ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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 ついにサブタイトルにまで使ってしまった。母親が強いのは良い事なんだがね。


大ママ王様

 幼稚園から撤収した私達は、最初にこの街に入った山の麓に一先ず戻る事にした。次に大物が来た場合に市街地で戦いになるのを避ける為でもあるんだけどとした道中でエルシャさんから聞かされた事、幼稚園のウサギ達が惨殺された事件の黒幕かもしれないヤツについての話で全員が衝撃を受けた。

 

「神器を無効化する能力を持っている初代ルシファーの血筋の悪魔!?」

 

「えぇ・・・・例のおっぱいドラゴンと当時の白龍皇が攻略法見つけて何とか倒したけど生存を密かに疑われていたのよ・・・・まあ、仮に本当にソイツが本当に生きてたら仮死状態にしたクルゼレイを代価にしつつビナーさんに頼んでサーゼクス・ルシファー呼んでもらうのが安全ね、あのルシファーはそいつを警戒して眷属の全てを神器持ちじゃないメンバーにしたくらいよ、旧魔王派最右翼のグレイフィアさんを妻で眷属の女王にしたのも丁度彼女が神器持ちじゃない純血悪魔だからってのもあるとかどうとかよ?」

 

 警戒心が強まっていくけど、気になるのはイングヴィルドさんね。神器持ちなのに何か別に気にしてない・・・・まあ、私の中で色々繋がったわ。

 

 マンション地下で回収したアイテムには正にそれくらいの相手想定してます級なのがあったし、セラフォルー・レヴィアタンを含めて決して無警戒だったワケじゃないみたいハズ、クルゼレイがウサギちゃん達を殺すような事をしたのは赤龍帝への恨み関連ってとこかも。

 

 ビナーさんも案外と聞かされた存在を想定してるのかもね、話通りだとしたらシオン君と組む方が安全だし。

 

 色々と【暫定的】にまとめてる内に山に入った辺りで、黒歌さんがただならぬ雰囲気になった。

 

「え~と、オーフィスのとこにいた私に言わせれば彼女のとこにいた私以外は気付かないレベルの結界にゃ」

 

 オーフィスのとこにいた云々は会った事をはぐらかしていた私達は迂闊に追及出来ないわよね、イザベラさんはスルーしてくれてる。

 

「ここで起きた事を話した方が良い、ビナーも気付くハズで・・・・どのみち、教会関係者でも人間の娘が腐っても旧魔王の血筋で内乱起きてなきゃ多分魔王だったのをタイマンでぶちのめしてお縄にしたんだから波風立つにゃ」

 

「え、と・・・・わかった。温泉の人は悪魔や堕天使も使う場とか言ってたから荒事は想定してるかもだしね」

 

 そして話した事に真面目に向き合ってくれたわね。五人揃って夜の温泉で一網打尽にされてお尻百叩きされた事にも笑わない辺りは本気で危機感を持ったようね。

 

「は~、そりゃ大魔王ならぬ・・・・大ママ王様ってとこかにゃ?」

 

【大ママ王様】

 

 あんまりな言い方。紫乃さんは私の中で、今はイギリスにいるママとは別の意味で母親の代名詞よ!と、頭に血が昇った時。

 

【事実を無視して成長は無いわよ?】

 

 その紫乃さんに昔言われた事を思い出した。腹立たしいけど、此処は受け入れるしかないのかも、なら?

 

「この際に言うけど、問題は紫乃さんが本当に大マ・・・・じゃなくて魔王級以上どこじゃないかもな事についてね。作戦勝ちでも一応はクルゼレイに向き合った私から見ても紫乃さんから感じたのは次元が違うわ、あの力をいつから身に付けてたか。身に付けているのを他は気付いているかの二点が重要だけど、何か気になる事があるのは一人ずつ挙手して述べて頂戴」

 

「恐らく、身に付けてからそんなに間は無い。リハビリと言っていたから、身体を壊しているのも本当だろう」

 

 最初にイザベラさんが震えながら挙手して自分なりの考えを述べたわ、あの光の刃を突き付けられた時に心底恐怖したけど、何か感じているとした時に今度はイングヴィルドさんとエルシャさんが挙手したわ。

 

「私もそう思う、シオンが時々実家に帰っていたけど、その時に何か感じて無かったようだったの。その理由次第だけど・・・・」

 

