でもこれで色んな所に行けるね(^^)
さてそろそろ国内に戻ってこようかな
吾輩はパーフェクトスタッフでありヘルパーである。
今日も今日とてイナさんに朝ご飯を作り、仕事をし遊びに来たぐらさんに餌付けをし仕事に戻る。そしてまたイナさんにご飯を作り仕事。いや忙しいわ!!流石のパーフェクトスタッフでも限界が来るというものだ。
『そんなモブさんに朗報』
「モゴ」
そんな日常に嘆き悲しんでいるとモニターでニュースサイトを眺めていたイナニスさんは吾輩にスマホを向けてきた。画面に映っているのは社内メールアプリだ。内容を見るとこれはキアラさんとの会話のようだ。
メールには日本に遊びに行くからモブさんを一緒に連れて行くのはどうかと書かれている。ようやく帰れると思うと思わず目頭が熱くなる。
『モブしゃんちょっとてふぉたひて(手を出して)』
さっきからずっとモゴモゴと口を動かしていたぐらさんが手を出してほしいと言われたのでぐらさんの方に手を向けた。
『そういう時期か』
「はも」
何やらぐらさんを見て頷いてるイナニスさん。そして吾輩の腕に何故か甘噛してくるぐらさん。何事かと思っているとぐらさんは離れていった。なんか腕に歯のようなものが刺さってるのだが。しかも何本も
『ヨシ!サッパリ!!』
ぐらさんが満足そうな顔してイナニスさんに飛びついているが吾輩にはサッパリだ。とりあえずポロポロと腕から落ちていく歯を集めていく。
『ぐらはサメだからたまに抜けるみたい。なんか丁度良く噛みつけるところが欲しかったんだって。しかし残念。せっかくヘルパー兼スタッフを返却しないといけないなんて』
『さびしー』
そんなこともあるのか。たまにサメの歯を飾りにしている人がいるが、ぐらさんの歯も同じと見て良いのだろうか。
そして良い加減諦めてほしいものだ。あの手この手で帰宅を阻止されていたが、この前も仕事だと言いつつ限定モノのグッズを買いに行かされたり、タコパを開催させられたりと吾輩の力がなくとも出来ることばかりだったではないか。
『……だって家事しなくて良いんだもん』
『私もイナの家に5日連続の泊まり。少しばかりの食材を出すと全てが夕飯になるなんて魔法みたいだったのに』
2人はみっともなくぶーたれているが、ダメなものはダメなのだ。
そしてぐらさん。それは魔法ではなく人力だ。毎日献立を考えるのが大変なのだからやめてほしかった。故にこんな所にいられるか吾輩は帰るぞ!!
『『そんなー!!』』
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“という事があり帰るのも苦戦しましたが、久し振りの帰国に少し浮かれているわけです。”
『ンー。そこまで扱き使われて最後にその日1日分の食事を作り置きしていくのは面倒見が良いというか…甘やかし過ぎじゃない?』
空港でキアラさんに合流後、少し時間があったので空港内のカフェでひと休憩。イナニスさん達に助けられた面もあった為最後に豪勢な食事を残してきたわけだがキアラさんは不満な様子。もしかして食べたかったのだろうか。
『それもある。特にあのピザとかは気になったけどそうじゃなくて!』
それもあったらしい。
『きっと文字通り味をしめたイナ達は日本に行くたびにモブさんのご飯を集ることになると私は見たね』
顎に手を当てドヤ顔でこちらを見てくるキアラさん。しかしわざわざ日本に来てまで吾輩の手料理を食べたいと思うことはないだろう。せっかく日本に来たのなら日本の文化を堪能すると思うが。
『分かってないなー!人の手料理っていうのは時折食べたくなるものなの!!あとついでに外食では味わえない栄養がある!!』
気持ちは分からんでもないが心の底から叫ばなくても。声に驚いて他のお客様がこちらを見ているではないか。
『アッ…オホンとにかく料理は手作りご飯は良いものだということよ!』
軽く顔を赤くしながら小声でも手料理の良さをアピールしてくるキアラさん。さすがの吾輩も頷くことしかできない。
『さて恥をかかされたから行こうか。まだ少し時間があるからお土産買ったら飛行機に乗ろう』
