ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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前回のあらすじ。

リアスすら覚悟を決める程に真相に迫った朱乃は徐々にリアスの本音を吐かせる流れに持ち込んだ・・・・しかし、二人には思わぬ伏兵が現れたのだった。


一人勝ち

レイヴェルさんからしたら、私達はまな板の上の鯉だったわ、何もかも見透かされている目に見下ろされて身を寄せあって、何故こうなったのか考えながら震えるしかなかった。

 

『命の危機に瀕している』

 

シオンがそうなっている事については、私達には想定せざるを得ない事だった。だからこそ朱乃は事を急いだ。

 

『シオン君の事を思うなら、甘い考えを改めて捨てて、現状をただ解決する為に・・・・』

 

この台詞で私は察した。朱乃がある意味で自分と同じレベルに事態を把握したのを・・・・けど、結果は惨め極まるものだったわ。

 

シオンに関する事で、元凶だから真相を一番知る私と半分に満たない情報で確信に迫った朱乃は、その思い上がりに対して突如割って入ったレイヴェルさんに鉄槌を下される形で代償を払う事になった。

 

「無様ですわね、私とイザベラが初めてシオン様と出合った・・・・いえ、助けられた時にそんな目をしていたのかと考えてしまう目をしてますわ・・・・」

 

私は考えに入れられてなかった事に気付いた。

 

二年前に助けられて以来、聞くところの異常な程に力を増したイザベラさんの影に霞んでいたけど、レイヴェルさんも自分なりに二年も研鑽を積んだ身・・・・私達の優位性が通じない域に入れるものがあっておかしくない。

 

「どうしますか・・・・この場で私がシオン様について把握している事を洗いざらい聞き出せば一人勝ちですが?それで済む問題ではないのが皮肉ですわね・・・・感謝なさって下さい?私がイザベラやイングヴィルドさんならどうなってたか言うまでもありません・・・・そこで『取り引き』とまいりませんか?」

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

私と朱乃は、一先ずは一緒に部室の床を掃除していた。そうしなければ後が大変な事をしてしまった事を一時退散したレイヴェルさんに冷たく見下ろされながら指摘されたから・・・・格上に叩きのめされてしてやられるのもそうだけど、普通に向き合えば簡単に負けはしないハズの相手に首輪を付けられ、爆弾を埋め込まれる以上の状況に持ち込まれた私達は問題についての事を進めたところで、あまりにも惨め過ぎる。

 

 

『取り引き』

 

 

それで一旦は保留してもらったのも惨めさに拍車を掛けていた。

 

私は、自分がシオンを死に追いやっていたかもしれない事を突き付けられたのも相まって放心状態手前の朱乃に、ある『提案』をした。それで『説明』を保留してもらったわ・・・・朱乃も事態が事態な事で、そうせざるを得ないと悟って呑んでくれた。手前勝手だけど、もし実現したら私達には『些細な益』がある事を含めたから朱乃には僅かに活力が戻ってくれた。

 

・・・・掃除を終え、次はシャワーで身を清めていた私達・・・・無言だった朱乃が漸く語り始めてくれた。

 

「リアス・・・・シオン君、帰って来て・・・・くれますわよ、ね・・・・」

 

「ええ・・・・」

 

私達は涙を流していた。結局、無事に帰って来てくれるかわからないシオンに縋るしかないのかもしれない無力さ・・・・いえ、最初からそうだった。背伸びしようとして惨めな結果を招いた者同士ともなった私達は慰め合うように抱き合って泣き崩れた。シャワーの水流が私達の涙も泣き声も無機質に流し続けたわ・・・・。

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

私は鬼の首を取った気分でしたわ。お二方も実感しているようですが、今の状況では、私は目の当たりにはしていないですがファーブニルのような存在が来るのも考慮しなければなりません・・・・ならば、いっそ私がと考えた結果を出せた。

 

リアス様と朱乃様を隙を見ての話でも一敗地に塗れさせた傲りと言われても構わない、けど目的には近付けた。私は助けられたままの女ではいられないと考えて来た中での結果を一つ出せた。これでシオン様に関して若手の中ではイザベラの次くらいになれたかもしれません・・・・けど・・・・私は浮いた存在となってしまった。仮にイザベラやアーシアさんがシオン様の傍にいたとして、そうなったら・・・・。

 

「『覇道』を示すのも一興と思いませんか?」

 

「ビナー様・・・・」

 

「有りがちな事から考えるにしても自分のやった事に自惚れられないのも問題ですし、貴女の場合は勝って兜の緒を締めるで済ませれば良い範囲です」

 

考えを遮ったのは、いつの間にか横から現れたビナー様でした。訳ありの白龍皇と判明する前に・・・・私には思い当たった事があった御方、私の考えていた事を察しているようですし、先程のやり取りも間違いなく把握しているから姿を見せたのですわね。

 

「先ずは、お見事でした。どう言われようと最後に勝たなければならない・・・・その意味では貴女は殿方を勝たせる女としてはシオン君の一番になれるでしょうね」

 

「そう言うからには、貴女はシオン様に手を貸せないという事では?」

 

増長しているとされるでしょうけど、ここは引けません。私には先日にビナー様がシオン様の顔を唇を奪うような形に除き込んだ事で思い当たる事があります。恐らく、あの時にビナー様は朱乃様と違う何かの『確認』をする為にしたのでしょうから・・・・今思えば?あの時にシオン様が動じていなかったのは、相手の意図も正体も見抜いていて探りを入れられる要素を最低限に抑えていたのではと思ってます。

 

「ふむ、死を覚悟してまで私に踏み込むとは結構ですが・・・・それは貴女が下したばかりの朱乃さんと似た結果になりますから注意しなさい?貴女は『勝たせる』だけが目的ではないハズ、次の段階については言いにくくなったようですから私から切り出して差し上げましょう・・・・それに?貴女は『取り引き』の代価をもらえたなりの不安があるでしょう・・・・」

 

そう言って、去って行ったビナー様に対して私は負けたと思いました。確かに私は勝たせたいだけではないですわね・・・・だから、次を始めるべきですわ。




おぉ、今回はサブタイの一人勝ちより更なる一人勝ちがいたんやのう。

なんか代価が洒落にならん展開やなあ。
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