ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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前回のあらすじ。

あながち、間違いではない解釈でビナーの提案通りに動くリアス達は行き先で、ある老女?と出会った。しかし、その老女の依頼は今の二人が向き合うには早すぎる存在との対面が実現してしまうものだった。




 若いのが動いたり動かされたりで、私ロイガンはやはりビナーさんから目が離せなかったから語り合わざるを得ないわね。今度は一体?ってとこよ。

 

「あの・・・・私には気になる事が」

 

「ふむ、心配なようですね『契約者様』の件ですか?」

 

「そう、あの『契約者様』が大人しくしてるのがね」

 

 そう、ビナーさんはどこまで知ってるかはさておき、私が把握してる範囲でも?『あの』セラフォルー様が大人しくしてるのが気になってるわ。襲撃の一つ二つ程度で済むならまだ良いわよとしか思えないから、それに関しては淡々と答えてくれた。

 

「ああ、それなら丁度?案件の中から私が『特大』のものを参考にして整えましたから、当面は心配ありませんよ?」

 

「特大?」

 

「そうです。リアスは勿論、少し前からの朱乃さんには特大のが」

 

「えぇ・・・・と、口調からして知っていたのは、やっぱりだけど?今リアスさん達は貴女の提案で自分で、普段の悪魔の仕事として依頼先に出向いてるのよね?『動いてた方が楽』ってとこでスムーズに行ったようですが、行き先は?」

 

「はい、ここですよ?」

 

「っ!なっ、ぁああ・・・・!?」

 

 ビナーさんが指で示したのは、壁に張ってある近辺の地図、示した場に驚愕してしまった。駒王町の隣の地域の端辺り、此処は今・・・・。

 

「何を考えているのです!場合によっては?」

 

「えぇ、そうですよ?『シオン君がリアスを殺した後に私や現魔王達を殺しに来る・・・・最悪の場合サーゼクスお義兄さんですら太刀打ち出来ない状態になって』・・・・それはとても素敵な事です」

 

 即答で予想される最悪の結末を述べて妖艶に微笑むビナーさんの表情に私は心底恐怖した。

 

『イカれている!』

 

 まるで、私が見てきたものを参考にしたら、怪我や病気を治したりから長年の戦争に行った末に恋人が帰ってくるのを待ちわびているような刹那的なものとかを黒く染めた・・・・いえ、何よりも自分を死ぬ程に愛しに来る期待に焦がれている色までがある!

 

 個人的にシオン君を気に入っているのは確かだと思っているけど・・・・二天龍の因縁にしても全然違う!一体何を考えているのかと心底から疑ったけど・・・・そんな風に見る目を向けた私なんかどうでも良く見ていたのも確かだったわ。

 

 そして、私は思い至った。ビナー・レスザンが何故危険視されているかについての考えが足りなかった事を。

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

『母親』

 

 目の前にいる人が、シオンの母親・・・・姉ヶ崎紫乃・・・・。

 

 なぜ車椅子に?・・・・その前に、何故此処に?思考が働かない・・・・いえ、働かないよう自分で拒んでいる・・・・息子をご存知ですかと聞かれて・・・・どう答えれば良いのか・・・・。

 

『殺したかった』

 

 朱乃に言った事、何人かに見抜かれていると考えた事。

 

 私は、目の前の人から息子をご存知なのですか?と聞かれているから、答えなければならない。

 

 私は、貴女の息子を・・・・『殺した』・・・・そして、自分の所有物に『作り替えた』そう言わなければならない・・・・。

 

「・・・・あら?貴女・・・・?」

 

「は、はいっ」

 

 近付いてくる・・・・車椅子を自分で動かして、私に近付いて来る・・・・紫乃さんが、シオンのお母さんが真っ直ぐ私に向かって、来る・・・・擬似的なイングヴィルドさんは勿論、アーシアの時以上な恐怖に震えていた。

 

「お待ちなさい、目も半分以上は駄目になっているのでしょう?無理はいけません」

 

 くみお婆ちゃんが割って入った。真意はわからないけど・・・・少なくとも、私には紫乃さんが私の事を感じられる理由はわかる。 

 

 あの『赤く光る目』が答え・・・・そして、私を見据えた紫乃さんが口を開いた。

 

「その髪・・・・えぇ・・・・と?『紅髪』・・・・日本ではあまり見ない紅髪・・・・昔、近所の娘・・・・そうだわ、シオンと良く遊んでくれた娘にそっくりな紅髪ですね・・・・顔立ちは、その娘よりは大人びてますけど」

 

「近所の・・・・娘?」

 

「えぇ・・・・そうだわ・・・・昔ね、その紅髪の娘が?もしも、自分と同じような髪の子に会ったら見せて欲しいものがある言って預かったものがあるの・・・・このペンダント、肌身離さず持っててとか言われながら、何か見覚えない?

