吾輩はホロライブのパーフェクトスタッフである   作:ジョ力

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Aちゃん辞めちゃうの仕方ないけど辛いネ。私も寂しいけどこの小説でのどかさんとモブが大変になっちゃうよ^^
今回少し真面目っぽくしてみた。少しだけね。
大急ぎで作ったのでいつもより粗さがあるけど気にしないで楽しんでください。
そういえば前回のなんと40話目だったんですよ。長く続いております。終わりが見えねぇ


41 外伝 Aちゃんよありがとう!

 

 

吾輩はパーフェクトスタッフである。

 

本日はAちゃんの送別会である。パーフェクトな吾輩はそれはもうパーフェクトで盛大な送別会でAちゃんを見送るのだ。

とはいえもうすでに送別会は佳境である。プレゼントを渡して雑談タイム。最期に拍手をして見送るという所までホロメンや他のスタッフさんと打ち合わせ済みである。実に完璧なストーリーだ。やはり最後は笑顔で見送るのが美しいだろう。

 

「えーとモブさん?」

 

進行役ののどかさんが話しかけてきた。何か用だろうか。

 

「笑顔で見送るという割にはその涙でビショビショの顔をどうにかした方が良いと思います」

 

のどかさんがおずおずとティッシュを箱のまま渡してきた。おっとすまないね。花粉症なんだ。目から出る汗と鼻をかんでゴミを処理した。

 

「いや無理がありますよ!!なんならこの送別会始まる前から目を真っ赤にしてたじゃないですか!?」

 

他のホロメンに聞こえないように小声で叫ぶという珍妙な技を体得していたのどかさんに敬意を評そう。確かにこのオジサンである吾輩が花粉症でみっともない顔を見せるのは良くなかったな。この前こよりさんが置いていったガスマスクがあったので被る。

 

「いや、皆さんはモブさんの泣き顔思いっきり見てましたが優しさでスルーしてたんですよ。悲しい気持ちはわかりますけど流石にガスマスク止めましょうよ。ほら顔洗ってきてください!」

 

のどかさんは意外に力強く、有無言わさずお手洗いの方に押し退けられてしまった。

仕方ないのでしばらく顔を洗い続けて外に出る。

すると偶然化粧直しでもしようとしたのか歩いてきたAちゃんと目があってしまった。

 

「おっとモブさんですか。今回の送別会はモブさんが主体で動いてくれたようでありがとうございます。忙しいのに態々すいませんね」

 

クスリと笑いながらお礼を言ってくるAちゃん。思わずまた視界が揺らいできた。

 

「ま、年はモブさんの方が上でしたが、ホロライブでは私が先輩として仕事を教えて…あー、今ではかなり頑張ってもらって何度モブさんいて助かったーと思ったか」

 

いきなり褒めるではないか。なんとか震える声でパーフェクトスタッフですからね。と呟いた。オォン歳のせいか非常に涙脆くていけない。せめてAちゃんの前では涙を流さないようにしなくては。

 

「ホロライブを世界一のアイドル事務所にする前に去ることになるのはかなり残念ですが、のどかさんやモブさんがいるのでそこら辺の目標は任せるとしましょうかね」

 

“…ええ。そう…ですねズビッ任せて頂ければ”

 

「あと私がいるうちに残業ゼロにする目標も達成できなかった。…うえに悪化させてしまったのが心苦しい。私にもどうにも出来ない事情があるからそこはマジでゴメン」

 

スンッ

 

ダムが決壊しそうになっていたが急に引いていった。

未来。それは本来素晴らしい輝きを放つものだが、ほんの少し先に困難が待ち構えていると思うと本当に少しだけ気分が下がるのだ。

でも吾輩はパーフェクトスタッフ。なんとかします。

 

「あとついでに一つ言いますが」

 

“はい?”

