ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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 前回のあらすじ。

 頼ろうとした相手が大ママ王様と言うべき存在となっていたと知る術も無かったイリナ達は事情は理解してはもらえても一線を越えていたが為に成す術も無く一網打尽にされて戦う価値も無しな幼女扱いをされて自分達の落ち度を泣いて謝っても許されずにお仕置きを受け入れる他は無かった・・・・果たして、光明はあるのか?

 ※

 サブタイトルについては今話の最後。


世の中、言われた者負けな類い

「あうう~、智恵君が泊まり掛けのタイミングだったからと思ってたら急だったにせよ、何とか保ってくれたわね」

 

 力を使いすぎた姉ヶ崎紫乃は自室で疲労のあまりに布団で寝ていた。夫が自分の勤める動物病院に行ったのを安心して見送り、リハビリと訓練を兼ねて近くにある秘湯への新型方式転移に挑戦を試みた矢先にイリナ達のやむを得ないにしても軽挙に対して流石に慌てて舞台を整えたせいでも負荷はあった。昔に自分達の愛用していた温泉に夜中に移送系を使って出向いて事が済んだらエルシャですら化かされたように感じる状況を演出した。

 

(けど、実は私もイリナちゃん達を悪く言えないか、智恵君みたいになった詩音を目の当たりにしたら多分助けちゃうわ・・・・そうなると、一応は当面の危険消えたのが台無しになるし、何より?)

 

 紫乃は息子の記憶を取り戻させてはやりたいが、自分にやれるとした場合は駒王町に行く前辺りはともかく、それ以降は無理だし失敗の可能性が高い。それではいけない悪いと判断したのだ。あの糠床を世話していたイングヴィルドが無意識に魔力を混ぜてしまっていたのを息子が何も言わないでいただろう事で察した。

 

(万一の時はそうするとして、事態はアーシアちゃんみたいに駒王町に行って以降の知り合い達には最悪だよね。それはそうと・・・・大丈夫なのかな?)

 

 紫乃が危惧するのは自分の把握している範囲内であるが、危惧通りになると確信している事であった。イリナ達が予定変更をした頃、修学旅行の下見中を終える前にビナーは恐るべき作戦を立てて実行していたのだ。

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーー。

 

 

 

 

 

「私のお使いで宿題・・・・」

 

(いやあ、厳しい御方で御愁傷様ニャ事)

 

「ね・・・・いえ静かにしてて下さい『クロ』」

 

 搭城小猫はペット用の籠に普通の黒猫に姿を変えてクロと言う名にした姉を入れて目的地に辿り着いていた。ビナーの提案で恐ろしい事をしようとしていると身を震わせながら建物を見上げた。

 

『動物病院』

 

(丁度、駒王町の動物病院が休みだからの流れだから・・・・シオン先輩のお父さんが勤める動物病院に・・・・)

 

 ビナーの提案である。修学旅行の下見を学園に帰らずに距離は少々離れているが怪我をした猫の受診をしに来たフリをしてこの場に来るように。私服だから誤魔化せるとは何の事かは聞かない事にした。

 

【殺されはしません】

 

(白音、ハッキリ言うと私達はビナーから離れられてラッキーかもしれないニャ、男共とロイガンさんなら地獄を見てれば強くなるけど白音はちょっと違うから、意味は自分で考えなさいニャ・・・・)

 

「わかってます(意図はまだしも、私の力は専門じゃない程度はありそうです)」

 

『搭城さん、どうぞ~』

 

 自分達の番になって通された部屋にいた獣医、ネームプレートに『姉ヶ崎』とあったので。この獣医がシオンの父親で百九十を越えてる凛々しい女性みたいな外見だと姉妹は注目した。

 

「お待たせしました。その子が怪我をしたそうですね」

 

「はい、胸の辺り、を怪我して・・・・っ!」

 

「はい、見てみますね」

 

 人間特有の気配と掛け離れていると小猫は驚かされた。何もかもが自然で呼吸と動作だけで戦闘員のようだとして確信した。この実年齢より全然若い男がシオンの父なのだと、学園で近くにいた時のシオンより年齢通りに二十年以上も洗練された動作としたが、いつの間にか診察室には智恵だけになっていて、全てが無となるような気配が出ていた。

 

「搭城さん、これは事故での打ち身とかじゃないよ・・・・ちゃんと答えてね。君は・・・・この子に暴力を振るったのかい?」

 

「け、喧嘩をしてしまった弾みで」

 

 間違いではないにしても正直に答えてしまった小猫を智恵は泣きそうになりながら真っ直ぐ見据えた。小猫は目が離せずに時間だけが過ぎていったが?

