さて、改めて方針決めを任せてにしてくれる皆には悪いけど私は遠回りをしているのよ。
簡単にまとめると駒王町とシオン君の実家をほぼ一直線に行けるルートがあるけど、それは私が絶対避けたい場所を通る事になるの。
【私達が通ってた幼稚園】
近くを通る事になるのも避けたいから。
日本にいた頃に姉ヶ崎一家が普通じゃないと気付けなかったのが私の最大の過ちかもしれないのを話した時、聞いた限りで赤龍帝の力を表面化させたばかりの頃に現魔王が接触したのを皆も知ったから。
【今それらしい場に行くと何があるかわからなくて怖いと皆も思ってる】
ルネアス様だったルーネスお姉ちゃんも言葉を濁してたくらいだし。
それに、アレは私が日本を離れる少し前だったわね。
幼稚園で飼育していた小動物が不法侵入した不良グループに殺された。昔に読んだ愉快なお巡りさんの漫画と似た展開よ・・・・ショックが抜けなかった私はシオン君に一晩中慰めてもらったわ・・・・その二日後だった。不良達が自分達から自首して来て、他の罪が発覚した結果として少年院送り、けど本命はそれじゃない。
連中を懲らしめたのは、以前に来た高校生の中に有名な家のお嬢様がいたから何か手を回してくれたと噂されていたけど。私は数年後に知る事が出来たわ・・・・あの時、私達の近くにいた人がやったって事、そして・・・・。
【シオン君が、あの時点で赤龍帝だと気付いていた奴等がいる】
多分、皆もその類いを自分なりに推測してるから私に賛同してくれているのね。
「このワゴン車はレンタルですけど、これで先にある山を越えればシオン君の実家のある辺りですね」
ロスヴァイセさんの運転で山越えよ、熊や猪が出そうだけどね・・・・グレイフィアさんの運転した車で紫乃お母さんを実家近くに送り届けた時とは別ルートにある山を選んだけど?
「途中から殆ど、オフロードとやらです。オーディン様の付き人時代に無茶を言われた経験無ければアウトなレベルです」
「まあ、それならそれで歩いてけば良かっただけよ。イリナさんとゼノヴィアさんは人間だけど苦にする程じゃない・・・・普通はね」
「い、イリナよ・・・・お前の選んだ場は天然のようで魔力の要塞か何かなのか?」
「わ、わからないわよぉぉっ!」
町と町の間にある山程度と思ってたら、確か・・・ええっと確か、日本の有名な場で。
【伊豆とか草津】
そんな地名だったかしら・・・・そこの温泉旅館がある場みたいな山の中と似てるようで数倍複雑にした中を移動しているわ!暗くなって来たとは思ってたけど一気に二時間くらい時間が戻ったようになって、周りを見てみたら魔力か何かで覆われてたし。このメンバーが誰一人気付かないって事はとして考えて出た結論。
「「冥界で、ヴェネラナ様に行くよう勧められた山と似ている(な)」」
聞いた限り、シオン君とイングヴィルドさんにイザベラさんが紹介された場はウォーキングにお薦め程度な山のハズが入り込んだら富士山とかに似た場を数倍複雑に広くした場が複数、いつの間にか広がってたらしいわ・・・・ロスヴァイセさんの知る北欧の似たような場所とかとも違う何かとした時。
「予約はしてないのですが・・・・」
「はい、この辺りは悪魔や堕天使の方々の穴場とすべき場所ですよ」
優しそうな浴衣美人なお姉さんが出迎えてくれた温泉旅館に御到着よ。周りは確かに森林や川が広がる見事な観光地よね・・・・凄く広い野外温泉には狸やお猿さんはともかく、何かミニサイズな熊みたいのが入ってるけど。
「邪気はまるで感じないな、精々が狸や狐に化かされているのかもしれん」
「それは良いけど、曹操と戦った時から身体が私のままなのは気になるわねえ」
露天風呂を堪能するエルシャさんの疑念は尤もねえ、全員が髪を纏める事もなく身体に良く染みるとわかる湯に浸っていたわ。シオン君には悪いけど何かの反応があるかもしれなかったから全員でお風呂に入っている。しかし、私達より年長者なハズが身体のラインも肌の張りも若々しいわ・・・・けど。
「言いたい事はわかるわよ、身体が現赤龍帝に戻れば私は用済み。そのまま消えるかもしれない、けど私は元々は神滅具の中の残留思念みたいなものだったしね、京都の絶品なお粥や今の温泉だけで贅沢過ぎる恩恵よ・・・・それより、私に聞きたい事があるんじゃない?」
「え、えぇ・・・・と。ドライグが何か不干渉気味な理由」
「残念、私からしてもシオン君に関してはやたら強いくらいしかわからない・・・・まして、リアス・グレモリーに関わった時以降は秘密以前に私もワケわからなくなってるから話せる事は無いわ・・・・じゃあ、私は先に上がるわ。風呂上がりのお酒は身体の持ち主に悪いから止めとくわよ?」
