吾輩はホロライブのパーフェクトスタッフである   作:きまぐれなるゾ・ョ力

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今年の夏はとても楽しかったですまる。仕事も忙しかったし(白目)スマホも粉砕木っ葉した。もう1話行くぞぉ!!

あ、Xあります。昔から眺めてたアカウントはスマホ粉砕木っ葉した際に全てを失いました。サブ垢的なサムシングを使うことになるとは。皆も引き継ぎとかできるようにしとこうね。
こちら
Xへのリンクに飛ぶやつ。気まぐれこしらえ屋


80 パーフェクトスタッフの夏期休暇!(返上編)

吾輩はパーフェクトスタッフである。

 

本日の業務は終わり、なんと明日は夏期休暇である。後輩たちが頑張ってくれているおかげで休めるのだ。感謝感謝。明日は何をしようかなと考えていると、桃鈴ねねさんが吾輩の横で仁王立ちしていた。何事だろう?

 

「ホロライブサマーだよ!!夏といえばー?」

 

海とかだろうか。と伝えると露骨にねねさんはムスッとした顔になった。ねねさんは昔ながらの全身タイツ(茶色)を着て、カブトムシの角の帽子を被っていた。山かぁ。

 

「さぁ!モブさん明日家族を探しに行くよ!!おかゆ先輩が気球で密林に連れてってくれるって!!」

 

「ビジューも行くー!」

 

「アラ、ダーリン、どこか、行くノ?ねね先輩の格好…ナルホドね。やはり密林ね…いつ出発する?ワタシも同行しよう。面白そうダシ」

 

「お、ビジューにネリッサ!2人も来る?いいねー!!」

 

明日休みなんだけど。と思ったが、たまには気分転換になるかと思い、付き合うことにした。ワラワラとビジューとネリサ院ことネリッサさんが現れ4人パーティーが出来上がった。吾輩いる?と思ったがねねさんは上機嫌に笑っていたので口を挟む隙がなくて諦めた。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

翌日。

 

「よし!!」

バーン!!

「「「「いくぞ!」」」」

 

 

 

何故か横一列に並んでいた。右からおかゆさん。ねねさん。ビジューさん。ネリッサさん。ねねさん以外探検家風の服を着ていた。ねねさんは迷彩服を着ていた。顔まで迷彩柄に塗り、満足げである。ちなみに吾輩はポリエステル製のシャツにストレッチ素材のズボン。動きやすさ重視である。

 

さておき、吾輩は並ばずにキメ顔で立ちポーズをしているねねさん達の光景を眺めていた。まるでこれからエジプトへ向かう主人公一行のようである。吾輩がスマホで撮影すると満足したのかおかゆさんは用意していた気球をペシペシ叩いた。

 

「というわけで、ぼくの気球でびゅーんといくよ」

 

「「「おー!!」」」

 

皆で気球に乗り、空の旅を楽しんでいるとふと一つ疑問が浮かんできた。そういえば今回のねねさんの家族候補は誰になるのだろうか。

 

「ふふふ。着いてからのお楽しみ!!」

 

ねねさんに聞いてみるとウィンクして内緒にされてしまった。「会えたら嬉しいけど会えなかったら他の子にしようと思ってるし」と呟いていたので珍しいカブト、クワガタなのだろう。

 

 

 

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「到着ー」

 

鬱蒼とした木々。湿った空気。遠くから聞こえる謎の鳴き声。

地面には大きな足跡がいくつも残されている。

ここは密林。モンスターが跋扈する危険地帯である。

 

「わぁ。スゴイ。」 

 

「ワー。まるでぇ、ジュラシックパー◯に、来たみたいー。テンション上がるナー」

 

ネリッサさんが辺りを見回し、 ビジューさんは目を輝かせて喜んでいた。あながち間違いではないので吾輩は何も言わない。

 

「モブさん見て見て!すごいデカい足跡だ!!」

 

「おー。ぼくが寝転んでもまだ大きい?」

 

「まだ大きい!!」

 

「大物だ!!」 

 

