シオンと出会って間もない時期の世界に迷い込んだアーシアと朱乃は、リアスにより自我を無くした状態にされたシオンとの戦闘に入る。それに対する朱乃の対応策は『一騎討ち』を誘い掛ける事だった。
果たして、戦いの結果は?
(祐斗君?眷属の女王としての『厳命』ですわよ?)
副部長とシオン君の魔力がぶつかり合って空間が悲鳴を上げているけど?副部長の『作戦』に関しての事、確かにそれしかない事と内容の恐ろしさで気にならなくなっていた。僕達が、今のシオン君を止めるには、それしかない・・・・けど、何かおかしい。
『雷光の力』
先輩が、あの力を躊躇無く使っている。知る限りで、と思った時。
ビシッ!
先輩の雷光の力を込めた手刀が背後に回って首筋を狙ったシオン君の手刀を打ち払った?次は脇腹、肩を狙ったのも?それが何回も繰り返されて距離を取ったシオン君の足元に投擲のように魔力を放った?明らかに計算してやっている?
「おかしいです・・・・まるで、シオン先輩の動きをある程度『把握』しているやり方です」
それだ!小猫ちゃんが言うように、パターンを読んでいる?でも、朱乃先輩はまだシオン君と模擬戦をした事すらないハズなのに・・・・。
『把握』
魔方陣に閉じ込められながら、アーシアは事態を察した。この時期はまだ二人が言ったような辺りで、先程の脱出用の手段をリアスと一緒に教わり始めたくらいだ。尤もアーシアは、朱乃がシオンの師の一人と言うべき存在に散在に揉まれた事すら聞いてないので、その成果と知る術は無く、自我を無くしたシオンでは即座に気付かないからの図である。
そして、朱乃は綱渡りに等しい戦いを続けていた。
(く、くみお婆ちゃんとの修行が役立っていますわね)
実際、何度も味合わされた形の応用。
最速で此方を無力化をするのに一番のパターンが来る。わたくしやリアスがそうしても?
わざと作った隙を狙わせる罠が無数に待っていて何度も嵌まり、散々に投げられましたものですわ。
けど、そのパターンをやれるまでには出来ない。この展開も相手が機械的な動きしか出来ないでいる今の内しか通用しない・・・・ならば!
またもシオン君が一旦距離を取った際に、望んだ位置関係になったのを確認しました。両腕を前方にかざして、雷光の魔力を放ち、それが壁や天井のようになる。
後ろにいる皆には、雷光の魔力がシオン君の左右と頭上、後方に展開て野菜作りのビニールハウスが学校の廊下程度の大きさに縮んだように見える構図。その入り口にわたくし、内部にシオン君が位置する形になっている。
これは、夕食に出してもらったおむすびを参考にして、編み出した魔力の使用法の一つ、優先すべきは作る者の加減だけで固める事ではなくて、対象を程好い加減に最適な形にするのだと!
そして、作戦を開始します!
此処しか勝機は有りません!上と左右への迂闊な動きは出来ない、下は校舎を破壊したくない、後方はそもそも下がる必要は無い程に地力に差がある!考え通りになる展開を仕掛けるには、この状況ですわ!
右拳に雷光の力を込めた一撃を右ストレートの形で、シオン君のお顔に振るいますが、それは身体を逸らされて空を切りますが、これが狙い!生半可な攻撃では、間違いなく捨てパンチだと見抜かれてしまうので、敢えて全力で振るう!
そのままなら、例の防犯装置が再現したイングヴィルドさんがリアスにしたように、右腕を取られて投げられた時のようになりますが?
振り抜いた瞬間に、投げられながらでも良いので、左のショートアッパーの形で雷光の力を込めた一撃で脇腹を狙いましたが、それは?
ミシィッッ!
「っ、ぐ・・・・っ」
拳の骨が手首の付け根までひびが入る音が響きました。意図を読まれて右の肘で防がれてしまった。固く出っ張っている肘に思い切り打ち込んだせい走る痛みに堪えきれず声が・・・・と、した辺りで、シオン君はすかさず追撃を打ち込んで来るとした時。
『ズシュっ!』
「~~っ!?」
人体を貫かれる音と痛み、わたくしの右肩辺り毎、背後から佑斗君がシオン君の心臓付近を魔剣で貫きました・・・・作戦通りですわね。
剣を抜かれて鮮血が飛び散りますが、不意を突かれてよろけるシオン君には再度、佑斗君が剣を突き刺し、そのまま屋上の床に縫い付ける形で取り押さえる事に成功しました。
『わたくし『達』の勝ちです』
「アーシアちゃん!」
「えっ、は、はい・・・・」
目論見通り、魔方陣の力が弱まったので、小猫ちゃんが無理矢理外に出したアーシアちゃんですけど、ショックな光景を見せてしまいましたわね・・・・祐斗君が怒鳴るように呼び掛けたお陰で、気を取り直したアーシアちゃんに何とか治療して頂きました。
シオン君は近くにアーシアちゃんがいるから不用意には動けない・・・・後は。
「し、シオンっ!?」
駆け付けたリアスの悲鳴が響きました。先手を打ちましょう。
「リアス?見ての通りです。シオン君に無理をさせたくはないでしょうから・・・・『戦いを止めるように告げなさい』・・・・貴女がそうすれば、シオン君は言われた通りになるでしょう?」
お見通しとされてショックの表情ですわね、けど・・・・想定外があるでしょうから慎重にとした辺りで?
