ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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あらすじ

 アーシアが迷い込んだ世界は、シオンがグレイフィアに殺された時間軸だった。ショックを受ける中で、次に飛ばされたのは自分の知る場であったが?思わぬ光景をグレモリー眷属達全員で目の当たりにしてしまう。

 そして、朱乃がある異変に気付いた事をキッカケに自我を失くしたシオンとの戦闘に突入してしまうのだった。


グレモリー眷属、仮り染めの内紛開始

 部室から出て来たシオンさんは左手の籠手、顔には禁手状態の時のバイザーだけを付けていました。アレは・・・・多分、自我を無くした目を見せない為・・・・としたら。今、真っ先に狙われるのは?

 

「朱乃先輩!防御して下さい!」

 

「~~っ」

 

 先輩は咄嗟に防御壁を展開しましたけど、その瞬間に私には視認できない何かが通過して、防御壁は氷結して粉々に四散しました・・・・直撃したらいけない・・・・なら。

 

「ア、アーシアちゃん?」

 

 私は、朱乃先輩を庇うようにシオンさんの前に立ちました・・・・甘えかもしれませんけど、相手が朱乃先輩だけ無力化したい場合なシオンさんとリアスお姉さまとした場合?

 

「動きが止まりましたね?」

 

「そ、そうか・・・・っ」

 

 小猫ちゃんも祐斗さんも事態を察したようです。そう・・・・一番のターゲットが朱乃先輩でも私を傷付けてまでやる事は無い、動きが鈍るハズ・・・・でも、そうした場合?

 

「・・・・」

 

 消えた?と思った瞬間、朱乃先輩は今度は左方向に向けて防御壁を展開、また先程のように何かが飛んで来て、同じようになりました・・・・これを繰り返されたらどうにもなりません、そもそも自我を失くしているから何をして来るか良くわからない分、危険な展開です。

 

「全員、合流して固まりなさい!」

 

 いきなり掛かった声に咄嗟に全員がその通りにしたら凄い魔力・・・・『雷』じゃなくて、何かの『光』が混じった力、わかるのは・・・・私があまり思い出したくない事のせい、それが球体のように私達を守ってくれています。これはコカビエルさんの時のもの?そして、地面から間欠泉のようで、凄い威力がある何かに打ち上げられましたけど?そのまま急速に違う方向に球体が飛んで逃げられました。

 

「ふ、副部長?今のは?」

 

「シオン先輩の使ってた技に似てましたが?」

 

「説明は後ですわ、アーシアちゃん?申し訳ないですが、回復をお願いします。他の二人は周りの警戒を」

 

 両手が凍傷を負っていたので言われた通りにしました。そうして、私の耳元で小声で囁くように?

 

(先程のを?この時点で知っていた様子で確信しました。お互い、何かの世界に迷い込んでしまいましたわね?)

 

 事態が理解出来ました!私だけじゃなくて朱乃先輩も?としたら、リアスお姉さまも呼び掛ければ・・・・と考えた時に、朱乃先輩はそれを見て取ったように首を横に振った後に、私の耳元で?

 

(わたくしが言えた事ではありませんし、事情も複雑で上手く言えません・・・・ですが、あのリアスは以前に有り得た姿でしかありません、だとしたら・・・・シオンくんと二人だけでいたいとしか考えないでしょう・・・・確認しておきますけど?『アーシアちゃんは知っていますわね?リアスがシオン君を殺した』と)

 

 首を縦に振るしか出来ませんでした。朱乃先輩の事情は知りませんけど、私はファーブニルさんに覚悟しろと言われた事態に陥っている。

 

『シオンさんに殺される覚悟をしろ』

 

 それは、紫乃さんに不用意な事をした場合だけとは限らなかった・・・・だから『あの手段』を。

 

「危ない!・・・・っです」

 

 小猫ちゃんが私達の前に出て何かを振り払いました。何か、赤い小さな鱗らしきものが姿を見せて落ちました・・・・『赤』?つまり、これは?

 

 そして、赤い鱗が光を放ったと思った瞬間に人型となって襲い掛かって来ましたが、佑斗さんが次々と斬り捨て・・・・?

 

「再生した?」

 

 小猫ちゃんのパンチも同じで、斬っても砕いても次々と再生してしまいます。これは一体?と思った時?

