吾輩はホロライブのパーフェクトスタッフである   作:ジョ力

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わお。色々大変すぎる。
リアルも大変だしホロも大変。時代の激流に負けないようしなければ。


54 やんごとなき身分の宇宙人に激痛マッサージを施したパーフェクトスタッフ

 

吾輩はアルティメットパーフェクトスタッフである。

 

本日のお仕事仲間はアイラニ・イオフィフティーンさんだ。バーチャルインドネシア組の宇宙人で、姫でマルチリンガルでエロフィでもある事から大空警察が警戒する要注意人物である。

 

『ゴジ◯!!わーい』

 

早速モチベーションアッププレゼントで◯ジラのビッグなぬいぐるみを渡したのだが、凄まじい喜びようだ。配信で見せていた姫衣装にシワが出来るのも気にせず抱きしめている。

しかしインドネシア組はお洒落な人が多い。アイドルだから当たり前か。

 

『私的な意見だけど、仕事終わってもジャージかワイシャツスラックス姿のモブさんがオシャレに無関心なだけだと思います』

 

吾輩の思考を当たり前のように読んできたムーナさん。昨日の足ツボマッサージで大成功し色々ぶっ壊れてしまったが、体力にはかなり余裕があるらしい。今日も当たり前のように着いてきた。ちなみにシオンさんはリスさんとぶらり旅に出かけた。お土産を買ってくるそうなので期待せずに待っておこう。

 

『スーハースーハー良し!頑張るぞー!!』

 

何度もゴ◯ラのぬいぐるみの匂いを吸い込み気を高めているが、まぁ何も言うまい。ただのぬいぐるみなのだが彼女の価値観が違うのだろう。ゴジラやGが可愛いと仰る方だ。吾輩のような一庶民とはどこか目の付け所が違うのだ。たぶんきっと。

 

『さぁモブさん作業しよう!ドントコーイ!!』

 

意欲良し。では早速ポストカードにサインを入れて貰おう。◯ジラのぬいぐるみを抱きしめながら座るイオフィさんの前にドスンもポストカードを置いた。ムーナさんの分もあるよ。

 

『うわー。イオフィは知ってるよ。圧巻っていうんだよねこれね』

 

『わかる。でも慣れるよ。さ、ガンバルゾー』

 

『ムーナ目が死んでる』

 

『大丈夫大丈夫。モブさんの方がデフォルトで目が死んでる』

 

イオフィさんとムーナさん二人で軽口を叩きながらポストカードにサイン入れを始めたのを見て吾輩も別業務をこなす。途中で余計なことを喋っているのが聞き取れたがまぁ見逃してやろう。しれっとムーナさんからトゲのあるお言葉が出たのは仲良くなった証拠だと思っておく。どうやら勘違いされているようだが、常にこの様に死んだ魚のような目ではなく吾輩にもキラキラした目をすることは出来る。二人に暖かい目を向けた。

 

『ン?ンフッw』

 

『どうしたイオブフィwww』

 

二人吹き出したので元の表情に戻して作業に戻る。ヒュッと何かが飛来する音がしたのでキャッチ。サインペンだ。作業道具を粗末にしないようにペンを投げたであろうムーナさんに手渡し注意した。

 

『納得いかない!!』

 

『これが魑魅魍魎ホロライブで生き抜いたスタッフか。前は普通の人だと思ってたけど知らないうちにこんなハイスペックに豹変してたのか。恐るべし!』

 

 

 

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その後もちょくちょく会話を挟みながら作業をしているのだが、

 

『そういえば凄い前だったかな。モブさんとホロスターズのオウガさんがインドネシア語で笑ってたって聞いたけど?』

 

『そうなの?』

 

“好きなインドネシア語腹パンの話で笑ってましたね。腹パンには希望があるとかで”

 

『希望って意味がインドネシア語でハラパンだからか。意外に少年みたいな会話してる⋯』

 

『しょーもねー!イオフィに腹パンやめてね!』

 

とくだらない話をしていた時の話題を深掘りしたり、

 

『インドネシアはまぁ基本的に暑い温度で安定してるけど、それでも結構な種類のファッションとか民族衣装が多いかな』

 

『日本ほど四季!って感じじゃないかな』

 

“ほー”

 

『モブさんの私生活知らないから何ともだけど今日日カジュアルスタイルとか色々あるでしょ?ワイシャツスラックスも良いけどたまには違う衣装とかで雰囲気変えてもいいとか思うけどね』

 

“私生活?”

