ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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あらすじ

不和を生じさせたリアスと朱乃は皮肉にもレイヴェルの横槍で一旦は協力する事となった。二名を下したレイヴェルですら敵わないビナー・・・・その頃、北海道に集まった者達は?


動き出した御方

駒王学園で結局はビナーの一人勝ちに近い形に事態が進む一方で夕張を模した空間ではイリナ達の戦いが佳境に入っていた。最初入った時程では無かったが、襲って来た敵を薙ぎ倒しつつ最後を除いた全ての結界の起点が解除され、最低限しか働かなくなった時だった。

 

気配が外に漏れて教会の二名には死を覚悟すべき追跡者がその時を待ちかねていたとは知る術が無かった。

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

ふふふ、ついに追い詰めましたよ!

 

このグリゼルダ・クァルタ!比較的自由な行動の権利を与えられた事を感謝する日は滅多にありません!結論から言えばゼノヴィア達の奇策を見破れませんでしたが、思わぬ解決に繋がりました!

 

今、私は夜の夕張を覆う結界の外で待機しています!何をやっているかは知りませんが?今日という今日は・・・・。

 

「お気持ちはわかります。私もリアスが浪費して物乞い等をやっていたら黙ってはいられませんから・・・・」

 

私に同意してくれるのは?

 

『グレイフィア・ルキフグス』

 

・・・・寄りによってビナー・レスザンの姉と人間界で顔を合わせるとは・・・・何とか探りを入れたくても実力では敵わないだけでなく、今後の火種になりかねません・・・・。

 

まあ、教会からの通達でこの付近に滞在しているらしいので和平の話がある事を云々ですが、何やら違和感があります。

 

少なくとも事情を話したら二名を懲らし・・・・もとい、保護には同意してくれました。家出娘に手を焼いているとする共通点があったので取り敢えず話が合ったという流れです。

 

「そう言えば、あの悪神?とやらは良いのですか?」

 

「まあ、迷走しているのでどうも・・・・」

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

ふむ、転送用意完了。

 

各勢力の均衡を崩す者用の留置場が最近増設されて、その場に送る準備を整え、妨害とかが無いのか確認して転送!

 

しかし、影でサポート程度な私に後始末間隔でこれは運が悪いなあ・・・・『ロキ』だったか?執念を燃やして、北欧のヴァルキリーが飛ばされたらしい場に向かったものの姐さんに出くわしてボコボコにされて、逃げたとこを?教会のシスターに見つかって更に・・・・か。

 

精彩を欠いたキャラにしては同情が出来ませんねえ?まあ、この後に・・・・『神の死』を知ってしまって飛び出したらしい娘さん達が気の毒な目に遭うのは・・・・と思ってたら、経費の無駄遣い後に物乞いなんかやってた雷が落ちる展開が迫ってます。もしかして?これは教会と冥界の共同ですか?・・・・内容がガクッて来ますが。

 

けど、そうする気満々なお二方は今回ばかりは甘いですねえ?私の予想が正しければ、イリナさんが結界の中にいる者に用があった場合・・・・知~らない、知~らないっと。

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

「解除したのだが、外には出られない?・・・・そして、ここはスポーツジムか?」

 

「確か夕張の・・・・健康会館?いえ、何かありそうですが?」

 

「ご名答!有りがちな罠を破られた後も有りがちな点を敢えて使う手法よ!」

 

中に入った私達は先導するイリナの後に続いたが、二階に続く階段の手前でイリナは周囲を見渡して床を探ったと思ったら地下室に続く入口を開けた。

 

「・・・・さ、この下よ・・・・ちゃんと扉は閉じて」

 

私達は呆気に取られて、ロスヴァイセさんがたいまつ代わりに指に宿した火を灯りにして暗い地下室への階段を進んだ。私にもわかるが、イリナが何やら緊張感を増している。

 

「ねえ、ゼノヴィア?私、最近気付いた事とは言ってもこの後に見られる事とかに言い訳はしないわ・・・・巻き込まれたとして、私を見放しても良いわよ・・・・ああ、斬り捨てるとかは事が終わってからにしてね?勝手言ってるけど」

 

「・・・・それ程なのか?・・・・いや、構うな。成り行きだがオーフィスと会った私には今更だ」

 

「同感です」

 

尤もな事を言って、私達なりにイリナを気遣った。そう・・・・元々言ったような事で今後をただ教会に留まれると考えていた程に愚かではないさ、シスター・グリゼルダからしたら?

