『とっくに赤龍帝に手を出している』
ゲンドゥルさんが言う流れでは、ロスヴァイセさんがシオン君に不潔な事をしたりしたとしてるとしてる。その根拠は?
「お前の魔法の余韻には赤龍帝のものが混じっているくらいわかるさ・・・・これは、例えば記録で見たおっぱいドラゴンと言われた赤龍帝が無茶な覇龍から戻った後に身体中が不備だらけになって周りの女性が龍化が進んだ身体の部位から気を吸い出していたのと似てるが、仮定した限りではお前の状態は其れの何十・・・・いや、何百倍だ。規格外な譲渡能力どこじゃない。一ヶ月も経ってないのにそんな事さ出来んのは、日本の創作物であるような・・・・男女がそんな事さしてパワーアップするようなものくらいしか思い当たらねえさ」
不味過ぎるわ、多分だけど現場に残ってたのだけでそこまで見抜いた。何かズレた推論混じりな言い方だけど、敢えてそうしてミスリードを誘っているのかもしれない・・・・そう思えるのは。昔、ルーネスお姉ちゃんにその類いで何度もしてやられたから既視感があるのかもしれないと考えた時。
「は、母上・・・・何故、私の耳を?」
「今は大人しくしておれ」
八坂さんが九重さんの耳を何かの気を出してまで塞いでる。子供に配慮しない辺り、強ち計算尽くオンリーってワケじゃないのかもね、ロスヴァイセさんはどう乗り切るのか・・・・って、あたふたしてるわねえ。こりゃ駄目だわ・・・・いきなり基本パワーが大幅に上昇したくらいじゃ対処できない域の攻撃じゃくて口撃・・・・としたら。
「し、シオン君は・・・・そのような事をしてはくれません、私の魔法関連は守秘義務なんです」
「『守秘義務』・・・・それを話せはしないと?」
あれ、何か口調が戻ってるわね。確かにシオン君なら不潔な事をしてパワーアップする方法知っててもやれないけど。
「しかし、私に見抜けると言う事はオーディン様には顔を合わせた瞬間に見抜かれますよ?」
「見抜かれたら見抜かれたで構いません!」
「何さ、妙に真剣だな。まさか、気に入ったのですか?」
「・・・・き、気に入っ・・・・いえ、その?」
顔が青ざめている。恋愛とかの類いじゃない真相があるわね、ここまでだわ!
「あ~、そうかもしれませんねえ?以前、酒を飲んだ時にいっそシオン君をいただいちゃいたいとかグダ巻いてましたし、ビナーさんが止めてなければイングヴィルドさんの水龍で懲らしめられてましたよね」
「・・・・まあ好きにすればええさと言いたいとこだけど、いっ・・・・!?」
ゲンドゥルさんの口をロスヴァイセさんが塞いだ。何か異様な気が出てるわね、此方からは表情見えないけど・・・・何かあやすように背中を撫でてもらっている。ふざけた形の横槍入れた私とは次元が違う何かで意志疎通してるわ、とにかく落ち着いてくれて結論を言った。
「ロセ、結界内に残ったピラーと中にいるロキについては私に任せ、貴女達は・・・・体力が戻ったら早くお逃げなさい」
『お逃げなさい』
何の事かはわかっているわ、この後にビナーさんが敵かそれよりな立ち位置で何かして来るとした場合、戦いになったら勝ち目が無い。けど、どうしょう?せめて、追っ掛けて来た場合なビナーさんにすら勝てるような・・・・っ!
「どうした突然立ち上がって、何か考えた・・・・か?」
「えぇ、恐ろしい・・・・本当に恐ろしい手段を考えたわよ・・・・」
皆、私に何があったのかと言う目で見てるわねえ・・・・けど、上等よ!元を正せば、長年気付かなかったし、漸くにしても盛大に遅れた私に非があるわ!シオン君の記憶を元に戻す為に勝つ為の行動開始よ、賭けに等しいけど。
【敢えて最低の手段を使うわ!】
今ならバレないかもしれない打算まみれ要素込みでね!ビナーさんに先を越されない内、もう越されてるかもしれないけど、想定される限りでは私のアドバンテージになってる部分を使うわ!コレにまで介入するようなら、スニオンピラー以上の手を使う!