「じゃ、私からは提案ね。あったらだけど、もう一度温泉行って何か残ってるか調べつつ時間を稼ぎましょう。マンション地下の便利アイテム管理してるイリナちゃんの治療もあるけど、私がドライグやシオン君に徹底的に交信を試みるわ。ハッキリ言ってドライグが何かやれば助かるのにやらない理由も判明させないと紫乃さんに向き合う以前な問題よ」

 

 この二つは確信を突いてるわ、確かに紫乃さんに向き合いたくても出た意見からの不確定要素を解決しないと駄目よね。一旦出直しよ、少なくとも山の中なら市街地で戦闘は避けられるし、川があるのも利点ね。その中で次の計画立てるわ!

 

 小猫ちゃんと黒歌さんもビナーさんから数日掛けて良いと言われてたらしく同行を申し出てくれた。

 

 正直、裏がありそうだけど。ここは後回しにするしかないかも、実はビナーさんの目的かもしれない事に心当たりがあるし。

 

 

 

 

 ーーーーーー。

 

 

 

「運転手として、やはり怖いくらいです」

 

 ロスヴァイセさんの言うようにまたしても時間がおかしくなってるし微妙に地形が変わる空間と山道を超えてやっぱりあった温泉旅館に泊まり、部屋で仮死状態にしたクルゼレイを厳重に封印アイテムにしまいつつエルシャさんは集中を始めてた。そして、昨夜落ち着いてやれなかったからな入浴を薦められた私達は露天風呂に来たら?

 

「あ~、ビバノンノン♪♪」

 

「アッサリ・・・・し過ぎじゃないですか?」

 

「今回は皆にも最初から見えるようだな」

 

「あら、一日振り・・・・少しはマシな顔になったわね。断っておくけど、ゼノヴィアさんが素で気付いた時より少し上な幻術使ってるよ、貴女達が進歩したから気付けたのよ」

 

 狸さんやお猿さんと一緒に温泉満喫な紫乃さんが先にいた。身構えちゃったけど、昨夜とは違う・・・・昔、一緒にお風呂に入ったりした時の紫乃・・・・お母さんだ。やっぱりイギリスにいるママじゃないけど、この人も・・・・私にとってはお母さんだわ、黒歌さんの言うような大ママ王様であって欲しくは無かった。

 

「驚かせてごめんね、旦那様が急用で出向いたから寂しくてね。それと詩音については元々あの子は私と顔を合わせたがらない事を伝えてみる事にしたから、来ちゃった」

 

「な、何でですかっ!?」

 

「答えは詩音が元に戻ってから直接に自分で確かめる。それより身体をちゃんと流しなさい」

 

 言われるままにした。確かに語り合おうにも入浴の基本は大事よね、とした黒歌さんすら素直に従っていた。見ると眼には鋭い光すら宿っている。

 

「参った・・・・多分、あのママさん。私の見てた範囲でのオーフィスより強いかも」

 

 反論出来なかった。多分だけど私と違って小細工無しでクルゼレイ倒せるイングヴィルドさんが全然抗えない力を持っていたから。

 

「ど、どうします?」

 

「白音、ここは向き合うしかないわ。他も理解してるようだけど、逃げた場合・・・・今度は私達も一緒にお尻百叩きされちゃうかも」

 

「姉様は一回された方が良いと思います」

 

 全員が身体を洗って温泉に入ったわ、向き合う必要があるとしたから。

 

「そこのお二人、猫又とは驚きだけど敢えて何も言わないわ。先ずはこの後にどうする気なのか聞かせてくれない?私は旦那様に迷惑掛ける気なら、今度はその二人も並べて【お灸】を据えてやる気だけどね」

 

「お、お灸・・・・」

 

「それは身体に乾燥させた葉の粉末を乗せて燃やすものですか?私達はそんなもので引きません!大体、そんなも、お・・・・おいイリナ!何を怯えた目で待ったを掛ける!小さな子への罰に使うのもあるらしいが、治療に使われるようなものだろ?」

 

「ふふ、覚えてたわね。ゼノヴィアさんに試しに剣でも持たせてみなさい、私がするお灸がどういう効果が出るかわかるわよ?」

 

 言うように、私の聖剣をゼノヴィアに持たせたけど。皆が驚いてたわね、パワー自慢のゼノヴィアがまるで幼女みたいに剣を持つ事すら出来ないで湯の中に落としちゃった。

 

「こ、これは一体・・・・」

 

「ごめんなさいね、筋力を一時的に幼女並に落とす秘孔を刺激したのよ。昔、イリナちゃんにやんちゃのお仕置きに1日筋力が弱まるお灸を据えたけど、それの応用。東洋の神秘としての類いだけど・・・・一生効くのも知ってるわよ?」

 

 全員が青ざめてるわね、仮にこれから魔王級が絡む戦いになった際にそれをお仕置きでされて筋力が一生幼女並にされたら致命的だとしてたらイングヴィルドさんは?

