ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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布石?が整う段階


兆し

・・・・暗いな。

 

真っ暗だ・・・・何処にいるのかもわからない、けど・・・・お前もいるんだろドライグ?

 

(相棒、今は休め・・・・)

 

呼び掛けた相手、ドライグは何を以て休めなんて言おうとしているかは別に良いけど、その前にだ?

 

「ドライグ・・・・じゃあ、その前に?これからやる事を周りに勘づかれないか注意しておいてくれ」

 

(何をする気だ?)

 

「ちょっと・・・・な・・・・『  』が、ピンチ・・・・らし、い・・・・」

 

 

・・・・・・・・。

 

 

内面世界とやらでも俺でさえ知らない類いの中でも意識を失くしちまった相棒の望む通りにしてやった。背負ってるのと隣にいるのには気付かれていないが・・・・不味い、本当に不味いぞ・・・・『封印が解かれ始めた』・・・・いや、それよりも『馴染んでる』と見るべきか?まあ良いか・・・・となると、今回の件が上手く行った後は?・・・・その為にも当面の問題を解決しないとなあ?

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

リアスは部室で一人にしてもらいながら何杯目かになる紅茶を飲み干したが、その程度では不安を沈められはしない・・・・ビナー達ですら思ってなかったが、小猫に何が起きているかは把握している・・・・実は小猫に憑依したシオンの意識から聞かされていた事の一つ。

 

近い内に来客が来る。

 

小猫が死ぬかもしれない事態になるけど、決して手出しはしないように。

 

「・・・・っ」

 

駄目!

 

もう、限界よ!

 

私自身の事ならともかく、大切な身内が苦しんでいるなんて耐えられないわ!万が一の時の為にとロスヴァイセさんが一つだけ預けてくれた密造品が厳重に保管してあるから、これで!

 

『動くな』

 

「っ!?」

 

背後から知っている声が掛かった。思わず見たら・・・・冥界にいるハズなシオンが何故か姿が薄れながら立っていたけど・・・・何故、此処に?と思った直後・・・・顔を見て言葉を失った・・・・わかる。姿が薄れているからではないわ・・・・まるで『餓死寸前』のように顔色が・・・・生命力そのものも・・・・何故?何故、なの・・・・い、いえ・・・・今更、なのかも・・・・私がした事で、どんな影響が出ても・・・・おかしくはなかった・・・・っ!違う!私がやるべき事と・・・・今の状況を!

 

「う、『動くな』?で、でも・・・・このままじゃ小猫が・・・・」

 

『死ぬでしょうね』

 

「な、何でそんなに平然としているの!?」

 

『それしかないからです。行ったって貴女はビナーさんには勝てない・・・・』

 

「っ!で、でも・・・・私、私は・・・・」

 

恐らく、ビナー義姉様が近くにいるのを察している?確かに言う通りで・・・・それでもとシオンに駆け寄って・・・・とにかく、一緒に来て貰おうとして手を取ろうとしたけど、手応えがなかった?

 

「し、思念体?」

 

原理はわからないけど、それだけは実感した。いえ・・・・私は何をしようと?・・・・仮に目の前に本当にいるのだとしても・・・・一緒に、来て貰って、ビナー義姉様と・・・・?ち、違う・・・・違う!けど私は。

 

『搭城は『このまま』なら死ぬって、言ったんです』

 

『このまま』

 

何故そう言ったのかわからないけど・・・・そう、このままなら死ぬ・・・・。

 

「嫌・・・・嫌よ!私の・・・・大切な・・・・『妹』の一人よ!眷属や下僕であるよりも私の大事な身内なんだから、絶対に」

 

『じゃあ気張るでしょうね』

 

「っ!?」

 

『そうは思わないんですか?『貴女の妹』なんですよ?』

 

ワケがわからなかった。

 

『私の妹』だから?

