「勘弁してよ・・・・」
桐生さんが漸く一言発した。
ひどすぎる内容だったわ、セラフォルー様の見立てではシオンは生まれた時から、いえ。胎児の段階で赤龍帝や生来の力を溢れさせ、それが母親である紫乃さんの身体に影響を与えていた。それで魔力的な繋がり出来て、そのままなら何事も無かったかもしれないけど、小学生になったばかりなシオンが赤龍帝の力を発現させて、とにかく敵を倒しまくったらしいの。それで徐々に紫乃さんの身体の中で余韻が不発弾のようになっていて、シオンが力を使い続けたせいで・・・・ある日爆発した。
その後にシオンが必死に思い返して理解した状況が多少の違いはあるけど私に酷似しているらしい、不用意に身体の中に溜め込んだ負荷がもう爆発寸前な段階。
しかも、紫乃さんでわかったけど。シオンがセラフォルー様に貰っていたフェニックス家の涙は私に使っては駄目。回復系な神器はあるにはあるらしいけど、それも駄目。
一気に回復させては駄目な状態だって。
回復と言うのは生命活動を促進させるけど、急激に違う存在に作り変える状態の時にやったら駄目。
私は少ししたら身体がボロボロになって回復とリハビリに苦労するくらい【破壊】された身体になる。人間界より魔力の影響がある冥界の空気に当てる訳にはいかないと結論が出たわ。
そして、桐生さんが言う勘弁してな理由はそうなるまでも理由がひどすぎたから。
【炙り出された】
セラフォルー様が言うには、元を正せば何代か前の赤龍帝に遡る。
【おっぱいドラゴン、兵藤一誠】
強いけど、スケベ。とにかくスケベな人で名物男だった。セラフォルー様は最初はシオンがそういうのないか期待していたらしいけど無かったのは別に良い、肝心なのはセラフォルー様がシオンを無理矢理にでも手元に引き込もうとした理由。
【透過】
密かに生存を疑われたリゼヴィムという正当なルシファーが持つ神器無効化をすり抜けが出来る力を受け継いでるかもしれないから。
何故、セラフォルー様がシオンを見つけられたかな理由。
現代の赤龍帝の居場所は占いから予言迄手を尽くしてリゼヴィムを慕う旧魔王派はある程度絞り出したけど、遠目に見ているだけではわからないので、シオンの幼稚園時代の同級生がトラウマにしている幼稚園の兎を惨殺して教室にばら撒いた事件を起こした可能性もあるらしい。それもリゼヴィムがやりそうな事だと。
それが原因か不明だけど、ついにシオンが赤龍帝の力を発現させてセラフォルー様が速攻でスカウトに行けたけど。
「あの、幾ら何でも小学生を力付くで連れ帰ろうとして血塗れにしたってのはドン引きよ。レヴィアタンと間違えて暴走したイングヴィルドが可愛く見えて来たわ、姉ヶ崎に心臓ぶち抜かれても文句言えないわ」
「いや、私が下手したら殺されてた力は神器関係無しな【水】あってな力なんだよ。それもリゼヴィムには有効だから冥界と違って水が豊富な人間界に置いた方が良い。それに、私だってシオン君のお母さんには感謝しないといけないし、お母さんが女の子にやりすぎるなって教えてなければ殺されてたんだから、いやソレのキッカケはシオン君に脳天ダンクしたイリナって娘な話だから、その娘になのかなあ?」
「ま、この場にいない娘はさておき。姉ヶ崎はまだ庇護下にいるべきね。ハッキリ言うけど、私の知識な言い方で戦士としては失格よ。お母さんの事があるにしても、せめて私を帰してから言うべき内容よ」
「おお、気まずそうにしてるシオン君も可愛いけど、桐生藍華ちゃんは益々気に入った。私が色々報酬あげるからシオン君の学生生活サポートしてくれない?」
確かにな内容で桐生さんは了解した。シオンはサポートがいないと危ないかもしれない。
「じゃあ、イングヴィルドちゃん。私は桐生藍華ちゃんを自宅に送りつつ便宜図るからシオン君に世話になってなよ。落ち着いたら色々話そうね」
セラフォルー様は言葉通り退散した。けど?
「ね、ねえ‥‥アナタ、何者?」
「聞いた流れな赤龍帝だろ」
『そういう話じゃねえよ相棒』
左腕が変化して籠手になった。表に出て説明してくれたのが【赤龍帝ドライグ】ね。私の疑念をなぞるように解説してくれたわ、龍を無力化して使役する力、眠りの病が出るまでどれだけ龍を好きにしたかわからないわ。けど、シオンには私の力が全く通用しなかった。ドライグにも影響が無いくらいに。実はシオンには幻惑や精神攻撃系が全然通用しないんだけど、流石に私の神滅具も通用しないのには改めて驚いたようね。
「不気味に思ってくれて良いけど、お前は絶対に不用意に動くなよ。そうしないと‥‥どうかしたか?」
「わかってる。私、言う事聞くから」
シオン、泣いてる‥‥やっぱり、お母さん思い出したみたい。私は少し違うけど、嫌な事を思い出させた。私は言う事聞いてあげるの。とにかく私が何故この辺り歩いてたか調べられるまでだけど‥‥【ぐぅうう〜〜】‥‥台無しだった。そう言えば、百年眠ってたのよね。
「ああ、ちょっと待ってろ」
出してくれたのは、この国のスープらしい。白い泡が浮いてるけど、何か良い匂いで手で持つ器、お椀っていうのに盛ってある。飲んでみたら、ふわふわして優しい甘さで‥‥な、何これ?
「【呉汁】って言うんだ。水に浸した大豆をすり潰して味噌汁に入れた。お代わりいるか?」
もらって、もう一杯。寝た切りだったからお腹空いてたのはともかく、いきなり沢山食べると身体に悪いからって用意してくれたの‥‥何だろ、私。泣いてる‥‥私、こういうの‥‥こういう、の‥‥っ!?
「忘れたのか‥‥」
「うん、私。住んでた場所、海の辺りだったくらいしか思い出せない‥‥こういうの飲んでたか、良くわからない‥‥」
泣き出した私、けど何でだろ。恥ずかしいけど寂しくなかった。ごめんなさいシオン、会えて良かった。アナタなら私は寂しくないってわかった。
身体に優しい一杯と‥‥な引き。