吾輩はホロライブのパーフェクトスタッフである   作:ジョ力

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暑くなってきましたね吐きそう。
皆車ブイブイいわせてますね。私はエンジン音が好きです。


76 愛を語る音の魔人ネリッサ現る ※プチクロスオーバーあり

吾輩はパーフェクトスタッフである。

 

本日の業務はホロメンへの一ヶ月間の重要な案件スケジュールをまとめてマネージャーさん達へ通達。これを参考に細かいスケジュール調整をお願いするのだ。最近は企業案件が多くホロメンも多くなってきているので頭が混乱しそうである。振り分けや指名依頼等を考えたスケジュール帳はまるで阿弥陀籤。

 

「おーいモブー!」

 

吾輩がお菓子作りをしているロボ子さんの様に頭から煙を放出しているとダクトから顔をにゅっと生やしていたラプラスさんが声をかけてきた。

 

「今日Adventのネリッサがココに来るんだって」

 

唐突にそんな事を言うラプラスさん。しかし、事前連絡で吾輩のところにもメッセージが飛んできていた。顔文字やハートの多いキャピキャピした文章で会いに行きますと書かれていたとラプラスさんに告げた。

 

「んむ。ってそんなキャピキャピ…?いやまぁ基本的にモブのメッセージは簡素だからそう思うのか…ともかく!!モブ気をつけろ。ネリッサはすぐ愛だのなんだの言って人を惑わせる魔人なんだ!ウッ…ウゥゥ…」

 

歌声と見た目が良いお姉さんなんだ!と突然さめざめと泣き始めたラプラスさんにそういえば大空警察にそれで一度出頭命令を出されていたなと思い出した。しかし、歌声と見た目が良いお姉さんならそれは素晴らしいことではないかとツッコむべきかと思ったがやめた。今のラプラスさんに話しかけるのは面倒だなと思ったわけではない。

 

「うう…ぐすっというわけでモブも心を弄ばれないように気をつけろよ」

 

“はい”

 

「いや返事簡素」

 

ガチャ

 

『ハーイ、ダーリン!ネリッサ・レイヴンクロフトよ!って…あ!』

「豚さんもいるじゃない…カワイイわね」

 

「うひょおおおおおお!!?」

 

扉を開けて入ってきたネリッサさんは吾輩を見て、軽く手を振ってからラプラスさんを弄んでいる。顎クイだ。普段ならてぇてぇ出来事に心がときめくのだが、あまりの汚い興奮声に引きの方が勝った。今日はもうカフェに行って仕事しようかな。

 

ネリッサさんは本日OL衣装を着ているようだ。胸元がオープン過ぎて凄いという感想しか出てこない。ラプラスさんはへそ天状態で犬みたいな呼吸で悶えていた。気持ち悪いという感想しか出てこない。

 

「あ、ダーリンオミヤゲ。ハイドウゾ。こちら、スタッフさん達の。」

 

“あぁ、ワザワザどうも”

 

「えへへへ…ってダーリン?どういう事!?」

 

ネリッサさんからお土産を頂いたのでお礼を言い、スタッフさん達へのお土産を広げて「ネリッサさんからです」と書き置きを残した。

これで良しと思っていると絶頂であり続けている総帥は吾輩が聞かないようにしていた事を指摘した。当然だが吾輩は何故ダーリン呼びされているかは知らない。

 

『今日モブさんを堕とすわ。だからダーリン呼びにしたの』

 

「…えーと?」

 

“何やら吾輩を恋かなんかに落とす気でいるようです”

 

「なんだと羨ましい!!」

 

翻訳しラプラスさんに告げるとネリッサさんはやたら自信ありげに胸を張り、ラプラスさんは羨ましそうに歯軋りをした。ある意味ラプラスさんは堕ちに堕ちていたがまだ足りないのだろうか。

しかし吾輩は今、気分転換がてらカフェに逃避したい気分なので2人でてぇてぇしてると良いと日本語と英語で丁寧に伝えた。

 

『なるほどデートね』

 

「カフェ?吾輩も行く!甘いの食べたい!」

 

