推しと誕生日が被っているのはめちゃくちゃ嬉しいぞ!!!
「おはよう、トレーナー」
今日のトレーニングのメニューの調整と
「おはようキング。今日のトレーニングだけど、行きたい場所があるから早めに切り上げようか」
キングヘイロー。
ボクの初めての担当であり、ウマ娘にとって最も大切な三年間をともに駆け抜けた無二の愛バ。
何度泥をつけられても絶対に頭を下げることはなかった不屈の王は、普段と比べて本日少しばかり…、というかかなり上機嫌に見えた。
「ええ、私も今日は予定があるから早めに切り上げましょうって伝えるつもりだったのよ」
心なしかいつもよりも大きく振られている尻尾は、今日が彼女の誕生日ということも関係しているのだろうか。
そう。本日4月28日は、キングの誕生日であるのだ。これからたくさん友人たちにも祝われるだろうが、ボクも彼女の誕生日を盛大に祝いたい。
そのために今日までに終わらせなければいけない仕事に関してはすでに終わらせているのだ。
それもこれも彼女の誕生日を何の不安もなく成功させるため。
ケーキは既に注文しているし、一緒に祝いたいと言ってくれた彼女の友人たちも協力してくれる。後はトレーニングをケガなく終わらせるだけ…。
そうやって計画の最終確認をしていると、いつの間にかジャージに着替え終えていたキングに呆れた顔をされた。
「何を悩んでいるのかは知らないけれど、そうして考えている間に時間は過ぎていくわよ?早くトレーニングはじめましょ」
「ごめんごめん、それじゃ行こうか」
いけないいけない、こんなところで怪しまれたらサプライズが台無しだ。そう思って気合を入れなおすボクとそんなボクを怪訝そうな顔で見る彼女はトレーニング場へ向かうのだった。
「「「キング(さん、ちゃん)、お誕生日おめでとーう!」」」
少しビックリするくらいのクラッカーの音とともに視界に入ったのは、“キングヘイロー お誕生日おめでとう!!”の文字とたくさんの友人たち。
驚いて隣のトレーナーを見てみると、イタズラが成功した子供のような顔をしていた。
「お誕生日おめでとう、キング。これからも君の期待に応えられるようなトレーナーになれるよう努力するよ」
そう言って手渡されたプレゼントは、私の勝負服をイメージしたと思われる腕時計。
「キングに似合うと思って選んだんだ、少し着けてみてくれないかな?」
と何でもないようにしながらも、少し不安に思っているのが見て取れるトレーナーに私もプレゼントを贈る。
「ほら、トレーナー。あなたにもプレゼントよ、あなたも今日が誕生日だったでしょ」
ポカンとしたトレーナーの顔が面白くて、クスリときてしまう。ようやく感情が追いついてきたのか、
「開けてもいいか!」
なんて少し興奮したように聞いてくるから、
「そんな風に興奮しないの。それじゃ一流になれないわよ?」
と、少しイタズラしてみたくなる。シュンとするトレーナーに冗談よと伝えて、プレゼントを開けるように促す。
恐る恐ると言った手つきで包み紙を開けたトレーナーの手に転がった小さめのケース。
私がプレゼントしたのはネクタイピン。“一流のトレーナーに相応しいモノを”そう考えて吟味を重ねたそれは、トレーナーに良く似合っていた。
「お二人のプレゼント交換が終わったのなら、今度は私たちの番だよねー?」
「キングちゃん、お誕生日おめでとーう!」
「きゃ!?んもう、ウララさん飛び込んできたら危ないでしょう?スカイさんも隣にいたんだったら止めなさい!」
にゃははー☆なんて笑う友人に少し注意をして、輪の中に入っていく。そのときにトレーナーにも手招きをして、一緒に誕生日を祝ってもらおう。
トレーナー。あなたの支えのおかげで私はここまで来ることができた。そして、私はこれからも一流を示すために進み続ける。だから、あなたもそんな私についてきなさい?一流のトレーナーさん?