翌日、早速に実行に移したわ。
「もてなしすら満足に出来んで申し訳なかったのう」
「九重さんは気にしないで、私達は逃げ出すようなものだし・・・・それに、京都の店で普通に食べたら下働きから学生には厳しい値段になるお豆腐やお粥で充分過ぎるわよ」
「そうか・・・・私なりに勉強しておくから、ええと『失言してしまった者』によろしく頼む」
今回の件は九重さんには堪えたようね、お母さんが助かったのは良いけどビナーさんとイングヴィルドさんに言われた事は私達の年齢でもキツイからね。それから失言ってのは、多分シオン君ね・・・・女の子に間違えられる事多数で記憶がそのままなら怒られたかもしれない、まあ私は今から怒られるどころか殺されかねない事をやるんだけどとして新幹線に乗った。
先ずは駒王町に行くわ!
「普通に町中を歩いて移動して新幹線に堂々と乗って裏を突いたか、ビナーさんはまだ京都にしてもな」
「読み合いになると返って此方が有利のハズよゼノヴィア、冥界で同じような事をやったり魔力系の移送手段は限られているから全部危険にしてもね」
「私が移送系の何かやると身体に負荷が掛かるしね」
エルシャさんが嘆息している。ドライグはシオン君とは仲良し路線なハズが何故か滅多に干渉してこないのも気になるけど。
「ハッキリ言うわ、私は自分の考えには自信無い。船旅と曹操の時も微妙に噛み合ってなかった」
「気にしないで良いわ、そもそも予め立てた策が全て嵌まる程に判断材料が揃ってはいないんだから、不用意に仕掛けて搦め手にやられて失敗しなかっただけマシよ、このメンバーみたいにパワーはあっても不確定要素だらけじゃ正攻法以外が心配だし」
「うん、今の私達はイリナさんの考えで動くのが一番だと思う」
「まあ、コーヒーでも飲め」
「お菓子もお土産に貰ってますよ?」
イザベラさん達の気遣いが有り難いわ、私の案はある意味で一番危険なの、その案とは?
『シオン君の実家に行く』
他を頼れないなら、シオン君自身の根底に賭けるしかない・・・・両親の前に行けば何かの反応がある可能性はある。私なりの疑念を晴らしたいだけかもしれないけどね、でもイングヴィルドさんは不安そうね・・・・まあ、悪魔絡みもそうだけど1年の内の最初の3ヶ月はお風呂も着替えも手伝ってもらいながら同棲してましたな娘だし。
「まあ、腹を空かせては戦は出来ないと言うから・・・・お菓子だけじゃ心許ないので私が見つけた『スーパーなんとか焼売』でも」
「あら、何か面白そう!」
上手く口を挟めなかったゼノヴィアが出したのに対してエルシャさんがはしゃいでるわね、現世を楽しむ気満々よ。シオン君の身体だから心配だけど前向きだから頼もしいわ・・・・焼売はお弁当として長いからどんな味かしらねと思っていたら。
「え~と、このヒモを引いたら五秒でとか書いてあるわね、では早速♪♪」
ブボシュゥゥウウっ!
