閃の軌跡Ⅲ ―偽りの仮面―   作:アルカンシェル

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28話 クロスベル州Ⅱ

 

 

「さて、何から手を付けるか」

 

 総督府から港湾区に移動し、軽い休憩をしながら《Ⅶ組》は“要請”の確認をする。

 

「ジオフロントの見回り、及び一部通路の閉鎖作業……

 ウルスラ間道に発生した“幻獣”の討伐……

 それからあくまでできれば“メカみっしぃ”の捕獲もしくは破壊か」

 

「前の二つが今日中に解決しておく“必須要請”か……今回は随分と少ないな」

 

 クロウの指摘にリィンは頷く。

 

「“要請”よりまずは街そのものを見て回っておけって事かもな」

 

「なるほど……でもそれなら時間に余裕もあることだし、演習地に残ったみんなにお土産でも買って行こうか?」

 

「あら、それは良い考えですね。ユウナさんクロスベルの名物は何でしょうか?」

 

「え……ああ、そうね」

 

 ミュゼに話を振られてユウナは考え込む。

 

「しかしメカみっしぃか……これはみっしぃ教官に報告すべきかなのだろうか?」

 

「クルト……?」

 

「今は学院に出稼ぎに来ているとは言えクロスベルのミシュラムのマスコットの座が脅かされようとしていると言うのは知らせておいた方が良いと思うのだが」

 

「それは……そうかもしれないけど……」

 

 リィンは腕を組んで唸る。

 未だに“メカみっしぃ”という存在について実感が湧かない。

 すぐ近くの記憶に何かが引っかかるようなものがある気がするのだが、思い出す事ができない。

 

「でも、どうやって探す? 宛もなく探すにはクロスベルは広すぎると思うけど」

 

 そうリィンが答えたところで子供たちの歓声が聞こえて来た。

 それに続いて機械の声がリィン達の耳に届く。

 

「それじゃあまずは両手を大きく上に伸ばしたうんどー。いち、にー、みっしー!」

 

「みっしー!」

 

 メカみっしぃの号令に子供たちは楽しそうに声を唱和して同じ動きの体操をする。

 港湾公園の中央で子供達から遠巻きにされたメカみっしぃが朝の体操をしていた。

 

「…………いたな」

 

「まじかよ」

 

 手配犯が呑気に朝の体操をしている事実にリィン達は絶句する。

 どうやら体操は始まったばかりなのか、子供たちは楽しそうにメカみっしいと同じ動きに合わせるように体操している。

 

「…………どうする?」

 

「どうするって、あの空気を壊す勇気はちょっと無いかな」

 

「それじゃあ待つか」

 

「……そうだな」

 

 意見を一致させ《Ⅶ組》はメカみっしぃの体操が終わるのを遠巻きに待つ。

 その間に周囲の様子を探ってみるが、この光景に朝の街を歩く住人たちは特に気に掛けた様子はなく、まるで普段の日常の一コマの様に扱われていた。

 

「これがクロスベルの普通なのか?」

 

「そんなわけないでしょ」

 

「うん。これは流石に……」

 

 リィンの呟きにユウナとキーアが否定する。

 

「この音楽は何処から流れているのでしょうか?」

 

「音の中心はメカみっしぃからだと思うけど」

 

 メカみっしぃの掛け声とともに流れる軽快な音楽。

 メカなのだから喋りながら音楽が流れても不思議ではないのだが、無駄に高性能である。

 

「よーし、それじゃあみんな最後に一緒に――ラブ&ピース!」

 

 くるりと回って拳を空に突きあげてポーズを決めるメカみっしぃ。

 しかし遠巻きに距離を取っている子供たちはそれに乗る事はなかった。

 

「おやおや、どうしたのかな? もう一度行くよ」

 

「はあ……あのメカみっしぃは分かってないわね」

 

「ユウナ?」

 

 深々とため息を吐くユウナにリィンは首を傾げる。

 

「みっしぃのキメゼリフは“エンジョイみっしぃ☆”なのよ! これだから何も分かってない帝国人は困るのよ……ちょっと注意して来る」

 

