閃の軌跡Ⅲ ―偽りの仮面―   作:アルカンシェル

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69話 ラマール戦線Ⅱ

 

 

 

 

 

 

「いいから早くワシを助けに来ないか! ワシは次期カイエン公爵なのだぞ!」

 

 デアフリンガー号にバラッド侯爵の怒声が響き渡る。

 起きたばかりと言わんばかりの姿で導力モニターの画面からバラッドはウォレスに怒鳴る。

 

「ええ、分かっています。今、全力を持って要塞の立て直しを――」

 

「そんな悠長に待っている暇などない!」

 

 ウォレスの言葉を遮ってバラッドは狼狽する。

 

「あの人はワシを殺すつもりなのだ……そうだ、そうに違いない」

 

 彼の中ではクロワールが次期カイエン公爵である自分を妬み決起したのだという妄想に怯える。

 

「とにかくすぐに全軍でワシを助けに来い! 

 そ、そうだ……魔煌機兵を全て奪還するのだぞ!」

 

 助けを求めながら、そこにバラッドは要求を増やす。

 

「いいか、無傷でだぞ!? 元手が掛かっているのだからな!」

 

「今の状況を判っていないのですか!?

 陸橋は崩され、海上要塞は孤立させられている……

 海上船も飛行船にも細工の形跡があり、部隊の運用もままならない。全軍など――」

 

「それをどうにかするのが地方軍を纏める貴公の仕事であろう!?」

 

 ウォレスの言葉を聞かずにバラッドは捲し立てる。

 

「はっ!? そうだ! 帝国政府もこれを機に次期カイエン公になるワシを排除するつもりなのかもしれぬ!

 ええいっ! とにかく急ぐのだウォレス准将! あ――」

 

「いたぞ! バラッド侯爵だ!」

 

「く、来るなっ! ワシを誰だと思っている! ワシは……ワシはっ!」

 

 通信の向こう側が慌ただしくなり、そのまま画面は途切れた。

 静寂が戻ったブリーフィングルームに最初に音をもらしたのはレクターだった。

 

「なんつうか……流石に同情するぜ」

 

 統合地方軍と情報局。

 普段はその性質から何かと対立する間柄だが、流石のレクターも今のウォレスに皮肉を言う気にはなれなかった。

 

「ヴィルヘルム・バラッド……

 クロワール・ド・カイエンの叔父にあたる人物であり、帝国の内戦では運良く機動要塞から生還……

 その後、帝国政府と取引をしてラマール州の暫定統括者として就任させたんだが……それは半分は傀儡にすることを狙ってたんだけどな」

 

 バラッドの来歴を口上で並べたレクターはここまで凡庸だったとは想定外だとため息を吐く。

 

「一応、弁明するが正規軍はこれを機にバラッド侯爵を排除しようとしていることはないぞ?」

 

「分かっている……」

 

 レクターの言葉にウォレスはため息を吐きながら顔を上げる。

 

「しかし、要塞から陸地に移送できた部隊は……」

 

「先程の報告のままの進行ならば第一と第二部隊だけだ……

 海上艇と飛空艇にも細工を施されていたせいもあって、作業は遅々と進んでいないそうだ」

 

 それでも安全が確認された飛行艇で人員と装備を優先して陸地に移送して直ぐに動けるのが十二部隊中の二隊。

 

「だからって、バラッド侯爵に言われるがままオルディスに突っ込んだって勝ち目は低いぜ?