大きな足跡に寝転ぶおかゆさん、大の字で倒れていてもまだまだ大きく見える足跡だった。ねねさんは楽しそうに感動している。何を呑気な!と思い、吾輩は周囲を見渡していた。

 

「ほんじゃ!目的地へ向かいましょー!!」 

 

「そうだね」

 

「「おー!!」」

 

おかゆさんが頷き、ビジューさんとネリッサさんが片手を上げて意気揚々と返事をしていた。吾輩は周囲に何か怪しい影がないか目を光らせた。

 

「…よっこらせ」

 

「ん、あれ!?おかゆ先輩?」

 

「んー?」

 

「なんで気球に乗ってるの!?」

 

吾輩が振り向くと、先程気球があった位置には何もなく、吾輩達よりやや上に気球が浮いていた。気球に吊り下げられたゴンドラの中で、おかゆさんが手を振っていた。貴様!何をしているんだ!

 

「いやーこれには深い理由があるんだよ」

 

“はい”

 

「ジャングルって歩くの大変じゃん?」

 

“そうですね”

 

“だから僕はここから見守ってるね。危険が迫ってたら教えてあげるよ”

 

“どうやって?”

 

おかゆさんは見張りをしてくれるようだが、ここは電波が圏外。どう教えてくれるのだろう。吾輩が睨みつけるように見上げていると目を逸らした。

 

“………頑張れ頑張れ♪んー…チュ”

 

「はいかわいいー!!!許した!!」

 

甘ったるい声で投げキッスをしてきた。その程度で許すわけないだろう!!と吾輩は叫んだが、ねねさんが許すようだ。吾輩は頭を抱えた。

 

「アラマ。戦力が一人減っちゃったわネ」 

 

「応援して、くれるって」

 

吾輩の肩に優しく手を置いて聖母のような微笑みを浮かべるネリッサさんに、応援はうれしーと喜ぶビジューさんに軽くため息をついてから唸る。だが悲しいかな、応援でモンスターは倒せんのだ。

 

「じゃ、モブさんがおかゆ先輩の分まで頑張ろう」

 

“すっごい他力だ”

 

ねねさんの一言に吾輩は思わず見上げたが、おかゆさんの姿が消えていた。おかゆさんはゴンドラの中で横になったようだ。応援すらしてないではないか。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「モブさーん」

 

“はい”

 

声のした方を振り返る。いない。

首を傾げていると吾輩の手にはビジュルハシ。ビジューツルハシフォルムが握られていた。

 

「良い、鉱石をー!採る!!」

 

ビジュルハシは輝いていた。この密林で採掘とはまた珍妙な事を望むものである。吾輩がため息をついていると、ねねさんが近づいてきて遠くを指さした。

 

「モブさん見て!!あそこにすごいデッカイ水晶みたいなのが!!」

 

“なぬ?”

 

「鉱石ダー!!」

 

「あら。ホントに大きい水晶みたいナノが生えてるわネー」

 

吾輩のツルハシを持った腕が勝手にグイグイと引っ張られる。ビジューさんはどうしても掘りたいらしい。

湿った土山を越え、苔むした岩の近くに巨大な水晶みたいなものが君臨していた。今回の目的は鉱石採掘ではないが、少しだけ吾輩の心も揺らいでしまった。掘ったらあとでミオさんに鑑定してもらおう。

 

吾輩が“うむ”と頷くと腕は勝手に動き、水晶をビジュルハシが打ち叩いていた。吾輩の手がまるで電気信号を与えられたかのようだ。やはり呪われてる。ネリッサさんに手が勝手に動くと告げた。

 

「……ワタシですらモブさんを操れないノニ!!ビジューズルいわ!!」

 

会話が成り立たぬ。吾輩は無心に至り、鉱石を掘った。

 

ガツンガツンガツン!と音を立てて水晶を砕くと横から意気揚々とねねさんが回収した。ビジューさんは満足気に輝いていた。ネリッサさんはずっとこちらを見てきていて怖いので見ないようにする。

 

「……おー!キレー。モブさん!ねねがこれ一個もらって良い?」

 