 肩を怒らせて歩き出したユウナを他所に、メカみっしぃは再び同じようにくるりと回って――

 

「ラブ・イズ――」

 

「エーテルバスターッ!」

 

 ちゅどんと何処からともなく撃ち込まれた野太い光線がメカみっしぃに着弾し爆発した。

 

「うおっ!?」

 

 爆風がリィン達の所まで届き、黒煙が立ち昇る。

 

「な、何!? 敵襲か!? ガキどもは無事か!?」

 

 朝の港湾区に突如として起きた惨劇にリィン達は身構える。

 

「ティオ先生、おはようございまーす!」

 

 しかしリィン達の動揺を他所に、メカみっしぃと体操しながら安全圏にいた子供たちは慣れた様子で白衣を着込んだ少女に手を振る。

 

「ええ、おはようございます」

 

 白い煙を上げる導力砲を地面に立て掛け、少女は慣れた様子で子供達と朝の挨拶を交わす。

 

「良いですか、みっしぃのキメゼリフは“エンジョイみっしぃ☆”です。偽物などに惑わされてはいけませんよ」

 

「はーいっ!」

 

 少女の注意に子供たちは元気よく返事をして解散する。

 

「ふう……」

 

 少女は今日も一仕事したと言わんばかりに額を拭い、リィン達の存在に気付く。

 

「おや、その制服はもしかして…………え……?」

 

「あはは、久しぶりティオ」

 

「お元気そうで何よりですティオさん」

 

 少女――ティオと親しいキーアとクルトは複雑な顔で再会を喜んでみせる。

 

「キーア……それにクルトさん……」

 

 さっさっとティオは恥ずかしそうに導力砲を背中に隠す。

 

「これがユウナが言っていたクロスベル……大陸の最先端か」

 

「確かに道端で当たり前の様にみっしぃショーをするのは帝国にはない文化ですね」

 

「クク、あのいきなりぶっ放したネコミミの嬢ちゃんもただものじゃねえな。流石は魔都って奴か」

 

 リィンとミュゼ、アッシュは額を付き合わせてクロスベルの感想を言い合う。

 

「そんなんじゃないからねっ!」

 

 誤解を招きかねない状況にユウナは強く否定する。

 

「おいおい、そんなことよりどうすんだよ? 俺達の仕事は一応あれの捕獲か破壊だろ? 見ろよ破片一つ残ってねえぞ」

 

 クロウはエーテルバスターの爆心地まで歩き、黒焦げた地面を眺めて頭を掻く。

 

「これでは討伐証明ができませんね……困りました」

 

「クロウとアルティナも今、気にするところはそこじゃないでしょっ!?」

 

 淡々と爆殺されたメカみっしぃの後始末を考え始めるクロウとアルティナにユウナの突っ込みは冴えわたる。

 

「ユウナさん、落ち着いて下さい……

 話しぶりからルーファス総督にメカみっしぃの捕獲もしくは破壊を依頼されたようですが、この程度では――」

 

「MIーSHIーSHIーSHIーSHIー!」

 

 ティオの言葉を遮って、奇妙な笑い声が上から降って来る。

 

「なっ……!?」

 

 驚き顔を上げたリィンが見たのは街灯の上に腕を組み、先程爆散したはずのメカみっしぃが立っていた。

 

「キミも懲りないな……

 エンジョイみっしぃなどもはや過去の遺物。みっしぃが去ったこのクロスベルに必要なのはラブ&ピース。ラブ・イズ・メカみっしぃだと何故分からない?」

 

「何度だって言います! “エンジョイみっしぃ”は不滅だと……みっしぃだってお勤めを終えれば必ず帰って来ます!」

 

 ティオは導力砲の砲口をメカみっしぃに向けて、毅然とした態度で言い返す。

 

「…………なあ何が始まっているんだ?」

 

「俺に聞かないでくれ」

 

 クロウの呟きにリィンは同じ感想を抱く。

 

「MISHISHI、ならば証明してあげよう……

 さあ! そこのお兄さん、お姉さん、御一緒にラブ&ピース! ラブ・イズ・メカみっしぃ!」

 