折角二ヶ国語に分けて話したのにまるで伝わらん。この状況から逃げ出したいのに、この二人が着いてきたら意味ないではないか。いそいそと外出準備を始める二人にゲンナリしつつ、吾輩は重苦しいため息をついた。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「で、結局ネリッサはなんで急にモブをダーリンにしようとしたんだ?」

 

「あー、それネ。深い理由…ありマス」

 

「ほう」

 

いつもの喫茶店であるリコリコに到着し、そしていつも通り明るい店員の千束さんに「またまた違う美女侍らせてる!!」と叫ばれてしまった。変な勘違いされるのは外聞が悪いので違うと弁明した。

その弁明直後にネリッサさんが「ダーリンです」と宣いあえんびえんな惨状を作り、挙句の果て悪ノリしたラプラスさんが「娘です」とか言ったので混迷の時代に突入した。世界滅びればいいのに。

誤解を解くのにえげつない労力を使うハメになったが、果たして誤解は解けたのか微妙なところである。何故なら今も店員さんやお客さん達の視線が痛いのだ。

ちなみに吾輩の隣にネリッサさんが座り、向かいの席にラプラスさんが座っている。

 

「私、自分で言うことじゃないケド、あー…見た目、良いでしょウ?」

 

「んー…本当に自分で言うことじゃないけど美人だから吾輩許しちゃう悔しい」

 

「でもモブさん、ダケ、凄く凄く反応がウスイ!」

 

「…ほう。というと?」

 

「コレミテ」

 

テーブルに自分のスマホを置くネリッサさん。吾輩とラプラスさんに見やすいようにテーブルの中心に置かれたので覗き込んでみた。

 

「これって…うあぁトラウマがぁ告白事件のやつだぁ…うぐぐ…っておいモブさんにも送ってたのかよ!!節操無さ過ぎだろぉ!!」

 

「私の愛、お世話、なった人にも与えマス。何故なら、愛、の懐が広いカラ」

 

そういえばそんな事もあった。突然ネリッサさんからメッセージが飛んできたので何事かと思ったが「いつもありがとう愛してる」みたいな文章だったのだ。

 

「で、えー…モブの反応…は、と…おっほほほー!」

 

「こんな寂しい返しないわよネ!?」

 

吾輩がその時返した返事は“どうも”である。酔って、とか上機嫌で送ってきたのだろうとアタリをつけ、適当に流した記憶がある。この返事を見たラプラスさんは変な笑い声を出し、吾輩を尊敬するような目線で向けてきた。

 

『最初は事前に連絡した内容への“どうも”かと思ったけど事前に会話なんてしてなかったし…メッセージ送って数秒で返ってきたから間違いなわけないか?とか考えてたら皆からの反応ポツポツきたから記憶から抜けちゃったの。でも後から見直したらあれからメッセージ業務連絡しか来ないじゃない!つまり返信って“どうも”の3文字だけ!?私の告白が心に少しも響いてない!!私が魅力ないってこと!?そんなわけない絶対に堕としてみせるわ!…コホン…という流れがあってのよ』

 

「わ、わぁ」

 

興奮したネリッサさんの語りは凄い早口の英語であった。珍しくラプラスさんが気圧されてしまっている。翻訳するのも面倒なのでコーヒーを一つ飲んでから、持ってきていたノートパソコンを開いた。

 

「凄い。あんなに語ったネリッサに靡くどころか気にも留めないか」

 

『鉄壁とか鈍感通り越して山に語りかけてるかのよう…モブさんあなたに愛はないの?』

 

失礼な話である。吾輩にだって愛する心はあるのだ。しかし今それ以上に仕事が逼迫している。それでもこうやって相談に乗りこのカフェの代金を奢ってあげようと言う優しさがわからんか。と告げる。

 

『その相談も今足蹴にされてるんだけど』

 

「まぁ奢りは嬉しいけど…しかしなー…うーん…」

 

唸る二人。そんな中リコリコの店員さんの一人である黒髪の少女が、各々頼んだスイーツを届けてくれた。その際にネリッサさんがお礼をしながら軽く自分の胸をチラ見せし、誘惑するという所業に黒髪店員さんは顔を赤らめてふらつきながら戻って行った。吾輩は“若者の性癖を壊そうとするのはやめなさい”とネリッサさんにため息交じりに注意した。