「マァマァ、純度!ワルクナイ!」

 

「…ムムム」

 

そしてある程度掘り続け、バックが重くなってきた。そろそろ目的の虫探しに行こうかと告げる。しかし返答は

 

「モー!一回!」

 

“しかし、目的はねねさんの虫探しなわけで”

 

「ヤダ!全部掘ル!!」

 

ビジューさんは即答だった。腕がグワングワンと勝手に動き採掘を進めていた。その後ろではネリッサさんが口元を手で覆い、肩を震わせていた。笑ってないで助けてもらいたい。そんな視線を向けるとネリッサさんはビジュルハシに語りかけた。

 

「フフ……ビジュー、鉱石に夢中になってるわネ」

 

「うん!」

 

「目的を忘れてナイ?」

 

「モチロン」

 

「ナニを探してるノ?」

 

「鉱石」

 

「チガウワ」

 

「……家族?」

 

「正解」

 

ビジューさんは少し考えてから答えた。どうやら本人の中では家族探しと鉱石採掘が同列に存在しているようだった。ちなみに本日の主役であるねねさんは我らを放って「マレコガネ!!」と叫んで写真を撮っていた。

 

「ハイ、じゃあ行きましょうネ」

 

「ウン」

 

“とりあえず人型に戻ってください”

 

「やだ。ビジューはー!モブさんにー!ブンブンブーン!!してもらうの!!」

 

“戦力がまた一人減った。あと誰か違う人が脳内に浮かびますね”

 

モブしゃー!!と呼ぶ白髮で舌足らずな声が聞こえてきた。

さておき、吾輩の言葉にねねさんが腹を抱えて笑っていた。マレコガネ鑑賞は満足したらしい。

 

「だはははは!!」

 

“笑い事じゃないんですよ”

 

「モブさんビジューの戦闘力分上がってるはずだから頑張って」

 

「ビジュー、は、強いと思ってた。けど、手加減、されてたらしー。良い子って言われた」

 

「脱獄犯だから良い子、ではないんだけどネ」

 

「どしたの急に?ヘラっちゃった?」

 

何やら突然萎れたビジュルハシは輝きが弱く点滅していた。なにかを思い出してヘラってしまったらしい。

そんな無駄話を続けていると、突如ドスンと揺れが感じられた。鳥のような何かが驚いたのか、木々の奥からバサバサと羽音が返ってくる。その音を聞いた瞬間、3人+ツルハシの表情が一斉に変わった。

 

ねねさんは迷彩柄の顔を上げ。ネリッサさんは二股槍を握り。ビジュルハシはピカピカと光った。

 

「モブさんはパーフェクトスタッフだから前線に立てぇ!!」

 

“パーフェクトスタッフは盾ではないですからね”

 

「でもモブさんの防御力は強い」

 

“弱くはないと思いたいですけど”

 

「勝ったなガハハ」

 

“何が!?”

 

ねねさんとふざけた会話をしていると、遠くから地面を揺らすような音が聞こえた。

 

ズン。

 

ズン。

 

ズン。

 

木々が僅かに揺れていた。鳥たちが一斉に飛び立ち、密林の奥から葉が擦れる音が連続して響いた。さすがのねねさんも笑うのを止めた。遠くから僅かにシルエットがこちらに向けて迫ってきているのが見えた。

 

「……なんかこっちに来てない?」

 

「来てるわネ」

 

ネリッサさんが静かに答える。

 

「しかも、かなり大きいワ」

 

「お、おお……」

 

吾輩も咄嗟にビジュルハシを向けて身構えた。ツルハシって戦う武器じゃない気がすると少しだけ正気に戻った。吾輩の落ちたテンションはさておき、木々の隙間からその姿が現れた。

 

巨大な甲殻で美しい玉虫色の深緑。長く伸びた太い脚。鋭い爪。そして何より目を引くのは、その背から伸びた巨大なハサミのような器官を自在に振り回して獲物を捕まえていた。まるで重戦車のような姿、その名も

 

ゲネルセルタス。

 