「ら、ラブ&ピース……?」

 

 つい釣られるようにリィンはメカみっしぃの言葉に復唱してしまうが、それはリィンだった。

 

「っ……」

 

「ちょっとリィン」

 

 エンジョイみっしぃ派のユウナは顔を恥ずかしさで伏せたリィンを半眼で睨む。

 

「リィンさん、空気を読んでください」

 

「それはないよリィン」

 

 続くアルティナとキーアの冷めた目にリィンは思わずたじろぐ。

 

「そ、そこまで言うか?」

 

「自業自得かと……あのメカみっしぃはちょっと生理的に受け付けられないですし」

 

「ミュゼもか」

 

 ミュゼのダメ出しにクルトが同意する。

 どうやらリィン以外はメカみっしぃの存在を受け入れる事はできないらしい。

 

「くっ……何でだ」

 

 仲間達から総スカンを喰らうリィンは嘆き――

 

「――取ったぜ」

 

「MISHISHI!?」

 

 アッシュが投げた鎌の鎖がメカみっしぃに巻き付き、柄を引いて街灯の上から引き下ろす。

 

「アッシュッ!?」

 

「いつまでくっちゃべねえでとっとと“要請”を終わらせようぜ」

 

 落ちたメカみっしぃにアッシュは鎖を巻き戻しながら駆け寄り、スタンハルバードを振り被り――止まった。

 

「MISHISHI――さあみんなも一緒に――ラブ&ピース! ラブ・イズ・メカみっしぃ!

 MISHISHI――さあみんなも一緒に――ラブ&ピース! ラブ・イズ・メカみっしぃ!

 MISHISHI――さあみんなも一緒に――ラブ&ピース! ラブ・イズ・メカみっしぃ!」

 

 地面に転がったメカみっしぃは壊れたラジオの様に同じセリフを繰り返す。

 もっとも転がっていたのは、柔らかそうなぬいぐるみだった。

 

「空蝉だと!? まさかこいつも!?」

 

「甘いな少年。その程度でこのメカみっしぃを捉えようとは十年早い」

 

 声を再び頭上から、しかし今度のメカみっしぃは足の裏から炎を噴射して飛んでいた。

 

「フフ、今日はこれで退こう。サラバダ、トールズ第Ⅱ分校の諸君っ!」

 

 そう言い残すとメカみっしぃが噴射する炎が勢いを増して空へと昇り――蒼い空へと消えて行った。

 

「何だったんだアレ……?」

 

「あたしにもサッパリ……」

 

「金属の体に飛行能力……もしかして《クラウ=ソラス》と――」

 

「何か?」

 

「いえ、何でもない」

 

 アルティナに睨まれてクルトは口を噤む。

 

「ふう……お見苦しいところをお見せしました。トールズ第Ⅱ分校《Ⅶ組》の皆さん」

 

 メカみっしぃの気配が遠ざかった事を確認したティオはエーテルバスターを魔導杖に戻して、一同に振り返る。

 

「ティオ・プラトー。エプスタイン財団、クロスベル支部の開発主任を務めています。どうぞよろしくお願いします」

 

 

 

 ティオ・プラトーに同行され、ジオフロントでの作業は終わり、ウルスラ間道に現れた“幻獣”を危なげなく倒す。

 

「これで今日の“要請”は終了だな」

 

 “幻獣”が消滅し切らない内に討伐証明としてリィンは《ARCUS》の写真機能でその姿を撮る。

 

「さて……」

 

 リィンが振り返るとある一人を除いだ一同は彼女を見る。

 

「…………」

 

 戦闘の前から心ここにあらずといった様子のユウナは間道の先に見える建物をじっと見つめて仲間たちの視線に気付いていない。

 

「この先は例のウルスラ医科大学の病院があるんだったか?」

 

「ああ……」

 

「なら行ってみるか」

 

「えっ!? ちょっとリィン!」

 

「周辺哨戒の範疇だ。みんな構わないな」

 

「ん……」

 

「もちろんです」

 

 リィンの確認に異を唱える者はいない。

 唯一不服そうなユウナも結局、反論せずに歩き出してしまったリィン達の後ろを重い足取りで着いて行く。

 

