怖い・・・・正直、今の状況は怖い。詳細を把握していないせいかもしれんが、私達はとてつもない流れに組み込まれた!・・・・のハズ、なのだが?
「イリナ、お前の勘は信じるが・・・・『アレ』は本当に大丈夫なのか?」
「ちょっと自信ない、けど考えてみればしょっちゅうだったし?ゼノヴィアも今は深く考えない方が良いかも」
「う~ん、シオンく~ん・・・・肉じゃがとポテトサラダ・・・・芋被せちゃってゴメ~~ン・・・・」
とにかく結界の外まで連れてって?と言って寝てしまったルネアス様、多分無礼はやめておいた方が良いか・・・・そもそも、夜明け前に尋ねた私達の方に非があるのだ。普通ならそのくらいと言える範囲でああなるのは、聞いたようにアイテムを核にして遠隔操作・・・・まだ良くわからんがな状態のせいか?
ロスヴァイセさんにおんぶされながら寝ているが、昔の夢の中で美味しい思いをしているようだな、実はシオンの料理上手な元凶?の一旦はルネアス様だったらしいな・・・・駄菓子とやらもそうだが、興味持った家庭料理とやらを何度か食べていたらしい・・・・但し、その関連は細かい事は聞くなと言われたが・・・・ふむ、シオンの料理はまた食べてみたいな・・・・派手ではないが、身体が求める味・・・・いや、何故か心が落ち着くような味だった。ルネアス様もそんなだったのかもしれん。
「生姜焼目玉丼~~・・・・カツ丼・・・・いう間に燃やせるようなパワー~~・・・・流には・・・・ないよ~」
「平和ですね~、先週末もそんな事を言いましたけど・・・・・あの後に直ぐでしたね」
ロスヴァイセさんの言いたいけど聞かれないようにした事は理解出来た。
『オーフィス』
何を考えていたかは私には理解出来ない、だがルネアス様が近付いていたからには?オーフィスもその頃からシオンに目を付けていた可能性があるのではないか?イリナが気付いた事の真相はまだ聞き出せないが、ここは耐え時だ!自分なりにどうにもならん状況や無力さに悩まされたからな!
「まあ、当面の問題から片付けましょう、この結界を出たら・・・・どうするイリナ?」
「正直結界内の戦闘で皆消耗しちゃってるし、幸いカード売ったお金はまだあるから何処か宿でも取って休憩としましょう、宿はどこに・・・・」
「それならお薦めの宿はありますよ」
「え?何処何処?・・・・っ!?・・・・今の・・・・声って」
「ゼノヴィアさんの声ではありませんでしたが・・・・?二人共、どうしました?」
ロスヴァイセさんは知らない、だが私とイリナは声の主が誰か理解した・・・・汗だらだらとやらで、声を掛けられたのが右斜め後方からだと理解したが・・・・振り返れなかった。
「結界を出たかどうか判断出来ないとは未熟ですね、効力が薄まったからとしても・・・・さあ、お話を聞かせてもらえませんか?」
「・・・・見逃して、もらえないだろうか?」
「何故?」
「察して、くれ・・・・っ」
「では、赤龍帝に『たかった』お金の件だけでも説明しなさい」
「『たかった』?そんな事はしてな・・・・っ!」
振り向いたら、悪い意味のお約束で予想通りの顔・・・・私より頭一つ背が高いシスター服姿のグリゼルダ・クァルタだった・・・・優雅に微笑みながら嘆かわしさと怒りを滲ませた表情に私は固まったが、頼もしい?相棒は真っ先に否定をした。
「『たかった』?何を言ってるのですかっ!?それは有り得ません!やろうとした場合、私達はシオン君にお仕置きされて、下手したら殺されてます!」
「いや、私から見ても間違いではないが・・・・」
「では、善意で帰りの旅費を頂いたのですね?お金絡みのしっかり具合で悪魔に縁がある同年代に負けるとは、聖剣の件で日本に来る前の貴女達ならそれがどう言われる事か理解していたのでは?」
見透かされているし、到底勝てない・・・・シスター・グリゼルダが何故ここにいるかは知らないが、ここは一旦・・・・と思った時に前方からはわかりやすく近付いて来る気配があった。
「そこまでにしましょう?追い詰めると何をするかわからないタイプのようですしね」
「ビ、ビナーさん?・・・・って、違うわね!?貴女は誰ですか?」
イリナが何故かビナーさんを違う女性と言っているが・・・・むっ?確かに違うぞ!!どちらかと言うと悪戯やヤンチャに理解があるような感じではなくシスターのように私達のような者にとっては天敵のような雰囲気が出ている!ラーメンを奢ってくれた時・・・・む?そう言えば、あの時にも・・・・っ!・・・・。
「未熟・・・・とは言え?及第点はやれるのですがね」
「まあ、話は貴女の泊まっている旅館で聞きましょう・・・・そこのヴァルキリーさんも背負っている娘の事はさておき、同行をして頂きます」
「は、はいっ」
ロスヴァイセは、二名の背後に回って手刀を首辺りに当てて気絶させた手腕には抗いようが無く、素直に従う他は無かった。
視認できない速さで二名を気絶させたのはビナーではなく、彼女の双子の姉グレイフィアだと聞かされた・・・・と言う事は、自分がおんぶしている御方次第で逆転の目があると考えたが?