密林の奥からゆっくりと姿を現した大型モンスターは、周囲の木々よりもなお大きく見えた。地面を踏みしめるたびに、ズシン、ズシンと低い振動が伝わってくる。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

吾輩含めて四人とも黙った。

 

そして。

 

「いたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ねねさんが叫んだ。あれを家族にするのなら家は豪邸じゃないといけない。ラミィさんがまたペット増えてると発狂しそうである。

 

「家族にするぅぅぅぅぅぅ!!」

 

特攻しようとするねねさんの肩を吾輩は掴んだ。ねねさんの大声を敵対反応と見なしたのか、まるで蒸気機関車のような唸り声を上げてゲネルセルタスは威嚇してきたではないか。こんな状態で前に立つなんて無謀の極みである。

 

「モブさん捕まえるよ!!」

 

“どうやって!?”

 

「モブさんが頑張る!!」

 

ねねさんにこれからリーダーを任せないと吾輩は心に決めた。吾輩が一度距離を稼ごうとねねさんを担ぐと、その隙にねねさんは懐から何かを取り出していた。

 

こよりん印の麻酔煙幕を撃つ筒だった。当たればすぐさま夢の中だと言っていた気がする。嫌な予感しかしない。

 

「これを使えば捕獲できる!」

 

“その前に弱らせる必要があるでしょう!?”

 

「大丈夫!いっぱい撃つから!」

 

不安だ。聞いているのかいないのか。ねねさんはすでに筒を構えていた。

一方、ゲネルセルタスの巨大な眼がこちらの姿を捉え、ハサミを前に構え、蒸気機関車の駆動音のような唸り声を上げている。非常にヤバそうな雰囲気だと理解できた。するとネリッサさんが槍を構える。

 

「私が先に行くワ。ダーリンはねね先輩を後方へ」

 

「「きゃーイケメーン!」」

 

髪をなびかせて格好良く前に立ちふさがった姿を見て、ビジューさんとねねさんの黄色い声援を無視して吾輩は下がる。それと同時にネリッサさんが地面を蹴った。

 

一瞬で距離を詰めた。

 

二股槍が鋭い風切り音を響かせ、ゲネルセルタスの甲殻へ突き刺さった。

 

ガキィン!!

 

金属を叩いたような音が響いた。

 

「……硬イ!!」

 

槍の穂先が甲殻の表面で滑った。ネリッサさんは目を丸くする。今度は横薙ぎ。ガキン!という音が鳴り、少しだけゲネルセルタスの脚が揺れた。しかし、やはり傷一つない。ねねさんを置いて、吾輩はビジュルハシを片手にネリッサさんに近寄った。

 

「……ダーリン。パパの大好きな銃を使うワ」

 

ネリッサさんが胸元から取り出した銃を構えた。どうやって出したのだろうと思ったが、ビジューさんも突然背中にくっついてたりするのだ。気にするだけ無駄だろう。

 

ドドドドドド!!

 

連続した銃声が密林を震わせる。弾丸がゲネルセルタスの甲殻へ次々と着弾する。土煙が舞う。木の葉が吹き飛ぶ。

 

そして煙が晴れた。

 

「……」

 

ゲネルセルタスは無傷に見えた。

 

「……」

 

ネリッサさんが銃を見る。もう一度ゲネルセルタスを見る。そして静かに銃を下ろした。ゲネルセルタスはこちらを興味深そうに見てからハサミを振るった。ネリッサさんの持っていた銃は砕けた。

 

「ダメジャン。パパの魂(大好きな銃)じゃモンスター相手だと話にならないわ。今度説教ネ」

 

“お父さん可哀想。とばっちりだ。”

 

「今度、一緒に文句言いに『挨拶』に行きましょうネ」

 

お労しやネリッサさんのお父様。魂をまさかモンスター相手にぶっ放すとは思ってもいなかっただろう。きっとモンスター相手という事前情報があったなら違う武器を教えていただろうに。あと、なにか巻き込まれそうなので挨拶は却下である。

 

「チッ」

 

「モブさん!」

 

その時だった。背後からねねさんの声が飛んできたので振り返る。

 

「捕獲するよ!!」

 

“はい?”