「って、何よこの凄まじい蒸気!?」
「猛烈過ぎる!蓋閉めて下さい!」
「蓋、蓋、うあっ!ぢゃ゛あ゛あ゛っ!」
熱さで阿鼻叫喚、不意討ちは効くのよね。新幹線内で焼売の匂いを爆発させちゃったわよ!急いで食べたりなんだりして魔力で消したり何だりだわ!到着後に扉が開いたら乗車待ちの人達に大迷惑だったわね、焼売そのものは美味しかったのがせめてもの救いだったわ!こんな事で私達無事に事を進められるのかしらってくらいな失敗かも。
とにかく、駒王町に帰って来た私達にはある難題があったのよ・・・・イングヴィルドさんに見せといた方が良い光景でもあるし。
「・・・・」
言葉を失っているわ、1年も保護してもらっていた場が内部からの爆発で倒壊しているんだし。船旅で説明した時に泣いてた・・・・けど。
「大したものね、周りが何とも思ってない。この周辺の結界はセラフォルー様=現魔王級が用意したにしても異常だわ」
そう、ルーネスお姉ちゃんやグレイフィアすさんも最初は唖然としてた。実はここに来たのはイングヴィルドさんよりエルシャさんが本命なのよ、仮にシオン君が結界に関係してたなら何かの反応あると思った。ここは早目に撤収した方がとした時。
『あれ、久し振りな顔ね』
背後から来たのは、駒王学園の制服よね。眼鏡で両方を三つ編みにしてる女性だけど。
「お~い、名前も呼んでくれないからには1年で相当姉ヶ崎一色な脳になった?」
「・・・・『桐生』さん、何故来たんです?」
「予想してたからに決まってるでしょ、此方はビナーさんがいつ暴れ出すかで凄く怖かったんだし」
何気無いやり取りだったけど、私達は顔を青ざめさせたわ。話によるとイングヴィルドさんが夢遊病者のように町中を彷徨っていた時にシオン君と会った直後にこの結界すら意に介せずに二人どころかセラフォルー様と出会って密かに協力してた一般人なんて、あり得・・・・いえ、これから向き合うのは桐生さんクラスな規格外かもしれないから受け入れないと。
「ふむ、それはそうと姉ヶ崎は・・・・まあ、あんたが別行動なら訳ありなのは間違い無いわね、じゃあコレ渡しとくから、どうしようもない時と判断したら中身を見なさい」
「この封筒の・・・・有り難う」
何かしらね、尤もなようで例のとんちで有名なお坊さんが史実で唯一効かせたとんちみたいな一文が入ってるだけだったりして、とにかくイングヴィルドさんの気分が楽になってくれたならそれで良いわとして去って行って次の行動にとした時。
「気付いてるわね、今の私がシオン君の身体を使わせてもらってるって」
エルシャさんが真剣な顔をして一言、私だって見た感じではわからないわよ!と言いそうになったら淡々と述べた。
「昔からいるのよ、資質はあるけど悪魔を初めとした異端に本格的に関わらないまま過ごしたような人間の一般人ってね・・・・あの娘は自分なりの範囲で上手くやってる側だけど」
ギクッてなったわ。私が姉ヶ崎夫婦に遅れて抱いた感想は正にそれ系よ!あの夫婦と一緒にいる時間は本当に楽しかったわ、パパとママが嫉妬するくらいにね・・・・けど、としたらイングヴィルドさんに手を握られた。
「・・・・駄目、シオンの両親が悲しむ」
「わ、わかってるわよ・・・・私が早く気付いてれば良かったかもしれない・・・・だけど」
確かにあの二人なら悲しむくらいに気を使ってくれるわ。
私は、もう皆に話した。早く気付いてれば紫乃お母さんが身体を壊す前にそれなりの治療とか紹介出来たかもしれないって、ルーネスお姉ちゃんは訳ありだからにしても。
「とにかく行こう、結論は出したろ。セラフォルー様ですら把握してなかった場合、シオンの母上の身体に関して気付いてもかえって悪い結果になったかもしれん」
「うん、そうよね・・・・じゃあ行きましょうかシオン君の実家に」
イザベラさんの言葉に救われたけど、私は言い出せなかったのよね。
【私達が通っていた幼稚園付近にだけは行かないルートを選んだ理由を】
イリナ、自分なりの判断材料を元に敢えて一番危険な手段を取るな回でした。
相手は、噛み合わせによっては大ママ王様だが(汗)