 あの四機のでかい魔煌機兵。おそらくゴライアスの新型機なんだろうが明らかに攻撃面の方向に強化されてるぜ」

 

「だがバラッド侯爵の言はともかく、オルディスの民衆の事を思えば行かないわけにはいくまい」

 

 急ごしらえの装備と部隊でどれだけやれるかは分からない。

 しかし、このまま何もせずに黙って見過ごす事も出来ない。

 

「アランドール特務、帝国正規軍の状況は?」

 

「今、帝都で部隊を編成しているが……

 ついさっき《紅き翼》と《黒き翼》がこちらに向けて発進した……

 《紅き翼》にはセドリック皇子が、《黒き翼》には……鉄血の騎士たちが乗っている。だが到着まであと数時間は掛かるだろうな」

 

「そうか……ならば何の憂いもなく後を任せられるな」

 

「おいおい、せめて皇子様の到着を待った方が良いじゃないか?」

 

「いや、オルディスにはバラッド侯爵以外にも領邦会議のために各地の大貴族が集まっている……

 元カイエン公が暴挙に出る前に救出に動かなければならない事も事実であり、帝国政府に対しても目に見えた“贄”が必要だろう?」

 

 ウォレスの言葉にレクターやミハイル達は押し黙る。

 

「ハーシェル教官、各員に通達してくれ……

 第一、第二部隊は俺と共に先駆けとしてオルディスへ進行する」

 

 後の事はお前に任せると、同席していた地方軍将校に告げると、ウォレスはミハイルに改めて向き直る。

 

「先に謝っておこう。アームブラストとティルフィングの無事は保証できない」

 

「っ――」

 

「…………致し方ないでしょう。シュバルツァーには私から説明しておきます」

 

 ウォレスの言葉にミハイルが言えたのはそれだけだった。

 トワもまたただ聞いているしかできない立場に不安を隠せずにいた。

 

「クロウ君……どうか無事でいて」

 

 

 

 

 

 

「会議、長引いているみたいですね」

 

 開放状態にしてある通信にミュゼの呟きが響く。

 

「気になるのか?」

 

 リィンはデアフリンガー号の端末室からその言葉に返事をする。

 

「ええ……」

 

「さっきウォレス准将がバラッド侯爵からの通信を受け取っていたよ……

 さっさと助けに来いって、好き勝手に言っていた」

 

 通信を仲介したリィンは端的にその時の内容を伝える。

 ミュゼ達《Ⅶ組》の三人と戦術科の生徒達は機甲兵に搭乗した状態で、いつでも動けるように待機を命じられている。

 

「…………その姿が目に浮かびますね」

 

「バラッド侯爵はミュゼの知り合いなのか?」

 

「え……ええ、ラマール州の貴族同士ですから」

 

 思わず漏らしてしまった失言をミュゼは誤魔化す。

 

「ったく、いつまでこうしているんだかな」

 

 ミュゼの会話を皮切りに今度はアッシュが愚痴を漏らす。

 

「クロスベルの時とは違うんだ。もう俺達はリーヴスに帰っても良いんじゃないか?」

 

 やる気のないアッシュの言葉に対して異論を挟む生徒はいない。

 状況は先月のクロスベルで起きた再独立運動のテロリストと似ているが、あの時の様に逼迫した事情があるわけではない。

 クロワールという前回の内戦の首謀者と鉄血宰相ギリアス・オズボーンの戦争の続き、いやこの場合は彼らにとっては初めての戦争。

 政治的な関係者が少ない《第Ⅱ》の生徒達にとって、命を張らなければいけない戦いなのか疑問が生じてしまう。

 

「なあリィン……」

 

「何だスターク?」

 

 話を変えるようにスタークがリィンに話しかける。

 

「クロウにい――クロウは無事なのかな?」

 

「それは……」

 

 年上とは言え同じクラスの仲間の安否を気遣うスタークの言葉は通信の会話内だけでも意識が集中するのが分かる。

 

「そうですね……映像を見る限りオルディーネは頭部と両腕を肩からもぎ取られていて、“核”も露出しています……

 騎神の操縦席は位相をずらした亜空間内にありますけど、騎神の損傷は起動者と共有されているシステムだからクロウ先輩はもう……」

 

 言葉を濁したティータの分析に生徒達の会話に重い空気が流れる。

 それにため息を吐いてリィンは口を開いた。

 

