ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

129 / 177
前回のあらすじ。

大ママ王様は知らずに胎動す(汗)


グレイフィアは進む

 嘗ての二天龍との戦いで消息を絶ち、長い間で死亡説が強まっていたリゼヴィムが各界の一部において密かに生存している事を薄々勘づかれてはいた。

 

 それに関して、駒王学園に来訪したグレイフィアすらも自分が茶番に乗せられた上での機会で動いている為に生存を疑うか否かだ。

 

(元を正せば、リゼヴィムの神器無効化能力に対抗する為に私のように神器に縁の無い者ばかりを眷属にしたサーゼクスなら、何故か神滅具を宿したビナーを遠ざける理由になる・・・・あのルーネス様に聞いたばかりですが・・・・しかし、何故か私には伝えられてはいなかった。お義母様すら・・・・)

 

 そう、先日にシオンと手合わせした際に自分がビナーではなくグレイフィアだと見抜かれていたが、赤龍帝ならば白龍皇の気配でわかる。義母が何を考えているのか、どこまで把握しているかは知らないが。推測されるビナーの狙い通りにするワケにはいかないのだとしている。

 

 だが、サーゼクスですら警戒し、鞍替えする前の自分が立場上仕えた存在が、知っている誰もが予想出来ない結末を迎えた事は知る術は無い、ビナーとシオンのどちらを優先させるべきだったのか判断材料が無いグレイフィアには進むしか無いのが不運だった。

 

「ほう?」

 

 現状を考えながら二階に到着したグレイフィアが感心した時に、違う階段から今回も知っている顔が来た。

 

『木場佑斗』

 

 一目でわかった。聖剣計画の黒幕にして自分をどん底に落とした者を再会間も無くあっさり斬って過去を一先ず清算した事で得られたものは大きいのが見て取れる姿だと、密かに安堵した。グレイフィアも自分なりに義妹と眷属達を気に掛けていたのだから。

 

「お久し振りです。グレイフィア様」

 

「はい、お久し振りです・・・・『沖田』ではなく私が来ることになって残念ですね」

 

『沖田』

 

 グレイフィア同様にサーゼクスの眷属、木場からしたら転生悪魔となった最初に心を開いた相手で師匠となった男の名を聞いて複雑そうにしていたのを見て、悪戯好きな彼がリアスに間違った日本知識を教えたりしていた時期が懐かしく、凡庸呼ばわりされ始めたリアスが逃げ出す先に選んだ一因にもなっているのは、双方が理解していた。

 

「では、押し通りますか・・・・一騎討ちに見せかけて創造した魔剣の小技で狭い廊下を罠だらけにする・・・・沖田は懐かしがるでしょうね」

 

「・・・・『京都』ですか?」

 

 そう、京都だ・・・・沖田は、人間の時は嘗て?この日本において史上最強の剣客集団と唄われた組織の一番隊組長として名を馳せた男、その組織は京都における治安維持の為にこの廊下のように細い道で敵対する者を複数掛かりで倒す集団戦闘を得意としてた・・・・出会ったら死を覚悟しなければならない腕が多数いる集団にそれをやられては堪らないだろうとしながら、近くの教室や天井裏に、グレイフィアからしても面白いものを沢山用意して少しは迫っている状況だった。

 

「それに加えて、市街地で背後から大砲を撃たれるより厄介なものが背後に控えている。下手な侵入者では絶望ですね」

 

「お見通しですか・・・・」

 

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

 その流れを見ていたビナーとロイガンは仕方ないとすべきか否かとしていた。

 

「配置自体は悪くないけど、少し正直過ぎるわねえ?」

 

「しかし、今はこれで良いと思いますよ?生兵法と自覚出来るだけマシです」

 

 間違ってはいない、古来より?自分の現状を把握する事が出来るか否かも重要だ。そして、姿を見せての戦いに移った状況にロイガンとビナーは注目した。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 グレイフィアさんの後方にギャスパーが君出て来た。やはり想像の範囲内とされている・・・・でも、涙目になりながら敢えて姿を見せるだけで凄いよ・・・・僕だって、力の差がわからない程にバカじゃないんだ。向き合うだけで怖い、挟み撃ちにしてる形が沖田さんにそうしてる似非剣士達程に付け焼き刃だから。

 

「ほう・・・・此方も成長したようですね」

 

「ぼ、僕が言える事じゃないかもしれませんけど・・・・部長の安全だけでも確保したいので」

 

「ふむ、では大人しくしてなさい」

 

 グレイフィア様は・・・・腕を十字に交差させてギャスパー君に向けた?い、幾ら何でも馬鹿にし過ぎだ!吸血鬼と人間のハーフだからって、あんな幼稚な・・・・ギャスパー君も流石に憤っている!・・・・しかし?僕は見落としていた。腕を交差させたけど、触れさせてはいないのを。

 

ビシュュっ!