 

『アッ』

 

『イオフィこの話題やめようか。クルシイ』

 

“冗談です。普通に休日の日は普通⋯がよく分からないのですが、服屋でおすすめコーデとかまるっと買ってるので”

 

など一般的な話題にも小粋なジョーク(何故か二人は胸を撫で下ろしていたが)で少し盛り上げつつお互いに作業を進めていった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

『うー⋯ん。始めた頃に比べると大分減ったけどまだまだあるなー』

 

『イオフィ気づかなかった?モブさんが定期的に山を補充してるよ』

 

『えあ!?』

 

あれから2人には数時間ほど作業してもらっていた。定期的に吾輩は山を補充しているのだが集中していた2人は気付かないと思っていたが、ムーナさんは気付いていたらしい。気付かなかったイオフィさんはわなわな震えながらゴジ◯の人形を振りかぶって吾輩の方ににじり寄ってくる。

 

『覚悟ー!!』

 

イオフィさんはボムっと頭にゴ◯ラ人形で叩きつけてきたが、文字通り痒い程度の衝撃しか無い。気にせずムーナさんのノルマは今残ってる山で完了だと告げる。

 

『ヤッター!終わりが見えてきた。頑張ろう』

 

『ねぇムーナ。今イオフィがモブさんを叩いた時にモブさんからまるで太陽のエネルギーとか地球のエネルギーが内包してるようなとんでもないモノを感じたんだけど⋯』

 

『何言ってるの?』

 

ムーナさんは作業の終わりが見えることに喜びサインペンを持ち直したがイオフィさんに止められている。何かよく分からないことを言っている事から宇宙人的な言語なのだろうか。ムーナさんもよく分かってないのか訝しむような目でイオフィさんを見ていた。

 

『つまりモブさんは人間をやめている!イオフィ詳しいんだ!!』

 

『⋯何を馬鹿な事を。イオフィ疲れてるんだよ。マッサージしてあげる。そこのソファーに座りなー?』

 

お、と思わず声が出た。ムーナさんは流れるようにイオフィさんをマッサージ出来るような状況に移行している。これで自分でやるなら仲間思いで片付くが、吾輩の方をチラチラと物言いな視線を向けてくる。

よく考えてみればムーナさんはマッサージから逃れるためにイオフィさんの居場所を売っていた。となるとリスさんのように同期の絆(笑)で繋がっている彼女達は苦しみも共有するという意思は引き継がれているのかもしれない。

 

『へ?ムーナマッサージ出来るんだ。サイン入ればっかりしてたから疲れたしお願いしようかな』

 

『マカセロ』

 

ムーナさんの目は淀んでいる。おかしい。吾輩の足ツボマッサージは完璧に成功していたのにどうしてこうなってしまったのだろうか。皆目見当もつかない。

 

『ねームーナ。マッサージするって言ってたけどなんで足抑えつけんの?⋯目が怖いよ!?』

 

『⋯⋯⋯』

 

そのままイオフィさんの足を押さえつけ何も言わないNPCのように動かなくなったムーナさん。覗き込むと表情が抜け落ちた無表情であった。

イオフィさんの叫び声が聞こえるがこれは足ツボマッサージをしないと再起動しないだろうと思い渋々と行うことにした。

念の為昨日は人類でも分かる全宇宙人大全という本を読み込んだおかげで、火星人だろうが地球外金属生命体だろうが問題なく野球を上手くさせることが出来るだろう。

これが科学の発展というものなのだ。

 

『あの、モブさんこれはどういうことなのでしょうかー!!ムーナがまるで洗脳とか催眠されたみたいになってるけどぉー!!ナニする気だイオフィアイドルだもーん!!やめてー!!』

 

何かイオフィさんが喚いているので理解してもらうことにしよう。ぐりっとな。吾輩はイオフィさんの足のツボを見つけたので押してみた。

 

『オ゛ォ゛⋯』

 

『ヨシヨシ』

 

大凡健常な人から漏れるような声ではない音が漏れ出ていた。初めての宇宙人へのマッサージのため程度が分からないが多分効いているのだろう。吾輩からは背中しか見えないがムーナさんがヨシヨシと言って頷いているので良いはずなのだ。

 

『おおぉ!!クソゥムーナァァァ!!?内臓飛び出たら恨みぎゃーー!!!!』

 

なにやらドッタンバッタン跳ね回っているようだが、吾輩からはイオフィさんの足とムーナさんのグラデーションの綺麗な髪しか見えない。吾輩はやるべきことをやるのみだ。内臓が飛び出たときは流石にパーフェクトストップをする。

 

『飛び出る前に止めてヨォアー!!』

 

『ギィイ⋯ふ、不敬!!私は本当に貴族なのにゃあああ!??』

 

『グワーッ!あぁ、なんか宇宙が見えてきた⋯』

 

『○▼※△☆▲※◎★●!!?!?』

 

しばらくマッサージを続けていたが様子がおかしいことを言った所まで認識したが、ついに吾輩の知らない言語を叫びだした。もしかしたら宇宙人の交信的なアレなのかもしれない。

 

『多分悲鳴あげてるだけだと思うよ』

 

