シオンとエルメが吸血鬼領から脱出を試みた道中で、場所を探知されていると感じたシオンは気になる洞窟の内部に隠れたが、洞窟の奥には旧魔王のカテレア・レヴィアタンが水属性を駆使する修行に励んでいた。修行の果てに知られているイメージと掛け離れたカテレアと話をしようとする二名だが?突如、身体の主導権を取り戻したリアスは何故かカテレアを殺害してしまう、洞窟の外に来ていた朱乃達はフィリスを除いて唖然とする他は無かった。
次々と事態が動く中、一見は平穏だが一番危険な場にいるアーシアは一息ついていた。
「はうう・・・・凄かったですっ『日本のアニメ』は私のいたとこでも海外で人気とか聞いた事ありますけど・・・・」
「でしょ♪♪昔のアニメ映画上映してる場所が出来たから丁度良かったんだけど、宇宙での機動戦士な映画の一回目が懐かしかったよ」
私、アーシアとルーネスさんはシオンさんの地元で色々な場を巡ってます。事情を話したら数日泊まらせてもらえる事になったのですが、紫乃さんと智恵さんは夫婦水入らずの時間を増やす為にルーネスさんの案内してくれる場巡りが多いですね。
「で、アニメの感想どうだった?」
「え・・・・と、あの『二度もぶった』の場面なんですけど?」
「ああ、やっぱりね・・・・アーシアちゃんは殴るより言い聞かせる派だろうし」
「はい、最初からそうすれば・・・・」
「ちっちっち、甘いよ?そんな余裕あったと思うの?・・・・あの艦長さん19でリアスちゃんとかと殆ど同じだよ、いきなりあんな最重要な戦艦の艦長になったら必死に自分を責任者っぽく見せるだけで一苦労じゃん」
「っ・・・・は、い?」
今、聞き逃してはいけない事をルーネスさんは言いました!私は、リアスお姉様の事は話してはいません、なのにリアスお姉様の名を私が知っているように語った・・・・と考えた時に、思い留まりました。けど、普通に話を続けています。
「まあ、おバカやったなら殴ってでも叱るのも一つの手だけど、十年か二十年くらい後に変な風に真似しちゃ駄目だよ?」
「何故、十年か二十年くらいと?」
「シオン君と子供作ってそうだし」
顔が熱くなってしまいました・・・・これに関しては?初日にシオンさんに色々お世話になったからと言ったから?・・・・次に・・・・こ、子供と言われても・・・・わ、私は・・・・けど、私が智恵さんと紫乃さんみたいに・・・・そう思った時に、私はリアスお姉様がシオンさんの心臓を奪った後の光景が頭に浮かびました。詳細はまだ・・・・ですが、そこを解決しないと平和に暮らす以前の問題です。とにかく、変な風に顔に出したりしないよう気をつけないとな以前に、リアスお姉様の名前を唐突に出した事を慎重に探らないと。
(おやおや?多少は自分なりに頑張って頭を使えるようになった?結構結構♪♪本当は?『あのファーブニル』が力を貸しているようだから、ファーブニルが十中八九忠告してる内容に出た『魔ホイミ』を教えても良かったんだけど、それはやめとこう、性格的に不向きだわ・・・・それとは逆にファーブニルちゃんは考えてるかな?仮にだけど、リアスちゃんとかは例外として?知識がある者がアーシアちゃんを自分達に引き込むなら、その魔ホイミを使わせるように仕向けるってさ?)
「じゃあ、行こうか?」
「え?・・・・はい、次は何処へ?」
「ふふ、良いとこ♪♪」
一方でルーマニアに戻る事を考えているリアス達には少々問題が起きていた。それは?
「大丈夫ですか?」
「お気になさらず・・・・」
エルメがかなり参っていた。理由は至極単純。
『体力不足』
お嬢様育ちの純血吸血鬼故にの現実、本人もそれを自覚しているから普通に外に出回るだけで訓練になるとしていた矢先の予期せぬ出来事にかなり疲労が溜まっていた。しかし、リアスの豹変の方が問題と息切れするエルメですら感じていた。旧魔王の一角の首を持って行ってどうするのか?フィリスが用意した『筒』に入れて保管したが、筒の原理すら二の次だ。
「我、元に戻す」
「えぇ、先ずは戻るわ」
そして、視界が歪んだと思っていたら意識が曖昧だったリアス以外は知ってる場所の近くに来ていた。
「喫茶店?」
そう、エルメがリアスの身体を動かしていたシオンとお茶を飲んでいた喫茶店だった。フィリスは近くに来た際に、吸血鬼領に飛ばされた二人の僅かに残った気配を感知したから移動出来たのだが?