 

「別に今生の別れではないのでそんな泣きそうな顔しないでくださいよ良い大人がみっともない。いや、そこまで思ってくれるのは一社員としてありがたいけど後ろ髪を引かれる気持ちになるって」

 

Aちゃんは呆れた顔で辛辣な言葉を叩きつけてきた。あまりの破壊力にグワーッと叫びながらひっくり返ってしまった。

 

「あんまり情けない姿を見せてるとのどかさんにパーフェクトスタッフの座を盗られてしまいますよ?」

 

エフッエフッあまりのダメージに吾輩が痙攣していると言いきって満足したという表情のAちゃんは倒れている吾輩を踏み越えていった。ひ、酷すぎると吾輩は白目を剥いて泡も吹いていると

 

「任せましたからね!!!」

 

普段大きな声を出さないAちゃんが鬼気迫る様な雰囲気で言い放った一言。思わずビクリと身体が竦みAちゃんを見ると化粧室に入っていく後ろ姿しか見えず、どんな表情をしているかも分からないがとにかく大きな物を託されたような気がした。

 

「あれモブさん?…顔はマシになりましたね。もうすぐお開きにしようってそらさんが言ってましたよ」

 

後ろから近付いてくるのどかさんに了解と告げる。

もう一度だけ化粧室に入っていったAちゃんの方をチラリと見て吾輩は最後の見送りの準備をしに戻った。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「「「「Aちゃん今までありがとー!!」」」」

 

最期に皆で笑顔で見送る。花やら機械とか小物が放り投げられるが今日は無礼講。何も言うまい。

Aちゃんは満面の笑みで去っていった。吾輩も笑顔で送れたと思うがあまり良くわからなかった。隣に丁度そら様が居られたので聞いてみた。

 

「え??んー最後はAちゃん見てたから良く分からないけど、お手洗いから戻ってきてからは表情が自然になったなーとは思ったかな。あの泣き顔のまま最後までいくのかと思ってたけど最後はしっかりしてたね!!やるね~流石だパーフェクトスタッフ!!」

 

寂しさからか少し大袈裟ににぱーと笑うそら様に少しホッとしていると後ろからバシンと背中を叩かれた。下手人は誰だと睨みつけるとホロメン全員にスタッフさん達である。なにゆえ皆そんな怖い顔をしておられるので?

 

「「「「「「皆やれー!!」」」」」」

 

吾輩は処刑された。

ぐわー!!

笑顔で見送ろうって言ってたクセに何だあの体たらくはとかこちらももらい泣きしそうだったわ等の理由でホロライブ全社員にストンピングされてしまった。

抗議の声をあげようとしたが、確かにほんの少し情けない姿をさらしてしまった以上この罰は受け入れよう。吾輩は覚悟を決め大の字で倒れ込んだ。煮るなり焼くなり好きにすると良い。

 

「オーケー。良い覚悟だ」

 

星町さんがこちらを見下ろしながら金ピカの斧を持ち出してこちらに歩いてくる。武器を使うのはズルいのではないか?吾輩はやはり抗議の声をあげた。

 

「男に二言はないって言うじゃん。黙って罰を受け取れ」

 

凶刃は振り下ろされた。ぐえー!!よりにもよって喉に振り下ろす悪星町。どこかスッキリしたような顔した星街さんが斧をそら様に渡した。

 

「ん…すいちゃんこれは?」

 

「ほらそこに丁度いいサンドバッグがいるから叩きつけてみると良いよ」

 

「ええ?サンドバッグじゃなくてモブさんじゃ」

 

「なにか辛い時があれば体を動かして発散するのが良いってダンスの先生が言ってたし、何かあればスタッフさんに相談してぶつけてみるのも良いって言ってたからさ。少しだけスッキリするよ?」

 

ダンスの先生がなんてことを言ってるんだ。いやこれは曲解だ。ぶつけるって斧をぶつけるって意味ではないだろう。なんとか止めたいが喉への衝撃のせいか咳き込んでうまく声が出ない。まさか星街さんが喉を狙ったのはこれの為か。そら様に見せる優しさを吾輩にも分けてくれても良いのではないか?吾輩も悲しんでるんだぞ。

 

「うん。じゃあゴメンモブさん胸を借りるね」

 

決意みなぎった顔のそら様が斧を持ちながら近づいてくる。凛々しい顔も素敵ねと言うわけがない。咳き込んでる人に追い討ちするようなアイドルが居るらしい。ぐえー!!