 

「いっけぇぇぇぇ!!」

 

シュババババババ!!凄い勢いで大量の煙幕麻酔弾が飛んできた。ちょっと待って欲しい。ネリッサさんは離れてるので良いが吾輩は射線上である。

 

ドン。

 

吾輩の顔面に直撃。白い煙が一気に広がる。吾輩の後ろでゲネルセルタスにも直撃し煙に呑まれた。

 

「ゲホッゴボ!」

 

「モブさんが巻き込まれた!?射線上に立つなって言ってなかったよ!!でも追加するね!!」

 

「スヤァ」

 

さらに飛んでくる。ビジューさんは寝てしまった。それでも吾輩の手から離れる気配がないので関係ないが。

 

シュッ。

 

ドン。

 

シュッ。

 

ドン。

 

ぬわー

 

グオオオォン!!

 

吾輩とゲネルセルタスは大量の麻酔煙幕弾がぶち込まれた。ゲネルセルタスも何とか抵抗しようと暴れ回る。たまに振り回されたハサミが吾輩の頭にぶつかる。痛い。

 

「いっぱい撃つよ!!」

 

絶え間なく撃たれすぎて視界が真っ白、煙で何も見えない。こういう時は火事の時みたいに姿勢を低くしてみるのだ。ゲネルセルタスに踏まれた。ぐえー。

しかし麻酔弾という不健康極まりない物を浴びせ続けられているのだが、不思議なことに、身体に異常はない。眠気もない。足元もふらつかない。効果はないのではと不安に思ったがビジューさんは寝ている。吾輩はゲネルセルタスに踏まれながらも首を傾げた。

 

「……あれ?」

 

ねねさんが首を傾げる。

 

「モブさん効いてない?」

 

「流石ダーリン効いてないワ!」

 

「なんで?」

 

「コーヒー飲んだからカラ?」

 

そっかーと言ってねねさんは撃ち始めた。そんなんで納得するなと叫んだが、煙を吸って咳き込んでしまった。

弾切れまで諦めようと何も言わずに呼吸を落ち着けていると、次の瞬間、凄い勢いで吾輩は宙を舞った。

 

「あ、まずい!ハサミがモブさんの服に引っ掛かってる!?」

 

ゲネルセルタスの尾のような器官が大きく振り抜かれた。吾輩は弾丸になった。

 

「モブさーん!?」

 

視界がぐるりと回転する。木々。空。地面。木々。空。地面。

次から次へと変わる景色の後に吾輩は大木を2〜3本貫いてから蔦に引っ掛かり地面に落ちた。まるでアニメのような吹き飛び方だったのだろう。死ぬかと思った。吾輩は潰れたカエルのようになっているが無事であった。ねねさんとネリッサさんの声が遠巻きに聞こえてくる。

 

「ハッ!寝てた!!…モブさんココドコ?」

 

ビジューさんは目が覚めたのかピカピカと輝いた。現状説明の為に、吾輩は現在吹き飛ばされて密林の奥で転がっていると伝えた。

 

「オー!情けナーイ!ザーコザーコって…アー!!!!」

 

吾輩はビジュルハシを投げた。近くを飛んでいたアルセルタスというデカいカブトムシにツルハシがぶつかり撃墜した。あれもねねさんが喜びそうな虫と思っていたらビジュルハシが高速回転して戻ってきたので吾輩は逃げ出した。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

一方その頃、ゲネルセルタスが大きく身体を揺らした。そして。

 

ズズン……。

 

巨大な身体がゆっくりと地面へ倒れた。

 

「……ほ?」

 

「……アラ」

 

「眠った?」

 

ねねは恐る恐る近付く。ゲネルセルタスは動かない。ネリッサはツンツンと槍で突くも反応は無かった。

 

「……どう?」

 

「……寝てるワネ」

 

「やったぁぁぁぁぁぁ!!」

 

ねねは両手を上げた。

 