「…………ところでみんな、気付いているか?」

 

「もちろんだ」

 

「ああ、随分と数が多いな……」

 

「ですが、練度はそれ程高くないかと……」

 

 歩きながらした質問に四人、クルトとクロウ、アルティナが応じる。

 

「ちっ……どうやって分かんだよチートでも使ってんのか?」

 

 気配に違和感があっても具体的なものまで読み取れていなかったアッシュは舌打ちをする。

 

「あらあら、皆さん凄いですね。キーアさんもそういう気配は分かったりするんですか?」

 

「えっと……キーアはまだそこまでちゃんと分からないかな?」

 

「くっ……人外共が」

 

 キーアに負けている事にアッシュは悔しそうに二度目の舌打ちをする。

 

「それで、どうしますか? 病院に着く前にこちらから打って出ますか?」

 

「いや、ミハイル教官からは襲ってこない限り泳がせておいて良いと指示されている。警戒しつつ進もう」

 

「……みんな、ごめんね。キーアのせいで」

 

「キーアが謝る事じゃないよ」

 

 申し訳なさそうに俯くキーアにリィンは首を横に振る。

 

「こうなることを見越してセドリック皇太子たちは君を《第Ⅱ》に送り込んだんだろ? ならこれは“特別演習”の範疇だ」

 

 キーアの存在が“クロスベル解放戦線”にとってどういう存在なのか確かめる。

 それがキーアが《第Ⅱ》に留学させて、特務活動としてクロスベル各地を歩き回らせた理由でもある。

 要するに帝国政府は“クロスベル解放戦線”を釣り出すための釣り針としてキーアを利用しようとしている事になる。

 

「そう言う事だ。どうせやることは変わらねえし、気にすんなって」

 

「…………うん」

 

 リィンとクロウの言葉に納得できないものの、キーアは頷いて気を取り直す。

 

「…………リィンさん、先程練度は高くないと言いましたが」

 

「ああ、分かってる」

 

 アルティナの進言にリィンは頷く。

 

「いるな……シャーリィ・オルランド達のように格上の実力者が……」

 

 感じる気配に紛れるように息を顰める存在がいることにリィンは緊張を感じながら太刀を握る手に力を込めた。

 

 

 

 

 

 清潔な部屋に二つのベッドが並んでいる。

 

「ただいま、久しぶり……ケン、ナナ」

 

 そこに静かに眠る双子にユウナは優しい姉としての言葉を掛ける。

 しかし、その言葉に双子は答えない。

 ただ静かな寝息だけが、病室に響く。

 

「二人とも……髪、伸びたね……」

 

 優しい手付きでユウナは二人の髪を撫で、痩せこけた頬を撫でる。

 一年ほど前、クロスベル戦役と呼ばれる、帝国がクロスベルを占領した後に起きた共和国から始まった戦争。

 その戦闘に巻き込まれた日から、目の前の双子は目を覚ましたことはない。

 頭部を負傷した事による原因不明の昏睡。

 体の傷は完治したのに未だに目を覚ましてくれない弟妹二人。

 

「ケン、ナナ……わたしね……」

 

 何かを言いかけてユウナは沈黙する。

 トールズ第Ⅱ分校に進学する前に見舞いに来た時とほとんど変わらない二人に、もう一年も二人の声を聞いていない事実をユウナは改めて思い出す。

 ユウナにとって弟妹は帝国と共和国の戦争のまだ癒えぬ傷。

 帝国と共和国を憎む理由。

 だが、この病室を手配して入院費の大半を賄ってくれているのはユウナが憎む帝国人。

 

「わたしはどうすれば良いんだろ……?」

 

 物言わぬ弟妹にユウナは語り掛けるように独り言を呟く。

 家族を傷付けたのは帝国人なら、あの煉獄の様な光景から自分達を救ってくれたのも帝国人。

 帝国政府のせいで父は職を失ったが、父に再就職先を与えてくれて、自分にもミラを稼ぐ手段を教えてくれたのも帝国人。

 

「…………ルーファスさんは凄いんだよ……あの人の言う通りにすれば……わたしが考えることよりずっとずっといい結果になる」

 