 

『何でそういった思慮を戦闘中から肝心な時に働かせられないのです!?』

 

そう言われるだろうな、イザベラさんに懐疑的になった時はオーフィスの件と周りが規格外多数だったから、悪い言い方だが余裕があったのだ。言い方を変えれば、あの場に別にいなくても同じだったと痛感したからイリナに便乗したのだ。

 

それはさておいて?イリナの様子は益々、只事ではない。その内に階段が終わり。ドアがあったので開いたが、入った部屋の光景に息を飲んだ。味のある書斎らしき間だと言うだけではない・・・・何処か暖かさがある。気温が低い場の地下室とは思えん、見渡すと所々に飾られている写真があるが、それに写る者達には、ある共通点があった。そう思った時に更に奥の部屋から気配がして、ドアが開いて姿を見せた者は・・・・何か不思議な雰囲気な女性、目をパチパチさせて思い当たったように口を開いた。

 

「あれ~?赤龍帝君のご近所の女の子?懐かしいねえ♪♪大きくなったし、訪ねて来てくれたのは驚かされたけど、何で来たの?立場上不味いんじゃない?」

 

赤龍帝・・・・シオンのご近所の女の子だと?

 

聞き捨てならないぞ!聞いた限りイリナが日本で過ごしていた時期からシオンが赤龍帝と知っていたと考えれば、神滅具を初めて具現化させた以前から把握していたとなりかねん。

 

次は女性の見た目だ。最近に目にした衣類、駒王学園の制服を着ていた。写真に写っている者達や、あのリアス・グレモリーと同じ紅髪をイリナのようなツイン?いや、イリナと違って両側に上げた形にした私達と同じか下かな年齢に見える・・・・しかし、嬉しそうで、何やら仕方なさを出す女性の意図が読めない・・・・知っているハズのイリナも何か割り切るような顔をして口を開いた。

 

「『お姉ちゃん』!子供の頃の約束を宛にさせてもらう形だけど・・・・ただお願いを聞いて欲しくて来ました!力を貸して!ぅ・・・・っ!いえ、違うわ・・・・『グレモリーの初代様』・・・・『ルネアス・グレモリー』様!!」

 

私とは頭が真っ白になった。イリナの過去に何があった?と考えるのが精一杯だった。

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

ゼノヴィアさんが固まってしまったので、私ロスヴァイセは自分なりに状況を整理しますね。

 

『ルネアス・グレモリー』

 

初代グレモリーの女性悪魔が何故?と思って頭が回らなかった。整理するとイリナさんはルネアス様をお姉ちゃん呼びしてて、子供の頃の約束を宛にして此処に来た?とまでを漸く考えた時に。

 

「~っ!はい、ごうか~く!約束通りにお願い聞いてあげる♪♪」

 

「イリナ!説明してくれ!グレモリーの初代様だと!?お前は何故、悪魔の名門・・・・しかも初代様と顔見知りなのだ!?」

 

「はいはい、先ずはお茶淹れたげるから客間に行こ?お菓子もあるから、ちゃんと説明もしてあげる」

 

陽気になぞなぞが解けた子供を誉めてあげるようにルネアス様?は声を上げたけど、私達には理解が出来ない、堪らずにゼノヴィアさんが話しに割り込みましたが、それを気にせずルネアス様は客人をもてなすように招いてくれた。

 

 

・・・・・・・・。

 

 

「し、思念体ぃぃ?」

 

「うん、そうだよ?簡単に言えば、ややこしい理由で冥界で生死不明になってるけど、実は生きて眠り続けている間、人間界に向けて思念を飛ばしてたのよ」

 

イリナさんが驚いていた。

 

ここにいる前、つまりシオン君の近所だった頃からそうだったのだと。

 

『ある宝玉』を核にして魔力や思念を送り込んだものを再現する・・・・防犯装置みたいに使えて場合によっては、冥界から人間界にあるそれを『遠隔操作』さえ可能となる・・・・つまり、先日のイングヴィルドさんが遠隔操作されていた場合とほぼ同じ?

 

「し、しかし何故?」

 

「赤龍帝君を見る為だよ?・・・・おぉ、目を丸くしちゃってるね?・・・・そうさ、寝てる中で見た夢の中で気になって?気付いたら、昔に・・・・日本の『江戸時代』辺りから保険代わりに保管した宝玉を通して、遠隔操作やれるようになってたの。途切れ途切れだけどね・・・・まあ、そんなこんなで昔風な紙芝居を公園でやる大人のお姉ちゃん版なフリして二人に近付いて、それ以来度々一緒にいたのよ」

 

「度々・・・・けど、ワケありにしては結構な割合だった気がするけど?」

 

「いや、そりゃ君が気に入ったのもあるさ、幼児スポーツだっけ?ルール調べながら見させてもらってたけどバスケットやったら赤龍帝君の頭にダンクかます。ソフトボールやったら観客がいるレフト後方にサヨナラボールを投げるとか面白いのが見れたしね」

 

「は?頭にダンクは日本では有名な漫画でありましたからイメージ出来ますが、サヨナラボール・・・・?投げる?」

 

