ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

14 / 177
 成り行き任せなままのワケが無いの回。


五里霧中

 表向きは住み込みのバイト、でもやってる事はマスター?とか手前な立ち位置。

 

 私の偽装交際相手が懇意にしている生徒会から、時々人手を借りたりしてるけど?ここは私の世界だ・・・・この小さな喫茶店・・・・人間の中にはこういう店をやって平和に暮らしたいって願望持つのが割といるらしいわね?

 

 いや、私は『堕天使』よ・・・・なのに?この平和を望む人間が暮らすべき場にいさせてもらって生き長らえてしまっているのだ。堕ちたものよね、種族の肩書き以上に。

 

 まあ、そろそろ開店・・・・最初の客ってのは、その日の気分に大きく影響するもの、なのに。

 

 

『カララン♪♪』

 

 

「いらっしゃいませ♪♪」

 

 出入りが開いた時の?何の変哲も無いからこその良さな鐘の音に不似合いな顔付きのお客様一号、同族の気配で来るとわかってた相手に営業スマイルよ、やる事はやるわ・・・・相手が相手でもね。

 

「・・・・ホットコーヒーを」

 

「はい、ホットコーヒーを一つ」

 

 汚いものを見る目ってやつね・・・・まあ、噂通りかしら?とにかくコーヒーを出した私。

 

「・・・・酸味が抑えてあるわね、マイルドのつもり?」

 

「ええ、一番味見に付き合ってもらってる子が大人ぶってるけど、まだ少年ってやつだしね」

 

「『偽装』の割には優しい事ですわね?」

 

「偽物が本物に敵わないなんて道理は無いですよ・・・・少なくとも、それがついてるのを知らない時期に知何を思ったかな理由で暴れて迷惑掛けたお転婆姫・・・・まして?『本来の力』を使えば敵わずとも援護くらいしてあげられて、そうなるのを防げたかもしれないのよりマシでしょ・・・・『姫島朱乃』!」

 

 口許を歪めてる。図星突かれてこれ?ドSっぽいの程に案外守備力が弱い典型ってパターンかしら?

 

 普通のチェスじゃ『女王』は自分の性能を過信して不用意に使うか、使い所を間違うとあっさりやられてしまうし、宝の持ち腐れになるのが弱点なのよね、そういうのは卓上のゲームだけにしなさいよ?

 

 このレイナーレ、少なくとも衣食住を提供してくれた相手を害されて黙ってなんかられないわ!

 

 いや、こんな考えする時点で私は彼に・・・・なんて考えてた末に、姫島朱乃は代金払って帰ったけど、少なくとも?言ってやって帰らせたのは悪い気がしなかった。さあ、次のお客様・・・・今度は普通の人間みたいだから商売、商売・・・・丁度、シオン君から教えてもらったチョコケーキを店に出す日なの。

 

 

 

 

 

 

 

 

「小猫ちゃん、朱乃先輩は自室に籠りっきりなのかい?」

 

「はい、成果が無かったとかで」

 

(祐斗君?今日の部活と悪魔関連の仕事は宜しく頼みます)

 

 実は、少し前にすれ違った時にこう言われていた。実際には、自分の痛い部分を見事に突かれに行っただけの無残さだったのは、顔を見てわかった。

 

 オカルト研究部の部室に僕と小猫ちゃんはいた・・・・沈鬱とはこの事、打開策が見えない。

 

 新たに眷属となったと言うにはあまりに謎が多い姉ヶ崎詩音君の事を調べようにも生徒会以外とは疎遠か人間社会の一般人としか交遊関係が無いのだ・・・・付き合い出した同級生が堕天使と知って探りを入れに行った朱乃先輩も今回の有り様。

 

 悪く言えば、自分達の『王』であるリアスぶちの不祥事でこちら側に引き込んだにしてはあまりに害意を感じない新顔にかえって不安が高まるグレモリー眷属の暗雲が晴れる日は遠いと言わざるを得ない、既にリアスに対しては落雷以上の事態が動いていた。