「あっ!あの二人ですよ!」
「何っ、わざわざ戻って来たのか?・・・・紅髪と特に肌の白いお嬢さん、後ろの四名はお友達かね」
「えぇ・・・・それが何か?」
喫茶店の前にいた警察官?何故かわからないが、近付いて来て声を掛けたのでついリアスが答えたが沈黙の後?
「ヴワァァッッカモオオォォン!」
声だけで凄まじい衝撃、上空から見たら爆発が起きたと錯覚するようなレベルの圧力を受けながらリアス達は必死に踏み留まりながら『しまった!』とルフェイが気付く、確かに知らない人からしたらそうだ。
「開き直っているつもりかああっ!?『無銭飲食』をやらかしといて何だその態度はああっ!?」
そう、紅茶の代金を払っていなかった。シオンとリアスに関しては説明に困るが、エルメは所詮はお嬢様・・・・こういう発想に疎いのだから不味い結果は避けられない。レイヴェルや朱乃もこんな展開には対処が出来ない。こうなったら、多少強引にと思ったら全員の力が発動しない?
「署まで同行を願うぞ!しっかり自分がやった事を理解させてやる!」
如何にもな厳格なちょび髭・・・・まるで日本において『破壊神オーハラ』と異名を取る警察官のような男と部下達に連行される。後に全員を大人しくさせていたフィリスが理由を語る。
『悪い事したら・・・・謝る』
正しい、至極正しい言い分だ。魔方陣を仕掛けた側が原因を含めた言い分で何とかルフェイがフィリスに取り成して、催眠術を掛けられる程度に力を使えるようにしてもらって解放してもらえたが?普通に未成年が無銭飲食して補導された際に怒られる程度な時間、署で絞られたリアス達だったが、仮にフィリスが何もしなくても簡単には抗えなかったろう、それだけこの警察官の芯の強さは特筆すべきものだ。
その間、ある意味で人間の一般人としては破壊神オーハラみたいな警察官と並ぶ芯の強さを持つ一般人として悪魔ですら抗えない存在である『姉ヶ崎智恵』が危険域に近付き兼ねない思考をしていた。
ルーネスちゃんが、アーシアちゃんを連れて遊びに行った・・・・多分、頑駄夢?とかが良くある場所に連れて行ったのかなと思って、私はビクッとなってしまった。
『殴られもせずに一人前になったヤツがどこにいるものかっ!』
私は・・・・あの台詞は一理あると思ったけど、やっぱり暴力は嫌だな・・・・詩音は大人びているから、父親として殴るべき時に殴るような事は無いと思っていたけど・・・・それは思わぬ形で実現した。
『殴った』
武道をやっていたのは、あくまで相手を傷付けない道を探す為で・・・・試合以外で人を殴ったのは初めてだけど、私はある日に詩音を殴ったんだ。
詩音が中学2年の時にだったんだ・・・・遠い場所への進学の話を私に話して、遠回しに紫乃さんが身体を壊したのが自分のせいだと言わんばかりの態度だった・・・・間違ってないんだ。私も子供はもう諦め掛けた時もあったから、それを気にしてるのはわかる・・・・けど、言葉にハッキリと出さなくても、自分が産まれない方が良かったと目で語った詩音を私は殴ってしまったんだ。頬を腫らした詩音の目は自分も父さんも間違ってないと言ってた。
私は・・・・違和感には気付いていたんだ!
詩音は物心ついた後に紫乃さんに決して甘えようとしなかった。急速に大人びていった詩音はまるで紫乃さんを時々怖がっていたように見えた。ルーネスちゃんとイリナちゃんと一緒に時々怒られたから怖がってるとかじゃない!
いけない!と感じて、私達が詩音が息子として産まれたのを感謝してる事だけは伝えなきゃいけないからと真剣に言い聞かせて、絶対に自分なんか産まれない方が良かったなんて思うなと指切りして約束させた後に、詩音は私も怖がり始めた・・・・殴った事が原因じゃない!いや、いっその事、それが原因の方が簡単だったと感じるくらいに、私達が完全に詩音にとって恐怖の象徴となってしまったのだと理解した。だから、私達なりにその理由を探す!詩音は時々は帰って来てくれるから。
父親として、真っ当極まる智恵。そんな思考を危惧する者もいた。
(多分、シオン君の家庭事情はこんな感じなのでしょうね)
漸く落ち着いたロスヴァイセは顔と口内を洗浄しながら推測は出来ていた。紫乃から夫は御人好し過ぎると聞かされたが、前世で生まれたと同時に母親を殺してしまったシオンが即座に殺されなかったのは父親が庇ったから・・・・何か察していたのかもしれない、そして命だけは救われて遠くの地に送られたシオンを度々遠目に見に来た父親は息子が生きていてくれるだけで泣きながら感謝する人、善人という言葉が形になって歩いているような男だった・・・・皮肉な事に、これでは本能的に既に両親を怖がっているだろう。
しかし、掛ける言葉が見つからない、記憶が戻っていずれ前世の記憶が戻り、トラウマが表面化する恐れがある!そうなったらどうするのか?例えば?
