「まあ、私とて女ですからね・・・・少年とは言え殿方の身体には興味やら好奇心くらいありますよ・・・・しかし、借り物は大事にしないといけません。だから、ちょっとは、らしくしなければならないのでね・・・・」
そう言いながら、イングヴィルドさんの用意した。鯛のあらを使った味噌汁にマグロの中落ちをユッケ風にしたものの丼を主体にしたメニューを次々と平らげてるわね、例の悪魔を調査しようったってシオン君の身体は例のドラゴンアップルで何とかなってるけど、生き物の基準からしたら完全に栄養不足なの迄コピーしたらしくて食事が必要らしくてこうなってる。
「早く・・・・自分の身体に戻って・・・・っ」
「駄目です。得た情報のコピーでも私がシオン君の身体を体感すれば現状より安全な解決法が更にピンと来るかもでしょう、それにビナー・レスザンが不在と見せ掛けた方が都合良いから我慢なさい」
尤もな言い方に悔し気にするイングヴィルドさんだけど、私は違う悔しさを感じてた。お相伴に預かってるけど、どれも紫乃お母さんを思い出す味、シオン君の料理を1年食べてただけあって基本を理解している。
「しかし、身体に染みる味ね。ベルフェゴール家のから遊学中に食事は好きなようにしてた私からしても、これを毎日食べたり作ってもらったなんて羨ましいわ」
「セラフォルー様のお相伴がキッカケ・・・・」
「おや、シオン君と二人で食べてたかったようね。駄目よ、都合良すぎな家主には敬意を払わないとね。そもそも便宜図ってもらった場で暮らしてたんでしょ」
そう言えば新旧の体制におけるレヴィアタンになるのよね。イングヴィルドさんは半分は人間でも旧魔王派の崇める血筋・・・・例の自己陶酔組の存在で戸惑ったし、何より本人が無関心だから気にしてなかったけど。
「しかし、私からしても上手くやっていたものだにゃ。混血とか含めても新旧と言うか実力と血筋においてのレヴィアタンがみたとこ仲良くやってましたなんて冥界に大激震が走る事よ、君の親が生きてたらどう思うのかにゃ?」
「姉様っ!」
【親が生きてたら】
それは避けてた話題なんだけど、不用意極まる黒歌さんはどうも悪意が無い、何か敢えてデリカシー無しで言ったようね。その内にイングヴィルドさんが口を開いた。
「私の両親は普通の人間として過ごしていた。私が魔王の血筋とは知らない」
「え、じゃあ何で最初に人間とレヴィアタンの悪魔の間に生まれたって言ったのよ!?」
「そう言う必要あるの、私の住んでた辺りは私のせいで滅んだ」
理解出来ない、何かあるのはわかるけど。
「・・・・『隔世遺伝』ですか」
【隔世遺伝】
それって、確か親じゃなくて祖父とか以前の遺伝の影響よね。悪魔とかなら数百年越しなんか珍しくない。
「以前に似たような事があったから両親は知らないとか言い出した時点でわかりました。平たく言えば先祖返りの域ですね、それこそレヴィアタンの始祖にまで遡る悪魔が例えば人間界に遊びに来た時に人間と交わった子供が貴女の子孫、しかし貴女はそれを今みたいに必要時と判断する場になる迄は言わなかった」
「うん、セラフォルー様は言った。私だけじゃなくて旧魔王の血筋がもしも潜んでいるなんて知れたら人間界で言う【魔女狩り】なんて比較にならない事態が起きる。だから自分で言うべきと判断するまで無難な物言いしなさいって言われたの。現に眠りの病に掛かる数年前に、私が表面化させた力が原因で旧魔王を先祖に持つ女とバレたらしくて住んでた場所からかなりの範囲にいた人々は皆殺しにされた。下手人達は私が殺して、気付いたら百年の眠りについてたの」
全員が言葉も無かった。京都で九重さんに見せた・・・・何故か私に迄見えてた光景は実体験なのね。
「ふむ、嘘つきの罰は堪忍するべきですね。必須級です。それっぽい理由で殲滅OKなんて広まったらキリがありません、イリナさんはどうです?」
「物騒言わなくて良いです。声を粗げた私がアホだっただけですから」
「では、今後ですが。私が出向くと手間ですのでこの辺りて細かい事をやってるから、全権は学園で保険医しながら待機なロイガンさんに委任します。イリナさんが実行部隊のリーダーやりながら調査開始でどうです?」
「え、私・・・・な、何で・・・・私は」
「他が細かい事考えられるメンバーじゃないからでしょう」
格好悪い。それしか思えない・・・・としてた私への指名理由にガクッて来た。ワケありばかりの中で私が無難ってのは最初から思ってた事、ビナーさんが動かないのはやっぱりリゼヴィムの方に警戒されない為ね、話通りならビナーさんはリゼヴィムの攻略法に心当たりがあるハズだし。
で?