吾輩がまるで悪いみたいな物言いをするキアラさんがサッと立ち上がりレシートに手を伸ばす、しかしそれよりも早く吾輩がレシートを掴みスタイリッシュに支払いを済ませた。たとえ年齢が不明としても見た目が歳下の女性に奢られるのは少し世間体が良くないのだ。吾輩のパーフェクトお支払い術の速さに驚き固まっているキアラさんに勝ち誇ったドヤ顔を向けてみる。
『はっや。でもごちになりまーす!フェニックスだから年齢ないけど!!タダメシウマー!!』
どこで覚えてくるのその言葉。吾輩達ですらあまり使わないセリフを覚えてくる海外の方のハングリーさ、学んでいきたいね。
ウキウキでスキップしながら進んでいくキアラさんの後を追いながらそう思ったのであった。
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『ついに帰ってきたね』
あの後キアラさんとホロメンの好物を語りながらお土産を買ったりしたが特に特筆することはなかったのでそのまま飛行機に乗りホロライブ本社まで戻ってきたのだ。長かった海外生活も悪くなかったが、やはり帰ってきたという安堵感に思わず涙がこぼれた。
『ちょっと泣くなー!?久し振りに家に帰ったからって』
“家ではないです”
『あ、そうかそうだった』
こみ上げてくる想いもキアラさんの一言でスンッと冷めていった。いくら吾輩がここで住み込みで仕事してるように見えても家は別にあるのだ。会社にいる時間が長くとも自宅は安心感が違う。違うのだ!!
『じゃ、早速お土産を配っていこ!!』
吾輩が少し物思いに耽っているとキアラさんが不用心にも本社に突入しようとしていたので呼び止める。
『不用心ってナニ!?』
会社の外観は変わってないが、ここはあの魑魅魍魎集まるホロライブだ。最早建物内はダンジョンと化しているに違いない。吾輩がぺたんこポッターの魔法で海外に飛ばされてからかなりの時間が経っている。
ブレーキ役にAちゃんだけでは荷が重すぎてペチャンコになり、のどかさんでは奴等を止めることはまだできまい。
中は荒れ放題だ。きっとそうだ。
『モブさんが皆の事どう思ってるか良く分かった気がする』
ジト目でこちらを見てくるキアラさんがいるが、何をそんな呑気していられるのか吾輩には分からない。ここから一歩でも建物に入れば危険地帯。油断してたら一瞬でやられてしまうぞという警告をしておいた。
キアラさんは軽くため息をつきながら肩を竦めて会社内に入っていった。
『ほらなんともない』
周りをキョロキョロ見て何も起こらないと笑うキアラさん。だがエレベーターで上に行くかそれとも地下のholoxアジトへ行くかで危険度も違う。難易度的にはholoxアジトには良識人が2人いるので低い方だ。
『まーだ言ってる。ところで良識人が2人?…その話したら誰が良識人かでモメそうね』
その良識人の2人は誰かなんて分かりきった事を。そう呟きキアラさんに吾輩は酷薄な笑みを浮かべた。
『ナルホド。その話は後でするとして…先にアジト?行ってみよっか』
“そうしましょうか”
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「あ、モッピーおかえりー!!お土産ちょーだい」
キアラさんを引き連れてholoxアジトの扉をノックすると沙花叉さんが出迎えてくれた。とりあえずお土産を渡しておく。
「ありがとー!!モッピーのお土産話聞きたいけどちょっと忙しいからまた今度聞くねそれじゃー!!キアラちゃんもまた今度遊ぼうねー!!」
『え?うんまたねー!』
そそくさとアジトの扉を閉めようとする沙花叉さんの腕を掴む。何時もならルイさんか風真さんが出てくるのだが、よりにもよってヒッキーの沙花叉さんが一番に出てくるとは。怪しい匂いがプンプンする。
「ちょ、ちょ!?いやーセクハラは良くないよモッピー。ルイ姉もいろはもちょっと取込み中というか」
『んー?ちょっと通りますヨーゴメンネー』
「あー!?あーー!!!」
吾輩が沙花叉さんと格闘しているとキアラさんが下を這うようにしてアジトの中へ侵入した。何かあったか?
