吾輩はホロライブのパーフェクトスタッフである   作:ジョ力

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ついに今回で一旦モブは帰還させます。
そういえばホロに新しいアナウンサー来たみたいですね。近々キャラを把握しなければなりませんね。

そういえば前回でUAついに15万、お気に入り700超えましたよ!!そして63話目。気がつけば長期投稿作品ですね。
これからも皆さんのクスッと笑える暇つぶしになれるような小説を考えていきます!!


57 パーフェクトスタッフ インドネシア料理を堪能する。魔法使いとクジャクを添えて

 

吾輩はパーフェクトスタッフである。

 

本日、インドネシアにて一度借り受けたサテライト拠点を引き払い帰国する運びとなった。現在事務所内をキレイキレイし終え、更にインドネシア2期生であるパヴォリア・レイネのポストカードへのサイン入れも完了してもらった。感謝である。

 

「いえいえ、態々日本から来てもらって。こちらこそ感謝です。サイン入れの最中も他の皆さんの話聞けたから面白かったですよ?」

 

カジュアルな衣装に鼈甲色のフレームのメガネをかけたレイネさんは柔和にほほ笑んでいた。とても絵になるお姿である。吾輩も心穏やかに話せたので大変楽しい時間を過ごさせてもらった。

 

「ところで気になる事があるのだけれど…」

 

さて、なんだろうか。室内を見回すとシオンさんが吾輩のバッグに自分の荷物もギュムギュムと押し込んでいるのが見える。魔法使いの凄い魔法とやらで直接事務所にでも送ってくれれば良いものを。吾輩に押し付けようとするシオンさんの奇行が気になるのだろうか。

 

「気になるのが、あの天井に吊るされてる鎖の塊ですケド」

 

レイネさんが指を指しているのは先日来たアーニャさんの封印された寝袋だ。紆余曲折を経て、彼女は現在進行系で気分よく寝ているのだ。しかしこの拠点は引き払うので、鎖蓑虫は本日レイネさんに持って帰っていただく。

 

「あれアーニャだったんだ!?そして私が!?」

 

あなたが。体をのけぞらせて驚いているが、このまま天井に吊るされた鎖蓑虫が残っていては家主に何を言われるか分かったものではない。ついでにシオンさんが荷物を持たない以上吾輩の負担が増える。これに更にアーニャさんを回収する余力は無いのだ。

 

「えー…」

 

嫌そうな顔をされても持って帰ってもらう。叩き起こすなら多少の反撃が見込まれるので、それは吾輩が食らっても良い。ついでにあの鎖蓑虫の中身は吾輩の寝袋inアーニャさんなので寝袋は回収したいのだ。

 

「シレッとモブさんがダメージ受けるの許容してるの凄い。大丈夫アーニャは簡単に起こせます。同期なので」

 

ふんすっとどこか誇らしげな表情で語るレイネさんに頼もしさを感じる。素晴らしい。何か手伝う必要はあるだろうかと尋ねるも特に無いとのことなので成り行きを見守る。

 

「まずはこちら少し前に日本で買ってきた激辛煎餅です」

 

そう語るレイネさんは手荷物の中から見るからに辛いと分かる包装がされている物を取り出した。確かアーニャさんも辛い食べ物が好きだと言っていた気がする。まさか睡眠中でも反応する程好きなのだろうか。

 

「この煎餅を軽く砕いてからパラパラと流し込みます」

 

「ゲフゴホ」

 

寝袋の口にパラパラと砕けた激辛煎餅を奉納するレイネさん。アーニャさんが起きるというより万人の殆どが飛び起きる残虐な行為であった。現に寝袋が激しく震えている。

これは事務所を出る前に寝袋の中に掃除機かけないといけないなと吾輩は脳内タスクを書き換えた。

 

「ハッ…ハッ…こんなふざけた事をするのは誰だ?モブさんか?こ、こここ、ころ…」

 

まるで長い間漂流してようやく陸に辿り着いたような顔をしたアーニャさんがどろりと濁った目で吾輩を探している。実に心外である。アーニャさんと目が合うと両手にクリスという武器を構えて立ち上がってきた。アイドルがそれ以上言ってはいけない。

 

「おはようアーニャ」

 

「……ん?レイネ…なんでここに」

 

「モブさん帰るって。アーニャを持って帰れと言われたの」

 

「あーはいはい。そうゆうことか。結局私の安眠の場所はここではなかったのね」

 

あわや吾輩に攻撃を見舞ってくるかと思い身構えたが、何事もなく解決しそうである。のっそりと冬眠から目覚めたばかりの熊のように緩慢な動作でアーニャさんは去っていった。

 

「そういえばモブさん達はいつごろ日本にお帰りに?」

 

レイネさんと街並みに消えていくアーニャさんを見送っていると思い出したかのように聞かれた。

 

「早めのディナーを食べてから帰るよ!!最後に美味しいお店教えてー!!」

 