 

 先週の始め、何故か暴走した部長が正気に戻った。それは嬉しい・・・・けど、何かが変わった。

 

 部長はあの日以来、時間さえあれば自分の眷属になった詩音君の近くにいようとする。

 

 知らない要因含めて執着・依存してしまっているのもあるだろうけど、何かある・・・・それは居合わせた全員が感じている。

 

 そして、奇妙なのは・・・・詩音君は、部長の眷属になってから僕達と度々行動を共にして、はぐれ勢力と何度か戦っているけど・・・・僕から見たら病人の動きだ・・・・聞くところと実際目にしただけでも、部長の裸姿に惑わされなければ、否・・・・部長の生死を問わずに鎮圧に掛かっていれば暴走した部長をアッサリと下していたであろう戦闘力が陰りを見せていた。

 

 何と言うか、部長に聞いた限りでは小細工無しで殲滅出来るような相手にも?

 

『水や氷属性の技を多様している』

 

 これが、不調をカバーする為だとすれば?原因は悪魔に転生した後遺症?仮定だけど、僕達が見てないとこで暴走した部長に負わされたダメージ?・・・・いや、それよりも深刻なものだと確信している。

 

 反面、部長は以前までの迷いが幾らか消えているようだ。何かを決意している・・・・あの日、二人に何があったか知らない、当の二人の胸の内だけで済まそうとしている。今の部長はその事を優先しようとしている。

 

 それに関しては、当の部長が自分は言わない、そのせいで僕達に去られても構わないと言う程の覚悟を持っているのはソーナ会長ですら言葉を失っていた。

 

 複雑だけど、以前のままよりは良いと割り切るしかない・・・・正直、過去を振り切れてはいないのは僕達も変わらないんだ。今は信じるしか無い。

 

 

 

 

 

 

 

 祐斗先輩の出してくれた紅茶とお菓子を食べながら、私なりに考えてます。先輩も内心で不安なのはわかります。

 

『詩音先輩は何かを無くしてしまった』

 

 私にはそう見えています。部長との一件で何かがあったのは、あの件を知る人達全ての認識です。

 

 私としては悪魔の仕事で、下っ端のやる事を黙々とこなす先輩の手伝いをやる機会が多い、シトリー眷属の生徒会で予備人員をやっていた先輩の人脈は有益。一度、先輩に同行して猫耳を付けたトロルみたいのを目の当たりにした時は驚きましたが。

 

 不思議なもので、多くを語らない先輩には不信感を抱いて然るべきなハズが何故か安心感があります・・・・そう、先輩は後ろめたい事をしても決して自分達を害を成さない・・・・何故そう思えるのか、私はきっと答えがある。

 

 決して、一度食べさせてもらった先輩の手作りの・・・・水切りヨーグルトを使ったパンケーキが美味しかったからとかではないです・・・・多分ですけ、ど・・・・。

 

「小猫ちゃん、そのお菓子?まだあるけど、出そうか?」

 

 いけません、顔が弛んで、食べてるお菓子が美味しいと思われましたか?・・・・とにかく、何かが起きる。それは近い内だと思うです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう、既にリアスに対しては?何かがではなく、具体的な事が動いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学園内の居住場で学業と表向き部活内の事を整理していた。悪魔の仕事関連では、私は謹慎を言い渡されていた。

 

 だから、せめてアーシアを引き取る事を申し出たら・・・・あっさりと許可が出た。

 

 冷静に考えたら、意図があるのは明らかね。

 

 私がああしなければ、シオンに預けるのが最適だった・・・・けど、今の私はアーシアがいてくれない日々には耐えられない。

 

 後ろめたさばかりだけど、シオンの部屋でカレーをご馳走になって以来、少しだけ何かが積み重なり始めた気がする・・・・あれから・・・・ほんの少しが、こんなにも嬉しい・・・・大丈夫、私にはシオンもアーシアも・・・・こんな・・・・後ろめたい事をしながらも私の元に居てくれる眷属もいる・・・・尤も、シオンにした事を知られるまでだろうけど、それでも・・・・後の問題は・・・・。

