ハイスクールD×D 見初められし『赤』   作:くまたいよう

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 ご察しなプラモが切っ掛けなイリナとシーグヴァイラの決着回にして、イリナ視点な章が一先ず終了回。



受け入れ合う者達

 プラモ争奪戦は後にして、事情を聞いたら私達とシーグヴァイラさんは目的地が同じだったわ、やっぱりくみお婆ちゃんは悪魔からも一目置かれてたようね、何もかもが唐突なので着いてからは言葉より勝負の流れになった。

 

 お互い、何か割り切れないし打ち明けられないものがあるし!

 

 ビナーさんに言われた時はピンと来なかったけど、私はクルゼレイを倒した人間として一目置かれてたのは事実だったわね、妙にシーグヴァイラさんに意識されていた。

 

 和風の家の中庭に設置された場、縁の下に正座して立ち会うくみお婆ちゃんな図で向き合った。

 

「最近、思うのです・・・・分かり合うのは、戦いをせずに済むようになれるサインではないのだと」

 

「そうよ、寧ろ分かり合ったからこそ戦う理由がある。これもその内よ!」

 

「では、私が立会人になりましょう。思う存分にお二方の選んだ戦いをしなさい・・・・始め!」

 

 光輝く刃が振るわれて、私達は自分の望みを叶えるべく、ただ無心で・・・・『斬る』!

 

「むう、イリナめ・・・・両腕の感覚が戻ったばかりとは思えぬ刃の冴えだ」

 

「ひたすら無になるしかありません、それがお二人の勝利条件の一つ目」

 

 私とシーグヴァイラさんは、くみお婆ちゃんに渡された刃物を使ってただひたすら・・・・ひたすらに。

 

『まな板の上の【初カツオ】を捌いていた』

 

 プラモの所有権を後回しにしせざるを得ない話題、シーグヴァイラさんがソーナさんと共にリアス・グレモリーから管轄者としての地位を引き継ぐから下見に来た時、くみお婆ちゃんの元を訪ねる事でも鉢合わせたと説明されて一緒に来た。

 

 お婆ちゃんとの接触から今後についての主導権について両腕の感覚戻ったばかりな私との勝負は公平さを求めた結果として、お婆ちゃんの貰い物である【初夏の味覚】初カツオを使ったお料理になった。

 

 けど、シーグヴァイラさんも開いたカツオのお腹から内臓を取り出した後に洗う際、真水じゃなくて塩水を使う基本を心得てるから有利な点は今のところ無い。

 

 そして、調理台でカツオを三枚下ろしにした時。向き合う形になる私達の間に公正にすべく魔力の壁が出された。

 

「これからが勝負ですわね、初心者にしては上手く三枚下ろしにしたけど、後が問題ですから・・・・」

 

「【皮】・・・・ですね」

 

 イングヴィルドさんの呟きが聞こえた。確かに【皮】をどうするかよ!藁とかで炙ってタタキにするのが定番な理由は皮!カツオも皮が美味しい魚・・・・だからどうするにせよ、皮を使わない選択肢は無いわ。

 

 けど、私達は壁が出来るまで時折にお互い時折見てた。タタキ以外でやるにしても皮を上手に引けるくらいの技術が無い、身を崩したら後に響くから、だからタタキにしようったってそっちを上手くやる技術も不安・・・・どうすれば良い?

 

 仕方ないけど、私なりの策を使うしか無いとして決断をした!イングヴィルドさんに対抗意識持っちゃってるのは否定しないけど、私は紫乃さんの料理を直接食べた回数なら上だから基本を理解してないワケじゃないわ!

 

 

 

 そして、審判の時・・・・昔風の畳が敷かれた場に丸い木のテーブルと如何にも和風な場に全員が揃ってた。

 

 

 

「久し振りに大勢が訪ねて来てくれた日の初日に若い娘の勝負の味とは胸が踊ります。では料理を出して下さい」

 

「「はいっ!」」

 

 人数分を並べたわ!くみお婆ちゃんは白いご飯と軽いサラダ、それと私達の捌いたカツオのあらを使ったけんちん汁を用意していた・・・・予めパッドを用意して、あらを入れとくように言われた理由がわかった。やっぱり汁物とご飯とかは鉄板よね。

 

「では、シーグヴァイラさんのは・・・・揚げ物ですか?」

 

「えぇ、技術があっても普通にタタキから刺身は日本食の初心者も多い方々には相応しくないので此方が正解かと」

 

 正しくな結論、見てわかるように揚げ物にしてあるカツオを食べた。

 

「これは、タタキにして生姜醤油主体な下味を付けた後に竜田揚げにしたもの!」

 

「白音は私より詳しいわね、しかしこれ。ご飯に合うわ!」

 