 

「二ャア!」

 

「・・・・うん、ごめんね。聞かなきゃならないんだよ・・・・搭城さん、此処に自分で連れて来たんだからわかってるね。この子は君の家族だよ、心配してくれる大事な家族だ・・・・仲良くするんだ。良いね?」

 

 そして、胸の辺りに重度の打ち身をした猫に対する治療をしてくれたが、小猫はその間に恐怖と言える概念を幾つも超越した感覚に支配されていた。

 

(いやあ、怖かった。本当に怖かった。その前に白音を苦しめてからやらせた私にこそ当て嵌めるべきだったから思わず声出したけど、アレは本物よ。殴られるより痛いだの正義の怒りをぶつけられるって事はあの事かニャ?)

 

「わ、わかります」

 

 普通の猫の姿なのに、暴力を振るった=黒歌を殴った事を見抜いたのも驚いたが、全く怒りを表面化させてないのにビナーですら比にならない畏怖を感じた・・・・そして?

 

 

 

【良いかい、この場所に行くんだ!】

 

 

 

 有無を言わせない力を感じて渡されたメモに記された場に小猫は引き続き、籠に入れた黒歌と共に向かっていた。もしもだが、あの男性が転生悪魔の戦士にでもなって立ちはだかったら絶対に勝てないと確信した。

 

 これが紫乃が危惧した事の半分だった。小猫のような後ろめたさを持つ者が目の当たりにしたら浄化されかねない存在と向き合うには遅すぎるし早すぎる。そして、もう半分は。

 

 

 

 

 ーーーーーー。

 

 

 

 

「も、もう少しね」

 

「えぇ、大丈夫ですかイリナさん?」

 

 ゼノヴィアすらも顔を青くしているであろう私をソッとしてくれてるわね、私は出来ればあの幼稚園は行きたくは無かったのよ、今でも覚えてるわ・・・・教室にばら蒔かれたウサギ達の死骸にショックを受けた園児達。嘔吐して泣き出して意識を失ったりまでした同級生達、シオン君もアレには呆然としていた。

 

 そして、繋がり始めた事。

 

 

【アレがシオン君の神滅具の覚醒を早める為の陰謀なのだとしたら】

 

 

 いや、先ずは私が向き合うのが先!

 

 あれからショックに負けるもんか!って、日本を離れてからも暫く駄目だった肉を良くも悪くも食べ物を粗末にしない範囲内で食べて食べて食べまくって身体を動かしまくって信仰を深めて・・・・だから、此処に来た。エルシャさんになってるシオン君に何かの反応を出してもらうには、姉ヶ崎夫婦以外には此処しかないとして降り立ったわ!

 

「廃墟になってるな・・・・」

 

 ゼノヴィアが素直な感想を述べた。閉鎖されて兎小屋があった場には・・・・って。

 

「あ、あの・・・・ぐ、偶然ですね」

 

 搭城小猫と黒歌さんがいた。慰霊碑みたいのがある場がウサギ小屋があった場だったわ、事情を聞いて途中まで私は、ビナーさんに先手を打たれたのかと思ったけど?

 

「シオン先輩のお父さんが、此処に来るようにと、理由はわかりました。何が起きたのか記されてまして・・・・」

 

「ニャ・・・・」

 

 あの事件で犠牲になったウサギ達、それに少年院に送られた犯人達は家族に縁切りをされた事で地元に帰れなくなった事、これは犯人の親達が申し出たのね、真意も真相も考えるのが辛い事でしかないでしょうね、不毛な事への教訓としている。

 

「家族・・・・祖母に怒られたばかりの私にも身に染みますね」

 

「うん、小猫ちゃんは智恵お父さんに一番厳しい注意受けたわね。弾みで家族を・・・・向こうから見たらそんな風にしても飼い主を気遣う猫に怪我させた事になるから、これを知って徹底的に思い直しなさいってとこよ」

 

「はい・・・・」

 