 

「はひぃぃぃっ!?」

 

 グレイフィア様が交差した両腕を接触させた瞬間、魔力は光線らしきものが発射されてギャスパー君に直撃、かなりのダメージを負わされ昏倒させられた・・・・え、と?アレって、形だけなら小猫ちゃんが良く観ている特撮シリーズの一つで有名な技・・・・だよね。

 

「遊び半分で形にしたものですよ、ですが吸血鬼の虚を突くのには有効でしょう?」

 

 確かに・・・・吸血鬼は十字架が弱点と言うのは決して時代錯誤レベルではない、苦し紛れにああしただけで弱いのには有効かもしれないし、馬鹿な事をしてると見た瞬間の虚を突ける・・・・結果としてギャスパー君に先手を打て・・・・いや、撃てたんだけど・・・・。

 

「グレイフィア様!幾ら何でも馬鹿にし過ぎですよ!?ギャスパー君も自分なりに貴女に立ち向かう為に・・・・」

 

「おや、真面目にして欲しかったのですか?それに、馬鹿にしているような戦術を頭に入れて戦うべきなのは間違いではないですよ?特に貴方達のような素質はあっても新米レベルは」

 

 っ!・・・・確かに僕達のレベルではそうだ。わざわざ向き合ってくれる事すら本来あり得ないくらいレベルが違う!・・・・悔しいけど、考えを切り替えざるを得ない!見方によっては頭脳戦を仕掛けようにもそっちでも小細工も通じそうにないという事、ならば・・・・!

 

「っ!」

 

 ガキィッ!

 

 聖魔剣で斬りかかったけど、グレイフィア様の出した剣で防がれた・・・・次は?

 

 五合十合・・・・廊下で左右に全速で斬撃して防がれては一撃離脱を繰り返し、結果的に数十合打ち合った。

 

「ふむ、多少は馴染んで来ましたか・・・・どうします?これ以上は『逆効果』ですが?」

 

 そう、加茂さんの掛けた術で手足が重いハズ、けどその状態に慣れて来たようだ・・・・これだと言われたようにビナーさんに辿り着くまでに消耗させる役割としたら逆効果・・・・けど?

 

っ!!

 

 来た・・・・立ち上がったギャスパー君が、グレイフィア様に『停止世界の邪眼』をピンポイントで仕掛けた!・・・・これが、僕達の作戦だ・・・・ピンポイントでやれるかは一か八かだけど?各々が倒されたら立ち上がる!立ち上がるのを信じる!それだけだ!以前を知っている相手だからこそギャスパー君が最近のグレモリー眷属で一番前向きになっているのを目の当たりにしてない事が有効になる!この隙にグレイフィア様の片腕を斬る!

 

「・・・・っえ?・・・・ぅぅっ、ぐうう!」

 

 僕の剣はグレイフィア様の腕を素通りした?残像とかじゃない!?振り向いた時には僕の右腕は掴まれていて、そのまま握り潰されたと錯覚するくらいの激痛が走って力が入らなくされてしまい、剣を握れなくなって、落としてしまった・・・・。

 

「お見事でした。ただ腕ではなく、首を狙うくらいで来るべきだった・・・・先程のは、ネタは明かすのは後です・・・・ここで投了、いえ降参をするなら、これで終わりにしてあげます・・・・申し訳無いですが・・・・『身体が暖まってしまった』のでね」

 

 グレイフィアさんは優雅に微笑みながら、凄まじい殺気を出した・・・・それに当てられて僕はどんなに情けない目をしたのかと考えてしまう恐怖を覚えて、素直に従った・・・・身体が暖まってしまったので、つまり加減が効かなくなりそうだと警告されて従うしかなかった。

 

 悔しい・・・・!悔し過ぎて涙すら出た・・・・ギャスパー君も同じだった・・・・これが現実だ。イングヴィルドさん以上に相手が悪いからにしても、勝てないとわかっていても、やっぱりもう負けたくはないと思ってしまった・・・・!

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

「次は三階・・・・相手は恐らく?」

 

 グレイフィアはこの後の事を想像はしていたが自分に『あの術』を使わせた二人には感心していた・・・・だが、何もしない方が良い。

 

(悔し涙を流せるのも、そんなに悪い事ではない・・・・泣いた数だけ強くなるんですよ)

 

 それを敢えて言わない事を含めて、現実を見れてるし自分達なりに立ち向かえた二名には最大の賛辞を内心で送り、次の階に辿り着いた。

 

 

 

 

 その頃。

 

 

 

 

「あったあった♪♪」

 

 倒壊したシオンのマンション跡、ルネアス・グレモリーは『目当ての品』をありったけ見つけた。間違ってはいない事情を聞かせた事でグリゼルダが一時退散した事で一人になれたからだが?。

 

(まあ、他はグレイフィアちゃんクラスでも扱えないし知識すら無いから感知は不可だけど不用心・・・・尤も持ち出そうとしたら『防犯措置』が来るから幸い?それはそうと、内部の時間すら止めるものまで使うとは愛されてるね)

 

 ルネアスは持っている『本命』を大事そうに胸で抱えた。昔風の岡持ちの箱を古風な木製にようなものの中身を確認して次に移る事にした。悪いが?シオンとイリナがいない以上はこの辺りに用は無い、これが必要な相手のとこに行くとして退散した。




男達に関しては、こういう時はそっとしといてやんなってパターンや。

そんなもんやろな。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。