「おそらくクロウはまだ死んでいないと思う」

 

「へえ……何でそう思うんだ?」

 

 アッシュに促されるままにリィンは前置きをしてから続ける。

 

「俺も専門家じゃないからはっきりとは言えないが……

 騎神と起動者は、起動者が使うから、上だと思われがちだが実際は逆なんだ」

 

「起動者の方が下……ですか?」

 

「ああ、騎神の本質は戦闘用じゃない……

 騎神の存在を世界に維持しておくことが……人間にとって重要なんだ……

 あれだけの損傷……本来なら騎神は起動者を喰って機体の維持を最優先にしているはず」

 

 導力ネットにリアルタイムで晒し物にされているオルディーネはオルディスの広場で沈黙を保っている。

 

「黄昏を目前にしている今、クロウを生かしているのは他に起動者の候補がいないからなのか……それとも帝国の“呪い”がクロウを生かしているのか……」

 

 考察をしても、映像越しで判断できることは少ない。

 

「“呪い”……? それがクロウ兄ちゃんを生かし続けているのか?」

 

「時々耳にするよなその“呪い”って……いったい何なんだ?」

 

「…………君たちが関わる事じゃない」

 

 失言に気付いたリィンは壁を作るようにその話題を打ち切る。

 

「オルディーネよりもティルフィングを映して欲しいけどな」

 

「リィン君、それは流石にちょっと不謹慎じゃない?」

 

 強引な話題の転換、リィンのぼやきをユウナが注意する。

 もっともそれを強く咎める者は生徒達の中にはいない。

 奪われた《ティルフィング》はリィンの専用機。

 その整備を手伝っていたのは生徒達も同じであり、そこにはオルディーネと同じように少なくない愛着もある。

 

「でも二人とも、随分と冷静よね?」

 

「そうだよな。リィンとアルティナの事だから、状況が落ち着いたらオルディスに突撃すると思っていたのに」

 

「…………そんな事はしないさ」

 

「…………ええ、待機命令が出されていますので」

 

 デアフリンガー号の食堂に運び込まれた仮設端末室にはリィンとアルティナ、それから主計科の生徒達が詰めている。

 《ティルフィング》がないリィンと元々専用機がないアルティナはそこで待機を命じられている。

 クルトは寝室に閉じ込められているが、リィンとアルティナも彼と同じように暴走しないように生徒に見張られている事は察している。

 だからこそ、リィンは食堂車で大人しくしていた。

 だからこそ、リィンは人目を忍んで貨物コンテナの影に隠れていた。

 

「……良し、行くか」

 

 分け身に話をさせながらリィンは隠密を開始する。

 教官達の懸念は正しい。

 アルティナの無事を確認できたリィンは憂いなく、ティルフィング奪還のために単独行動に走る。

 せわしなく動いている統合軍人たちや同級生たちの目を盗み、リィンは陣地の外を目指す。

 

「何処に行くつもりですか?」

 

 あと少しで誰にも見つからずに陣地を抜けられた所で、頭上から声が降って来た。

 

「アルティナ!? どうして分け身の隣にいるはずなのに!?」

 

 最優先で警戒していたアルティナは《クラウ=ソラス》から降りてリィンの前に立つ。

 

「《フラガラッハ》をわたしに擬態させて置いておきました……

 どうやらリィンの《観の目》は誤魔化せたようですね」

 

 淡々と、それでいてどこか自慢げに戦術殻を利用した分け身の成功にアルティナは胸を張る。

 

「アルティナ……」

 

「ティルフィングを強奪されたのはわたしにも責任があります」

 

「アルティナ、さっきも言っただろ。ティルフィングが奪われたのは君のせいじゃないって」

 

「だとしてもこのまま元カイエン公がティルフィングを乗り回している事を見過ごすわけにはいきません」

 

「だからって、ここでミハイル教官の命令を無視すれば退学じゃ済まないだろ」

 

