ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

134 / 177
さて、危ない場に踏み込んだ側キャラ達の回。

ヒントだらけだけど、真相か否かは後。


奮戦 赤龍帝を救う者

「まあ、ご近所というもので幼稚園の前から一緒だけど?智恵君はね・・・・身体が大きいけど、気が弱くて?いつもイジめられてて、その度に私に助けられて、更に泣いてたのよ、アーシアちゃんも自分の弱気には気を付けなさい?」

 

「・・・・あ、あぅぅ・・・・」

 

 泣きそうになりながら俯いている智恵さんと、仕方無さそうに語る紫乃さん・・・・和風な客間に通されて、私はシオンさんのご両親と対面しています。訪ねて来た事は深く詮索はされませんでしたけど、息子の同級生だから・・・・それだけで充分だそうです。私も人が良いお二人に詮索と浅慮は止めときましたけど、ご家庭の事情を少し聞かせてはいただきました。流産を繰り返したせいで身体を悪くしてしまった事を複雑にしてましたけど、シオンさんが自分達の間に産まれてくれた・・・・それだけが救いだったとして・・・・離れた場にある駒王学園に進学したのは、身体をおかしくした紫乃さんに構いがちになったシオンさんに自分の事を考えるよう説得していたら、ある日突然に推薦の話が進んだかららしいのですけど、詳しくはシオンさんに聞く方が良いかもしれないとしました。そうです・・・・多分、今のシオンさんを救うには?と考えた時。

 

「あの、アーシアちゃん?・・・・シオンは元気かい?身体壊したりしてない?ご飯、ちゃんと食べてるかな?」

 

「は、はい・・・・多分」

 

 ドキっとした。

 

 シオンさんは、暴走したリアスお姉様にああされてどうなっているか本人にもわかっていないとは理解してます。だから『多分』なんて言い方しか出来ません。

 

「・・・・そのシオンが中学生の時?不良にカツアゲされかけたとこを助けてもらった泣き虫さんが余計な心配してるんじゃないの!改めて言うけど立場逆でしょっ?先ずは自分がシャンとする!」

 

「あぅぅ・・・・ごめんなさいぃぃ・・・・」

 

「泣くな男の子!全く、本当は落ちてくる柳の葉を手刀で切りまくれる達人で、私が惚れるくらいに無茶苦茶強いのにね・・・・」

 

 夫婦と言うより、気弱な弟さんと世話を焼きたがるお姉さんみたいなやり取りです・・・・然り気無く桐生さんが言ってたような惚気やツンデレ?が入って見た目がお互い若いので、一層にそう見えます。でも、何か良いな・・・・って思える雰囲気、柳の葉に関しては、私はまだ意味がわからないのですが、シオンさんや佑斗さんならわかるでしょうか?

 

 とにかく、ファーブニルさんに課せられたように自分なりに考えながら、お二人を見るしか出来なかった。

 

 

 そして?

 

 

「綺麗な髪ね・・・・特に手入れしてる風でも無いのに羨ましいわね」

 

 私は一晩泊めて頂く事になって、少し大きめの和風?のお風呂に紫乃さんと一緒に入って、髪を良く洗ってもらってます。私が手伝いながらの入浴の途中にそうなったのですが、子供の頃の智恵さんやシオンさんにしてた頃を思い出して嬉しいと言ってもらえました。

 

「シオンは物覚えが良いから、私がやってたり身体を悪くした時に手伝った経験を活かせば案外?介護感覚でなら同年代の子の世話くらいは、やれるかもしれないわね」

 

「ふぇ・・・・?」

 

「あら、ごめんなさいね?女の子に弱いのは母親として気になっててね」

 

 シオンさんが女性に弱いのは私も知ってますけど・・・・迂闊には言い出せないです。現にそれが原因で・・・・それと紫乃さんの言った事はやっぱり理解が出来ません、けどファーブニルさんに密かに念を送っても良くわからないと言われました。話通りなら、昔に戦った?