 

「普通、これくらい」

 

「あ、愛といえば少し前にみこ先輩がナンジャモとコラボした時だ!モブはナンジャモからサインもらってたな!珍しくニコニコ嬉しそうだった」

 

『なに!?』

 

少し前の事である。我等がエリートと有名配信者ナンジャモさんがコラボしたのだが、その際に裏でサインを貰うことに成功したのだ。吾輩はナンジャモファンだったので珍しく気分が高揚したものである。このエピソードで分かっただろう。吾輩にも愛はあるのだ。ネリッサさんは非常に不満そうな顔をした。

 

「あれ…そういえばモブ…吾輩達にサイン付きのアイテムとかを貰いに来ることないな。マネちゃんとか他のスタッフさん、ホロメン同士ですらそういう事あるのに」

 

ジトッとした目で吾輩を見つめてくるラプラスさんに言われ思い起こすも、吾輩からサインを貰いに行くことは少なかった気がする。入社初期の頃にそら様とAZKi様にサイン貰った時もAちゃんが気を利かせて書かせたとか言っていた気がする。他にも遊びやら練習やらでホロメンからサインを貰った事はあるが、吾輩からお願いしたことはなかったかもしれない。

 

「う、羨ましいぜ…」

 

『め、恵まれ過ぎている…』

 

“ちなみに本人の名誉の為に誰とは言えませんが、とあるウサギさんは企画を通すのに必要な吾輩の承認サインが欲しかったからとはいえ、サイングッズと等価交換できるという謎理論で渡してきた事がありました。”

 

「『ぺこら先輩…』」

 

これ一品物のレアなんですぅ。是非お納めください。あとこちらにサインをーと言い低頭していたどこかの誰かを思い出した。こんな感じでサイン入りグッズだったり、サマーマジックのようなミス個体を賄賂として渡されたりしているので、満足してしまっているのかもしれない。それかある意味身内過ぎて特別感がないといえる。

余談だがそら様のミス個体サインもある。隣で作業していた際、キョトンとした顔で「あ!間違えちゃった…モブさんあげるー」と言って苦笑いしながら手渡されたことがある。なんとなくその光景が面白かったので事務所の額縁に飾ってある。そら様はミス個体は破棄していると思っているようなので気づいていない。

気付かれたら額縁毎処分されてしまうだろう。

 

『なるほど。まぁそれなら仕方ないか』

 

「ムグムグ。…これはもうファミリー。パピーもう1個パフェ食べたい」

 

“構いませんが、ルイさんに夕飯食べれないって言って怒られないでくださいね”

 

「あーい店員さーん」

 

『もうすっごいパパ。…そうなると奥さんはルイさんになるの?うーん…』

 

ニヘニヘと笑いながら新しいパフェを頼むラプラスさんに、何やら口をモゴモゴさせて悩み始めたネリッサさん。しばらく眺めていると吾輩から完全に意識がそれたようなので仕事を進めさせてもらうとしよう。

 

 

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『デートを継続しましょう!次はどこへ行く?』

 

「モブ眠くなってきたから背負って」

 

カフェで2時間ほど過ごし、仕事もようやく一段落したところで帰ろうとしたのだが、ネリッサさんに腕を引っ張られ逃げられないように押さえつけられてしまった。そんな中まるで助けようともしないラプラスさんは欠伸して目をショボショボとさせていた。デートはさておき、ラプラスさんを背負って装備した。これでバクスタを決められても問題はないだろう。

 

『カラオケで魅了…とでも思ったけどオネムちゃんいるし…どうしましょ』

 

ここで帰っても良いと伝えようものなら吾輩は刺されるのだろう。うーんと可愛らしく悩んでいるネリッサさんの片手には先程まで持ってなかった二股槍が握られているので案を出すようにという圧に感じられた。

 

“デートかどうかはさておき、少し興味がある場所があります。時間的に少し早いですが、カフェでなんとか仕事を終えたので早めに切り上げましょう。たまにはね。”