吾輩が問いに答えようとしたらレイネさんと吾輩の肩に飛び乗ってきたシオンさんが全てを答えていた。レイネさんもサイン入れで疲れているかもしれないが、付き合ってもらいたい。実は少しだけ予算が残ったので少し豪勢に使ってもいいだろうとシオンさんと打ち合わせをしていたのだ。その旨を付け足しインドネシアの美味しいお店を紹介してもらうことにした。

 

「おー。つまり経費!!じゃあ普段行かないけど少しお高めのところに行ってみますか?評判は良いみたいですよ」

 

「シオンは分かんないから任せる!」

 

“では行きましょう。タクシーを呼ぶので2人で吾輩の寝袋に掃除機をかけておいてくれれば”

 

「あ、はい」

 

「なんで寝袋に掃除機?」

 

二人に仕事を任せ吾輩はタクシーを呼ぶことにしよう。最後のインドネシア料理はどんな物なのだろうか。この数週間の滞在でどのご飯も比較的スパイシーな雰囲気だったが、ややお高い感じのお店も同じなのか気になるところである。珍しく鼻歌が漏れ出そうになるくらいには浮かれつつ、配車サービスへ連絡するのであった。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「“おおー!!”」

 

レイネさんの聞いていた噂のお店に着くと、周りの建物より高い位置にある建物でテラス席だと少しだけ街並みを見れる場所とのことだったのでそこに座ることにした。なるほどインドネシアの街並みとはこんな感じだったかとしみじみ思い耽っていると、隣に座っていたレイネさんとシオンさんから何注文すると聞かれた。この素敵な景色を長く楽しもうとは思わんのかと尋ねると

 

「シオンちゃんはもう色々見て回ったし」

 

「私はここじゃなくても色んな景色見てますからね…」

 

と返された。そういえばずっと仕事していたので観光で見てないのは吾輩だけだったかと納得した。少しメニューを眺め、少しずつ頼んでシェアする流れで良いのではないか?と2人に返答をする。

 

「「はーいおまかせしまーす」」

 

二人仲良く返事をしてきたので、忙しなく動き回っている店員を呼び止め注文をした。

ある程度知識があるものと全く無知の物を半々で頼んでみた。店内の様子を見ると、夕飯には少し早い時間なのに席がだいぶ埋まっているところから推測するに変な料理は出ないだろう。

そう結論づけると思考を打ち切りキャッキャッと話すシオンさんとレイネさんの会話に耳を傾けつつ料理が来るのを待つのであった。

 

 

 

「というわけでシオンちゃんはこのインドネシア観光を楽しみつつ、そこのなんちゃってパーフェクトスタッフに無茶振りで掃除とか雑用させられてたの!!」

 

「うーん…なるほど。そういえば私もさっき掃除機かけさせられたな。真面目?几帳面?そうだもんね」

 

“こらこら誰がなんちゃってですか”

 

「アイドルに掃除させるスタッフってどうなのか!!えー?どうなんですかモブさんやー!!」

 

“事務所綺麗にしてて偉いですね”

 

ムキーと怒ったりケラケラ笑いながら絡んでくるシオンさんにレイネさんが我等の普段のやりとりに興味を示しそれぞれ回答をしていると料理がテーブルに運ばれてきた。

 

「おぉ。んー…流石香辛料っぽい匂いがするー!」

 

「どれもインドネシアでは伝統的といえば良いかな?有名?な料理ね」

 

「じゃー早速解説を!!」

 

吾輩がシェアするために店員さんに追加で小皿を注文しているとシオンさんがレイネさんに解説を頼んでいた。折角なので解説を聞こうとそちらに耳を傾けたが、店員さんがコトリと置いた小皿と小鉢のような容器にトマトペーストのような赤いタレが大量に入った物を置いていった。これは何だろうか。香りはニンニクとトマトと何やら柑橘系の香りが強く感じられた。

 

「これはミーゴレンと言って、日本風に言うと焼きそばかも?ケチャップとソイソースの味付けが近いかな」

 

「はえー。ナシゴレンなら聞いたことある」

 

「それの派生形と思ってくれれば。ゴレンが炒めるって意味です」

 

「つまりミーが麺って意味とか!?」

 

「正解!ナシはご飯です」

 

「やったー!!」

 

レイネさんとシオンさんの会話にほうほうと相槌をうちつつ、ミーゴレンを3人の小皿に取り分けた。このミーゴレン確かに焼きそばにトマトケチャップを混ぜたような香りもしている。薄切りになったピーマンとキュウリが確認されるがモヤシやニンジンも入っているのでほぼ焼きそばと言えるだろう。案の定美味かった。

 

「そしてこっちはガドガド」

 

「がどがど…」

 

「意味は混ぜる。温野菜にピーナッツソースベースのタレをかけて混ぜ混ぜします。ブンブガドガドという名前もあります!」

 

「ぶんぶがどがど」

 

