ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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 サブタイトルの通り。


歩み出せたリアス

『先ずはおめでとう、レーティングゲームにしては試験的な要素多数な試合であったが、立場上有益だと確信は出来た。一先ずは『反省会』でもしながら休憩したまえ』

 

『反省会』

 

 控え室に戻った私達に掛けられたアジュカ様の言葉は見透かされているとすべきね。

 

『試合には勝った』

 

 けど、私には反省点が多すぎる。

 

 そして、レーティングゲームには普通に兄ライザーの眷属として参加した経験があるしアーシアを助けてくれたレイヴェルさんが反省会の進行役を務めてくれた。

 

「アーシア先輩、顔を知っていたらしいシスター達に駆け寄ろうとしてしまったのは、わたくしが咄嗟に止めたから良いワケではありません・・・・ディオドラに嵌められて以降の教訓を頭に入れてても活かしきれてない証明です」

 

 アーシアは目を逸らさずに聞いていた。シスター達が本当に知っている人達なら、戦闘中にあのような搦め手について説明したとしても予想以上に過ぎた事態だったけど・・・・そして?

 

「リアス様、貴女はアーシア先輩より深刻ですわ・・・・『あの水龍』・・・・事情はさておき、実戦で自分の力を証明したがる事は、危険ですわ」

 

「えぇ・・・・」

 

 流石ね・・・・『イングヴィルドさん』の名前を出さない辺り、今回の試合は何かあるのを把握している。そして、私は『私心』を優先させてしまった・・・・それでは、最初にシオンに助けられた時と同じで、いずれ眷属達を無駄死にさせてしまう。

 

 

『まあ、気にする事は無いんじゃねえか?言い方を変えれば強くなりたがってる事でもあるしなあ?縮こまるよりはよっぽど若者らしいぜ?』

 

 

 いつの間にか、部屋にいたのは前髪が金色に染まって顎髭を生やしている悪そうだけど邪気は感じない男?

 

「初めましてだなリアス・グレモリーよ?俺は『堕天使総督』のアザゼルだ」

 

 

『堕天使総督アザゼル』

 

 

 紹介しながら堕天使の翼を出した。そのような存在が何故冥界に?と思った時に私には思い当たる事が幾つかあった。その中から選んだ質問をする。

 

「『和平会談』の話があると聞いてましたが、その関連ですか?」

 

「正解だが、他にも幾つかある・・・・先ずは、お前の『女王』に用がある」

 

「わたくしですか?」

 

「ああ、済まなかったな。俺がバラキエルに仕事を頼んだせいで、お前の母親が死んだようなもんだ」

 

「構いません・・・・わたくしが姫島家に追われていた時、裏で手を回して頂いた事も父から伺っています」

 

 朱乃は当然のように応えた。アザゼルが言ったのは、留守中に姫島母娘が襲撃された件。その後の朱乃は私と出会う迄に自力でやっていたのと同時にアザゼルのような存在が裏で手を回していたのは知っていたけど、考えてみれば私には朱乃のような生き方をしなかったのは、拉致されて利用されての流れにならない為。

 

 けど?例えばサイラオーグが欠陥品として軟禁どころか消されても可笑しくなかったと聞いた事はあるせいかもしれないど、もしも私がそうなって逃げ出したとしたら、朱乃みたいに戦う事は無理だった・・・・と考えた時。

 

 

『唐突に若者達に会いに来るのも良いが、面倒事が先ではないかね?』

 

 

 私は震えそうになるのを堪えた。そうよ、いつこうなってもおかしくはなかった。長い紅髪の良く知っている存在が私達の背後にいた。

 

「そうは言ってもよ?フレッシュなものを見るのも有益だぜ『サーゼクス』よ・・・・」

 

「わからんでもないがな?フレッシュとやらには程遠い事だよ」

 

「・・・・『サーゼクス』?・・・・現ルシファー様ですか・・・・何か、私達みたいのに会いにいらしてくれたとしても、オーバー過ぎませんかぁ?」

 

「いや、私も立場上動き辛いが?たまには散歩とやらも必要なのだよ、運動不足になるのも困りものだしね」

 

 物怖じしないルフェイさんに応えながら私の前に来る兄は知っているような表情ではなく、冷たさすら滲ませたもの。

 

「・・・・先ずは、久し振りだなリアス?何をしていたのかは知らんが?少しは気概というものを出せるようになったのかな?」

 

 無造作に渡された紙が二枚、一枚目はともかくとして・・・・二枚目は・・・・。

 

