ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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 前回のあらすじ。

 リアスVS魔王少女。


スイッチ姫

 決意や心意気なんて、あって当たり前なもので勝てるようなら苦労は無い。

 

 どんなに・・・・頑張っても、埋められない差と言うものはある・・・・それは、昔から何度も思い知った。けど、やらなければならない・・・・私には・・・・キッカケが最低最悪で、何度か諦め掛けたけど、それでもそうしなければならない、理由がある。

 

 意識を何とか繋ぎ止めた中でこう思った。

 

「う・・・・がっ・・・・ぅぅっぐ!」

 

 何度も何度も・・・・反応するのが精一杯な攻撃を受けて、倒れ伏して、血反吐と身体中から垂れ落ちる血で床を汚して立ち上がりながら、十回目の攻撃が失敗に終わったのだと理解したわ・・・・受けているのが氷属性が混ざる攻撃だからか、痛覚が麻痺しているのが皮肉、ね・・・・シオン、貴方はやっぱ凄いわ、7歳くらいの時に・・・・こんな目に遭っても戦って・・・・勝ったんだから。

 

「根性だけはマシになったな、まあ?そうならざるを得ない理由が理由だから誉める気にならないがね」

 

 セラフォルー様は、怒りを噛み殺した口調で事実を語る。けど、私は・・・・勝たないとならない・・・・っ!

 

「さあ、次は何を仕掛ける?」

 

 何を?いえ、その前にわかってはいるわ。最初から、セラフォルー様は・・・・『一歩も動いていない』・・・・大事な場に赴く時のような礼服を着ていたけど、まるで乱れていない、わざわざ地下闘技場なんかで戦う必要も無かったくらいね、けど諦めてはられない。

 

 先ずは懐に・・・・っ!多分、これならとして、正面から思い切り突っ込んだ!

 

「っ?・・・・甘い!」

 

 凄まじい魔力弾、裏を掻いたとしても確かに甘い・・・・けどっ!私は魔力弾を。

 

『蹴り返した』

 

「むっ?」

 

 魔力を手だけじゃなくて、足に込めたやり方を練習していた。外すと隙が大きいから、今までは使えなかったけど、敢えて正面から突っ込んでこの形を誘発させた。けど、片手で弾かれたから更に追撃の右掌底を放ったら、相手は手首を掴もうとしたのか手を伸ばして?

 

『阻まれた』

 

(シオン、『二重の意味で使わせてもらうわね!』)

 

『ルシフェリオン・バスター』

 

 エルメさんの前でシオンが撃った技、今の状態なら撃てる!相手側は目眩ましを兼ねたシールドに戸惑って、撃つ側からは魔力を増幅するホールを展開する形。次にセラフォルー様がシオンに負わされた右胸に向けて技を撃つ!

 

 見せられた私にはわかった!セラフォルー様は?

 

 

『シオンに負わされた傷が、今も癒えてない』

 

 

 これなら、と思って。バスター砲のような魔力を拳の一撃で放とうとした瞬間。

 

「・・・・っ!?」

 

 ドクンと心臓が、破裂しそうなくらい大きく動いて、私の身体が崩れ落ち・・・・た。

 

「おやあ?これはこれは・・・・」

 

 何かの『輪っか』が手首に嵌められたと思った時、私はセラフォルー様の前に両手を輪っかに釣り上げられ、膝立ちで拘束された。心臓への負荷でなす術が無い私は、前髪を掴まれて顔を上げられて、じっと見据えられた?

 

「ほう・・・・わかった。あの雷光の力を持つ娘、姫島朱乃だね?君の身体、シオン君が動かしてた時に、あの娘が?今の状態で、お前が『シオン君の力を使えないように封印を施した』・・・・見事だね・・・・『口移し』で♪♪魔力を送る形でもあるから、一挙両得だ」

 

 何となくだけど、意識があったから見ていた。私の身体でも、朱乃がシオンに口付けした時、あの時に意識があるだけな状態で、泣き叫びそうになった・・・・私の身体でもシオンと・・・・。

 

「あははははは♪♪顔を見てわかったよ、お前?口移し、いや?傍目とやらには、シオン君に自分からキスする事に成功した友達に嫉妬して気が逸れたせいで、見抜けなかった?おバカちゃんだねえ・・・・色ボケしてる場合かよ?シオン君の魂は、今のお前の魔力源にもなってるけど、それに万一でも危険域な負荷を掛けないようにした子と、一部を許容範囲でも使おうとした子の図になったね、恋する女とやら?な在り方で完全に負けちゃったね」

 

 私は・・・・惨めさに両目から涙を流していた。確かに、それに気付いていれば。

 

「ふん、まあ良いや!評価点はあったし、残念賞くらいはくれてやるよ?サービス兼ねてね」

 

 そう言ったセラフォルー様から額に指を当てられた瞬間、何かに打ち抜かれたような感覚がした。これは一体?と思った時。

 

 

『セラフォルー様からの説明が始まった』

 

 

 私は、涙を血の色になりそうなくらいに流した。けど、一切反論する資格が無い、先に非道な事をした身。

 

 そして、セラフォルー様は?

 

『私の行き着くべきところも把握してた』

 

 それ等を理解した時に・・・・私の意識は、途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「嫌な役割でしたな」

 

「ぶちのめしてやりたかっただけだよ」

 

 屋敷の一室に落ち着いたセラフォルーには、戻って来た者がお茶を運んできた。

 

『アザゼルですら一目置くバアル眷属の師父を兼ねる老練執事』

 

 あの後、アーシアに治療させたリアスはまだ目を覚まさないが、ああしとけば猪突は控えるだろうからとした手でもある。何より?

 

 

『この後に起きる事を踏まえて、自分が絶対やらないとされる事をしたのだ』

 

 

「しかし、以前の赤龍帝の傍にいた娘は笑える意味でスイッチ代わりになってた娘がいたらしいけど、リアスちゃんは?それとは違う意味で現代の赤龍帝のスイッチになった。う~んと、イザって時は『スイッチ姫』とでも呼んで見るかね?」

 

 結果的にシオンもリアスも守る事に繋がるのは本当だ。決して落第点で見放したワケではないからこその処置、悪戯っ娘らしく笑う意図はわからない執事だが、唯一見抜いていた事があるので、お茶だけ置いて退室した。

 

(・・・・私だって、私だって・・・・)

 

 セラフォルーは、外で待機していた若手達に、リアスの手当てを頼んで退散した時を思い出した。一瞬だが?

 

『朱乃に妬みを込めた目を向けていた』

 

(私だってね?イングヴィルドちゃんと一緒にでも良いから・・・・シオン君に色々あげたかったんだもん・・・・)

 

 本心からの苛立ちを静める為に、出されたお茶をグイッと飲み干した時?

 

「ぅあっ、ぢゃああっ、ああああ!!」

 

 自分が苛立ちと一緒に出した冷気で冷えてしまっているハズのお茶は熱いままであった。運んできた者が、そういう処置を掛けたカップに注いでいたせいだ。気遣いが裏目に出たか、現魔王に煮え湯を飲ませる程に恐れ知らずな執事からの釘刺しなのか知れる者はいない。




 原作の方がマシな確定手前の異名が?な回。
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