「ああ、冥界の魚をストレートに塩焼きにしたのも美味いがこれは良い!」

 

 くぅ、確かに揚げ物は肉が定番だけど。魚類でやるとさっぱりしつつ複雑な旨味が活きた風味になる!相性の良いマヨネーズを添えてあるのも心得てるわね。悔しいけど、私は揚げ物は未経験だから避けた。自分なりのやり方を信じるしかない。

 

「では、イリナさんのは・・・・」

 

「おい、イリナ。何だこれは?」

 

「【餃子】と【皮の炭火焼き使った野菜巻き】よ」

 

「タレに漬けて炭火焼きにした皮をネギや歯ごたえのある野菜類に巻いて楊枝を刺したもの・・・・これは皮と皮下脂肪の香ばしい美味しさが直接味わえますね、北欧にいた時に日本料理は単調なのが逆に利点と聞きましたが、納得の味です!」

 

「これ、中身は・・・・」

 

「やっぱり、イングヴィルドさんにはわかるのね。紫乃さんに昔ご馳走になった叩いた白身魚を主体にした具を包んだ餃子の応用、味付けは酢醤油に辛子がお勧めよ!」

 

「なる程、オツな味・・・・叩いたカツオの身に香味野菜を加えて練った具、噛むと芳香に富む風味が口の中に広がりますね、敵ながら見事!」

 

「敢えて手を加える類いな味、それに紫乃さんと基本が似てます・・・・」

 

 それから暫くは食べ終わるまで食事。料理した私達もだけど、全員が良くおかわりする。これはどうなるかだけど?

 

「御馳走様です。二人共、お見事でした。それでは、美味しかったカツオのお料理の器を・・・・あら?」

 

 私達は、思わずくみお婆ちゃんの作ったカツオのあら入りけんちん汁の入ってたお椀を出した。悔しいけど下処理からして完璧で、私達のとは基本の出来が違った。それに脂が多くなったからサラダ類と白いご飯が嬉し過ぎたし。

 

「では、勝者として言わせて頂きます。何やら今後について話してましたが、其方は仲良くやる路線を取りなさい。そして、このプラモは私が頂きますわね。私も一度やってみようと思ってましたの」

 

「「受け入れます」」

 

 正に痛み分け。若さや力だけじゃ真なる革新者にはなり得ない、真っ当に大人になった人こそが新しいタイプなのだと理解したわ、プラモの始まりシリーズで人徳だけじゃなくて実は最初に戦艦を地上でバレルロールさせてたりなせいかアンソロでは隠しじゃないラスボスの攻撃を回避する操舵手みたいに。

 

 そして、その日はお泊まりをする事になったけど。大きめな客用の部屋でシーグヴァイラさんの説明を全員で聞く事になった。普通の修学旅行みたいな図になってるから少し気が楽かも。

 

「簡単に言うと、私は説明したようにソーナと共にリアスの管轄地を引き継ぐようサーゼクス様に言い渡されましたが、やはり唐突でした。どう考えているか、本当にリアスを勘当する程に見限ったかは不明ですが、母であるヴェネラナ様からの指示があったようです」

 

 顔を強張らせざるを得ないわね、ヴェネラナ様はシオン君の命を救ってくれたけど記憶を消すように誘導した。けど、そうまでした意味はまだわかってない。

 

「まあ、私に言わせたら・・・・赤龍帝君を眷属にした事も問題ですが、イングヴィルドさんでしたね・・・・貴女が赤龍帝君と最低3ケ月も同棲していた事は更に問題ですよ。魔王と人間の混血な身の上を含めて、リアスは結局は眷属にした者の事を把握してなかったのですからね」

 

「あの女の事は良い・・・・けど、何でゴシップ記事に載ったの?」

 

「捕虜にした旧魔王派を始めとしたテロリストの証言が漏れたか・・・・その時の戦いを遠目に見ていた者がいるか、少なくともセラフォルー様の厳命が正しければリゼヴィムの仕業なのかもですが、冥界はどう動くか未だに決めかねてるようです」

 

 お互いに上手く言い切れないわね、まだ全部打ち明けられないし。しかし、上手くやらないといけないわね。ハッキリ言って冥界の事情に詳しい名家の存在と手を組めば心強い。

 

 ビナーさんや姉ヶ崎家の事について慎重になりつつ、一先ずは煮え切らない事を込みで受け入れ合えた私達の人間界での付き合いが始まったわ。




 次回、舞台はリアス視点になります。

 はてさてどうするかにせよ、何か料理絡みが恐ろしく頭に浮かんじゃう私の珍妙な癖全開な回でした。

 カツオみたいな魚は初心者に食べてもらうにはやはりタタキより手を加えた料理が良い。
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