「見ての通りだ。私には関係無くなったが?お前が選んだ道だ・・・・『家名』はそのままだが、関係は無くなった。後は好きにするが良い、次の試合も頑張りたまえ?・・・・『リアス・グレモリー』」

 

「あ、あの・・・・」

 

「アーシア・アルジェントさんだね?人間の身では不用意に私のような者に近付かない方が良い・・・・そこの娘に説明してもらいなさい」

 

 退室する兄と、肩をすくめて付いていくアザゼル、何かおかしいと思ったアーシアは一声掛けたけど、何かが溢れ出す前のような雰囲気を感じ取れたようね。

 

「リアス様・・・・渡された紙は?」

 

「次の試合の予定表よ・・・・そして?」

 

「え、ええっ!?」

 

「ま、お情けは頂けたようですね」

 

 アーシアとエルメさんの落差は当然ね、他も予想範囲内としていた。渡された紙の内容は?

 

 

『現ルシファーとしてリアス・グレモリーに対する決定を告げる。グレモリー公爵家の跡取りとしての位を剥奪し、人間界での管轄地についてはソーナ・シトリーとシーグヴァイラ・アガレスに引き継がせるものとする。尚、表向きの姓名として名乗る以外に自分とグレモリーの名を使った際、冥界に属する全ての者が制裁を加える為に赴くものと心得よ』

 

 

「要は『勘当』ですね、悪魔でも貴族社会としては意味が大きいです。まして、慈悲深さで知られるグレモリーですし・・・・ペンドラゴン家の放蕩娘な私なんかには掛ける言葉が無いとやらです」

 

「ひ、酷すぎ・・・・ますっ!家族・・・・なんですよ、ね・・・・」

 

「声色からして、アーシア先輩もわかっておられるのでしょう?家族だからこそ許すワケにはいかないのです。リアス様が、シオン様との事をひた隠しにしていたのは最初から危険な事でした。その結果として?これくらいの事は有り得たと」

 

「そうね、それに私もこれで動き易くはなるわよ?幸い、眷属達については生活の安全から引き取り先の心辺りは心配無いわ」

 

 アーシアも薄々わかっていたようね、私がして来た事は?即効連れ戻され、真相を聞き出され、制裁を受けて然るべきもの・・・・エルメさんの言うように、お情けを頂けただけ良いところで、私としては家には未練は無いし、言ったように自分と身近な者の事だけ考えられる。

 

「けど、タイミングがおかしいし?いきなり過ぎなのも事実ですねえ?無理矢理聞き出すくらいはどうって事無いハズでしょうし、それ等については?自分達で今後に対応しながら考えてみろ?ってとこですかね」

 

「じ、自分達で・・・・はぅぅ?」

 

「アーシアさん、わからないのを恥じる事はありません、最近に体力錬成から始めた吸血鬼として言わせてもらいますが、外の事を見始めたばかりで直ぐにわかるなら苦労はありません、最初は自分なりにまとめてみましょう」

 

(アーシアがいるから、言い出さないのかもしれないわね、私がカテレアを殺害した関連を不用意に触れては後が危ない・・・・そもそも『カテレアの首を上層部に送ったから』こうなったのよ)

 

 だから、泳がせる路線にしてもらえた。これがベストよ・・・・つまり?

 

『計画通り!』

 

 私はシオンを救えれば良い。だから今は?

 

「それより、次の試合の前に確認して良いかしら?その、次も私に・・・・協力・・・・してもらえる?」

 

 全員が頷いてくれた。善意と言うより何かがあるとしているから、自分達なりに確かめたくなっているのね、特にエルメさんは私がカテレアを唐突に殺したのを目の当たりにしている。

 

「あ、あの・・・・気になるのは、先程の試合のシスターさん達ですが?何故、ええと?リアスお姉さまが倒した御方のチーム?にいたのでしょうか?」

 

「確かにね、ディオドラの下で出てくるならわかるけ・・・・ど?」

 

 泣きそうになったアーシアに声を掛けようとして、私はエルメさんに待ったを掛けられた。そう、一番深刻な私が言えた事ではないけど、先ずは自分で考えないといけない・・・・それにしても、打算的な事で手間取ったせいで遅れたし中途半端だけど、私は本来行くべき道を漸く歩み出せた。その為に必要な条件をやっとクリア出来たわ・・・・そうよ、私は?

 

 

 

 

 

『漸く、家に捨ててもらえた』




 先ずは、私作リアスに必要な事の結論を出した回。
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