それはいつもの部室。
表向きの活動はさておき、シオンがまだ来ていない時に敢えて言うべき事が姫島朱乃から発せられた。
「リアス?最近、シオン君は何か微妙な表情をしてるけど・・・・貴女、また何かやったの?」
「な、何でそうなるのっ!?」
「「「「・・・・・・・・」」」」
朱乃、佑斗、小猫、アーシアからの目は平静になるよう勤めた目であった。リアスは経緯が経緯とは言え、自分の兵士となったシオン・アネガザキに執着・依存するが余り学園生活においても短期間で数々の不祥事を起こしている実績がある。
「わ、わかっているわ・・・・私がどれだけシオンにも貴方達にも迷惑掛けたか・・・・だけど・・・・いえ、ちょっと待って・・・・まさか、アレ?いえアレかしら?」
心当たり過多なのを漏らしてしまったその時である。
「え?移送の魔方陣・・・・この類いだと冥界から誰か・・・・」
「ご機嫌よう、リアス・グレモリー様?」
「あ、貴女は・・・・確か、フェニックス家の?」
「はい、レイヴェル・フェニックスですわ、此方はわたくし同様に兄の眷属イザベラ・・・・本日はお供をお願いしています」
「・・・・」
軽く会釈をするイザベラの目はどこか厳しかった。
「それで、本日はどのような用件で?」
「はい・・・・『赤龍帝』の事で」
「・・・・っ、シオンの事は話す気は無いわよ?」
「承知しています。冥界でも注目されてますから」
リアスの眷属達とアーシアからも複雑な目が向けられた。
『注目』
そう、赤龍帝を眷属としてしまった。
これだけで各勢力から目を付けられるだろう説明不要な存在・・・・まして、リアスの評価は一部を除き、到底それが可能と見てはもらえないレベルだ・・・・但し、自分達が自覚は無いが、リアスの眷属である者達と保護された人間であるアーシアも含めて他から見れば羨む程に稀少な能力を持つメンバーであり、そんな者達を集められるリアスは、それだけで反則的な資質を持っているのだが。
そして、リアスは言わない。
経緯を語らない事であらぬ噂も飛び交っている。
先日のビナー・レスザン。リアスの義姉であるグレイフィアの双子の妹であり、調べられただけでグレイフィアに匹敵すると考えた方が良い=魔王級の強者ではあるが話がわかる者のようならまだしも、それなりの者が乗り込んで来たら、自分に全責任を押し付けるようにまで言う程だ。
「とにかく、本題はそこではありません・・・・」
「部長?先程、何か魔・・・・っ!ら、来客・・・・ですか」
「・・・・っ!・・・・あら、シオン様?ご機嫌麗しゅうございます」
一瞬、狼狽えたようだが、直ぐ様に平静を取り戻して立場上の対応をしたレイヴェルに注目が集まる。
「え?知り合い・・・・なの・・・・っ、ああ、シオンはフェニックス家も知ってると聞いたわ」
「はい・・・・あれ、は?」
レイヴェルは話した。兄ライザーとその眷属が?敵の在り方等の詳しい事は機密扱いなのではぐれの討伐と伏せつつ・・・・それの討伐に出向いた時、分断されてリアスのように想定外の強さの前に壊滅状態に追い詰められた時にシオンに助けられ、王であるライザーが敵の中にいたドラゴンに敗れ、その後にドラゴン恐怖症を発症、何故かシオンが連れ出して帰ってきたら立ち直ってた事、その後に比較的真摯になった事を。
特にライザーの次に追い詰められたところを助けられた自分とイザベラがその縁で度々交流があった事をだ。
「シオン君、思った以上に顔が広いんですわねえ・・・・」
「仕事上の事です。それで、レイヴェル様?本日はどのような用件で人間界にいらしたのですか?」
「じ、実は大事な用件があり・・・・先ずは、リアス・グレモリー様に・・・・お話があるので、まあ出来れば他の方々には?」
「?わかりました。では、自分は一旦失礼を」
「へ?」
他には、と言う辺りで出来れば内密と判断したのか事も無げに退室しようとするシオンに虚を突かれたとばかりに間の抜けた声を出すレイヴェル・・・・だが?
「待て!」
一方の顔半分の仮面の女戦士は大声で引き留めるが?
「何です?」
「え?いや・・・・その、だな?私と、しては・・・・でな?」
シオンに向き合った途端にしどろもどろになり、何とも言えない空気になる。そこで話を進めるべく、この場で一番?社交的な木場佑斗は一計を案じた。
「あの、イザベラさんでしたか?何か複雑そうだから、先ずはレイヴェル様からお話を伺うので、終わるまで貴女はシオン君と外でお話でもしていたらどうです久し振りに会ったようですし?」
「む、そ・・・・させて、もら・・・・う!さ、さあシオン?」
「わ、わかりました・・・・」
何やら珍妙な流れになった。レイヴェルとしてはリアスの騎士に何か言いたそうだが、イザベラに対しても思うところはあるので提案通りにした。
言うまでも無いが、フェニックス編だとしても相手はライザーではなかったが、フェニックス家のが来た事は来た。