてたなんて知らなかった。というかライブ前にそんなことしてたんか!?」

 

“徳島土産フィッシュカツ買っちゃった。皆さん食べますか?”

 

「お、ありがてー食べよ。食べよ」

 

新幹線でまさかの出会いその2。なんとぼたんさんとラミィさんが同じ新幹線に乗っていたの発見した。吾輩がお手洗いに行こうとしていた際に2人が雑誌を眺めて笑ってたのを見て固まったら目が合ったのでデッキに拉致った次第。

流石に5人でデッキに集まると狭いがまぁ仕方ないね。

 

「これから私達は長崎に行ってから北海道に戻るんだ。わざわざハウステンボスに行ってから!!」

 

「まぁまぁAZKiさん落ち着いて。お二人は旅行ですか?」

 

「そーそー!新婚旅行なの!!というかAZKi先輩間に合うの?あと数時間で会議って予定入ってるけど」

 

「フィッシュカツうまっ。ソースとかあれば最高だこれ」

 

AZKi様とAちゃんはまぁ平常運転として、ラミィさんは何やらほざいているがフィッシュカツを咥えてスマホを眺めているぼたんさんは何か言うことはないのだろうか。

 

「言わせておきな。酔ってるんだよ」

 

「ししろん!?」

 

吾輩はぼたんさんを非常に尊敬している。ここまでザックリと切り捨てることが出来るとは。

ラミィさんの対応に慣れているのかしたり顔でまたフィッシュカツを口に咥えて少しずつ咀嚼し始めている。

とりあえず尊敬の念を形にするため買っておいたすだちジュースなる物をぼたんさんに渡す。

 

「ん?なにこれおいしそーじゃん!ザすだち?お酒じゃないのか。ありがてー」

 

「それ私も飲んだけど結構スッキリ爽やかな味わいだったよ。レモンスカッシュみたい」

 

「お酒と割っても良さそう。柑橘系でしょ?」

 

「ラミィさん流石目の付け所がお酒ですね」

 

上からぼたんさん、AZKi様、ラミィさん、Aちゃん概ね好評であった。すだちジュース恐るべし。

 

「ング…そうだ。モブさんこれあげる。開運お守りだって。胡散臭いけどこういうのも面白そうでしょ?」

 

ぼたんさんから手渡されたお守りはやたら渋い緑色に黒文字で開運と書かれた袋に入った物だった。全然目立たないお守りだがありがたくいただこう。

 

「運良く帰れる事を祈ってるよ」

 

「モブさんまたね~また酒屋連れてってね!!」

 

「旅行楽しんできてね二人共!私は頑張って帰るよ!!」

 

そんな会話もありながらぼたんさん達と別れ運命のサイコロを振る時間が始まるのだ。

 

 

━━━━━━━━━━ 長崎 ━━━━━━━━━━

 

 

「こんこんこん!!こんあずきー!!長崎のハウステンボス!!佐世保バーガー美味しかったです!!さぁ最後のサイコロを振る時が来ましたね」

 

「えぇ。これがラストチャンスです。最後はこの友人Aである私がボーナスタイムということでこんな感じに作らせていただきました」

 

「いやぁ素晴しい。これには私もニッコリです」

 

なりやら妙に落ち着いた表情の二人に訝しむが、なにやら会心の出来らしい。吾輩は一度も見せてもらえなかったので初見ではあるがホワイドボードにカメラを向ける。

 

1〜6 バーチャル北海道

 

それ以外 バーチャル鹿児島

 

思わずふざけるなと口から溢れてしまった。帰らないとまずいのは分かるがなんてことをしてくれたのだ。こんな暴挙許されるはずがないと二人に抗議したものの取り付く島がなかった。おのれ、いつの世も少数派は勝てないのか。

 

「はい。カメラマンさんサイコロあげる。振って良いよ」

 

満面の笑みのAZKi様からサイコロを渡されるがもう分かりきっているではないか。

 

「でもサイコロは絶対だから。ほらほら」

 

思わず溜息が漏れる。

まさか最後はこんな終わりとは悲しい限り。せめて何か奇跡的な事でも起こってほしい。この2人の悪事?を止めたいと願いながら投げやりにサイコロを振った。

 

「“なんとかなれー!!”」

 

掛け声を出しつつサイコロの行方を見る。

コロコロとサイコロが「2つ」転がった。出目は1と6。

え、2つ?吾輩が視線と一緒にカメラを横に向けると

 