 

「『心臓』の部分ですわ!『核』となっている部分がありますから、そこを全力でお突きなさい!」

 

 二人は咄嗟に朱乃さんの指示通りにして、鱗の破片が落ちたように見えて、もう再生はしないで消えました。

 

「此方へ!」

 

 もう一度、全員を覆った魔力が砲弾のようになって校舎裏に移動したので、中に入りましけど、先程のは一体?と考えた時、全員がある事を思い出しました。

 

『視認できないように出来る使い方』

 

 シオンさんは、多分それをやって何かを飛ばして来た。小猫ちゃんは、確か猫ショウとか言われた種族なので、その類いに私達より敏感なので反応出来たようです。朱乃先輩は、鱗が変化した仕組みを見抜いたようですが、理由を聞いている余裕が無いです。

 

「屋上へ行きます」

 

「副部長?結界の外に行くのは危険にしても隠れ場所が無いのは危険では?」

 

「いえ、門の近くにある『噴水』・・・・それに、校内にある『水道』・・・・どの道、逃げ場はありませんわ・・・・校舎を破壊しない確率に賭けながら作戦を立てましょう」

 

「っ!?『水』・・・・ですね」

 

 校舎を破壊しないに関しては、事情を知らないお二人も?シオンさんに何かをしているリアスお姉さまが学園を大事にしているからとして全員同意しました。

 

 それと、朱乃先輩が何故か知っていました。

 

 これは、少なくともこの時期の佑斗さんと小猫ちゃんは知らない事ですが、シオンさんは水がある場に強い・・・・病人みたいになったとされても、水が幾らかある場なら無尽蔵に対応策がある。理由はまだわかりませんし、何故か知っていたファーブニルさんも実際見ないと真相がわからないと言ってますけど、多分知ったら敵側からしたら絶望的な何かがあります。とにかく作戦を立てなければ駄目として、全員で屋上に向かいました。

 

 でも、やるべき事は?と考えたら、私は現実とは違う場でも覚悟をしなければならない。

 

 そして、屋上で集まった側の中で私の算段を述べました。

 

 シオンさんが来たら皆に足止めしてもらい、そこに広範囲の『回復魔力』を施すと言うより解放をする・・・・これは今ならやれるとファーブニルさんに異空間から出る際に言われて、実際やりました。十秒だけ時間が必要ですけど。

 

 理由は、自分なりにシオンさんの身体の事で思い当たる事がありますと述べる形で説明しました。それは嘘ではないですし、今のシオンは不備だらけなのは全員が知っているからと言い終わったのですが?

 

「却下ですわ」

 

「な、何でですか?危険なのはわか『違いますわ』・・・・え?」

 

「アーシアちゃん?簡単に言えば、貴女がシオン君に『知っている手段』を使えば無力化を出来る。それを疑うワケではありません?けど、この学園内程の距離で準備をしなければならない、それが致命的なのです」

 

 何故なのかわかりません、けど?佑斗さんと小猫ちゃんも同意しています。理由は一体?と考えた時に私の周囲には何かが飛んで来て、それが魔方陣のようになって閉じ込められてしまった?小猫ちゃんですら察知出来ない事をやれるのは?

 

「まち、付セ?覚悟、シ・・・・て、るンデス・・・・カ?」

 

 シオンさんが悪魔の翼を出して降りて来ましたと思った時、私の身体は感覚が無くなっている?これでは、神器を使えそうにもない。

 

「アーシアちゃん?これが答えです。自我を殆ど、いえ?すべて失くしていたとしてもシオン君は貴女を万が一にでも傷付けない事を本能で最優先させる・・・・だから、奇襲を掛けられなくても結果は同じだった・・・・今は、わたくしに任せなさい」

 

「ふ、副部長?・・・・っ!・・・・ぇえっ!?」

 

 佑斗さんを驚かせるような何かを耳打ちした朱乃先輩は前に出てシオンさんと向き合いました。それに、雷光?としか聞かされてない類いの力をわかりやすく解放しました。私の近くに来た二人が驚いています。そう言えば・・・・この時点では、リアスお姉さまが暴走した時でも、あの力を使う気になれてないのを悔やんでいました。けど、一体?

 

「?」

 

「見ての通りですわよ、さあシオン君?何やら様子がおかしくなっていますが、それでも先輩を甘く見てはいけない事を本能で悟っているべきだったと良くわからせてあげます・・・・わたくしと一騎討ちと参りましょう♪♪」

 

 向き合うお二人から発せられる力が中間でぶつかり合って空間が悲鳴をあげ始めてますが、それより優雅に笑い掛ける朱乃先輩に、私達は呆気に取られてしまいました。




 辛い時こそ笑え、さあ笑えと言わんばかりの先輩だのう。

 いや、これは頼もしい意味なんでない?
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