ガラルの頂点を目指して   作:笛とホラ吹き

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剣盾のルンパッパはアクアブレイクを覚えません。


6:VSヤロー

 スタジアムの屋根が割れて露わになった晴天は、ルンパッパが呼び寄せた雨雲によってその色を黒へと変えていく。ウインディがその隙におにびを当ててルンパッパを『やけど』させるのだが、彼はあまごいを止めようとしない。最初はポツポツと小さい雨粒だけだったのが、土砂降りになってきた。

 

「おにびを食らったのは痛いけど……ウインディじゃあこの雨の中戦うのは辛いでしょ!容赦なくいかせてもらうよ、アクアブレイク!」

「躱せウインディ!ほのおタイプを対策してることなんて知ってましたけどね……ルンパッパ相手ならコイツです!行け、ブルンゲル!」

「ほう……だが、ルンパッパはくさ・みずタイプ!ブルンゲルには不利な相手ですよ!」

「それは……コイツを見てから言ってください!」

 

 雨の中ではほのおタイプの技の威力が半減し、更にルンパッパの特性『すいすい』が発動してウインディでは手も足も出せなくなる。おにびを当ててやけどさせたことで、ルンパッパの物理技の威力が半減していることが幸いだが……それでもウインディの不利には変わりない。

 チカは当初の予定を変更し、今回はくさタイプに不利故に出す予定のなかったブルンゲルを繰り出した。ウインディを倒そうと繰り出されたアクアブレイクを特性『ちょすい』によって吸収し、万全の状態でルンパッパと対峙する。

 

「ぶるぅん……!」

「るんぱぁ……!」

「挑戦するにあたって、ヤローさんの戦い方は下調べを済ませてきました。最初に出すのはほのおタイプを対策するルンパッパだってことも、特性を活かすために初手は必ずあまごいでくることも、コイツが物理技主体でやけどに弱いことも……全部、しっかりと調べてきてるんですよ!」

「成程……だからみずタイプを併せ持つルンパッパを見ても、ウインディをすぐに引っ込めずに突っ込ませたんですね。しっかりと下調べを済ませてきているのは感心です。ですが……それはこの勝負の結果とは無関係ですよ!タネばくだん!」

 

『ルンパッパの技が直撃!だが、チャレンジャーチカのブルンゲル、動じていないぞ!強い!』

 

「こっちだって、そんな簡単に倒れる程ヤワな鍛え方はしてませんよ!じこさいせい!」

「うわっ……!?これ面倒なやつ!」

 

 くさタイプの技はブルンゲルに効果抜群、やけどで威力が半減しているとはいえ大きなダメージを貰うことに変わりはない。だがしかし、ブルンゲルは回復技『じこさいせい』により受けたダメージを瞬時に回復することができる。

 じわり、じわり。ルンパッパの猛攻撃を耐え忍びながら、奴のやけどダメージが限界に達するのを待ち続ける。

 

「なら、これはどうかな!?はたきおとす!」

「持ち物なんて持たせてませんよ!ジムチャレンジじゃあルール違反ですからね!」

 

 タネばくだんでは埒があかないと考え、ヤローは新たな技を指示する。はたきおとすはあくタイプの技故に、ゴーストタイプを持つブルンゲルにはやはり効果抜群。浮いているブルンゲルを地面に叩きつけることで更なるダメージも狙ったが、それでも体力を削り切ることは叶わなかったようであった。

 力を出し尽くしたルンパッパが倒れ、審判が戦闘不能を宣言する。開幕戦はブルンゲルとウインディのコンビの勝利に終わった。

 

「ルンパッパ、戦闘不能!ブルンゲルの勝ち!」

 

『先制したのはチャレンジャーチカだ!相性の不利をものともせず、ルンパッパの猛攻を見事!耐え切ってみせたぞぉ!』

 

「お見事、素晴らしい粘りでした!だけどまだまだこれからです!頼みましたよ、ワタシラガ!」

「ブルンゲル、そのまま頼むぞ!」

「ぶるうぅん!!」

「わたぁ!」

 

 ワタシラガが頭を震わせ、綿毛がフィールド中に広げていく。この綿毛に触れた者は、足を取られて動きを制限されてしまう。ただでさえ相性不利な状況を作られているのに、ブルンゲルではもう手も足も出せないだろう。

 空中に舞い散る綿毛を器用に避けながら、ブルンゲルはワタシラガに向けて接近する。ねっとうの射程距離に収まるとすかさず発射するが、その一撃は効果今一つ。これでは雀の涙にもならない。

 

「まだだ……まだ、足掻けよブルンゲル!」

「みずタイプのポケモンでよく粘りました!ですがその足掻きもお終いです!エナジーボール!」

「……!今だ!みちずれ!」

「何ですとぉ!?」

 

 みちずれ、それはゴーストタイプのポケモンが覚える技の一つ。自身が戦闘不能になるとき、その相手も同じく戦闘不能にしてしまうのだ。

 ルンパッパとの戦いで満身創痍になっていたブルンゲルに、最早相性の不利を覆すだけの底力は残っていなかった。だからチカは悪足掻きをするフリをさせて、トドメの一撃を誘ったのだ。ブルンゲルの最後の一仕事が、必ず成功するように。

 

「ゴーストタイプを相手にしてるんです、警戒しておくべきでしたね!これであと3匹!」

「うーん……油断大敵ですね!ですが、まだまだ折り返し地点!油断大敵は君もですよ!お願いしますキレイハナ!」

「今度こそ頼んだぜ……ウインディ!」

「さぁ、熱いバトルを続けましょう!」




キャラクター紹介#3
名前:ウインディ
性別:♂
おや:チカ
性格:ずぶとい たべるのがすき
覚えている技:かえんほうしゃ おにび
       かみくだく あさのひざし
紹介:チカが3番道路で捕まえた新しい仲間。捕まえた当初はウーラオスらとのレベル差があり過ぎたため、ターフタウンに到着するまで徹底的に鍛えられることになる。野生の頃は人を見下すような生意気小僧であったが、しんかしたことでそんな素振りは見せなくなった。
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