「やーめーてー!!!何も無いったらー!!!!」
『えー…こちらキアラ!残念ながらソファで真っ白に燃え尽きた風真いろは、高嶺ルイと部屋の隅で体育座りしているラプちゃん発見しました!!』
“どういうことだ貴様ー!!”
「やぁああぁああ悪いのこよりだもん!!私悪くないからぁあああ!!!!」
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床に倒れ込み私は悪くねぇ!!って叫びジタバタしたシャチを宥め話を聞いていく。
『えーつまり、今深夜テンションで発明品を作ったこよりちゃんがそのまま暴走して上の階を占拠して防衛戦をしていると?』
「当初は面白い発明品の話をしていた気がするんダケド…なんか途中から食べ物の話で言い争って他を巻き込んで煽る人も出てきてからどうなったのか分からないデス。ハイ」
『ハイじゃないが。良く分からないけどクッション材が足りなくて衝突が起きまくってるということなのか。本当にモブさんの言う通りになってるとは…流石パーフェクトスタッフ』
“当然です。吾輩は詳しいんだ”
『じゃあこの後はどうするの?』
“この後?”
『え?』
“え?”
吾輩はここまでの展開を読めていたが、対応策など考えてはいない。そもそも原因も現在分からず、現在の状況も不明では解決策なんてないのだ。キアラさんと倒れ込んだままのシャチが吾輩に期待する目をしているが残念ながら打つ手は無い。しかしこのまま手を拱いていても状況は好転しまい。まずは現在の情報だ。
「ぽぇ…情報?」
丁度そこに情報収集に使えそうな掃除屋もいるし頑張ってもらおう。
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『あれから1時間経ったけど戻ってこないね』
最後の最後までやだやだと暴れた掃除屋だったがエレベーターに押し込んで無理やり情報収集に当たらせたが帰らぬシャチになってしまった。仕方ない次のプランだ。このまま放置していたら怨念シャチが湧いてくるかもしれない。
『おっまだ策があるのか!!流石じゃん!!』
ではキアラさんにも手伝ってもらおう。これは吾輩だけで成り立たぬ策だ。第二の策はまず上の階に上がってから説明する。
『良いでしょう!ホロライブを救うため。頑張らせていただきます!!』
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さてエレベーターで件の階まで来たが、Aちゃんとのどかさんがドアの下敷きになってたり、地面や天井がボロボロになっている以外異常は発生していない。
たまにこよりさんの笑い声が聞こえてくるのでとりあえず奥へ進む。
『いやいや異常だらけだって。これとあるゲームだったら回れ右しないと駄目なやつじゃん』
後ろから吾輩の裾をぐいぐい引っ張ってくるキアラさんがいるが無視する。ではホロライブを救うための策を授ける。
『お、おう無視ですか。それでどうすんの?』
“まずキアラさんはフェニックスなのでなりふり構わず鎮圧作業する”
『は!?』
“そして吾輩は鎮圧された者達を回収するというパーフェクトな作戦だ”
これが一番早いと思います。吾輩では魑魅魍魎な類と戦えないがキアラさんはフェニックスなのでイケルだろう。前にカリオペさんと戦ってるPVを見たことがあるので吾輩よりは戦闘力はあると見た。そしてフェニックスは死なないので何度でも挑める。ゾンビ戦法こそこの場におけるパーフェクトな作戦だと主張した。
『ザッケンナコラー!!フェニックスをなんだと思ってるんだ!!』
中指立てて憤慨するキアラさんだが、そうなることは予想済みである。こんなこともあろうかと装備を用意しておいた。“折れた直剣”所謂、折直(オレチョク)と呼ばれる神器である。数々の屍をさらしても戦い続ける者が持っていたかもしれない物だ。受け取り給え。
『ダークなソウル手に入れてしまいそう。こんなの無い方がマシだわ』
ぽいっと捨てられる折直。なんてひどい。
しかしキアラさんがやる気になってくれたのは良いことだ。
では吾輩はここで応援しているのでよろしく頼むと伝えた。
『マカセロー。…まぁここに大盾あるし。ここにおびき寄せればいいよね』
キアラさんは任せろのあとなにやらボソボソと呟いているが吾輩には聞こえなかった。去っていくキアラさんの後ろ姿を眺めてから少し。何やら地鳴りが聞こえてくるので目を凝らすとこよりさんがこちらに走ってくるではないか。
四つん這いでも気色が悪い速さで近づいてくる。吾輩に用でもあるのだろうか。
「こんこよー!!おかえりモブさんお土産頂戴!!そして◯ネエェエエ!!!」
おや?と思う暇もなく吾輩は撥ね飛ばされた。グワーッ!!