何やら魔法の詠唱かと思うような事を言われているが、詳しく聞くとバナナの葉の上に多数の野菜を敷き詰めて辛めのピーナッツソースを掛けて食べる物らしい。しかしこのピーナッツソースは思ったよりも辛い、ニンニクとか唐辛子の辛さを感じてピーナッツの香りが辛味で消し飛んだ。シオンさんも意外な所から感じられる辛さに「ふぉお」と変な声を漏らしている。

折角なので先程の小鉢をレイネさんに見せてみた。このトマトペーストみたいな物はなんだろうか。

 

「これはサンバルです。インドネシアでは当たり前の調味料と言えるかも。お家によって味が違うと思うけど暑いインドネシアにピッタリのー」

 

吾輩がレイネさんの解説を受けている際にサンバルダンベル等と呟きながらサンバルをひと掬いして口にするシオンさん。

 

「激辛調味料で食品を腐りにくくする効果があります。私は昔駄目だったけど克服したからつけて食べます!!」

 

「ピャー!!」

 

話を最後まで聞かずに激辛調味料を舐めたシオンさんは椅子をひっくり返しながら倒れた。まさかご家庭で当たり前に激辛調味料があるとは思ってなかったからなのだろうが、日本のさ、し、す、せ、そ、との違いを感じられて外国文化を文字通り味わえただろう。

聞くところによるとこのサンバルなる調味料は唐辛子ベースのタレらしい。今シオンさんの体内でカプサイシンパワーが満たされているに違いない。

 

「そして最後のこれはバクソ」

 

「クソ…」

 

“やめなさいね?”

 

日本で見る二郎系かと思われるような盛り方をした麺という見た目だが、違うのは鶏肉や魚の肉団子がゴロゴロ乗っていて甘口醤油の出汁といったところか。

レイネさんは酢をかけて食べるとさっぱりするとのことで試すと、ただの酢ではなくほのかに柑橘系の香りがする酢であった。大量にある肉団子と麺に少しずつ味チェンをしながら食べることができる素晴らしい一品であった。

 

「流石にこれは辛くないか」

 

「場所によっては辛くする出汁もあるよ。具がワンタンとか揚げパンとかレパートリー豊富。サンバルいりますか?」

 

「あ、大丈夫ですぅ~ええ。もー満足で。えぇ」

 

シオンさんがサンバルから席ごと動いて距離を取っていた。どうやらトラウマになりかけたようだ。あのサンバルという調味料は後で買って帰るとしよう。辛いもの好きのホロメンへのお土産にしよう。反応が楽しみである。

 

「ぷはーお腹いっぱーい」

 

「結構色々食べましたねモブさんご馳走になってしまって大丈夫ですか?」

 

あれから3人で夕食を楽しんだ後、レイネさんに心配されたが無事出張費と経費精算で問題ない旨を告げるとニコリと笑ってお礼を言われた。ちなみにシオンさんはボーッと空を眺めていた。

 

「あ、せめて空港まで見送りしますね」

 

「そうだ!モブさんこれ持ってて!!シオン今日見たい番組あったわ!!」

 

“はいはい”

 

「え?番組??」

 

吾輩にぷちぬいぐるみを押し付けてテレポートで消えていくシオンさん。レイネさんは困惑している。なんてことは無い家に帰ったのだ。そしてこのぬいぐるみはシオンさんのテレポートの目印だ。

 

「えぇ…ならいつでも来れるし帰れるのでは?」

 

“そうですな”

 

実際なにか化粧品が忘れたとかでテレポしているとかなんとか。旅行で忘れ物した時の挫折感とは無縁の娘っ子である。旅行のワクワク感だけ楽しみに来ているのだ。魔法ずるい。

 

「モブさんもテレポートで帰れるのでは?」

 

“吾輩としてはしっかり空港にもお金落としていかないと、と思っていましてね”

 

「凄い律儀!!」

 

そんなこんなで今回のインドネシアの旅は無事終わりレイネさんに見送られて旅立つのであった。さらばインドネシア。またそのうち来ることになるであろう。

 

余談だが飛行機に乗る時間にはシオンさんが戻ってきて乗り込み、またテレポで人形に入れ替わるという非常に奇妙な光景があったと追記しておく。

他の乗客の人になんでこのオジサンの隣に人形がシートベルトして設置してあるんだろうという怪訝な目で見られるので関与してないフリでふて寝する羽目になったのであった。




モブ
辛いものは程々に好き。辛味の中に旨味が感じられるものなら大抵食べれるらしい。最後にインドネシアを満喫して帰った。また近々3期生のために飛ばされるかも。

レイネ
辛い物を克服しているクジャク様。インドネシア料理辛い物が多いのは防腐効果も込みという観点から克服せざるを得なかったのではと思うと涙が出る。今回はモブ達にインドネシア料理について語った。シオンの仮テレポ帰宅はかなり衝撃を受けた。


シオン
天才魔法使い。お土産沢山買ってモブのバックにインした。入らなかったものは魔法で自宅に飛ばしてある。総じてインドネシア満喫して満足。
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