 

「あら、モブさんの興味がある場所…」

 

“石窯でピザを焼いている秘密基地みたいなお店があるとか。まぁスタッフ仲間から聞いた話ですが”

 

「「窯焼きピザ!!」」 

 

パンと手を叩いて嬉しそうな顔をするネリッサさんと声をハモらせたラプラスさん。眠気は吹き飛んだのか吾輩の首に腕を回して早く連れてけとジタバタしている。

構わないが、夕飯当番?のルイさんに一報は入れておいたほうが良いのではないか。

 

「おっと怒られるのやだからな。スマホスマホ…確かここに…パスワードは…」

 

「石、窯…ロマンをー、感じ、マス」

 

何故か吾輩の胸ポケットからスマホを取り出しメッセージを送るラプラスさん。鼻歌交じりに自由を謳歌している童の姿に呆れていると腕に柔らかいものが当たったので視線を向ける。

 

『モブさん早く行きましょう!アッツアツのピザが私達を待っているわ!!』

 

こちらにも子供のように目を輝かせた大人が居たようだ。鼻息荒く吾輩の腕を掴み急かしてくる姿は大型犬のようである。ラプラスさんを背負っているので、あまり動かせない腕を組もうとしているので非常に豊かなものが当たっていて反応に困るところだ。

一呼吸を置いて心を無にし、ネリッサさんの誘惑を流しながら噂のピザ屋とやらに向かうのであった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

『まるで魔女の家のような蔦まみれのお店ね。内装はカフェだけど。これは確かに秘密基地みたいだって言う人の気持ちが分かるわ』

 

「あー…焼けたピザのいい匂い…絶対にウマいの確定だわこれ。今度皆に教えてやろ」

 

お店に着くとネリッサさんの言う通り奥まった場所に古びたレンガ調の建物で蔦で覆われている味わい深いお店であった。店の外まで焼けたチーズのような香りが漂ってきていてラプラスさんは興奮気味に突撃していた。

案内された席に座りメニューを眺めると写真付きのメニューで大変助かった。名前だけでピザの種類を書かれていては何のことやらさっぱり分からないだろう。

 

“サイズはそこまで大きくなさそうだから3〜4枚頼んで皆でシェアしましょうか”

 

『ペパロニピザとパイナップルピザがある!!』

 

「うーん牛肉ガッツリはあんまり…だと…あ、あえてこの上に乗ってる具が無いやつとかにしようかな。チーズと生地に自信がないとできないやつ!!」

 

“聞いてる?”

 

「へ?…聞いてたわええ。それでイイトオモイマス!」

 

「聞いてない時の返事だそれ」

 

案の定、目線をそらした魔人は吾輩の視線から逃れるようにメニューで顔を隠していた。普段流すような言葉は使わなさそうな彼女である。この魔人にとりあえず困ったらこう言っとけば良いよと教えた犯人がいそうである。フワモコだろうか。シオリさんもそのくらいやりそうである。

 

吾輩が軽くため息をつくとネリッサさんは既にパイナップルピザへ魂を売り渡し、ラプラスさんは具無しピザについて店員さんから質問攻めを受けていた。

 

「生地の種類とかチーズとか分からーん!オススメ!!オススメでお願い!!」

 

「あ、困ったら、お店で言うやつネ!!」

 

「困ってねーし!吾輩は効率良く美味しいものを食べるなら店員さんに聞いたほうが早いと思ってだな!?てかネリッサどこでそんな事覚えてくんの?」

 

「大抵、フワモコシオリ多いかも」 

 

やはり オマエノシワザダタノカ。仕事の打ち合わせの際に多用されてないかマネージャーさん達に共有しておこう。妙なすれ違いが出てくる前にヒヤリハットは防いでおかねば。店員さんに自分のピザを注文しつつ、スマホのやることリストに新しい項目を追加した。

 

「なんかモブさ…ダーリン難しい顔してる」

 

「堕ちないから諦めろ。そんで、モブはいつもこんな顔してるぞ。なにか課題を見つけた時の顔だ」

 