重い空気になったけど、エルシャさんは何事も無かったように先に上がった。下手に干渉したら危険なのはわかるわよ・・・・けど、シオン君の身体に配慮しているのは感謝した。
「あの、この後だけど・・・・」
「待てイリナ。此処にいるのは私達だけではない・・・・聞き耳立てられたらいけないだろう」
確かに、けど邪気も何も無い動物ばかりじゃないと言おうとした時。
「すまない、妙な話を聞かせてしまった。大した話ではないので」
「ゼノヴィア・・・・誰に話しているの?」
「何を言っている。先に入っていた人だ。見てみろ・・・・何やら若・・・・いっ!?」
バシュっ!と間欠泉みたいになった温泉の湯がゼノヴィアを打ち上げた。そのままゼノヴィアは洗い場に念道力か何かで移動させられて動きを封じられていた。
「あらあら、失礼な言い方だけど感性が他より低いのが半分で、後は良い意味で雑念が無いのが功を成したわね。いえ、イングヴィルドさんが見抜けないから安心と思って入浴続けてた私の方が問題ね、良い薬になったわ」
見渡すと周りの動物が退散し始めているか、又は幻影だったのかで消えていた。臨戦態勢に入るけど、背を向けている人から魔力が出て温泉が『七色に光った』と認識した瞬間。
「な、何なの・・・・身体が」
私達は身体が勝手に動いてゼノヴィアを加えて間隔を取りつつ一列に並んで洗い場に正座させられた。まるで全員・・・・悪いことしてそうされてるように。
「力や魔力を全開にしても身体の自由が殆ど取り戻せない・・・・イングヴィルド、温泉を触媒にした何かでやられたようだが、湯でも水なら何とかならんか?」
「わ、わからない・・・・魔力が全然使えないの」
イングヴィルドさんが泣き出していた。水に関してはシオン君との訓練で自信を持っていたのに役に立たないのがショックのようね、そして湯船から上がって来たのは・・・・いえ、微かに纏う赤い光で身体を動かしている人の姿に全員が息を飲んだわ、髪を纏めているタオル取った姿にイザベラさんとイングヴィルドさんは初対面だから特にショックね。私も直ぐには気付かなかったのが信じられなかった。
「「し、シオン?」」
「・・・・良く見なさい、痩せっぱちで年齢不詳だけど女の身体じゃないの、息子に聞かれたら怒られるわよ?とにかく自己紹介。私が詩音の母である姉ヶ崎紫乃です」
言ったように、身体を壊したからか病的に痩せているけど、エルシャさん以上にスレンダーで綺麗に整った白い裸体、痩せすぎを除けば十代ギリギリのような若々しさ。私も子供の頃に羨ましく思ったくらいな張りのある肌もそのままだわ。
「あ、貴女が・・・・いえ、それより何の真似ですか。私達が抵抗出来ない力を持っているのも驚き・・・・っ!」
イザベラさんの首もとに赤い光が刃のようになって紙一重の隙間があるくらいに突き付けられた。全員が震え上がっているわよ、アレは触れただけでイザベラさんの肉体も簡単に両断出来るわ、鍛えている悪魔でそれだから私みたいなのは紙か何かのようになるわ。
「力の差は理解したわね、ゼノヴィアさんが予想外だった以外は・・・・もう少しレベルが上かと思っていたけど。買い被ってしまったかな、リハビリ兼ねて一戦交えてみようかと思ってたんだけど、軽く牽制しただけでコレだとやる価値が無いから精進し直しなさいな」
そう言って、紫乃さんは私を見据えた。言われた事を悔しいと思う余裕すら無い現実。何よりも紫乃さんの両目には、昔怒られた時とは全然違う怒りの色があった。
「イリナちゃん、詳細は教えられないけど事情は察しているわよ。手を貸せない私が言う資格は無いんだろうけど、私だけじゃなくて、私の大事な旦那様に何の用で訪ねて来ようとしたのか言いなさい」
「わ、私は・・・・」
見抜かれている以上にどう言えば良いのかわからなかった。紫乃さんがシオン君が記憶喪失になっているのを知ったらと思うと怖かったけど、私達がこんな簡単に無力化されるの迄は考えられなかった・・・・いえ、その前に正直に言わないと。
「あ、会わせたい人がいるんですっ!」
「あら、誰かしら?」
「先に上がった人ですが・・・・」
「ああ、女性の赤龍帝ね。今頃は私が神経を休める秘孔を密かに刺激した効果が出て、湯あたりと勘違いして寝てる頃でしょうね、一応は詩音の身体でお酒飲むとどうなるか不安なようだからやめとく辺り貴女達よりはマシだから保留しとくわね」
私もだけど、驚きが全員を支配したのを見て取れたわ。何か察してしまうかもしれない可能性あるどころじゃない、全部見抜いてるの?