 

 

 

ピンポーン♪

 

 

 

「お客さんですか?」

 

「嫌な気配は感じないわね・・・・私が出てみる」

 

 

 玄関に向かう、普通の気配の相手で訪ねて来るとしたら、ソーナ達か私の眷属・・・・シオンなら、私は感知は出来る。とにかく、出てみる。

 

「はい、どちらさ・・・・」

 

 

 

ガタンっ!!

 

 

 

 ドアを開けた私は腰を抜かし、後方に尻から倒れ込んでしまった。物音を聞き付けたアーシアがその場に駆け付けてくれたけど、早く逃げなさいと言いたくても・・・・声が出せなかった。

 

 先日の安堵感のせいか見落としていたわ、気配を消すくらい造作も無い存在は幾らでもいるのだと。

 

「あ、あ・・・・あっ」

 

「リ、リアスお姉様!?どうしたのですか?」

 

 思わず駆け寄ってくれるアーシア、この来訪者の事をもっと詳しく教えとくべきだった。恐る恐るで、やっと普通に声が出たわ。

 

「な、何故・・・・貴女が?」

 

「さあ・・・・?心当たりはあるのでは?」

 

「わ、私に・・・・『シオンの事』を聞き出しに来たのですか?『グレイフィアお義姉様』!?」

 

 柔和に微笑むのは髪をアップにしてスーツ姿にして、ノーメイクだけど良く知る顔だった。私服姿の時は私が知る中で一番畏怖を抱いてもいる『身内』・・・・。

 

「グ、グレイフィア様・・・・?この御方が?」

 

 アーシアも震えていた。もしも私達にシオンの件で問い詰めに来たら、私が元凶で真相を隠しているのだと正直に言うよう伝えてある相手の中で一番恐ろしい存在と説明してある。

 

「あら?貴女が、確かアーシア・アルジェントさん?聞くところによると、貴女がリアスが赤龍帝を・・・・」

 

「アーシア!逃げなさい!」

 

 私は立ち上がった。何故そう言ってしまったのかわからない、ただ身体の底からありったけの魔力を絞り出して二人の間に立ち塞がる。

 

「リアス・・・・お姉、様?」

 

「早く!シオンや皆に事態を伝えて一緒に逃げなさい!」

 

「私を足留めする気ですか?不可能と良くわかっているのでは?」

 

「関係無いわ!私は・・・・今の私は、シオン達のためだけに全てを使います!不可能かなんて関係ありません!さあ、アーシア!」

 

「お姉様・・・・」

 

 私なりに、覚悟を決める!何とかアーシアだけでも。そうして向き合っていたら?

 

 

 パンパン・。

 

 

「?」

 

 両手を軽く叩くお義姉様は優しく微笑む?恐怖が感じられない笑顔になっていると理解は出来たわ。

 

「合格です。まだ至らないですが?少しは腰を据えたようですね?」

 

「わ、私を試したのですか?グレイフィアお義姉様」

 

「ああ、私は姉様ではありません・・・・顔が同じでは間違えもしますが、僅かな気の違いを感じられるようにはなりなさいね?」

 

「え?」

 

「改めて、初めましてリアス・グレモリー様?私は『ビナー・レスザン』・・・・旧姓は『ルキフグス』で『ビナー・ルキフグス』・・・・幼い頃に遠縁の家に養子に出されたのですよ、私はグレイフィア姉様の『双子の妹』です」




視点を変えたりオリキャラ化が激しいレイナーレを出したりしたが、原作からして真面目に考えたら味方寄りの『堕天使』が序盤に出たら朱乃さんがかなりのダメージ負っただろうな一例……因みに、本気になれても暴走したリアスには流石に敵わなかったのが私作の救い。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。