「ソンナ…色仕掛けも歌でも堕ちないナンテ。ってここで課題?ピザの?」

 

「それは知らんけど」 

 

 

 

 

 

吾輩がやることリストをまとめた後、談笑しているとピザが石窯の中に入っていくのが見えた。調理風景が見えるお店はテンションが上がるなとラプラスさんが目を輝かせて眺めていたのでそれに同意した。

それから少しばかり待つと流れてくる焼けたピザの匂いは非常に暴力的だった。

 

「モブお腹空いたぐきゅるー」

 

“お腹で意思表明しなくても分かりますよ”

 

テーブルに突っ伏して空腹を訴えるラプラスさんは香ばしいピザの匂いに溺れてゾンビのように唸っている。お腹も。

先程より静かなネリッサさんはどうかと目を向けると石窯の方をジーッと見つめていた。どうしようもなく魅了されてしまったようだ。吾輩もチラと石窯を見ると近くに立っていた店員さんがこちらを見てニッコリと笑っていた。

 

『あの店員性格悪いわ。私達を焦らして反応を楽しんでるのよ』

 

『“そんな事言わない。被害妄想ですよ”』

 

『聞こえてます』

 

『聞こえてたし言葉通じてたし!?』

 

『ですが、人が悶え苦しむ様は見てて良いですね』

 

『悪魔の方!?』

 

英語でとんでもない事を言ったネリッサさんに苦言を呈したが意味はなかったようだ。店員は悪魔の方だったらしい。ネリッサさんの驚いた表情を見て満面の笑みを浮かべていた店員にアレが本物の悪魔かと唸った。はて、脳内でマスコット風に縮んだちょこさんとトワさんがキャーキャー抗議してくる映像が浮かんだ。一体何事だったのか。

 

「待ってたー!モブピザカッター貸してうひょーー!!チーズがトロトロじゃんうまそー!!」

 

吾輩が突如天使のような悪魔の抗議の声に魘されていると、届いたピザを早くも食べ始めていた二人から絶賛の声が聞こえてきたではないか。

 

『チーズ伸びる!!凄く伸びるわ!!』

 

ラプラスさんは一切れを頬張って机を叩き、ネリッサさんは動画でも撮りそうな勢いでチーズを引っ張っている。 吾輩もチーズを落とさないように注意しながら口に運んだ。

 

“これは確かに当たりですね”

 

石窯特有の香ばしい生地。

とろけるチーズ。

濃い目のソース。

仕事終わりの身体に染み渡る味である。

 

「この店今度皆に教えよう!打ち上げとかここにしよ!!」

 

“人数増えたら予約必須になりそうですね”

 

『この店見つけてくるスタッフさん凄いわ。こんな感じの隠れ家的な店ってどうやって見つけるのかしらね。やっぱり歩いて見つけたら入る?』 

 

ネリッサさんは「アーンしましょうカ?」などと言っていたが断ると残念そうな顔をしながらラプラスさんにアーンをしていた。普通に食べ辛そうである。

 

「いや、熱ッ!?」

 

「ダメかー」

 

「アーンしてもらうのって何でも良いわけじゃないんだな。吾輩学んだ」

 

という流れで失敗し。結局一口で食べれないので残りはラプラスさんが自分の手で掴んで食べていた。

 

「デートはムズカシーわネ」

 

ピザを片手に苦笑いを浮かべるネリッサさん。連れてきた吾輩が言うのもなんだが、デートと考えてないのだから難しいも何もと思った。口に出すほどではないので苦笑いで返しておいた。

そんな他愛ない会話をしながら3人でピザを食べ進めていると

 

『そういえば、モブさんもバーチャルアメリカ来てよ。色々機材について聞きたいこともあるし、折角だから色んな所観光しましょう?』

 

『“まぁ、仕事で行くことは可能ですね。何個か届けないといけないものもあるので。ちなみに観光のオススメとかはあるんですか?広いですからね絞らないと”』

 

『そうねーやっぱり大きいところ有名所だとウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート!とかユニバーサル・オーランドよね!』

 

『“良いですね。そういう場所は一度は行ってみたいところです”』

 

「むむ!楽しそうな場所の話してる」

 