ムーナさんがポツリと呟くが、先程から思考が盗聴されている。まさか吾輩のマッサージで妙な能力まで手に入れられてしまったのだろうか。それとも元から人の心の機微に聡いのかは定かではないが、このまま思考を読まれ続けると困るのでアルミホイルでも頭に巻くべきか迷うところだ。

 

『〇んだ!!』

 

『ふむ。終わったようね』

 

マッサージが粗方完了すると同時に元気な声で事切れたイオフィさん。それはもう美しい大の字で力尽きている。

その様を眺めたムーナさんは立ち上がり満足気に頷いている。マッサージは無事に成功し疲労は抜けただろう。

 

『うぼあー』

 

イオフィさんは口から煙を吐きはじめた。宇宙人は我ら地球人とは体の構造が違うからかどういった原理であの様に口から煙が吐けるのか皆目見当もつかない。世界の神秘である。

 

『イオフィはモブさんを許さないよ。イオフィもモブさんにマッサージしてあげるよ』

 

数秒も時を置かずして再起動し、ムクリと起き上がるイオフィさん。なにやら吾輩にマッサージを施してくれると言っているが善意ではなさそうだ。目がドロリと淀んでいる。

そもそもマッサージとは専門的知識と技術があって初めてしっかりとした効果が見込まれる。故に素人が軽はずみに行ってはならない事をイオフィさんに告げた。

 

『⋯分かった。じゃあモブさんには同じ苦しみを味わってもらう!』

 

『まぁまぁまぁモブさんはただ仕事をしてくれただけだし』

 

『ムーナはこのままやられっぱなしで良いのか!今こそ立ち上がりこのパーフェクトスタッフにも同じ苦しみを味あわせてやるべきだ!!』

 

『むっ確かに』

 

吾輩が口を挟む暇すら無い程の気迫であった。数秒の葛藤の末、吾輩の方ににじり寄ってくるムーナさんと仲間を得て薄ら笑みを浮かべるイオフィさん。

吾輩が“おのれこの痴れ者共め!!”と叫び全力で抵抗するために2人に挑みかかろうとしたその瞬間、事務所の扉が開いた。

 

「ただいまぁ!!お土産買ってきた!!って何この状況」

 

シオンさんがニッコニコの笑顔で吾輩達の間を通り抜けていった。両手に沢山の袋を抱えているが全てお土産なのだろう。とても良い匂いが室内に充満し少しお腹が鳴った。

 

「おーいムーナ、イオフィ机片付けてー!もうすぐリスちゃんも来るからお皿広げるの手伝ってー!モブさんはお湯沸かしてー」

 

『あ、はーい』

 

どうやら脅威は去ったようだ。まさかシオンさんに助けられる日が来ようとは。今日のシオンさんは非常に輝いて見える。

ムーナさんとイオフィさんはセカセカ動いてシオンさんの手伝いに回っているし。このままこの度の謀反騒ぎは有耶無耶になることだろう。

 

「モブさんお湯まだー?コーヒー淹れてあげるよ!コピ・ルアクっていうブランド物だよー」

 

『お⋯』

 

『わぁ⋯』

 

シオンさんが無造作にガッサガッサとお土産の袋を漁りながらとんでもない名前を出していた。話を聞いていたムーナさんとイオフィさんが固まる。

 

ようやく一息つけるかと思っていたがそれはパーフェクトスタッフには許されないようだ。

待て騙されんぞ!と吾輩は叫びながらお湯が沸くまでの間、シオンさんを退かしお土産の袋を検閲を始める仕事が待っていたのであった。

 




モブ
ついに宇宙人にもマッサージが施せるようになった。
今回のマッサージの最中、成ったなという謎の確信に満ちた感覚を味わった。モブのマッサージ技術が飛躍した。痛みも上がった。

結局このあとシオンが淹れたコーヒー(コピルアク)を飲んだ。味はコーヒーだけど不思議な風味というか違和感が感じられたとのこと。飲むのは好きだがそこまで詳しいわけではないので何か違う程度しか分からなかった。
シオン「その反応面白くなーい」


イオフィ
本日の犠牲者。
人形もらってやる気上がった
マッサージにより体力回復して殺る気が上がった。
いつの日かあのパーフェクトスタッフに鉄槌を下すのだと心のなかで決意した。

ムーナ
しれっとパーフェクトスタッフの思考読み体得。
強かな性格。同期の絆を思い同期を罠に陥れた。
モブは悪いことをしたわけではないが、それはそれとして同じ苦しみを味わってほしい。だって仲間だから。
その方が面白いから。

シオンのお土産
リスと一緒に散策をし、チョコレートやカシューナッツクッキー等買い込んでいた。
他にも怪しげな木工品等もあったそうな。

コピ・ルアク ジャコウネコの糞から採取された豆で作られるこのコーヒー。超高い。どこかの魔法使いがう〇ちーって笑いながら買ってきた。
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