「それはさておき、事態の解明を急かしたにしても近付いた対象がどうなるかの考えが揃って足りないようね。非常手段や役割として割り切るのも考えの内だけど、その場合は配慮も何も無意識に足りなくなってしまう罠があるのよ。例えば、イリナちゃんで言うと初対面でアーシアちゃんを立ち位置上で悪く言ってた場合に詩音に怒られていたとか考えなかった?」
「な、何でそれを・・・・」
「何~故だ?教えてあげても良いけど、その前に貴女達にはお仕置きが必要ね、勇み足のヤンチャもだけど、理由が他の危険や嫌な予感に記憶を避けたような意気地無し振りと来ては慈悲は掛けないに決めた。そんなんじゃグレイフィアさんみたいに自分が痛い目に遭うだけじゃ済まないわよ」
やっぱり全部知ってる。私達の恥部すらもと震えていたら紫乃さんの眼が赤く光って、温泉の湯が掌サイズ浮かんで膨れ上がった。イングヴィルドさんも驚くくらいね、紫乃さんの分身が五体出たようになって私達の背後に歩み寄った。
「覚悟は良いわね」
全員が固唾を飲んだ。どんな仕打ちをされるか怖くて仕方無かった・・・・平手打ちでもされたら首が飛ぶくらいな確信すらあるわ。
けど、私達に下されたお仕置きは?
「ぃい、やあああっ・・・・!」
「や、やめて下さいぃぃっ!」
「こ、こんなのひどい・・・・ああっ!」
「うああっ、こんなのやだああっ!」
「わ、私が・・・・自分なりに修行した私が・・・・うああっ!」
ピシャッ、ピシャリッ、ビシッ、パシン、パシィっ。
私にゼノヴィアにロスヴァイセさんにイングヴィルドにイザベラさんが順番に叩かれるのを繰り返している。分身を一斉に操れないのかもしれないけど、もう突破口にならない。全員が断続的に響く音の度に私同様に泣きながら悲鳴をあげるしかない。
【お尻、百叩きの刑】
昔、悪さをした私に課せられた中でも一番怖かった罰、恥ずかしくて痛くて泣いた記憶が一気に鮮明になるわ。
「紫乃さん・・・・も、もう許して・・・・許して下さいっ・・・・いやああっ!」
パシィっっ!