『あとはケネディ宇宙センターとかで宇宙を体験するのも良いかもね!!やはり最新の技術とか歴史を学ぶのは新たな視点を得られる可能性があるのが良いわよね!』

 

「ヒュッ…」

 

ネリッサさんと話していると急にラプラスさんが過呼吸になったような音を漏らしたので目線を向ける。

 

「ダイジョウブ?」 

 

「あ、あぁ。うん大丈夫。…ケネディ宇宙センターって言ったか。確か…やはり運命か。こよりの言った通りとんでもねー事起きちゃうぞこれぇ」

 

さっきまで元気にピザを食べていたラプラスさんが目線を泳がせながら難しい顔をしている。ネリッサさんと顔を見合わせ心配するも大丈夫の一点張りだった。

どこか変な空気になったがピザはおいしく完食した為にお開きの流れとなった。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

“では吾輩はラプラスさんをアジトに送って帰りますので”

 

「うい。感謝ー」

 

『今日は楽しかったワ』

 

ネリッサさんをホテルに送り届け、吾輩はラプラスさんを親元まで返してから帰ることとなった。 

 

特に何事もなく。

 

平和に。

 

実に平和に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんちゃってデートをやり過ごしたのだ。

 

優雅に去っていくネリッサさんを見送りほくそ笑む。好物で気を引き適当に流せばある程度はごまかせるのだ。ラプラスさんがジト目で吾輩を見上げてきた。

 

「悪い顔だ」

 

“失礼な。程よく満足させて流す、対人技術ですよ。何よりまたデートだなんだと変な噂を流されても大変ですし”

 

「いつもなら適当に吾輩をholoxメンバーに回収させるのに背負ってまで連れてきたのはそういうことか。腹黒め!」 

 

呆れたように吐き捨てる総帥がいるが、好きに言うが良い。対価はしっかり払っているのだ。さておき、そろそろネリッサさんが冷静になって戻ってくる可能性があるのでササッと退散しよう。むむむと唸るラプラスさんを担ぎ吾輩はダッシュした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ダーリン!結局今日のデートで堕ちてないじゃない!!っていない!!?』

 

『ぐぬぬ…つ、次こそは。いや、正々堂々じゃ無理だろうし…次はホームでペースを握らせないようにしないとダメね。ふ、ふふふ。ここまでうまくいかないのは久し振りだわ』

 

音の魔人は笑う。モブは忘れていたのだ。

Adventのメンバー達は囚人であり、手に負えないが故に封じられていたのだと。歌声一つで人を狂わせる力を神々に消失させられても尚、危険故に監獄に閉じ込められた傑物。そんな彼女に執着されるということはどういう事になるのか。

 

この時モブは事態を軽く見てしまっていたのであった。




モブ
腹黒?いいえ、計画的に対処するのです。
その時その時で使えるものを十全に使い、やり繰りするなんちゃって環境利用闘法の使い手。
スキャンダルが苦手。
強制強化フラグが立ちました。どこかでココ会長がニヤリと笑い時間の監視者であるクロニーは寒気がしたとか。


ネリッサ
モブからの塩対応に絶対に堕とすことに決めた。
帰って計画を練る。さておき、ピザ屋は気に入ったので近々皆を誘いたい。フワモコピザ好きじゃないけども
彼女の執着が勝つか、モブが逃げれるか、それとも彼女ですら制御できない運命の歯車により全てがおかしくなるかは誰にもわからない。
下着が苦手。今回も着けてなかったとか

ラプラス
しれっと盾やデコイにされた。これから未来に起きるであろう出来事にちょっと頭を悩ませる。出来ればこよりには言いたくない。なぜなら更に面倒なことになるから。
牛肉が苦手。

リコリコ店員とお客達
モブがしょっちゅう女性を侍らせてるので女性の敵なのではと疑っている。今回ネリッサのナイスバディな魅了攻撃に敗北しかけた。

ケネディ宇宙センター(KSC)
本物のロケットや宇宙船に触れられる「宇宙ファンにとっての天国」という建前。北緯28度24分西経80度36分は非常に大事な場所なのです。
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