「家族ゲットぉぉぉぉ!!」

 

「オメデトウ!!」

 

 

 

 

吾輩が合流するともう事は終わっていたようだ。とりあえず祝辞の言葉を送ろう。

 

“コングラッチュレーション。素晴らしい成果ですね”

 

「あ、モブさんおかえり。ねね初めてあんな人が吹っ飛んで行くの見れたよ。後お尻?いや腰?にビジュー刺さってるよ?」

 

「ツルハシは!投げるものでは!ナイ!」

 

結局あの後追いつかれてしまいケツと腰の間くらいにビジュルハシが刺さってしまったのだ。そしてそのままくっついてしまい抜けないので諦めて合流した次第である。

 

「おー。捕まったんだ」

 

気球からおかゆさんが降りてきた。裏切り者め!!吾輩はビジュルハシを怒りのままに引き抜いておかゆさんに向けた。

 

「なになに!?悪かったってば!見てたよ!!モブさんの勇姿は!!トドメ刺すところまでちゃんと見てたよ!!」

 

“語るに落ちたな!吾輩はボッコボコだったわ!!”

 

「えー!?ダサいじゃん!!」

 

“ビジュルハシキーック”

 

「ツルハシ関係ねー!!うわー!?うわー!うわー…ガクッ」

 

「おぉ。トンファーキックじゃん!古の技だ」

 

「「ソウナノ?」」

 

吾輩は悪い猫を成敗した。この伝説の技を知っているねねさんはけらけら笑っていた。この技の無駄感が素晴らしいのだ。ビジューさんとネリッサさんは分からないようで残念である。

 

「シクシクー…チュッてしてあげたのに」

 

“戦いに投げキッスは不要なのですよ”

 

そんなー!と嘆くおかゆさんはさておき、捕獲したゲネルセルタスを眺めた。巨大だ。あまりにも巨大である。吾輩は腕を組み、首を傾げた。どうやって運ぶのだろう。

 

「モブさん。ウチの子どうやって運べば良い?」

 

もう既に家族にしているところ悪いが難しいだろう。

 

ネリッサさんを見た。えっ?という顔で笑みを引き攣らせていた。

 

ビジュルハシは沈黙。

 

おかゆさんの方を見る。

 

「え? ぼくを見られましてもー…気球じゃ無理だよ?」

 

おかゆさんが気球を見上げて首を振った。ねねさんがゲネルセルタスを見る。

 

「「「「…………え?」」」」

 

密林の奥から、アホーアホーと鳥の鳴き声だけが響いた。

 

どうやら捕獲よりも、その後のほうが遥かに難題だったようである。

 

 

 

 

 

最終的にゲネルセルタスはおかゆさんの友達猫を沢山呼んで大量の気球を使い空輸したそうだ。ホロライブの本社に。基本的に毎日は見れないねねさんの代わりに吾輩が面倒見ることになったのだった。クソ!!

 

 

めでたし




モブ
休日返上してモンスターに踏まれたり吹き飛ばされたりした。圧倒的耐性値により睡眠はかからない。強い。これから毎日ゲネルセルタスに餌やりすることが強いられているんだ!!何故かアルセルタスも後日合流。業務激増え。

ねね
お目当ての虫はゲネルセルタスだった。捕獲できて嬉しい。家がもう少し豪邸なら良かったのにと嘆く。ホロライブ本社に住むことを本気で考えている。モブも住んでるし。(?)
いつかゲネルセルタスに乗せてコンクリートジャングルを駆け回りたいと考えている。

ネリッサ
モブと一緒にお出かけ出来て満足。楽しかった。その日の夜、パパに魂の武器はもっと良い物にしたほうが良いと言った。

ビジュー
圧倒的採掘力。圧倒的貫通力を誇る。しれっとモブに刺さることができる強度。今回の冒険も楽しかった。

悲しみに暮れるネリッサパパ
何故か魂の武器が壊れてた。

喜び舞うミオ
沢山の水晶を鑑定したらほとんど貰った。巨大水晶は部屋に飾って磨いてる。
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