「まあ、気にしないで白音。真相は私の方が染みる内容なんだから・・・・それよりどうしたの、京都の時から何かおかしいけど・・・・その細身の女性以外は顔見知りじゃニャい。て言うか赤龍帝君はどうしたの?」

 

 エルシャさんとシオン君の事はどうしたもんかと思ったけど、確かにそうよね。私達はサイラオーグさんと一瞬に共闘したハズなのに何か態度が・・・・あれ、待って。もしかして、特定の誰かに恐怖心を抱いている・・・・え、と気配からして。

 

「私がどうしたの?」

 

 ビクってなってる。やっぱりイングヴィルドさんを怖がってるわ、木場佑斗にギャスパーって子・・・・それに冥界で会ったシトリー眷属もそうだったわ。

 

「あの、実は・・・・」

 

 話してくれた事には正直驚いた。シオン君のマンション内で働いた魔力の防犯装置が再現したイングヴィルドさんもどきが、小猫ちゃんを含めた他を事もなげにあしらいながらリアスさんを叩きのめしたのをロスヴァイセさんも治療したから知ってた。

 

「イングヴィルド・・・・この際に聞いておかねばならんな。お前は今直ぐにリアス・グレモリーが目の前に現れたらどうする?」

 

「同じ事をやる」

 

 イザベラさんの質問に即答したわね、シオン君がリアスさんに何をされたのかをどれだけ把握してるか聞けないけど、私から見てもイングヴィルドさん、は・・・・っ!

 

「水、龍・・・・」

 

 な、何よっ!いきなり水の魔力を全面展開している!そして、建物に向かって無数の水龍が飛んでって破壊した。私の・・・・私達が通っていた建物が・・・・と思っちゃったけど、今は事情!事情をとした時に周りが赤い何かに覆われていて破壊された建物からは。

 

「おのれ、混じり物めが・・・・っ!」

 

「・・・・貴方はクルゼレイ・・・・『クルゼレイ・アスモデウスね!」

 

 何か如何にも悪魔っぽい耳した黒髪の名前は私も聞いているわ!旧魔王の一角、人間は地獄に招いて他の悪魔以外の種族は天使も堕天使も全て滅ぼすべきとしている思想、私みたいのからしたら一番の敵よ!

 

「レヴィアタンの混じり物め・・・・その力を何処で身に付けた!?」

 

「シ・・・・っ?」

 

 いけないッ!としながら、口を抑えさせたわね、シオン君第一思考が悪い方に出て素直に答えようとしちゃった辺りはポヤヤンとしてる部分の悪いとこが出ちゃった。情報は僅かに漏れても駄目なとこがあるって思うのは、やっぱり紫乃さんに皆揃ってお尻百叩きをされたからかしら?

 

「ふっ、何やら慎重だな。ゴシップ記事によると相当に赤龍帝に入れ込んだようだが・・・・リアス・グレモリー同様に重度の依存症にでもなっているか?」

 

 相手の言い分が何かおかしい、そりゃイングヴィルドさんは確かにそうなるの納得な生い立ちだけどとしたら寒気がした。私はイングヴィルドさんの顔を見れない・・・・けど何かおかしいわ。わざわざ挑発するような・・・・えっ?

 

「な、何だ・・・・イングヴィルド、待て!」

 

 一番仲良いイザベラさんが待ったを掛けるけど近付けない。イングヴィルドさんの身体中から細かい出血がと思ったら、流れた血が沸騰でもしてるのか赤い蒸気になっている。

 

「私は・・・・あの女と同じじゃない!」

 

「ほう、どこが違うのだ。調べさせてもらったがリアスの方は手元に置きたがっている割には煮え切らないし何をしたいか不鮮明、お前には具体的な望みはあるのか?」

 

「ある!私の望みは・・・・シオンと私の子供を産む事なのよ!!」

 

 全員が固まった。挑発して来たクルゼレイすらも。

 

 薄々わかってたわよ・・・・いえ、待って!何か引っ掛かるわ!考えなきゃ・・・・考えなきゃならない!脳が沸騰するくらいに考えるのよ、細かい部分が何もかもがおかしい!そもそも世の中、言われた者負けな類いになって・・・・いや、多分合ってはいるけど今は違うな私には、そうする事しか出来ないから・・・・それをやらないといけないの!




 ビナーが以前にやった解析大当たりの回、イリナが評したように、多分先に言われたら負けな大胆発言。
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