必死に身体を動かしたけど、最初に前のめりに倒れて分身達に支えられて、全員が床に四つん這いにされる形になっていた。そのまま更に強力に姿勢を固められたから四肢を付く手足が崩れる事すら許されない。
叩かれて僅かにブレては分身達におしりを突き出し直す形に動かされる。つまり、姿勢を正して改めてお尻を叩かれるのを繰り返しているわ、私以外も自分を見下ろす紫乃さんに更に許しを求め出している。
「イリナちゃん、昔に詩音とルーネスちゃんと一緒に連帯責任でお尻叩きした時は二人は我慢していたのに泣いちゃった時のままなの?」
「そ、それはもう昔の、やああっ!」
パシぃンっ!と更に爽快にお尻を張られて悲鳴をあげちゃう、やっぱりこの人からしたら私は子供で、その子供レベルの案に乗せちゃった皆も子供なのね。
「シ、シスターにだってこんな・・・・ぅああっ」
「や、やだあああっ!私、ヴァルキリー・・・・なのに・・・・い、痛い・・・・痛く・・・・しないで、さああぁぁっ!」
全員が泣きながら、紫乃さんの出した分身にお尻叩きをされていた。十代半ばから後半なメンバーなのに幼女のように扱われる情けなさと未知の感覚と恐怖に打ちのめされている。けど紫乃さんには一切の慈悲が無い。
「肩書きも何も関係無いわよ、悪い子にはお仕置き!」
「私は、実年齢は・・・・ぁあああっ!」
「は、母上様!どうかイングヴィルドには・・・・ああっ!」
「庇うくらいなら最初から思慮を働かせるべきよ、問答は無用!百回お尻叩きするからしっかり反省なさい!」
ピシャアッ、ピシャッと。尚も肉を軽快に打ち据えられる音を鳴らして続くお仕置き、全員が泣きながら悲鳴をあげるしかない、言葉通りにお尻百叩きされるしかない。
「は、ぅぅうっ!皆、ごめんないぃぃっ!私がこん、な・・・・あああっ!」
「き、気にしないでくれ!案に乗ったのは私達なん、だ・・・・くああっ!」
夜の温泉に尚も泣きながら許しを求める私達の悲鳴とお尻を叩かれて出る音が響いたわ、シオン君・・・・ごめん・・・・私が紫乃お母さんを過大に見てたつもりで、次元がそれより幾つも違うなんて思えないでこんな事になったわ・・・・こんなんじゃ・・・・こんなん、じゃ・・・・。
ーーーーーーーー。
「え、何よコレ?」
私達は浴衣姿で原っぱに寝ていた。周りは何か結界に守られてて室内みたいに暖かいけど。
「う~ん、化かされた?」
エルシャさんが持っている葉っぱは狐や狸が人間を化かす時に良く見る物、じゃあ昨夜のはとしたら、私達は全員お尻をさすった。
アフターケアとして塗ってもらった薬のお陰で痛みが九割は和らいでいると思った時のままだわ、あの後に私達は部屋に連行されて・・・・浴衣に着替えさせてもらって一旦寝たのよ、事情は起きてからとかで、光の刃を突き付けられたイザベラさんは恐怖に震えてイングヴィルドさんの胸にすがり付かせてもらってるわ。
「ど、どうするんだイリナ・・・・仮に、昨夜の事が本当に起きたのだとしたら、私達は紫乃さんにまたお仕置きされるだけかもしれん」
「そうね・・・・ロスヴァイセさん、山を降りる寸前迄は予定通りにして。私が様子見ながら一人で町に入って、避けてた場所に行く。皆は待ってて」
そうよ、紫乃さんに指摘されたように配慮は足らないし自分で確かめるのを避けていた代償が昨夜の原因、またお尻百叩きされたくないだけかもしれないにしても!
「待って、それは駄目!私達は全員で行く」
「えっ?」
「そうですよ、私もイングヴィルドさんに賛成です。腐ってもヴァルキリーですから!紫乃さんの事も気になりますし」
「うむ、細かい事は後だ。私達は結局はシオンの両親の秘密以前に気付かなかった代償を恐れて遠回りをしたからああなったのかもしれん、イリナが感じた事に向き合うのが先だ」
賛成してくれる理由はなんとなくわかる。紫乃さんから言われた事は。
【私達が怒りを抱いたグレイフィアさんの失敗と同じだとする内容】
避けていた結果、踏み込もうとしたら思慮が足りないせいで無様を晒したと自分で認めていたグレイフィアさんに及ばない結果を招きかねない。
まるで次元が違う力を見せ付けられた事に思うところがったからにしても、感謝するわ。
「皆、ありがとう・・・・じゃあ、予定を少し変更して私とシオン君が通ってた幼稚園に行くわ」
最後の辺りの真相はさておき。
~~は、負け。つまり、今回は負けイベント。
私作では勝ち組寄りなキャラ達だが、このパターンで大人を頼るようじゃ駄目と判断した大魔王様ならぬ大ママ王様にレベルを買い被ってたと言い放たれまでして大惨敗。
映像にすると卑猥過ぎな図だが、幼女へのお仕置き感覚な紫乃です。そのままなら大迷惑で大失敗を招きかねなかったから慈悲は無し。