 

『凄く強いけど最低最悪な魔王』

 

 その魔王以上でもない限り間近にいる限りでは見誤りはしないと言っていましたが、それを信じ・・・・いえ、自分なりに考えないと・・・・信じないのと自分なりに見るのは別のハズです・・・・でも、紫乃お母様は・・・・綺麗だけど、私より細いので、少し怖いくらいです。ファーブニルさんが事前に色々教えてくれなければ・・・・そう思ってしまって身体を震わせないように注意しながら紫乃さんに引き続き髪を洗ってもらいました。

 

 

 

 

 しかし・・・・自分なりに考えの幅を広げられているのは間違い無いが、アーシアは気付けなかった。

 

 紫乃が然り気無く言った事。

 

『経験を活かした介護感覚』

 

 間一髪とも言えるタイミングで、シオンとイングヴィルドが同棲していた事をアーシアが知れなかった事、紫乃がそれを離れた場から把握出来るようになった事を確信する為の『探り』であった事以前に、会話に混ぜていた事項に重要な部分が多数だった事、何よりも?ファーブニルが遠回しに言った『リゼヴィム以上の存在』が自分の背後に既に居た事を。

 

 

 

 

・・・・そして、冥界にいるイザベラは?

 

 

 

 タイニーン様を始めとしたドラゴン達の猛攻を凌いで、漸く教えられた場所への入り口らしき洞窟に辿り着いた。入った先にあったのは下に続く道だが、行き着いたのは地下宮殿とでも言うべき場で、話通りなら中に入って更に地下を目指せば良い・・・・此処に来るまで何処か手加減されていた気がしたが、この場に被害が及ばないようにしていたのかと思い至ったが?

 

「ま、まさか・・・・このような、術を・・・・っ」

 

『無響空間』

 

 玄関に入って直ぐに気付いた。無響故に鼓膜どころか脳も精神すら破壊する類いの静寂を施す結界を張っていたが、来たのが私なのが不運だったな、私は一気に駆け抜けた。隣の広間には施されてないのに気付けたからだ。

 

 ドアを開いたら、そこは舞踏会でもやるような広間だったが、そこに現れたのはタイニーン様が通常の悪魔や人間サイズになった姿?幻影だとはわかるが?

 

『・・・・何者だお前?』

 

「何者?・・・・私は、イザベラ・・・・フェニックス眷属の戦車と名乗りましたが?」

 

『ほう・・・・フェニックス眷属の間には『阿頼耶識』の修行でもしているのか?』

 

 私は、ギクッとなった。

 

 阿頼耶識・・・・仏教において八識?死した人間のみが発現させる事が出来るものだがと考えた瞬間、私は咄嗟に全力の拳を放ってタイニーン様の幻影を霧散させた・・・・そうだ。シオンの根源・・・・!?・・・・まただ。何度目かにしても何故わかる?阿頼耶識絡みを言われたのは初めてなのに、アレを見ただけなのに・・・・イングヴィルドに本格的に相談すべきなのか?

 

『ふむ、やはり赤龍帝絡みか』

 

 再び幻影のタイニーン様が現れて、核心を突かれてしまった。やはり、迂闊だったし見透かされているなと思った時、周りは何故か広い空き地、いや駒王学園の校庭のような場に変わった?そして、覚えがある気が前方に集まり、何かに象られている。

 

『予定変更だ。一気に最終試験に移るとしようか、それだけの価値があると認めた・・・・心して掛かれ?』

 

 そう言って、タイニーン様の幻影が消えた。私の前に集まった気は・・・・っ!シオンと同年代だが、幾らか背が高い少年になっただと・・・・待て、あの左手から感じる気は?

 

『女の人か?・・・・いや、初めましてお姉さん?俺は『赤龍帝の兵藤一誠』!タイニーンのおっさんとの取り決めで相手させてもらうぜ、禁手(バランス・ブレイク)!』

 

 そう言ったら、全身鎧の姿になった。シオンとは違うが、あれから感じる気は間違いなく赤龍帝のものだった。

 

『兵藤一誠』

 

 聞いた限りで推測する限り、ドラゴン恐怖症になったライザー様が立ち直ったキッカケ、嘗ての赤龍帝を何かの手法で模して具現化させた姿・・・・少なくとも、感じられる気が尋常ではない、気を抜いたらやられるとして拳を構えた。タイニーン様の言っていた事は本当だろうし、勝てば特別製のドラゴンアップルを手に入れられる!

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

「性急過ぎでは?」

 

「そう思うだろうが、あながちそうでもないと判断したのでな」

 

 タイニーンは以前よりは真に迫れるようになった手腕で再現した赤龍帝との戦いをイザベラに課したが、周りのドラゴンからしたら?

