ガラルの頂点を目指して   作:笛とホラ吹き

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レイドバトル(1人)


2:マックスレイドバトル

 ダイマックスバンドにウーラオスを収めていたボールを触れさせ、ガラル粒子を注入。ダイマックスの力を注ぎ込んだボールに一度ウーラオスを戻してから再び解放。『ウーラオス キョダイマックスのすがた』が巣穴に姿を表した。

 

 ダイマックス。それはガラル地方のポケモンのみに確認されている特別な現象。高名なポケモン学者であるマグノリア博士によって発見された赤い素粒子『ガラル粒子』によって引き起こされている現象であり、これが起こったポケモンは元の体長から10数倍程へ超巨大化するという極めて特殊な現象である。

 マクロコスモス社による研究の結果、ねがいぼしと呼ばれる特殊な鉱物の特性を用いることで人為的にダイマックスを引き起こせると判明。今ではこのねがいぼしの加工品である『ダイマックスバンド』は推薦状と並んで、ジムチャレンジにおける前提の物となっている。逆に言うなら、ダイマックスバンドを持っていることそれ自体が、「その者はジムチャレンジに参加するに相応しい実力を持っている」ということの証明になるのだ。

 

「……コイツのダイマックスは特別製だけどな!」

「ラアァァッ!」

 

 ポケモンの中には数少ないが、ダイマックスすることでかの『メガシンカ』のように姿を変える個体がいる。通常の『しんか』とは違いダイマックスを終えれば元に戻るため、『しんか』として扱われることはないその現象。そんな特殊なダイマックスは『キョダイマックス』と呼ばれ区別される。ウーラオスもそんな、キョダイマックスができるポケモンの1匹であった。

 

「やったれ……キョダイイチゲキ!」

「ウウゥ……ラァ!」

「ぶるうううぅん!」

「攻める暇を与えるな、畳み掛けろ!」

 

 ダイマックスしたポケモンの技は、『ダイマックスわざ』と呼ばれてどれも同じようなものになってしまうものだが。キョダイマックスしたポケモンの技は特別であった。

『あんこくきょうだ』から変化したウーラオスのキョダイマックス技は、その名を『キョダイイチゲキ』といい、元となったあんこくきょうだから大きく様変わりしている。

 

 暗黒のエネルギーはより赤みを帯び、突き出す拳がビームのように対照を目掛けて伸びていく。拳はブルンゲルの顔面を捉え、ダイマックスした巨体を地面に叩き伏せた。ブルンゲルの情けない声が巣穴中に響き渡り、その声量で空間が揺れる。

 

「ぶるううぅ!」

「バリアーを張ってきたか……だが!ゴーストタイプのお前はウーラオスの敵じゃねえ!もう一度やっちまえウーラオス!キョダイイチゲキ!」

 

 ポケモンには、全18のタイプからなる相性が存在する。どのポケモンも18のタイプの内一つを自身のタイプとして持っており、中にはそれとは別に第二タイプを持つものもある。この本人が持つ最大二つのタイプと繰り出す技が持つタイプにより、ポケモンの相性というものは決まっていく。

 

 ウーラオスは『かくとう・あく』タイプ。

 ブルンゲルは『みず・ゴースト』タイプ。

 

 ゴーストタイプはかくとうタイプの技を無力化することができるが、あくタイプの技でより大きなダメージを受けてしまうのだ。

 

 再び、暗黒の力を纏った正拳突きがブルンゲルを襲う。ブルンゲルはウーラオスを脅威と認め、その攻撃から身を守るべくバリアーを張った。巣穴にいる野生ポケモンは、巣穴に溜まる無尽蔵なガラル粒子を活用して様々なことをしてくる。あらゆる攻撃から身を守るこの堅牢なバリアーもその活用法の一つ、なのだが……

 

「ウラァ!」

「ぶるぅん!?」

 

 ウーラオスの一撃を前にして、バリアーなどあまりにも儚い小細工であった。幾重にも重ねられた障壁はガラス板のように簡単に砕け散り、ブルンゲルに再び拳の味を思い知らせる。水を包んだビニール袋のような弾力のある身体に拳がめり込み、哀れブルンゲルは地面と拳によって作られたサンドイッチの具材となってしまったのだった。

 ブルンゲル、戦闘不能。ダイマックスを維持していたガラル粒子が身体から抜け落ち、少しずつブルンゲルは萎んでいく。チカはその小さくなっていく身体を見失う前に、モンスターボールをセット。ブルンゲル目掛けて投げつける。

 

 カチッ……ドッ、ドッ……カチンッ!

 

「よっし……ブルンゲル、捕獲完了!」

「ウラァ!」

 

 ボールの揺れが収まり、ダイマックスポケモンを捕らえるべく巨大化していたボールは元の大きさに戻っていく。ボールに入ったブルンゲルをポケモン図鑑で登録すれば仕上げも終わり。晴れてブルンゲルはチカの手持ちとして、共に旅する仲間となった。

 

「これからよろしくな、ブルンゲル」

 

 モンスターボールをしまい、ウーラオスの背中におぶさって巣穴から脱出する。巣穴に入る前から既に日は暮れかけていたが、今ではすっかりお月様が天高く登っていた。

 夜も遅い時間になっていることが分かり、チカは心底面倒臭そうに空を見上げる。もうエンジンシティまでは目と鼻の先の距離だが、今頃街に入ったところでホテルはどこも埋まっているだろう。自分と同じジムチャレンジの参加者達で。

 

 しかし、ホテルが取れないことが分かりきっていてもどこかで寝泊まりする必要はある。開会式は明日なのだから。野宿になった時用にしっかりテントを持たせてくれたマスタードに、チカは心の底から感謝を捧げた。それはもう、門下生として修行をつけてもらっていた時よりも激しく。

 

「しょうがない……野宿だな!」

「うら……」

 

 野宿にすると決めたとはいえ、野生ポケモンばかりで危険なワイルドエリアで一夜を明かす訳にはいかない。チカは自転車を快速で飛ばしてエンジンシティの門まで辿り着き、町の中で適当な場所にテントを立てて眠るのだった。

 

「ふふ……遂に明日か」




キャラクター紹介#2
名前:ウーラオス
性別:♂
おや:チカ
性格:いじっぱり あばれるのがすき
覚えている技:インファイト カウンター
       あんこくきょうだ かみなりパンチ
紹介:チカの相棒として共に旅するポケモン。しんかする前は、共にマスター道場で修行する仲間であった。かつて夢見た舞台で頂点に立つべく、日々腕を磨いている。
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