 

「え?これ・・・・っ!?」

 

 私は意識が無くなりそうになった。朱乃には悪いけど、これは昨夜の事が・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、リアスの事情を知る術が無い朱乃は不審に思いながらペンダントを見たが?

 

 

 

 

 

 

「暗号文字が表裏に?リアス・・・・っ?リ、リアス!?」

 

 ガタガタと身体を震わせている。それはわたくしも同じような醜態を晒したから他人事ではない、それと・・・・只事ではないですわ!多分、シオン君に泣き縋っていた時に匹敵するくらいの怯えようだった・・・・その時?

 

 

ピンポーン♪♪つ

 

ピンポーン♪♪つ

 

 

 

 チャイムが鳴った?

 

 何故、此処にまだ訪ねて来るような御方がいるの?と思っていたら、くみお婆ちゃんが応対しに行かれましたわ・・・・その時?

 

「え?」

 

 またビクッと身体を震わせたリアスは紫乃さんに手を握られていた。そして赤い目に見詰められながら何故か安心したようでした。

 

「あ、あの・・・・私は・・・・」

 

「息子と何かあったのね?・・・・隣の貴女も」

 

「「は、はい・・・・」」

 

 そう、詳細は知られていないけど・・・・私もリアスの次くらいにシオン君にヒドい事をしたと知らされたばかり・・・・わたくし達は・・・・。

 

「シオンは・・・・恐い?」

 

 即答が出来なかった。

 

『恐い』?

 

 何度か目の当たりにしたシオン君の冷徹さは正直恐怖すら感じた・・・・ですが、味方か傍にいたいと思った場合・・・・。

 

「息子褒めに聞こえるでしょうけど、あの子をただ恐いとしか思ってはいないようね?なら、大丈夫ですよ?」

 

 わたくし達は、素直に聞き入った。リアスも震えが止まって紫乃さんの言葉を待っていた。一番シオン君を見ている人だから・・・・。

 

「私は何も聞きません、こんな身体になったせいか?最近はおかしな『勘』が働くようになりまして、こうするのが多分正しいと思うのですよ・・・・そっちの方が苦しいでしょうけど、貴女達にはそうするべきと判断しました」

 

 同じ・・・・シオン君と、同じ。

 

 恐いくらいの洞察力を除けば、不思議と包容力があるようで・・・・一番、自他共に厳しい答えを出す。

 

 納得しましたわ・・・・この人がシオン君のお母さんなんだと、本質があまりにも似ている・・・・恐いくらい・・・・昨夜、リアスから『提案』されたように、シオン君を救った後に・・・・。

 

 

『うん、でも最低限ケジメは付けなきゃならないよ?反省文程度はやらせたでしょ?』

 

 

 後方から掛かった声に、わたくし達は紫乃さんとは違う驚きを感じた。シオン君と紫乃さんとは違う既視感があった・・・・特にリアスは何か本能的に固められたようなものを感じていた。そして扉が開いて入って来た複数の人数・・・・その中の一人以外は全員知っている顔でした。

 

「あら?・・・・もしかして?『ルーネスちゃんとイリナちゃん』?」

 

「え・・・・へへ♪♪お久し・・・・振り?です♪♪その通りで?『ルーネス』です・・・・よ♪♪」

 

「え、と・・・・お久し振りです紫乃お母さん、会いに来ました・・・・そう、会いに来たんです!」

 

「・・・・紅髪?」

 

 イリナさんだけでも処刑人が来たように感じた。そして、わたくしにもわかる。あの紅髪はリアス同じだ色なだけではない・・・・けど、お二人は無理をしているような表情で精一杯にマイペースと平静を装ってるくらいはわかる。わたくし達は後方に・・・・何故か控えている『グレイフィア様』に目線だけで命じられていた。

 

『一旦下がりなさい』

 

 リアスとわたくしは、命じられたままに一緒に脇に逸れていた。シスター・グリゼルダに、何故か行方不明になっていたゼノヴィアさんとロスヴァイセさんまでいた事を問うのも出来なかった。そしてイリナさんとルーネスさんが紫乃さんに歩み寄った。

 

「な、何で?・・・・何でこんな事に?」

 

「ま、まあ・・・・それは見ての通りで・・・・大丈夫よ?生きているから」

 

「・・・・~~っ!」

 

 イリナさんは紫乃さんに抱き着いて大声で泣き出した。頭を撫でながらあやしてあげている紫乃さんがこうなった理由を知ってしまった私には掛ける言葉がなく、何者かを半分は理解してしまったルーネスと名乗る御方がイリナさんの背中を紫乃さんと同じようにあやすように撫で続けるのを見ているしなかった。




目の前のより後方から来た事が問題だったのう。

まあ、そう甘い流れは駄目だよな・・・・俺の場合は嫌な目に遭わせちゃった相手から嫌われなかった事に感謝しないとな。
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