「それはリィンも同じはずでは?」

 

「俺は帝国政府からティルフィングの管理を一任されている。つまり学院の命令よりもそれを優先しても問題はない」

 

「屁理屈ではないでしょうか?」

 

「良いから――」

 

「そこに誰かいるのか?」

 

 小声で言い合っていたその気配を察して軍人が近付いて来る。

 二人は咄嗟に口を塞ぎ、体を寄せて物陰に隠れる。

 

「むっ……」

 

 しかし軍人は油断せず、慎重な足取りで二人が隠れた物陰に近付いてくる。

 

「やるしかないか……」

 

「ん……」

 

 リィンの呟きにアルティナは短く頷く。

 そして――

 

「どうかしましたか?」

 

 二人が飛び出そうとした瞬間、二人の前を横切って軍人たちの前にクレアは進み出た。

 

「クレア少佐でしたか、こちらで何を?」

 

「憲兵隊との連絡を……一応秘匿回線での報告でしたので」

 

「そうでしたか。ですが昨日の今日なので不審な行動はできるだけ慎んでもらいたい」

 

「ええ、分かっています。お仕事御苦労様です」

 

 クレアは当たり障りのない言葉で軍人と受け答えして、見送ると振り返った。

 

「もう良いですよ。二人とも」

 

 その言葉にリィンは顔をしかめながら、言葉を返す。

 

「何のつもりですか、クレア少佐?」

 

「答える前に移動しましょう。ここで話しては目立ってしまいますから」

 

 そう答えるとクレアは街道の方へと歩き出した。

 リィンとアルティナは顔を見合わせながら、その後に続いて陣地を抜けた。

 

 

 

 

 

「オルディスに行くつもりですか?」

 

 街道に駐車された軍用の導力車を前にクレアが切り出す。

 

「その前にクレア少佐は何故こちらに? 貴女は憲兵隊から招集を受けていたはずでは?」

 

「ええ、そのために今は貴重な導力車を一台借り受けました」

 

「なら、早く憲兵隊に合流したら良いんじゃないですか?」

 

 リィンは素っ気ない言葉でクレアを突き放す。

 

「……そうですね」

 

 その言葉にクレアは頷く。

 たまたま事件の現場に居合わせただけでクレアはあそこでは専用機のためのテストパイロットの一人でしかなかった。

 今の作戦行動も統合地方軍が動いているところに自分の居場所がなければ、できることもない。

 早急に憲兵隊か帝国正規軍に合流してクレアがその能力を発揮できる部隊に参加する事がクレア・リーヴェルトがすべき事である。

 

「ただ私の計算では、リィン君とアルティナちゃんが命令を無視してオルディスに向かうと予測を立てましたから」

 

「止めるつもりですか? クレア少佐には俺に命令権はないでしょ? それともミハイル教官に報告すると言うのなら――」

 

 リィンは太刀の鯉口を切って凄む。

 アルティナもそれに倣って《クラウ=ソラス》を展開する。

 

「二人の邪魔をするつもりはありません。むしろ二人が良ければこの車でオルディスまで送っても構いません」

 

「クレア少佐……それは命令違反では?」

 

 クレアの口から出て来た意外な提案にアルティナは思わず聞き返す。

 

「ええ……そう……なりますね」

 

 命令違反をする後ろめたさを感じているのか、クレアは俯いたまま話を続ける。

 

「リィン君にはブリオニア島で迷惑を掛けたままですから、これくらいの報いはしないといけないと思って……」

 

「…………教官たちに報告しないだけで十分なんですが」

 

 リィンはとりあえず突き出されないと分かって構えを解く。

 

「いくら貴方でも一人でティルフィングを奪還するのは無謀なのではありませんか?」

 

「ティルフィングの事もありますが、急いで確認したい事が一つあるんです」

 

 映像越しに見た四体の《アスモダイン》に覚えた違和感。

 