「此処がシオンのお師匠様の住む辺りの手前の駅か、静かな田舎とやらを形にした見本のようだな」
「うん、イザベラさん達は初めてだけどシオン君を連れて来ないのなら危険は無いみたいね、やっぱりビナーさんの言った事は当たりね」
「おい、イリナ。お前にしては元気無いな」
「ゼノヴィア、何が言いたいのよ・・・・紫乃さんの幻影を初見で唯一見破ってたような貴女がリーダーに相応しいと思うんだけど」
「私にはクルゼレイを倒すような事は出来ん、何度も言うが選んだのは私達だ。紫乃さんとビナーさんには戦う以前の問題だったから責任は問わんさ」
「そうですよ、私達ではいじけてオーディン様とかの上司や職場への愚痴を漏らしてるのがヲチだったんです」
「と言うより気になる事があるけど、そもそも何でビナーは白音を送らなかったのかにゃ?リアスを信じられるかが合宿最終課題なら、眷属でしごかれてた側の白音は送る側のハズ」
「私が・・・・立ち向かえなかったからだと」
「嗚呼、けど立ち向かったとこでその気になられたら勝てにゃいし、イリナちんだって逃げるの無理と判断したから会うの選んだ。私達は所詮は下っ端よ、下っ端根性が染み着くのも問題だけど、弱いって事がどういう事かわからないのも問題よ・・・・幸い赤龍帝君はまだどうなるか未定なんだから足掻くのよ、下っ端や弱っちいのらしく足掻くの!だからイリナちん以外も元気出しなさい!イリナちんは何か便利アイテム沢山頂いてるようだけど、何か無いの?ビナーを懲らしめちゃうくらいのとか!」
「そ、それはビナーさんを無力化出来るかもなのはあるけど、問題はやるとしたらやっぱりその後にシオン君をお腹の中から奪い返したいけど、どう取り出すかよ」
「デュランダルで斬るような手段ではなく開腹手術とやらで胃を取り出すしかないか?」
「いえ、下手にそれっぽく刺激したら何かありそうね。ここは自然排出が一番じゃにゃい?」
「そ、そんなの魔力で固定とかされてるから無理よ・・・・」
イングヴィルドさんの突っ込みは尤もね、そもそも自然に出ちゃうようなら飲み込んだりしない。
「で、ではその類い促す薬を飲ませて・・・・わ、わたすったら何て下品さ、だあ・・・・」
「だ、だが悪魔にそんなのは効かんぞ!冥界育ちな私に言わせればビナーさんには到底に無理だ」
「とにゃると・・・・ビナーを何とか無力化したとこに【浣腸】ね!」
「か、浣腸・・・・ですか?」
「そうよ、浣腸よ!」
「昔、重要アイテム飲み込んだ主人公にそれをやろうとする・・・・原作漫画じゃ本当にやった映画あったわね。ハイレグの魔王」
「・・・・どのみち最低です」
小猫ちゃんに言われて確かに最低ってしたけど、何か気が楽になった。そうよね、どんな理由あるにせよ意地悪な事をした落とし前つけてやるわ!私らしくビナーさんはいずれ懲らしめてやるわ!
「ところで、お土産も無しは悪いから何か買っていきましょう。あの古風な雑貨店らしき場に行きましょう」
ロスヴァイセさんが見つけたのは昔ながらの駄菓子屋とか小さな売店みたいな場だわ、確かに手ぶらじゃ悪いし。
「あ、ラムネ」
「おや、最近は瓶の問題で品薄らしいのに嬉しいにゃ。買って買って♪♪」
詳しいわね・・・・それに、私も元気出したいし懐かしいしで丁度良いわ。人数分買ってビー玉の懐かしい感触楽しみながら飲み干した時。
『こ、これは・・・・【武者の300円シリーズ】ですよ!初めて作る人にお奨めの翼持ち【ダンガム】500円キットまで!』
あれ、何か私達より少し上くらいなのが店の中の玩具コーナーで何か声を荒げて・・・・ってアレは!
「ちょ、ちょっとこれは私が幼稚園の頃に作ったプラモじゃない!パーツを少し組み替えるだけで三兄弟の誰にでもなれる初心者お奨め!まさか、こんなお宝が!」
「む、話がわかりますね」
「あ、これは私が・・・・っ!」
「な、何を言いますかっ!初心に帰る為の素晴らしい巡り合い小宇宙を!」
私達はお互いに箱を壊さないように一箱を譲るまいとしてた!これは私の思い出の!
「お、おい【イリナ】・・・・」
「む、イリナ・・・・【イリナ】とは・・・・っ、その容姿と気配は・・・・貴女があのクルゼレイ・アスモデウスを倒してお縄にした人間ですか!?」
い、いきなり何よこの人間では珍しい色で長い髪や眼鏡の女性?後ろから来た皆に目を向けたら、小猫ちゃんを見てハッとなった。
「おや、貴女は・・・・確かリアスの、聞いてると思いますが私がリアスの管轄地を引き継ぐ事になりましてね」
「あ、貴女は【シーグヴァイラ・アガレス】様ですね?」
確か、冥界の太公家である【アガレス家】の事よね、しかし何やらプラモから目を離せないで譲り合えない私は皆から珍妙な目を向けられたけど構うもんですか!これはシオン君と一緒に作った始めてのキットなのよ!記憶戻すのに役立つかもしれないわよ!
シーグヴァイラさんはサーゼクスの言うように管轄を引き継ぐ為に来てます。