 弟妹が目覚めない点を除いてクロフォード家は無事に立て直した。

 ミラにも余裕ができ、士官学院をこのまま卒業できれば諦めかけた警察官になることも挑戦できる。

 

「何もかもいい事なのに……たくさん感謝しているけど……わたしは帝国人が――ルーファスさんが怖いよ」

 

 出来得る限りの全てを叶えてくれるまるで御伽噺の魔法使いの貴公子。

 

 ――自分の選択など全て彼に委ねてしまえば良い――

 

 そんな甘美な誘惑を囁いている自分がいることにユウナがこれまでずっと悩んでいる。

 

 ――クロスベルは全てを帝国に委ねてしまった方が良いのではないか――

 

 そんな事を考えてしまう自分が嫌になる。

 憧れた特務支援課が、自分が知っている多くの人たちが正しい独立を目指して頑張っているのに、自分はそれに反した考えを持ってしまっている。

 

「わたし……最低だ……」

 

 帝国人を嫌って突き放すのは絆されている自分を隠すため。

 そうしなければルーファスという完璧という沼に浸かり、堕落してしまいそうな気がしたから。

 だがその八つ当たりじみた自己防衛の攻撃を向けられた者は堪ったものではないだろう。

 それが分かっていても、ユウナは今の曖昧な自分を決められないでいた。

 

「失礼します。点滴の時間です」

 

「あっ――はい」

 

 泣き出してしまいそうな目元を拭いユウナは空元気を振る舞って振り返り――

 

「あれ? セシルさんじゃないんですね」

 

「ええ、彼女は今日非番なんです」

 

 看護師の女性は人当たりの良い笑みを浮かべてユウナの疑問に答える。

 

「そうですか……」

 

 何故だろうか。ユウナはその笑みに妙な胸騒ぎを感じてしまう。

 だが根拠のない印象を勘違いだと判断して呑み込む。

 

「それじゃあ私はこの辺で失礼します……二人の事、よろしくお願いします」

 

「はい……もちろんです」

 

 朗らかに受け答えしてくれる看護師の女性にユウナは弟妹達の事を任せて病室を退出しようとして、それを見た。

 

 ――あれ? 点滴って《蒼い溶液》だったっけ?

 

 そんな疑問を考えながら、ユウナは仲間たちが待っているロビーに向かって歩き出す。

 彼らの前に出るまでに、ユウナは帝国嫌いのユウナの仮面を被り直した。

 

 

 

 

 

 

 







 ユウナの心情解説
 ここでのユウナの心情はルーファスへの依存が手遅れ一歩手前くらいになっています。
 戦場でルーファスに助けられ、重傷を負った弟妹の治療、入院の手配。父の失業の保証。
 もちろんクロフォード家だけではなく、同様の被害を受けたクロスベル市民に対してルーファスは私財を使って助けてくれました。

 ユウナが呆然として時を過ごしている間も、クロフォード家の行く先について頭を悩ませた時も。
 ルーファスはユウナが頭を悩ませて出した答え以上の答えをユウナに与えてくれました。

 ここでユウナの前には二つの道ができます。
 クロスベルの独立を目指して苦しむ道と帝国(ルーファス)に選択を委ね、最良の答えをもらう恭順の道。
 自分が何かをするよりも、ルーファスに任せてその通りにする方がずっといい結果になるという事に気付いたと言う事です。

 ユウナの根幹にあるのはクロスベル魂の前者ですが、だからこそ全てを帝国に委ねる楽な道が見えてしまう事は甘美な毒となってユウナを堕落させようとします。
 ユウナが過剰に帝国人に攻撃的になるのはそれ以上絆されるのを拒むためですね。
 つまりは《空》のオーリオールがルーファスで、ユウナは《最良の答え》という楽な道に揺れていると言う事になります。



 うまく表現ができていたか分かりませんし、この表現で伝わるかは分かりませんがそういう方向性だと考えていただけたら幸いです。


 ルーファスがもたらす《完璧な答え》とそれに対するユウナの葛藤がテーマにできたらと考えています。




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