ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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次なる何か。


皺寄せ

4月も末、この週が終わればゴールデンウィーク!と浮かれる余裕が無い週の木曜日。

 

はい、そんな風に思えてれば楽なくらい気分が重い桐生藍華です。

 

先日に天野夕麻として学園に通っていた堕天使レイナーレさんから渡し時を頼まれて預かっていたもの、持ち歩いてても不自然ではない大きさな何やら強力なアイテムらしい小箱をアーシアに渡しました。聞いた状況は危険域だから割愛な事を除いてな程度だけど、私から見ても姉ヶ崎がいない状況では渡しとくべきだと判断したから渡したんだけど?一発目からこれは無いんじゃない?ってくらい相性が良すぎた故の結果が出たようね。

 

下駄箱に入っていた手紙・・・・ちょっと、これは普通なら誤解するわよ!入れたのは木場佑斗と聞いたけど!?誰かに見られたらどうするの?とかでシトリー眷属の何名かがハッとなってる状況が目に浮かぶわ!まあ、状況が状況だからその程度で済ますべき!・・・・私はね?恋愛するなら・・・・もっと、からかい甲斐があるのがね?

 

それは後にして、幸いにも入れた時は周りに誰もいなかったからセーフって言いたいのを読んで『お約束の題目』で保健室を訪れて?新任保険医様と向き合っているのが今の私なのよ。

 

そう言えば、登校時から今までで何名かが私に視線向けたけど、半数近くが穏やかじゃないものが隠せてないわ。

 

・・・・まあ、見方によってはアーシアが拐われたのは私が早急にファーブニルとかいう強力な龍で多分だけど今の姉ヶ崎では手に負えないくらいのを封じられたものが入った箱を渡したからになるからね、けどこれは聞かされた事の範囲内よ。

 

『場合によっては、どこか連れてかれるかもしれないけど?大丈夫、寧ろ命の危険は少なくなるわ』

 

レイナーレさんの予感は当たった。

 

視線を向けて来たのは話に聞く現魔王様の身内とその眷属達が二組なんだけど、肩書きに見合うものを持ち合わせてるようならこうはならないわ・・・・辛辣だけど、事実で本人達が自覚しているし・・・・とにかく、状況を聞いた上で力技に乏しい私の無難な口上を最上級悪魔様に一発。

 

「『私の名前出しちゃったんですね』・・・・」

 

「うん、爆弾を転移された時に助かったのを考えたら結果オーライにしても反省点は抑えとくべき、結果オーライだけで済ますと後でとんでもないツケを払うだろうしね」

 

「同感ですよロイガン先生、え~と?昨夜は皆様で姉ヶ崎のマンションにお泊まりしたんですか?・・・・大丈夫だったんですか?私の把握している範囲で言わせてもらいますと・・・・良く『イングヴィルド』に殺されませんでしたね?」

 

さっきよりわかりやすい表情になった。どうやら余程の事があったわね。

 

そう、一年前だったわねえ。

 

実は私は?『イングヴィルドに会っていたのよね』確率はゼロじゃない。何せ夜中に浮いた格好で彷徨っていたんだからね?更に『姉ヶ崎の契約者』にまで会えた。

 

イングヴィルドを幽霊か何か?と思って探していたら、姉ヶ崎のマンションにたどり着いたのよ・・・・聞いたところによると、人避け?の結界とかで近付くのが困難になるらしくて、人間がたどり着いた事に大層驚いていた。悪魔絡みはその類いでは人間が近付ける範囲のを探していたのよ、例のミルたんみたいに。

 

だから、気に入られて私は姉ヶ崎の学園生活をフォローしたげるのを条件に色々してもらえる機会を得たのよ、そうしている内にレイナーレさんとも付き合いがあった。勿論、そっちからの見返りはたんまり貰ったわよ♪♪

 

イングヴィルドの事を知ったのはいつ頃とか聞かれたけど?それは勘弁願った。姉ヶ崎の契約者に殺されるからと・・・・判断次第で使って良い許容範囲内を逃げに使いつつ私はただ一言を述べた。

 

「私が言えた義理じゃないですけど?『記憶操作された弊害』が問題じゃないんですか?」

 

その一言でロイガン様はこの場にいないリアス先輩に気の毒そうに肩を竦めたのを見届けて退散をしたのだった。

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

(これも報いね・・・・)

 

私達は、シオンのマンションに泊まった翌朝に普通に登校した。冥界は元から動きが慌ただしいし、私の事を無しにしてもロイガンさんやビナー義姉様に頼るしかない・・・・アーシアの件は下手人がファーブニルと言おうにも渡されたものに宿ったものが表に出たのだから、ロイガン様に桐生藍華に探りを入れてもらいつつ彼女にあの箱を渡した者は誰かにまで範囲を広げて調査をと依頼するのが関の山・・・・小猫に一時的に憑依したシオンが言うように拐われた先は異次元と言おうにも一口で言えば良い問題ではないから、当面は耐えるしかないのね・・・・。

 

そうやって、遠回りに後ろめたい事をしていて自分の眷属やソーナ達から私への不信が高まるのを実感しているけど、それは構わない!・・・・そう思っていたけど。

 

「難儀でしたわね」

 

少し引きつりそうな声色で朱乃が私に皮肉を言う・・・・そう、レイナーレさんがいなくなり、一般生徒の記憶が操作されていた。だが、表向きシオンと付き合っていた存在が消えた事により私とアーシアに皺寄せが来た。

 

一般生徒達の認識はシオンと私とアーシアの三角関係と妙にねじ曲がったものになっていた。記憶操作をした側は何か意図があったのでは?と思う形になっていた。小猫の呪いを看破してくれた娘も戸惑ってはいたけど事情は話せないと謝罪する他は無かった。 

 

「リアス?貴女がシオン君とアーシアちゃんを従えているように認識されてる派が多いけど、こうも真逆の事を認識してしまわれているのは酷ですわね」

 

そう、某赤い悪魔みたいに気に入った男女一名ずつに自分のもの宣言して両手に花?を実現したせいか漫画で体つきからして男前に描かれたヒロインとは違って、私が二人に縋る関係なのよ・・・・これまでが原因で躾をされている側と見られているどころではないくらい私は・・・・。

 

そう考えながらオカルト研究部に向かっていた時に唐突に私達の前に『連中』が現れた。

 

白いローブで顔を隠した者達・・・・『隠形』にでも通じているのか、対面しても目を瞑ってみれば全く存在感が無い、けど白昼堂々と学園に侵入して来た者達だと言える程度は理解した。

 

・・・・私が望む学園での生活は既に失われていたのだとも。




皆の記憶を勝手にいじるにしては配慮が足らんのう。

唐突にやらかした奴が言うなっ!

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