「うん、赤龍帝君・・・・シオン君とイリナちゃんがバッテリー組んでて?キャッチャーやってたイリナちゃんが三塁に投げたら大暴投。シオン君はサヨナラホームラン打たれた方がマシなくらい唖然と見送ってたわ、確かこっちはかなり昔の甲子園漫画であったパターンね」

 

スポーツはそれなり程度しかない私からしてもあんぐりしますね、二人は珍騒動を起こしまくる仲で、それ等のせいでシオン君は社交性がそれなりになってるらしいにしても後で詳しく聞いてみたくなって来ました。

 

「それはともかく、私のとこに来たのは?」

 

「うん、率直で言うわ!赤龍帝!シオン君の事を教えて!シオン君がお姉ちゃんが言ってた以上の事態になっちゃったのよ!」

 

イリナさんが真剣な声色で用件を告げた。まだ詳しくは聞いてない

 

「ふむ・・・・北欧のヴァルキリーちゃんと、デュランダルを使う教会の戦士・・・・か、特にヴァルキリーちゃんは・・・・」

 

品定めのような目を向けられました。私に何か含むところがあるようですけど、二人には何があったのかも聞きたいですが、先ずは二人の会話を冷静に聞かなければと思っていたら?

 

「わかった。じゃあ率直に言うわね?シオン君は『転生者』!しかも、記憶を引き継いだ類いでウルトラ超強力よ!」

 

『転生者』・・・・?

 

え、と・・・・ファンタジーで良くある類いですよね?いきなり言われて私達は言葉が無い。

 

「改めて順序追って説明ね?赤龍帝と言うよりそれの気配で私は遠隔操作でさっき説明したアイテムを介してシオン君に接触した。幸いなのは神滅具が具現化する前だから、多少は感知できたんだけど・・・・ハッキリ言って頼りない情報しか得られなかった。正直驚いたわよ、仮にも初代グレモリーたる私でもそれだから多分気付いているのは北欧のオーディン様クラスだけかもね」

 

そう言って、私を見据えたルネアス様・・・・やはり、例の論文だけが理由ではなかったと遠回しに告げられている?

 

「え・・・・と、ならばイリナがここに来た理由は一体?」

 

「そりゃ教会側の娘だってわかってたしね?情勢がややこしくなりそうだったから、仮に将来シオン君や自分がややこしくなった時に私の正体やなぞなぞが解けたら力になってあげるって約束をしたのよ・・・・けど、想像以上だったね」

 

真剣に関心した目をイリナさんに向けていました。詳細はまだ明かされていないですけど、イリナさんは幼い頃のヒントだけでこの状況に辿り着いた?やはり、詳しく聞きたいけど今の本題が終わってからが良いですね。

 

「じゃあ、本題?イリナちゃん、シオン君がどうなったの?」

 

「それは・・・・」

 

何か話し辛い事があるようで、勢いが無くなってますが・・・・先ずはシオン君が赤龍帝となって名を知られて約十年・・・・そして、ある日にリアスさんの眷属となった。そして、その経緯を探ろうにもアーシアさんに遠慮した後に・・・・オーフィスやイングヴィルドさんの事を伏せつつ、サイラオーグさんの滞在していた場で向き合ってた際に感じた違和感と・・・・そして?

 

「その後に神の死について・・・・シオン君に聞こうとしたのよ、ゼノヴィアとアーシアさんも一緒に・・・・その時」

 

「その時?」

 

「え・・・・と、ロスヴァイセさんゴメン!部屋の端に立ってあっちの方を向いてて!悪いけど、ゼノヴィアは後ろから目を塞いで、良いって言うまでそうしていて!」

 

「は、はい・・・・」

 

「わかった・・・・」

 

何か余程の事があったようですね、私は言われた通りにした。ゼノヴィアさんも何も言わずに言われた通りにしていて、二分程経過しましたが。

 

「もう良いよ?」

 

背後からルネアス様の声が聞こえた・・・・けど、私とゼノヴィアさんは後ろを向こうとするだけで身体から汗が吹き出てしまった・・・・けど、引き寄せられるようにそこを向いてしまった先にあったものは?

 

「これ、事実で良いのね?」

 

眼光を鋭くしたルネアス様と、それに負けまいと必死に向き合いながら、質問に頷くイリナさんだった・・・・先程までの無邪気とすら感じる面影はなかった。なにやら紙を見ているが、イリナさんが事の詳細を書いたものだろう。

 

「ごめんね、リアスちゃんがやらかしちゃったみたいね」

 

淡々と話すルネアス様は、その内にゆっくりと立ち上がった・・・・それは、まるで玉座に座る大魔王と言うべき存在が決して踏み出させてはいけない一歩目を始めたように感じた。

 

「イリナちゃん・・・・案内なさい?私、私が・・・・リアスちゃんに会いに行く」




以前書いた『凶報』フラグ回収か?

普通に一言で済むのかね?


↑今回は無難。
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