消えゆく意識の中でお土産に飛びついているこよりさんとテヘペロ顔をしたキアラさんが見えた。
おのれ…謀ったな。がくっ
目を覚ますとそれはもう懐かしい仮眠室の天井であった。まるで今までのがすべて夢だったのではないか。そう思い起き上がるとギーコギーコと揺れていた仮眠室の扉がホコリを巻き上げながら倒れた。
もう一度目をこすって見ても変わらずに荒れ果てた惨状だった。ウボァとどこから出たのかも分からない声が漏れ出たが気にせず被害を確認する。
倒れているホロメンとスタッフ。壊れている備品。ひび割れた天井と床。こよりさんはお土産に飛びついた姿勢で倒れている。よく見ると頭にたんこぶがあるので後頭部を殴られたのだろう。
『ハローモブさん。ご機嫌いかが!!』
吾輩を謀ったクソ鳥ことキアラさんに気分最高だと言いながらチリトリとホウキを渡す。掃除をするのだ。
『え。ワタシこれから観光に行こうと思ったのに』
今まで見たことないくらいに絶望した表情をしたキアラさん。
ホロライブを救うために頑張ると言ったではないか。ほれ遮二無二働け。
『これが口は災いの元ってやつか。学んだわクソッタレ!!』
“こら!アイドルがそんな言葉使わない!!”
『となりのオッサンは心に思ってないこと言ってうるさいし!! うわぁああん!!』
泣きながら器用に瓦礫を片付けているキアラさんに諫言を行いつつ吾輩も後片付けを行う。
しばらく居なかった事務所は変わってないかと思ったが、まるで千年経って荒廃した世界のような有り様であった。だが吾輩はパーフェクトスタッフ。また完全に元の状態に復旧し通常運営をしていくため頑張るのだ。
“あ、こら人をホウキで退かそうとしない。ホウキが曲がっちゃうでしょ!!”
『ホンっとうるさいなー!!もー!!カリオペーー!!ぐらー!!イナー!!アメー!!助けに来てー!!』
何かフェニックスが叫んでいるが我々のホロライブ復旧作業はこれからだ!!
終わらない
モブ
帰国。濃いホロメン達を統制しきれず事務所は荒れ果てた。
Aちゃんとのどかさんや他のスタッフは奮闘したが及ばずに壊滅。
これから復旧作業に入ります。キアラさんを使って。なぁにフェニックスは死なないのだ。一緒に頑張ろうじゃないかと言った。
キアラ
善意でモブさんを日本に連れてきて後悔した。しばらく帰れないのが確定。それでも逃げずにお手伝いするのは彼女が優しいからだろうか。ホロライブをナメてたと後に語った。
モブさんにとりあえず気絶するまで復旧作業やるぞーと言われて心が折れそうになってる。
クロエ
情報を得るために犠牲になった。なんとか仮眠室まで逃げ込んだが這い寄るこよりに襲撃されて撃破された。あれ?仮眠室の扉が壊れてた理由って?
仮眠室のどこかに倒れた姿が発見されるのは暫く後である。
這い回るこより(深夜テンション)
実は暴走したホロメンを最初は止めていたらしい。が、流石の体力にも限界が来て「こよは天才だー!!」と叫びどこかに消えてったとのこと。アオーン言いながら這い回りコヨーテの強靭な身体能力で動くものに突撃してくる。あとお土産にも寄ってくる。
折れた直剣
ダークなソウルのあれ。刺そうと思えば刺せる。ケツに刺せば致命の一撃にはなるはずだ。
倒れてたホロメン達
特に意味のない爭いの末力尽きていった者達。煽り煽られ周りの野次馬も巻き込んで大乱闘ホロメンファイターズ勃発。
誰もが勝ち残れるポテンシャルを持ってるが今回はピンクコヨーテの勝利。でもモブが居たからといって被害が抑えられたかというと微妙。起きるべくして起きたのだ。