「やっほーポルカだよー」

 

「ねねもいるよー!!」

 

キラキラ黄色コンビが肩を組んでピースしていた。なるほど。ポルカさんあたりがサイコロ持ってたから合わせてくれたのか。素晴らしいことをしてくれた。

 

「良くわかんないけど3人がサイコロとか何とか言ってたから一緒に投げたら驚くかなと思ってさ?いやーサイコロとかマジックで使う物を常備するのはサーカス団員の嗜みで「なんてことしてくれたんですか!?」ほわぁ!?」

 

満足気に頷いているポルカさんに飛びかかったAちゃん。AZKi様はショックで口から魂が抜け出ている。悪は破れる。ハッキリ分かったね。吾輩は思わずガッツポーズを決めた。

 

「結局どういう話だったん?」

 

何も知らないねねさんが聞いてくるがかくかくしかじかでインガオホーというわけなのだ。

 

「おぉ…それはヤバいね。でもこれからもっとヤバくならない?」

 

打ち合わせはネットが繋がれば出来るのだ。あとはAZKi様のセンスに頼ることになるだろう。吾輩は仕事があるので行けないが是非ライブも頑張っていただきたい。

ともかくサイコロは絶対なのだ。おら鹿児島行くぞ。

ポルカさんには今度好きな物奢ります。

 

「く、くそぉ!!」

 

「イダダダダ!?ねぇモブさんありがたいんだけど先にAちゃん引き剥がしてくれると助かんだわ!!イダイイダイ!?どーしてー!!」

 

「わ、悪いことしようとしたバツなのね…ウウッ」

 

「うーん。カオス。AZKi先輩ドンマイ!!そしてモブさんはお土産よろしくねー!!」

 

任された。暴れるAちゃんを引き剥がして担ぎ上げ、蹲って泣いてるAZKi様の手を引っ張る。これだけ見ると非常に不審者であるがもはや構うまい。この悪人達を連行するという仕事があるのだ。

未だみっともなく暴れるAちゃんを抑えていると懐からポロリと何かが落ちる。

目線を下に向けるとぼたんさんがくれたお守りであったが役目を果たしたかのように灰になって消えてしまった。

サイコロの神か笑いの神か。彼らはきっと見ていたのだろう。

吾輩は非常に清々しい気持ちで移動を開始した。

きっとこの動画は素晴しいものになる。そう信じて。

 

 

「ねぇどうしよ打ち合わせのスタッフさんになんて言えばいいの私!!」

 

“間違えて鹿児島に来ちゃいましたとか言っておけば良いのでは?”

 

「いいわけあるかー!?」

 

 

 

その後AZKi様の会議はなんとかなったし鹿児島から北海道にとんぼ返りした。

なんだかんだでライブは成功したし、動画も草が沢山生えた。概ね良かったのではないか?

 

吾輩はそう思いながら事務所で事切れていたのどかさんを治療するために奮闘するのであった。

 

おわり




モブ
帰って動画作った。なかなかの出来でホロメンやリスナー達が草生やしてた。今回の旅で多少のダメージはあるものの普段行けない旅行と思えば少し楽しめたのでAZKiには感謝している。総じてAちゃんとAZKiからの評価は下がった。

Aちゃん
尻と腰が壊れてしばらく戦線離脱。多分精神も壊れた。
もうしばらく乗り物に乗らないと泣いていた。
悪いこともしないと心に誓ったとかなんとか。

AZKi
企画を次からはしっかり日程からダメージまで考えると心に決めた。旅というか強行軍だったおかげで全身激痛の後にライブもして完全に力尽きた。しばらく幼児退行して開拓者さんたちを困惑させた。

ぼたん、ラミィ
旅行を楽しんだあと事務所にお土産を渡しに行く。モブがバリバリ動画編集してたので後ろで見て既に笑ってた。他人の苦しみを見るのは面白い。それが仲間でも罪悪感が出ても面白いものは面白いのだ。

ポルカ、ねね
ぼたんとラミィに合流。その後旅行を楽しむ。
偶然モブ達を発見して絡みに行ったら襲われた。
その後事務所に戻ってモブとお土産交換会をしたし、色々奢ってもらった。

事切れたのどかさん
間に合わなかったよ。ヤムチャみたいにデスクの横に倒れていたそうな。可哀想。
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