 

『殺す気ですか?』

 

 そう言いたい心境だったろう、ライザーが戦ったのとはレベルが違う仕上がりになっているからだが、タイニーンからしたら必要だと判断したのだ。それを信じて内部の戦いを見守る事にした。

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

「は、速い・・・・っ!」

 

 速度重視のフリッカーを必死に放つが、それを掻い潜って放たれる拳は尋常ではない威力!

 

 フリッカーの速度以外は完全にスピード負けをしていて、有効打にならない程度でも攻撃を浅く命中させられているのを何度か繰り返されていた。

 

 距離が開いた時に度々ドラゴンショットとか言う技が飛んでくるが、これも直撃したらアウトだ。

 

 致命傷には遠いが、このパターンが続くとやられてしまうと危機感を抱いた時。

 

『なあ、お姉さん?そろそろ降参した方が良くないか?俺もこれ以上続けて女を思い切り殴る事になるのは気が進まないし』

 

「有りがちで甘い言い方だな、そんな事を言われたくらいで引き下がるな・・・・ら・・・・っ!?」

 

 バ、バカな?・・・・身体が麻痺をして始めている?全ての感覚が定かでなくなって来ただと?致命傷は避けたハズで、毒の類いは無かったハズだと思った時に相手が何故か人体図の映像を出して、そこに15の点を出した?その内の5つが点滅しているのに何の意味がと考えたら、私はある事に気付いた・・・・っ!

 

「さ、『蠍座』の形?聞いた事があるぞ、星座を始めとした特定の形で人体を刺激した際の効力を応用した拳法があると」

 

『御名答、体験しているように悪魔でも人型の身体には有効なようでね?俺はスケベで有名になったせいで、女の刺客が多くてさ?何とか穏便に済ますようにしたら、こんなのも有り?と思ってさ、さあどうするお姉さん?5つ程度なら、まだ時間が経てば直ぐに元に戻るけど、これ以上は後が大変だぜ?』

 

「そうか、それはシオンに良い土産話になるかな・・・・あいつも、女性の刺客絡みを心配されてるしな?知識は多い方が良い」

 

 仮面の下の目を丸くしているな、そうだ。シオンもそれに密かに頭を悩ませていたからな、細かい事でも力にならんとと思って改めて対峙した。私は勝たないとならんのだ!

 

『どうやら、もう少し麻痺を進行させてもらうしかないな』

 

 来る!順番からして、次は胸部の辺りとして私は取って置きを使う事にした。相手が指突を繰り出して来たので勝負を掛けた!

 

 グギィッ

 

 奴の指が、多分骨まで折れた音がして、私は空かさず魔力を込めた拳の一撃を全力で打ち放ち、上空にハデに吹き飛ぶ程に殴り飛ばせたが・・・・宙返りしたと思ったら、何事も無いように着地をしただと・・・・っ!?

 

『痛たたっ!指も痛いけど、今のパンチは結構効いたぜ』

 

「そんな・・・・バカな」

 

『大して効いてないのか?って言いたいんだろうけど、お姉さんの身体は麻痺が進んでるから威力が激減してるんだよ・・・・でも驚いたぜ、さっきの防御はその服にもカラクリがあるな?』

 

 見抜かれている・・・・そう、普段のと同じようで特殊な魔力で編んだ特別製の服、下手な鎧の数十倍の強度・・・・これに魔力を込めた防御壁を重ねると、相乗効果で二乗三乗・・・・いや、それ以上の防御力を出せる手法だ・・・・しかし、原理を見抜かれては役に立たん。

 

『じゃあ、悪いが・・・・それを何とかさせてもらうぜ?』

 

 くっ・・・・何をする気か知らんが、先程ので麻痺が進んだようだな。悔しいが感覚がほぼ無くなっている・・・・この場で私がやるべき事は・・・・やるべき、事・・・・!?

 

 一つしか、ないだろう!

 

 感覚の有る無し等は関係無い!こいつを倒してシオンを救うものを手に入れる!

 

 そう内心で叫んだ時に、私の何もかもが無になったようだが・・・・関係は無い!恐らく、次の点を突いた姿が見えたので、ただやれる事をした。動きが何故か止まったので拳を振るって再び殴り飛ばしたが・・・・吹き飛ばされた先で消えた?つまり、勝った・・・・のか?