 

「んー芯を打ち抜く素晴らしい一撃だったねそらちゃん」

 

「ちょっとだけスッキリしたかも?」

 

「次私!!」

 

このまま全員分だったら流石に◯んじゃうよ。そんな気持ちで周りを見るとのどかさんがこっちを見ていた。とりあえず助けてくれとアイコンタクトをすると驚いた表情した後、サムズアップをしてくれた。これ多分違う意図が伝わったんだなと理解すると同時に脳天に一撃。次は誰だと睨みつけるとAZKi様ではないか。

 

「AZKiちどうでしょう企画の時の恨みー!!やーー!!」

 

それは吾輩悪くないではないか!!なんとか声を振り絞り叫んでみるもののAZKi様の振り下ろした斧が吾輩の脳天を再度打ち付けた。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「おーい!?なんで半日しか経ってないのにこんな有り様なんですか!!」

 

吾輩的には親の声より聞いたのではないかと思うくらい馴染みある声が聞こえてきた。その声を聞き意識が急速にはっきりしてきた。どうやら気絶していたらしい。とりあえず声のした方に顔を向けるとAちゃんがいた。どうやら今までの出来事は夢だったのだろうか。

 

「夢ではないですね。朝イチの誰もいないうちに小物とか私物回収しに来た筈なのになんですかこの有り様は」

 

呆れ果てたと言わんばかりのAちゃんに言われて時計を見るともうすぐスタッフさん達の出勤時間が近づいていた。他のスタッフさんやのどかさんは吾輩を放置して帰っていったらしい。薄情者共め。

とりあえず痛む体を起こしAちゃんに体を向けた。言いたいことが一つあったのだ。

 

「どうしました?改まって」

 

“折角来たので片付け手伝っていきませんか?”

 

「これが答えだぁああ!!」

 

Aちゃんは近くに落ちていた斧を拾い上げて吾輩の腹部を振り抜いた。ぐげぇー!!

流石に昨日のリンチにより弱っていた体では耐えられずふっ飛ばされてしまった。

 

「そこは普通今までのお礼とか言うでしょう!?」

 

“常識にとらわれないホロライブらしいパーフェクトな返しだと思いましたが”

 

吾輩なりのパーフェクトな返しであり、労働力も得るという一石二鳥的な策だったが。手伝わんぞとAちゃんに言われてしまった。バッドコミュニケーションだったようだ。

 

「最後くらい普通でいいんですよ!!ほらさっさと起きて片付けしないと!!頑張れ頑張れパーフェクトスタッフ!!」

 

かけらも心のこもってない応援である。渋々起き上がりノソノソとお別れ会の片付け始める。

 

「本当に大丈夫なのか?じゃ、私は帰りますからね!!?マージで頼みましたからね!?!?」

 

まったく心配性な。吾輩はパーフェクトスタッフなのだ。

Aちゃんが抜けてもAちゃんの心は受け継いでいる。あとは任せてほしい。そう宣言するとAちゃんは全然受け継いでるように見えないと苦笑いしながら去っていった。

 

確かにもう二度と会えないという訳でもない。ならこのくらいの別れ方でいいだろう。次会う時笑って再会するために今日も頑張るかと気合を入れた。

 

ガチャ

 

「おはようございまーす。あ、モブさん起きたんですね!昨日はお疲れ様でした」

 

“おやおやおや薄情者ではないか。身体が痛いなー助けてくれればこんな事にならなかった筈なのに”

 

「え?だってモブさんあれが吾輩の仕事だって目でこっち見てたじゃないですか!!?」

 

“あれは助けを求めた視線だ!!そんな先輩の意図も伝わらぬとは!罰として片付け手伝いなさい”

 

「えー…分かりましたよもー」

 

朝イチバンに殊勝な心がけでやってきたのどかさんに仕事(片付け)を割り振る。渋々ノソノソと片付けしているのどかさんの様はまるで先程までの吾輩のようだ。つまりAちゃんから学んだ技?はしっかり受け継げたと思おう。

 

さらばAちゃんまた逢う日まで。その頃にはホロライブはもっと賑やかなことになっているだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日もAちゃんが私物取りに来た際にのどかさんが吾輩の人使い荒いよーと告げ口したらしく怒られたのはまた別の話である。




モブ
今日も元気にお仕事だ。Aちゃんから託された思いと技術でこれからも頑張るのだ。でも今までモブさんが行っていたホロメンとの肉体的コミュニケーションは任せないほうが良い。
パーフェクトスタッフの強靭さは他の人にはないからね。

のどか
仕事が…減らない!!第二のモブさんにさせられそうで一番可哀想。まずは耐久力を上げるところからです。

Aちゃん
更に次の日も来た。職場にある私物って長くいると気がつくと増えてるよね。
モブさんがズコーーーってひっくり返ったの見て笑っていた。モブさんに目茶苦茶仕事を割り振ってたのを思い出して少し反省。でも説教はする。
今までありがとう元気でね
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