 

「何故・・・・何故なの?私、逃げたのよ・・・・耐えられなくて・・・・私は・・・・」

 

『それは搭城達が?貴女の言う身内達が教えてくれます』

 

即答されて何も言えなかった・・・・今までの惨めな日々を思い返してしまったけど、シオンの真剣な色しかない目に見据えられて泣きながら何も言えなくされた・・・・信じたい、だけど今直ぐに小猫を助けに行ってあげたい・・・・そうしている内に私には『変化』が感じられた。

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

「これは・・・・?」

 

「ほう・・・・?」

 

離れて搭城小猫さんを見守る私ビナーとロイガンさんに近くにいる黒歌さんは目を見張っていた。血まみれで倒れ付し、痛みに悶える事すら出来ない有り様になっていた小猫さんに変化が訪れた。猫又特有のオーラが徐々に高まっている・・・・まだ微弱って程度だけど・・・・向き合う事すら出来なかった面影が無くなりましたね。

 

そして、立ち上がり・・・・猫又の耳と尾を出してお姉さんと対峙した?

 

これはこれは・・・・。

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

「おや?やっと立ち上がれたね?誉めてあげたいけど、どうする気?」

 

「姉様をぶん殴ります」

 

陳腐な言い方ですけど、私は苦痛の中で思い出した事があります。

 

走馬灯のように今までの事が思い浮かんで何をしても無駄と思い始めてしまいました・・・・周りの皆みたいに勇気は出せない・・・・けど、一つ気付いた事があります・・・・私が見ていたものの中に?

 

『部長が自分なりに頑張っていた姿』がありました!

 

私のように邪気に飲まれるかもしれない云々ではなく・・・・肉親との単純な力の差だけで打ちのめされていた部長。

 

サーゼクス様が部長に引き合わせてくれた経緯は姉様に指摘されたような事以上な結論に繋がる『穿った見方』がありました・・・・けど、せめて部長を悪く言う声を黙らせるだけでも・・・・私みたいに立ち向かえさえしなかった者が悪く言われるなら良いけど、冥界から逃げた後も自分なりに立ち向かってはいた部長を悪く言わせたくないと思った事だけは!私も、例えば?あのゼファードルの時にサイラオーグさんがやったように殴ってやりたかった・・・・先程の姉様のはマシな方でしたが、それでも・・・・許せません!私は姉様を殴らなければならないんです!

 

(・・・・成功かにゃ?根底を問い直しつつ苦痛を跳ね返して潜在能力を引き出す為の『業』を課すもんだけど・・・・白音のリアス・グレモリーへの情が一見は単純で乱暴な怒りだけど、本質は『光』に傾くものだったか、でなければ死んでた・・・・後で苦労するけど・・・・今は、ね)

 

ドっごおッ

 

「・・・・っ」

 

鈍い音がした。私が姉様に向けて、我武者羅に気を込めた全力の拳が直撃した・・・・けど、微動だにせず胸で受けたのか不思議になって、見上げた姉様の目は・・・・昔みたいに優しい姉様・・・・私の姉様の目だった。

 

「何故、避けなかったのです・・・・?」

 

「いや・・受けた方が良いって・・・・思ったにゃ」

 

痛みを堪えながら口から血を溢れさせる姉様の意図はまだわかりません・・・・けど、夕方言ったようにケジメだと言うなら・・・・そうしている内に何かが落ちる音が?あ、そうでした・・・・姉様が隠したものは?・・・・もしも、危険なものなら・・・・。

 

「ぅぶっ!し、白音!それ・・・・は」

 

何故か全然未熟なハズの仙術からの気を込めた一撃が姉様にはかなり効いているようです!血を吐き出して身動きが取れなくなっていた。何か苦笑いし始めて・・・・いえ、隠したのが何かを今の内に・・・・って、何でしょう?小物な引き出しのケース?・・・・まじまじと見るべく顔を近付、け・・・・っ!?・・・・ゆ、有機臭?・・・・この匂いはまさか?

 

「にゃ、はは・・・・」

 

「姉様・・・・理由はわかりませんけど・・・・最低・・・・です」

 

 

 

・・・・・・・・・。

 

 

 

「見たところ、水ですすぐくらいしなかったのは切羽つまってたからかね?匂いも遮断してたのが仇になったねえ」

 

「いえ、単にズボラなだけでしょう」

 

私達は武士の情?でその場を後にした。

 

まあ、収穫はあり?リアス・グレモリーも『見てくれてた側』に勇気を貰う日が早めに来るのに越したほうが良いかもしれないしね。




それでも、キッカケになれるかもしれない事には変わりはない。

(俺は何を指しての事か、ただツッコむまいとした)
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