 

「あの、それを教えてもらえませんか?」

 

「教わりたい理由次第よ?」

 

「シオンに使います。そうすれば無茶はしなくなる」

 

 とんでもない事を言っているけど、私達はイングヴィルドさんは無理矢理にでもシオン君を無茶はさせないようにしたいって考えてるとわかる。紫乃さんの判断は?

 

「イングヴィルドさん、それはシオンを非力にして。その間に関係を迫ろうとする作戦?」

 

 全員が空いた口が塞がらなかった。この人は唐突にとんでもない事を言い出すからペースを握れないのよ。

 

「成る程、考えたもんだにゃ。けど君は攻めより受けの方が喜ばれそうにゃ」

 

「よ、喜ばれ・・・・私、シオンに喜んで、もらえるの?」

 

「はいはい、経験無しを弄らないの」

 

「ちょ、ちょっと紫乃さん!なんか不潔な事を言い出してるのを注意とかしないんですか?」

 

「別に、強いて言えば【お婆ちゃん】とか呼ばれるのが早まるかもしれないのが複雑よ」

 

 不味い、やっぱりペースを完全に握られた。幾らなんでもお婆ちゃんと呼ばれる事については上手く対応出来ない、流石に私達より辛うじて年上な外見してる人がお婆ちゃん呼ばわりは気の毒よね。

 

 そもそも私達は何をしに来たか・・・・シオン君の記憶を戻してリアス・グレモリーに関わり出した辺りからの謎を解きたいけど。

 

「けど、私は孫の顔を見たいけど・・・・【産めなければどうなるかわかってる】?」

 

「お、お母さん!!」

 

 ロスヴァイセさんの悲鳴が響いた。何事かと思ったけど、心底青ざめてるわ。そして、私達は引き寄せられるように紫乃さんの目を見たら空気が一変していた。

 

「ふ~ん、貴女は知ったのね。流産を何度も経験した身として冷戦状態の時に身籠ったら大変だって事を聞かせてあげようとしたら、言ってみるものねえ?」

 

 言葉が無かった。知らなかったメンバーにも説明はしたけど、言った事を経験した人が只者では無いから接触には注意したつもりだったけど、本人と周りの状況は想像がまるで理解が追いつかない。だからこそ、一旦は町から離れたにしても向こうから来られる可能性を考えない私が浅はかだったわ。

 

「じゃあ、母親として全員に厳命をしてあげるわね、詩音と子作りしても別に構わない、この後に何をするか知らないけど、最低でも記憶が戻った詩音をギャスパー君と会わせる事。意図は自分で考えなさい、良いわね?」

 

 全員が気圧されて震えながら【はい】と返事をした。確信せざるを得ない・・・・黒歌さんの言うように柴乃さんは実力の方は【大ママ王様】だった・・・・シスターやロイガンさんにビナーさんと、共闘経験ある人が全員いてくれても全然勝てる気がしないとしたら紫乃さんは消えていたわ、緊張が弛んだ瞬間。

 

「あ、ああ・・・・」

 

 イザベラさんが真っ先に温泉から上がったと思ったら、全員が自分の身体の異変を感じたわね、何とか温泉の中では避けられた。黒歌さんですらそうだった。

 

 7人揃って腰が抜ける寸前だから、跪いたり崩れ落ちたりで、水の入ったコップが倒れて中身がこぼれるイメージが出る行為をした。

 

「あ、ははは・・・・白音も皆も怖かったにゃ?大丈夫大丈夫。戦場では良くあるんだから」

 

 黒歌さんの慰めがありがたかった。けどやっぱり恥ずかしい私達は泣きながら後始末を終えて、一旦は部屋に戻るしかなかった。




 真面目な話、戦場では良くある事。イザベラは他より思い知らされてるから反応が早かったのが他の救いになりました。
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