「もしもこの懸念が当たっていたら、とんでもない事になるでしょう……

 一応対策はティータに任せてあるけど……他の人達は、むしろ邪魔になる。特にアルティナは」

 

「むっ……」

 

 リィンの物言いにアルティナは顔をしかめて無言の抗議をする。

 

「それ程の事ですか……

 ならば私も命令違反をする価値はあるかもしれませんね」

 

「クレア少佐……」

 

「わたしも同行します。認めてくれないのならば今からでもミハイル教官に通報します」

 

「アルティナ……」

 

 アルティナは《ARCUS》を片手に脅迫する。

 その姿にリィンはため息を吐いて折れた。

 

「分かった。ここで話していても仕方ない……

 ただしアルティナ、君はこれを持っていてくれ」

 

 そう言ってリィンは懐から取り出した黒いオーブメントをアルティナに渡す。

 

「…………これはアルバ教授から受け取っていたオーブメントですね。これに何の意味が?」

 

「ただの御守りだ」

 

 首を傾げるアルティナにリィンは杞憂で終わって欲しいと短く答える。

 

「どうやら話は纏まったようだな?」

 

 不意に三人の会話の中に男の声が響く。

 

「ミストルテイン、偽装解除」

 

 空間が揺らぐとそこには新たに三人の男女が現れる。

 声の主であるゼファー・イーグレット。そして紫の戦術殻を従えたシオン・オライオン。

 そして――

 

「ダーナさん」

 

 蒼の戦闘衣に身を包んだダーナ・イーグレットにリィンは驚きの声を上げる。

 

「貴方もオルディスに?」

 

「うん、お祖父様とお婆様が心配だから。ごめんね、勝手な理由で」

 

「いいえ、ダーナさんが一緒なら心強いです」

 

 申し訳なさそうに苦笑いを浮かべるダーナにリィンはとんでもないと首を横に振る。

 

「じー」

 

 自分の時とは違う反応にアルティナはリィンに抗議の視線を送る。

 

「あ、アルティナ……?」

 

「いえ、何でもありません」

 

 狼狽えるリィンにアルティナは短く答えると、ダーナとリィンを見る。

 ダーナの蒼い露出の激しい戦闘衣とリィンを見て、口を開いた。

 

「やはりリィンは不埒な人のようですね」

 

「だから人聞きの悪い事を言わないでくれっ!」

 

 

 

 

 

 

「ふっ……どうやら海上要塞の残りものが先駆けとして来たか」

 

 街道を走行する戦車や機甲兵を城壁から見下ろしてクロワールはほくそ笑み。

 

「良いだろう! 奴が来る前哨戦として我がアスモダインの力を存分に見せてやろう!」

 

 クロワールは《ARCUS》に向けて叫ぶ。

 

「ゴスペルを駆動せよ!」

 

『ゴスペル駆動開始します』

 

 クロワールの号令に四つの声が復唱を返す。

 アスモダインからそれぞれ四つの黒い光が波紋のように広がり、早朝のオルディスのオーブメントが次々に停止していく。

 そしてそれはオルディスに向かって来る軍隊も同じだった。

 黒い光が吹き抜けると、戦車も装甲車も、機甲兵も唐突に速度を緩めて、足を止めて無防備な姿をさらす。

 その一方でアスモダインの胸には七耀の光が集束し、一際眩い光を溢れさせる。

 

「――――薙ぎ払えっ!――――」

 

 四体のアスモダインの胸の砲門から野太い光の一閃が放たれる。

 その一撃は大地を溶かし、木々を焼き払い、風を狂わせて統合軍に降り注ぎ、クロワールの言葉の通り薙ぎ払った。

 

「ククク…………ハハハハ!」

 

 目の前に広がる破壊の光景にクロワールは堪え切らない笑いを上げる。

 

「圧倒的ではないか! 勝てる! これなら勝てるぞ! アハハハハハハッ!」

 

 クロワールの哄笑はオルディスの空に響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

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