ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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おさらい兼ねたお約束回。


日常

 駒王学園に転入し、私の同居人となったアーシアの学校生活は順調のようだと一安心して話が弾んでいたわ。

 

「アーシア、学校は楽しい?」

 

「はい、お友達もたくさんできました。時間が出来たら遊びに行かない?って誘われているんですよ」

 

「そう、良かったわ」

 

 聖女として崇められていたけど、例の悪魔に騙されて陥れら、一転して魔女として追放されて日本に来たアーシア・・・・楽しく日常を過ごせて何よりだわ。

 

「それで?その、シオン・・・・は?」

 

「はい、シオンさんも最近はクラスでは桐生さん達に聞いた時期よりも馴染んでいる日々です!切っ掛け、は・・・・」

 

「ご、ごめんなさい」

 

 意図せずにシオンのクラスに転入した為にした質問にアーシアは『素直』に応えてしまったと目を逸らしてしまったわ。

 

 そう、アーシアもそうだけど?シオンがクラスで傍目には以前より馴染んでいる切っ掛けにし『元凶』は私。

 

 詳細は思い出すのが恥ずかしいわ、自分なりにシオンの日常から助けになろうとしたのよ、けどソーナ達から『コメディ』と揶揄される騒動を多々起こしてしまい、結果としてどこか近寄りがたいシオンの印象は?一部からの割と話せて頼れる奴だと言える要素が広まり前向きになった皮肉。

 

 挙げ句の果ては、シオンとアーシアの二人に叱責されてしまい学園内での二人の肩書きは?

 

『表向き完璧超人だが、割と暴走しがちな部分のあるリアス・グレモリーを躾てしまった年下男女』

 

 こんな風にまでなっている・・・・実際に、お尻叩きの刑の一連で間違ってはいないわ。

 

「あの・・・・シオンさんもリアスお姉様を・・・・『悪くは思ってないハズ』・・・・っ!?・・・・あ、あの・・・・」

 

 アーシアは失言してしまったと言う表情になるけど、それには自分なりに優しく微笑んで対処した。

 

「気にしないで、最初から迷惑掛けたのは本当なのだから・・・・」

 

 そう、シオンが私を本当はどう思っているのか・・・・それはオカルト研究部と生徒会で共通する心配事くらいはわかる。

 

『悪く思ってはいないハズ』

 

 アーシアの中でも、そうするのは甘いと言わざるを得ないけど、踏み込もうにも私達に起きた事を把握すら出来てないから、それで上々なのね。

 

 

 

 

 その夜、全身見鏡の前で服を脱ぎ捨てた私は自分の身体を見渡していた。シオンが神滅具を初めて使った時期の事を聞かせてもらった時からやっていたと聞いた。私も例の一件で何かしらの影響が出てないかを確認しなければならないとして始めた。

 

 自分の顔を見て、長年凡庸と揶揄された日々で培った『表情』に出さない、表向きは気丈に振る舞う経験が役立ってしまっている皮肉を実感する。

 

『表情』

 

 自分はあの日、どんな表情をしていたのかと考えてしまった時、全身を震わせて膝から崩れ落ちた。そして?

 

(シオンさんもリアスお姉様を・・・・『悪くは思ってないハズ』・・・・)

 

 思い出したからじゃなくて、言ってもらえた時から我慢していたから・・・・。

 

「アーシア・・・・アーシ、ア・・・・っ!違う・・・・私は・・・・違う、の・・・・よっ」

 

 私、悪・・・・いのよ。

 

 私は・・・・シオンに・・・・一番、酷い事したの。

 

 膝立ちで顔を上げたら、あの日に自分の暴走の犠牲になったシオンが何もわからずに立っているように見えた。

 

「あ、あ・・・・ああ・・・・」

 

 両手を伸ばして、あの日のようにすがりつこうして、両手は虚空をきるだけ。そのまま私は自分の身体を抱くようにして震えが益々止まらなくなってしまう。

 

 知られたら・・・・アーシアだけではなく眷属もソーナ達も私を軽蔑して、悪し様に罵る・・・・けど?

 

『構わない!』

 

 構わない!構わない!構わない!

 

 構わない!構わない!構わない!

 

 構わない!構わない!構わない!

 

 シオンが生きていてくれれば良い!

 

 そう思っているのは事実よ、けど?それが打算的に感じてしまう!

 

 そう、あの日にも思ってしまったわ、仮に、仮に・・・・お兄様が、サーゼクス・ルシファーがこの件を理由に私を討伐しに来たとしてもシオンが無事なら逆転の芽がある。

 

 だけど、それをしたら・・・・。

 

「お願い・・・・私に時間を下さい・・・・シオン・・・・シオン、私が・・・・貴方に、した事を・・・・償わせて・・・・下さい・・・・っ」

 

 泣きながら、この場にいないシオンに身勝手なお願いを始めてしまった。

 

 そう、あの日理解した事。

 

 シオンは生きなければならない、生きなければならないのだ。

 

 私の為だけに。

 

 リアス・グレモリーの為だけに。

 

 だから、私は・・・・シオンの為に生きなければならないのよ、ただシオンにあるだけの償いをする為に。




言うまで無いが、リアスはそれっぽいのに酷い事をしたらダメージ溜め込む方だろうからで、お約束な一幕。

更に自分なりに原作以外に知る作品に良くある要素に対するのと、私作のリアスの凡庸と揶揄された日々が役立ってしまっていると皮肉を活かしてるつもり。

改めてイッセーを使わなかったのは早期にリアスに都合良すぎになるからに尽きる。

そして、詳細は今後をお待ちな事実、サーゼクスが来てもシオンがいてくれて『その手』を使えばなんとかなるのも事実、ラブコメには無条件に男女が揃えば何でもありになる要素が妙に気になるので、ならば本当にそうなる要素をぶちこんでやったわい♪なリアスとシオンを縛る鎖設定である。

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