『貴方は前世で両親に決して恨まれていない!今でも愛されているのです!』
(そう言いたいけど、他が言えば良いレベルではないし、何よりその事実こそがシオン君自身も周りも破滅させた元凶だった。同じ境遇の者等は・・・・あって欲しくは無いけど、誰か今の時点でシオンと同じような者は・・・・と、そんなのを考えるのは後ですね、無い方が良い例なんかどうしようもない・・・・今、波風を立てないようにするには・・・・っ!?そうですか・・・・だから、イングヴィルドさんが最適と判断したのでしょうね、セラフォルー様は『 』・・・・っ!?)
ロスヴァイセは、先程迄とは違う意味で、青ざめた。状況を整理するとイザベラは多少年上振る傾向があるから危険・・・・現に自分はそれをやってしまって、今はイングヴィルドが最適と迄は理解して、その後に・・・・!?
(な、何故会った事もない御方をそんな分野での事を繋げながら唐突に?私は自分なりの推論を整理してただけのハズ・・・・)
ロスヴァイセはイザベラ同様に何故かわかってしまう恐怖を覚えた。知らない何かと繋がりが出来た・・・・しかし、何故?
そして、離れた場では。
(ふっ、ふふふふ・・・・っ!そう気付けた自分をね?『怖い』と思えるエラい娘ちゃんだから?君は『三人目』になれたんだよ、確か・・・・ロスヴァイセちゃん!)
セラフォルーは木の上に立ちながら遠目に状況を見ていた。後、半年・・・・半年程は『次は出るか怪しい』・・・・そう考えていたセラフォルーは御満悦の見本な表情であった。但し、その両手は血塗れだ・・・・魔力を漏らさないように我慢しながら自分で握っていた両拳からの流血にすら気付いてなかった。シオンの記憶が失われる事は見透かしていたが、嬉しい副産物が出た!これなら我慢が利く!
セラフォルーがご満悦な頃に、そのセラフォルーに会いに行ったソーナと眷属達は周囲の安全を確認して、グレイフィアから渡されたものに隠された手紙を目にしたが、その内容は?
『サーゼクスは、リアスがシオン君を眷属にしたと聞いた時の1日前に何年も前からセラフォルーがシオン君と交流していた事を知って、実際にリアスがシオン君を眷属にした日の翌日、成果は無かったですが?それについてを聞いて来てます』
「サーゼクス様が?これは一体どういう事ですかね?」
「元ちゃん、わかる?」
「えぇ・・・・と?」
最近は、ある意味で一番眷属内で頭が回る匙に意見を求める視線が集まった。本人は自覚が無いが、匙は自分が才能とは縁がないと自覚しているからこその視点と戦いに恐ろしく強いのは、かなりの度合いで認められている・・・・それを良い意味で後にして魔王級同士のやり取りを想像したが・・・・。
(わからねえ、第一?俺みたいのならともかくセラフォルー様がサーゼクス様に詰め寄られても・・・・詰め寄ら・・・・っ!?)
急速に仮説が立てられた!そして、成果が無かったの部分で間違いないと思って切り出した。
「わかった!つまり、何も聞き出せてなかったのがおかしいんだ!お二人が対面した場合、力の差がどれだけか知らないけど、聞いた限りで戦えば無事には済まないけどサーゼクス様が勝つ!最近の情勢で私闘や共倒れを避けたにしても、放っておけばリアス部長に何かありそうな流れで、何もしないのは有り得ねえ!」
「な、成る程!確かにシスコン仲間だからとかじゃ済まされないわよね?本気出したセラフォルー様が、サーゼクス様より強いなら力づくは無理だけど『それだ!』・・・・え?」
「つまり、サーゼクス様が顔を合わせた時にセラフォルー様から?力づくでも聞き出そうとして戦いになったら?聞き出すどころか自分が殺されかねないなんてものを感じたとしたら、一発で説明つくじゃねえか!?」
これはシオンに何やら異様な気配を出しながら近付くビナーに待ったを掛けた者ならではな視点、匙なりの勇気が大きな成果を出したのだが、流石に幾らセラフォルーでもと考えた辺りでシトリー眷属全員に思い当たる事がある。完全に盲点だったのだ。
そう、ソーナと久し振りに会う準備に浮かれるセラフォルーの元には?