~~~~っ!
空間が歪む?
目を開いたら、そこは元のホテルで・・・・まだ夜の3時でしたわ。リアスが身体を起こしていますけど、どうやら身体の主導権はシオン君のままですわ。穏和に笑いながら、周りを起こさないように近付いて告げました。
「寝汗を掻いてしまいましたわね、お風呂でも行きません?」
「はい・・・・」
されるがままですわね、やはりシオン君も?
『見ていましたね』
ですが、買い被らないで欲しいですわ。
『一騎討ち』
そう言っておきながら、佑斗君にああしてもらったから、あれは正に?
『騙し討ち』
それも貴方の状況を大半は知っていたからこそです。それに思い至れたのは、昔取った杵柄とやらの賜物ですのよ?そもそも、自我を無くしながら、残った本能で出来るだけ穏便に済ますようにしていた相手、戦いと呼べるものではありませんわ。
次に?本来ならば、アーシアちゃんが頑張るべきだったのですが?それには、待ったを掛けました。その理由は本人が目覚めて落ち着いてから話します。
そして、幸い深夜もやっていたお風呂に二人で行きました。この際?今回の勝者の特権、全て頂きますわ・・・・身体を洗う気力も無いくらい落ち込んでいますね、そうですわね?多分、自分がリアスに自我を奪われた姿は初めて認識したハズ。
「お脱ぎなさい、服を着たまま入る気ですか?」
なすがままに脱がせ、浴場で身体を洗ってあげてます。昔、母様にしてもらったのが実に参考になっていますわ♪♪
「どうです?リアスの身体でも、この年齢で一つ上な異性に背中を流してもらえる経験は滅多に無い事ですわよ?」
「先輩・・・・なんで、あんな?」
「あらあら?質問に答えられませんか?フフ、宜しいですわよ?ああした理由は、わたくしが助けてあげたかったからです」
「けど・・・・あんな、無茶は・・・・」
「父様を助けて頂いたお礼ですわ、あの時に申したでしょう?父様を助けてくれるのなら、わたくしは貴方の何にでもなりますわと、その通りに、何にでもなってのやり方をしました」
父様と聞いて、操られたと言っても?堕天使陣営屈指の武人と呼ばれた存在と戦った時を思い出し、益々落ち込んでますね?そう、それなりに自分を男らしくありたいとするシオン君からしたら、あの時に父様の危機を招いたわたくしにすら到底及ばない失態なのでしょうね・・・・けど、良いのですよ?
貴方は、アーシアちゃんもわたくしも・・・・あんな状態になっても、出来るだけ穏便に無力化しようとしてくれました。だから、何をしてでもと・・・・お風呂椅子に座っているリア・・・・ではなく、シオン君の前に膝立ちになりました。正面から、向き合ってあげてるように感じてますわね。
「ふふ、シオン君本来の身体で向き合いたかったですわね?」
「先輩・・・・俺・・・・っ、ぅむ!?」
「う、ん・・・・」
リアスの身体なのに、シオン君に見えます。
『いきなり唇を奪われるとは思わないでいた』
正直に、そう表情に出ている顔まで見えますわ。
本来の身体で、このまま有りのままの姿で身も心も一つになれたら、どれだけ幸せだろうと泣いてしまいますわ。唇を離して、そのまま両手を頬に添えて覗き込んだ瞳に映ってるから泣いていると自覚してしまってます。
「あら、女性からされる経験は無かったようですわね?結果論にしても、あのリアスの唇を自分から奪ったり、今のような図でビナーさんにからかわれても動じない子が、それで宜しいのですか?」
「い、いえ・・・・あれは」
「上手い事を言えないようなら?此方から宣言して差し上げますわ・・・・元の貴方に、唇も何もかも捧げて、わたくし無しではいられないようになる未来を実現して差し上げます・・・・それとも、今のままわたくしを自分から、ものにしていただけますか?身体も心も貴方に差し上げますとも言いました。出来れば、貴方からして頂きたいのです」
「ものにって・・・・っ!な、何を?」
「それは自分で、お考えなさい?先ずは『罰』ですわ、湯船に入るのも着替えるのもわたくしに委ねなさい?」
言ったように、全身の泡を流して手を引いて湯船に向かいました。やはり、不公平ですわ、キスしたのは?
『他の目的を兼ねているにしても』
けど、年上振るわたくしを怖がり始めているのもわかってます。だから、わたくしは敢えて其方を選びました。
本当は、このままでも抱き締めて?思うがままにしてあげたいですけど、それは不公平どころでは無いですわ。
覚悟なさって下さいね?自分なりに導き出した解決法で貴方をわたくしのものにしてあげます。その時、キスだけでなくて思い付く全てをしてあげます。
一緒に寄り添いながら入浴して、着替えも手伝ってあげるわたくしを益々怖がり始めていますが、それで良いのです。
貴方の『前世の記憶』・・・・わたくしも戻すのを手伝って差し上げます。だから?
『もっと、わたくしを怖がるようになって下さいね』
後ろから寄り添ってあげながら、自分が泣いてるのを自覚しました。出来れば、貴方に何もかも捧げた嬉しさでしか、涙を・・・・流したくは無いのです・・・・。
然り気に、原作キャラがオリ主キャラに完勝した。
まあ、確かに。