「シオンく~ん・・・・子供がブラックは背伸びしてるよ~・・・・」
宛にしないで潔くするしかないかもしれないとした。違う意味での事だと思うけどブラックになれば良いワケでは無い。それにしてもシオンは転生者云々除いて、この御方とどう過ごしていたのと?かならの度合いで興味が湧いていた。
だが、聞き出したい事が次々増える対象は冥界の隔離された場でルネアスとは真逆以上な状況でイザベラに背負われ、自分達とは違う意味で危機に瀕していたとは知る術が無かった。
(・・・・年下の男子を背負って山道や森を歩く女か・・・・)
組み上げた椅子?みたいなものに座らせているのを除けば、どちらかというと例の日本における国民的ロープレ?とやらが最初にアニメ化した際の早すぎたツンデレとやらに数えられる女性キャラ・・・・っ!待て?となると、私はシオンが・・・・違う!違うぞっ!?私なんかが伝説の赤龍帝の・・・・だっ、駄目だ!駄目だ!駄目だ!駄目だ!!良くわからんが?内心でだが、言おうとした事を言ってはいかんのだ!何故かそう思ったが?ど、どうする?・・・・妙な事になったのならば?そ、そうだ先ずは基本に立ち返るのだ・・・・私の基本と言えば体術くらいで・・・・そうだ。戦おう!早くシオンを回復させて、リハビリを兼ねた手合わせでも・・・・それが良い!
いや、待て?その前にだ。
「イングヴィルド・・・・ドライグは何も言って来ないようだな」
「うん・・・・」
何処か妙なのだ。聞いた範囲内なのだが?
イングヴィルドがシオンに、正確には契約者も介して保護されて、一年も同棲していた間なのだが?ドライグは特に言及はせずにシオンに任せっきりだったと・・・・神滅具の影響を気にしていると言われてはそれまでだがな。
そして、先程のやり取り。
ドラゴンアップルの事を解決策になるかもしれないと告げたドライグは場所しか教えてくれなかった。そして、ドライグが言うには『龍』の因子を持つ者には過敏な結界が張られているから慎重に近付かなければならんと。だが、実は私は?
『向かう先にいるであろう御方に縁がある』
なのに、何故こんな移動手段を・・・・これではまるで、手遅れになってシオンが死んでも構わないと思って・・・・っ!?
『死』
シオンが死ぬ・・・・だと!?私はそう考えた時に二つの考えが頭に過った。
一つは、シオンが死んだと本人から聞いた時の考えだ・・・・私は泣いた・・・・『その直後に見たもの』のせいで振り切らざるを得なかったが。そうだ・・・・私は許せなかった。シオンが死んだ事をだ。
二つ目・・・・『ドライグ達の狙い』・・・・どうなっているかを完全に理解出来ていない状態だが、もしも・・・・シオンの状態が死かそれに近いか又はそれ以上?な状況にする事で解決する気なのだとしたとして・・・・。
(・・・・ふざけるな!シオンが死ぬだと!?そんな事はさせない!)
そう決意したイザベラは自分の身体が一瞬光った事に気付かなかった・・・・イングヴィルドは口惜しく思っていたが、今はそれしかなかった。少しでも『因子』を強めてもらわなければならないのだから・・・・せめて、自分がその代償を背負う事を決意していた。
子供として悲しいわ!と泣き叫んで良い過去がちらほらしとるのう?
だから、そんな事を言うならちっとは普段の家事を手伝えよお前も!