「秘密の何とやらが~~♪♪」
呑気に歌いながら森の中をスキップしながら移動する途中、横に氷の魔力を込めた攻撃を放つ、サイラオーグやシオンですら氷結させられたものだが、魔力は放った対象に吸収された。驚いたように顔を向けたが?
「え?何それ・・・・邪龍?」
「はははは!残念だな、セラフォルー・レヴィアタンよ!基本的な属性の魔力のみなら、こうできる邪龍が完成したのだよ!伝説の中には同じ属性が災いして怪物に喰われた存在もいた!貴様もその仲間になるが良い!」
「この、念入りに数も揃えちゃって!」
闇討ちにしては規模が大きい襲撃、どう潜伏させたのか?無数のワイバーンのような邪龍が遅い掛かるが、流石に魔王なだけはあり空中で華麗に回避し続けたが?
『ね、姉様・・・・』
「・・・・舐めてんのん?」
空中に現れたのは磔にされて人質に取られたソーナの幻影だった。勿論、セラフォルーでなくてもわかる程度な偽物・・・・本物をそうしたら暴走したセラフォルーにそのまま逆転敗けを喫する恐れが大だから、呆れられるくらいのを出した。僅かな隙が出来れば良い・・・・一瞬動きが鈍ったところを先程に氷の魔力を吸収した氷龍タイプの邪龍が普通の邪龍に姿を変えて遅い掛かり、迎撃の魔力弾ごとセラフォルーを丸飲みにした。
「やった!脱出しようにも魔力を吸収されては意味はない!内部から攻撃しても例外ではないぞ!仕留めた!この私が、偽りの魔王の一角を仕留め、た・・・・っ?」
高笑いする者の顔が驚愕に染まった。吸収特化型の龍の身体が、何故か膨れ上がり・・・・周囲に飛び散ったのだが、氷の身体も魔力も地獄ですら目に掛かれないのではないか?と思うくらいの『炎』となり、周りの龍に着弾して瞬時に灰すら残らずに消し去ってしまったと思った瞬間、背後から氷の刃に刺されたと理解した。
「にゃはは♪♪お見事お見事、前の私なら負けてたかもね?ソーナちゃんの下手っぴな幻を使った不意討ちも考えたもんだね?」
「な、何故・・・・っ!?」
振り返った男がセラフォルーと目を合わせた瞬間に万華鏡の中に入れられたようになった。使う必要は無かったのだが、ソーナの姿を使った報いとしたセラフォルーの怒りの分・・・・仕掛けられた者の周りには自分がやって来た実験の数々があったが、何故かどれも成功したものなのに失敗に終わって惨めな結末となっている光景を見せられた。これは一体?と思った時には、刺さったまま刃が徐々に燃え始め、焼かれ始めていたが、痛覚が麻痺しているのか何も感じない。
「こ、氷から炎が産み出されているだとっ!?何だこれはっ?シトリーやレヴィアタンにこんな技はないハズ!」
「なーぜだ?教えてほしけりゃ何か下さいな」
「ぬっ?貴様、その『オーラ』・・・・そうか、貴様が・・・・実は『一人目』・・・・っ!」
口を滑らせた瞬間、相手は悲鳴すら出せずに燃えた。セラフォルーは捕虜にするのがベストだったが、まあ仕方ないと思った。実を言うと『手加減』は元々苦手だったが?『あの時』以来、益々だったのだ。
(サー君くらいじゃないと、一目では見抜けないってとこなのかなあ?『安全』に力を増した子達とは違った意味で私は『一人目』なんだよね・・・・次は誰になるか知らないけど、早く気付いて欲しいねえ?私が悪魔の中で『一番シオン君と早く出会ってる』って事を?イングヴィルドちゃんみたいに同棲してたりじゃないから、わかりづらいのかな?)
そう、イザベラ達とは違ったシオンの秘密の恩恵を受けていた・・・・シトリー眷属の予感は正しかったのだ。知る限りでイザベラが以前と別人になったのはシオンがキッカケとくらいは予想がついていて、考えた結論は早目にシオンと出会っていたセラフォルーが変化を来している可能性がある事。今のセラフォルーはサーゼクスですら戦ったら分が悪い存在となっていた。
段々とシオンに関わるとどうなるかベールが剥がれているが、出会いを求める事の大切さは重要ぞ?
映像にしたらナンパ感覚のノリで言ってるの丸わかりな気楽さは良いんかいワレ?