 

『・・・・見事だ。約束通りこれをやる』

 

 誰が言ったか定かでないが、私は目の前に現れた黄金のリンゴが内包する気で確信した!それを取って、本能のままに魔力を解放した。何故かこうすれば帰れると感じたからだ。

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 そして、視界が白く染まったと思ったら理解した。シオンを匿った洞窟の上空だ!残った魔力で方向を修正して降り立ったら知っている顔が何名かいた。味方のハズだから受け取ったものを突き出した。

 

「戻ったぞ!早くシオンにこれを!」

 

 目を丸くしている皆の中に、何故か居たグレイフィア様が特別製ドラゴンアップルを受け取って解除した結界内に入って・・・・っ!

 

 ぬぐぐ、イングヴィルドでなければ悔しい!

 

 悔しいだと?『悔しい』と思って、しまったのか・・・・い、いやそれは後にしよう!

 

 シオンには、ドラゴンアップルを食べて飲み込む力すら残って無かったようで、イングヴィルドが口に入れて咀嚼して・・・・シオンに口移しで飲み込ませている。ああやって飲み込ませるのもヒロインの主人公救出劇の一例で似たようなのを見た事がある!うぐぐっ・・・・イリナも何やら中を凝視しているが、まあ良いか・・・・シオンの気が少し安定したのを確信したから・・・・って、待て?何故か私はロスヴァイセさんに引き離されている?感覚も意識も途切れ途切れなので抗えん。

 

「何故、私を引き離・・・・すので、す?」

 

「何故?それは此方の台詞です・・・・」

 

 ロスヴァイセさんが私の身体を指差したので、何事かと思って見てみたら?

 

「な、何だこれはぁぁっ!?」

 

 私は何故か・・・・全裸だった。

 

 全裸だった。

 

 全裸だった。

 

『全裸』『全裸』『全裸』『全裸』

 

 つまり、私は全裸で転移して来た?だから、皆が目を丸くしていたのか・・・・感覚は、ほぼ麻痺させられてたし無我夢中だから気付かなかった?

 

 嗚呼、少なくともシオンには見られてなかったと信じたいと考えた瞬間に意識が途絶えた。

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

 後にタイニーンは当時の状況を語る。

 

『洋服破壊(ドレスブレイク)』

 

 破廉恥極まるようで、身に纏うもの全て・・・・特別な防具すら破壊する反則的な技を受けたイザベラだが、眼福な光景に一瞬の隙を見せた擬似一誠を?全ての感覚を失い始めたが故に根源の力を引き出しつつ爆発させたイザベラは無双と言える一撃で打ち倒したが・・・・自分がどうなっているかわからないまま特別製のドラゴンアップルを受け取り様にシオンのところに全力で飛んでしまったのだと。

 

「これが、若さか・・・・と言うものですかね?」

 

「いや、馬鹿さだ」

 

 然れど若さでもあるとタイニーンは思った。想像を遥かに越えた力を爆発させたイザベラは徹頭徹尾シオンを救いたい思いで動いたのだ。青春とやらか?とも。

 

 そう言えば、禁手に至って間も無い頃を再現した疑似一誠とひたすら殴り合ってドラゴン恐怖症を吹っ切ったライザーも途中で洋服破壊を受けたのを気付かないままで・・・・様子を見に来た眷属達に復活した姿を・・・・と。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

「ふぇっ、いぃぃくしゅっ!」

 

「ライザー様、風邪ですか?」

 

「い、いや・・・・違うんだユーベルーナ?良くわからんが、何か嫌な事を思い出したような気がしたと言うか・・・・誰かが噂したのかと言うか」

 

「はあ?最近の嫌な事と言ったら・・・・」

 

 ライザーの周りにいる眷属達は思わず吹き出すか堪えるのがやっとだという見本市になった。その後に味わった事と目にしたものの凄まじさには暗鬱となるべきかどうなのかだ。

 

「まあ、レイヴェル様とイザベラが不在だったのが幸いでしたね」

 

「ユーベルーナよ・・・・頼むから意地悪な顔をするな!」

 

 実際、そういうのが良く似合う顔立ちなのでライザーは以前の苦い思いを蒸し返したのであった。




途中のわかりやすい元ネタはどう作用するかな?

不吉度は後のお楽しみってのは、も少し穏便な顔で言え。



サブタイ担当は空から全裸で降ってきた正義の味方?

仮面の下の涙を拭え・・・・(汗)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。